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速報・現地リポート

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世界選手権ドルトムント大会(団体戦)

 昨日の最終試合、男子決勝トーナメント1回戦。スウェーデンがパーソンを3番に起用するオーダーで、ポルトガルに3-0で快勝。04年大会以来のベスト8入り。2番のイェレルとフレイタスのサウスポー同士の打ち合いは見応えがあった。ポルトガルはエース・アポローニャの負傷離脱が惜しまれる。

 オーストリアはポーランドを3-1で破った。下写真右は愛息のニック君に祝福されるシュラガー。パパは3番で敗れてしまったが、準々決勝では勝利をプレゼントできるだろうか。
 今日は朝から霧雨が降っているドルトムント。降っているというより舞っているという感じで、肌寒い。
 朝10時から日本男子がシンガポールと激突する。アジア選手権ではトップ丹羽がガオ・ニンを3-1で破り、シンガポールに3-0で完勝した。その再現を狙いたい。

[男女準々決勝の組み合わせ&タイムテーブル]

10:00~(日本時間17:00~) 
★日本 vs. シンガポール
☆中国 vs. ポーランド

13:00~(日本時間20:00~)
☆オランダ vs. 香港
☆日本 vs. 韓国

16:00~(日本時間23:00~) 
★中国 vs. オーストリア
★ドイツ vs. スウェーデン

19:00~(日本時間26:00~)
★チャイニーズタイペイ vs. 韓国
☆ドイツ vs. シンガポール

★=男子団体・☆=女子団体
 女子決勝トーナメント1回戦、地元ドイツが観衆の大声援の中、北朝鮮を3-1で破り、男子チームに続いてベスト8進出を決めた。
 トップの第4ゲーム、イヴァンカン10-9のマッチポイントからキム・ジョンのドライブがオーバーすると、観衆は総立ちでスタンディングオベーション。2番の第4ゲーム、呉佳多11-10のマッチポイントで呉佳多がバックドライブを決めると、またまたスタンディングオベーション。次第に観衆も熱を帯び始めた。

 ドイツは3番でジルベライゼンがカットのリ・ミョンスンに敗れたが、4番で呉佳多がキム・ジョンを破り、きっちりチームの勝利を決めた。ドイツは明日の準々決勝でシンガポールと対戦。厳しい相手だが、ノーチャンスではない。カットのイヴァンカンをどう起用してくるかが見ものだ。

下写真:左からドイツ女子チーム、呉佳多、イヴァンカン
 3月29日にITTF(国際卓球連盟)の役員会でセルロイドボールに替わるプラスチックボールを2014年7月1日から採用することを決めた。当初は今年のロンドン五輪の後から試験的に採用することが決まっていたが、卓球メーカーの開発と製造が遅れており、2013年まで1年間延期になっていたが、さらに製造が間に合わずに、十分な供給ができないということで、2014年7月1日、同年東京で開催される世界選手権の後に採用されることになった。
 日本男子チームの準々決勝の対戦相手は、シンガポールに決定した。ベラルーシを3-1で下した。

 シンガポールはエースのガオ・ニンが強い。ベラルーシ戦2番で、猛烈に切れたチチェチニンのカットに苦しみながら、第5ゲームはその変化を見切って11-3で勝利。そして4番でのサムソノフとのエース対決では、サムソノフを上回る攻守の安定性を見せた。派手なガッツポーズは見せず、確実なストップレシーブと回転量の多い両ハンドドライブで、冷静に戦術を遂行していく。
 この試合でシンガポールは2番手のヤン・ツーを3番手に下げ、3番手のパン・シュエジエを2点起用。パンが2点落とすのは覚悟の上、というオーダーで臨んでいる。それだけガオ・ニンは信頼されているということだ。

 日本男子は今日は練習したい選手は練習、休養に当てたい選手は休養、というフリーの一日。明日の準々決勝は朝10時(日本時間17時)と早い試合開始。今夜はゆっくり休んでほしい。

下写真:ベラルーシから2点を奪ったガオ・ニン、ブツ切りカットで会場を沸かせたチチェチニン、4番のエース対決に敗れたサムソノフ
 女子チャンピオンシップディビジョンの決勝トーナメント(1~12位決定戦)1回戦、ポーランド対ルーマニアはラストへもつれ込む熱戦。5番ラストで、グルジボウスカ(ポーランド)が右膝を故障しているサマラ(ルーマニア)に完勝し、チームを準々決勝へ導いた。

 日本戦では平野を最後まで苦しめたグルジボウスカ。身体能力の高さ、両ハンドのドライブの威力、ボディバランスの良さは際立っている。ヨーロッパでは数少ない有望な若手だが、さらに上のステージに行けるかどうか。中国の甲Bリーグ(超級リーグのひとつ下のリーグ)などで腕を磨けば面白いが、協会の予算も限られているだろう。2年後の東京大会ではヨーロッパのトップクラスに成長した姿を見たい。

 ちなみにポーランドもルーマニアも、ヨーロッパでは美人の多い国として有名。グルジボウスカもご覧のとおりの美貌(下写真左)。かたやルーマニアの代表は、やはりこの人、スッチ(下写真右)。予選リーグの中国戦ではトップで丁寧から1ゲームを奪った。
 先ほど女子決勝トーナメント1回戦の2試合が終わり、韓国対ハンガリーの一戦は3-0で韓国が制した。前回のモスクワ大会に続く、準々決勝での韓国との対戦。前全日本女子チーム監督の近藤欽司氏に、ここまでの日本女子チームの戦いぶりと、今後の展望を聞いた。

 「今の日本女子チームは福原が軸になって、チームを引っ張ってくれていますね。非常にプレーが安定していて、見ていても安心感がある。そして平野がムードメーカーとなり、出足では緊張している様子だった石川もその雰囲気に乗って、徐々に調子が上がってきた。サービスからの3球目攻撃など、長所が出せるようになっている

 福原は全日本女王となって、ひとつ肩の荷が下りたというか、さらに自信がついてきた感じがする。フォアハンドのバックスイングでひじをリラックスして使えるようになり、スイングのスピードが上がりました。以前は全体的にスイングに力が入っていた。フォアの攻撃力が上がったことで、バックハンドとの連携もさらに良くなっています。

 準々決勝で韓国と当たるのは厳しい組み合わせですが、ここまできたらどのチームと当たるかというより、自分たちがどのように戦うかが大事でしょう。対韓国ではやはりカット対策が重要で、金璟娥は間違いなく2点起用されるはず。あと2点は石賀浄か、朴美英かどちらかでしょう。ただ、金璟娥のプレーは先ほど見ていた感じでは、以前はスマッシュや前後の揺さぶりに対しても余裕を持って対応していたのに、今大会ではあまり余裕がないように感じますね。
 とにかく中国と決勝でやるところまでは、しっかり勝ち上がってもらいたい。準決勝ではシンガポールとの対戦が予想される。前半で勝利を挙げて動揺を誘い、相手のプレーを崩していきたい」
 会場のヴェストファーレンハーレンにはさまざまなスナックの売店がある。今日のお昼はドーンと奮発して、香ばしく焼けたハムをパンに挟んだ「グリルシンケン」。伊藤条太氏は「こんなに旨いもの、オレ食べたことないなあ」と感激。日本円でひとつ300円しないくらいなのだが、一個食べたら夜まで十分もちそう。
 ビールにこの上なく合いそうですが、ハイ、仕事中です。
 28日のFIT(国際卓球工業会)とITTF(国際卓球連盟)での打ち合わせで、プラスティックボールとブースター問題が話し合われた。どちらも最終的な結論は先送りとなったが、ボールは現在、中国の紅双喜社が開発を始めており、そのボールがサンプルとして一部配られた。ボールはシームレス(継ぎ目なし)だった。
 昨年12月の情報では当初ロンドン五輪以後に、プラスチックボールの採用となっていたが1年延期となり、今回さらに大量生産にもっていき、選手に行き渡るまではさらに時間がかかることが確認され、2014年東京大会以降になる可能性があることが示唆された。

 サンプルで配られたプラスチックボールを王国の編集スタッフが練習会場で試打したが、セルロイドボールとよく似た打球感だ。相違点は、打球音がやや違う点だ。若干ラージボールのような打球音がする。また、ボールの減速が少ない感じで、ボールは伸びていくし、ラバーからのボールの飛び出しが若干上方向に行く感じだ。台での弾みはあまり違いはない。しかし、実際には初中級者レベルではわからないのではないだろうか。
 女子の予選リーグ全試合結果と決勝トーナメントの組み合わせは以下のとおり。

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