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速報・現地リポート

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世界ジュニア

●男子第2ステージ・第1戦
 日本 3−0 ハンガリー
○吉田 −5、6、9、7 スーディ
○酒井 8、10、9 ラカトス
○村松 7、7、6 エチェキ

 第2ステージのグループA、日本は昨日の第1ステージを勝ち上がったハンガリーをストレートで破り、まず1勝を挙げた。
 トップの重責を担ったインハイチャンピオンの吉田(上写真)は、プレーに堅さが見られたが、中盤以降はコースをうまく使えるようになり、競り合いながらも主導権を渡さなかった。そして2番酒井(下写真)が2点起用の期待に応え、相手エースのラカトスを相手にナイスプレー。プレッシャーなど知らぬげな高校1年生は、ピタリと止まるストップと打球点の早いバックドライブ、そして相手を手玉にとるようなループドライブで、長身のラカトスに卓球をさせなかった。
 3番村松はやや体が重そうだったが、相手にカット打ちのミスが多く、中盤でリードを広げる展開で完勝。3チーム中、2位までが明日の準々決勝に進む第2ステージ。まずは無難なスタートを切った。
 現地時間の朝9時半スタートの男女団体第2ステージ。いよいよ日本チームがガチボウリ屋内競技場のコートに姿を現す。男女とも第1・2戦に登場し、男子はハンガリー、ポーランド、女子はチャイニーズタイペイ、ドイツの順に対戦する。第2ステージの組み合わせは以下のとおり。

■男子
A 日本・ポーランド・ハンガリー
B フランス・ブラジル・香港
C 中国・チャイニーズタイペイ・ベルギー
D 韓国・ドイツ・チェコ

□女子
A 中国・ロシア・クロアチア
B 日本・ドイツ・チャイニーズタイペイ
C 韓国・香港・インド
D ルーマニア・アメリカ・オランダ
 上写真は、メディアシートのすぐ前に座っていたドミニク・アビラシュさん。なかなかの男前で、ハイデラバードで一番大きいというテレビ局・サクシTVのスポーツチャンネルのリポーター。
 昼食をとりながら話をしたが、彼によればインドでスポーツといえば、もう圧倒的かつ絶対的にクリケットなのだという。ロンドン五輪の女子ダブルスで銅メダルを獲ったバドミントンもかなり人気があり、ここ数年は不調とはいえホッケーも人気が高いという。

 「インドでは卓球はどうなの?」というと、少し困ったような顔で「最近は少しずつ人気が出てきているね」と言ってくれた。しかし、開会式の開始を待っていた時に周りにいたインド人のTVクルーたちは、「卓球はクリケットの競技人口の1%くらい」と言い切り、こちらが「クリケットは見たことがないし、ルールも知らないんだ」と言ったら驚きで目を丸くしていた。

 中写真は会場のスタッフの人たちが屋外でカレーを食べている風景。ヒンドゥー教では必ず右手を使うので、「じゃあインドには左利きの卓球選手はいないの?」とアビラシュさんに聞いたら、「たしかにいないね。でも宗教が違ったら左手を使ってもいいから、他のスポーツでは左利きの選手を見たこともあるよ」とのこと。
 どの選手もラリー戦には強いインドが、将来日本の好敵手になるとしたら、相性が良いのは台上から速い攻めをする左利きの選手、ということになるかもしれない。

 報道用のメディアシートも、何の仕事をしているのかわからないスタッフと、観客席から降りてくる観客で埋め尽くされてしまった(下写真)。唯一の外国からのメディアである私たちには、どの人もすぐに「どこから来たんだ?」「東京は素晴らしい都市らしいな」「ヒロシマ・ナガサキは学校で習って知っているよ」などなど、すぐに声をかけてくる。でも、あまり「厚かましい」という感じはしないのが不思議。
 大会初日の午後5時から行われる予定だった開会式。「偉い方」の到着が遅れているということで、50分以上も遅れてスタート。マシンガンを携帯した兵士たちが要所を固め、ものものしい雰囲気の中で行われた。

 伝統舞踊がプログラムに入るのは万国共通という気がするが、一番盛り上がったのはスタートを遅らせた「偉い方」による卓球のエキシビションマッチ。動員された高校生たちの指笛が鳴り響く中、入っても入らなくても、ひたすらスマッシュを打ちまくる「偉い方」。ハイデラバードがあるアーンドラ・プラデーシュ州の名誉州知事さんらしいが、政治家が拍手と声援を集めるというのも見慣れない光景。
 

 
 昨年までは男女とも全16チームしか出場できなかった世界ジュニアだが、今大会は第1ステージを設けることで、団体戦の出場枠が全20チームに拡大。第1ステージでは、今までの世界ジュニアでは見られない顔ぶれも。選手たちにとってはよい励みになるはず。

上写真はニュージーランドのケビン・ウー。09年世界選手権横浜大会に男子最年少で出場していた時と違い、少年から青年の面立ちになっていた。下写真はプエルトリコ女子チームの試合後のベンチ。残念ながら第1ステージは2敗だったが、一発勝負の粗い卓球ではなく、丁寧にラリーを引いていたのが印象的だった。
 メディアのアクリディテーションが終わり、しばらくしてIDカードを受け取りに行くためにVIPラウンジを通りがかったところ、警備の人につかまって「No!」とひと言。「IDカードを取りに行く途中なんだ」と言ってもにべもない様子。その時に通りがかった、気さくな感じのオジサマふたりが、「なんだ、それならついてこい」とVIPラウンジを通してくれました。

 そして、そのオジサマのうちのひとりが、もうひとりを指して言うではありませんか。
 「シャラス-カマルを知ってるか? 彼はカマルの父さんなんだ」
 知るも知らぬも、インド男子チームのスーパーエースではありませんか。思いがけぬカマルパパの登場に、思わず興奮。写真を撮らせてもらいました。

 下写真左のメガネの方がカマルパパ。自慢の息子さんですね。ちなみに右はカマルのコーチだった方だそうです。
 朝から快晴のハイデラバード。12月とはいえ、インドは暑いかと思ったら、30℃には届かないくらい。空気が乾燥しているので、思ったよりも快適だ。

 今日は日本チームは練習のみ。女子は午前8時にホテルを出発し、午前・午後とも練習。明日はドイツと対戦するが、「エースのP.ゾルヤは当たるとすごいけど、当たり外れがある。2番手以下の選手は実力が落ちるので、まずはそこできっちり勝っていきたい」と岸卓臣監督。
男子は村松が昨夜遅くに到着したこともあり、各自で調整。今回が最後の世界ジュニアとなる青森山田の吉田雅己、町飛鳥が練習場で汗を流した。上写真は会場のガチボウリ屋内競技場、下写真は練習する吉田。
 今大会で選手団のオフィシャル・ホテルとなるアディタヤ・サロヴァール・プレミア。真新しいホテルで、なかなか快適そう。これなら選手たちも大丈夫かな?

 深夜に及ぶ取材の必需品、電気湯沸かし器も完備されていてひと安心。異国の地ですする「どん兵衛」に癒される日がじきに来るはず。部屋のスナックコーナーには、なぜか「わさび豆」が。

 先ほど少し書きましたが、明日は男女団体戦の第1ステージ。12チームが4つのグループに分かれて戦い、1位のチームだけが明日の第2ステージに進出。日本は男女とも10日の第2ステージから登場し、第2ステージの4グループの上位2チームが、準々決勝へと駒を進める。第2ステージで、日本男子はポーランド、日本女子はドイツと同組。男子は地力の差があるが、女子はドイツのエースであるP.ゾルヤが手強い。総力戦を覚悟しなければならない。

 ちなみにインドと日本の時差は-3時間半です…。
 インド・ハイデラバードで行われる世界ジュニア選手権。卓球王国取材班(ひとりですが)は現地時間の午前3時半に、選手団のオフィシャルホテルであるアディタヤ・サロヴァール・プレミアに到着!

 12月8日16時15分に成田を出発し、香港でハイデラバード行きに乗り換え。それぞれ5時間半ずつのフライト。香港からは、ワールドツアーファイナルからの転戦となる村松雄斗くんと同じ便。インドには国際大会で何度も来ていて、毎回お腹をやられるとか。改めてビビりますな。「ホテルの食事がダメだと、自分たちで食事も全部作らないといけない」とJNT男子の渡邊隆司コーチも言っていた。とにかく、選手たちの健康管理には相当気を遣うようだ。

 もともと南アフリカ・ケープタウンで開催予定だった今回の世界ジュニア。南アフリカが大会開催をキャンセルし、「大会やりたがり」のインドがサッと手を挙げた。世界選手権などでも、インドは毎回開催地に立候補するのだ。「国から補助が出るから。でも、インドで大会をやりたいのはインドだけ」と小紙・コンノ編集長は言っておりました。

 ハイリスク・ハイリターンなインドの地で、日本選手の活躍に期待しましょう。下写真は長旅を終えた村松くん。
Volkswagen2012世界ジュニア選手権大会
開催日:12月9日(日)~16日(日)
開催場所:インド・ハイデラバード

【出場日本選手】
★ 男子
村松雄斗(JOCエリートアカデミー/帝京)
町飛鳥(青森山田高)
吉田雅己(青森山田高)
酒井明日翔(JOCエリートアカデミー/帝京)

☆ 女子
谷岡あゆか(JOCエリートアカデミー/帝京)
前田美優(希望が丘高)
伊藤美誠(豊田町卓球スポーツ少年団)
加藤美優(JOCエリートアカデミー)