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平成24年度全日本選手権大会

 男子シングルスでベスト8に残った8人を見てみると、8人中6人までが青森山田高の出身。学年の近い選手が多いので、年齢差ではなく、あえて学年差で並べてみたくなった。そこで岸川がインターハイ3連覇を達成した2005年にタイムスリップ。当時の学年はこんな感じでした。

張一博 青森短期大1年
岸川聖也 仙台育英学園高3年
大矢英俊 青森山田高2年
水谷隼 青森山田高1年
松平賢二 青森山田高1年
松平健太 青森山田中2年
平野友樹 秀光中等教育学校1年
丹羽孝希 苫小牧市立緑小5年


 青森山田だけを取り上げると、水谷と松平賢が同学年で、松平賢は弟の健太の2学年上。シングルス6回戦で岸川に惜敗した高木和卓は大矢と同学年だ。ちなみにこの2005年、張一博は全日学選抜で優勝し、松平健太は全中、平野は全日本カデット13歳以下で優勝しています。

 使えるような、使えないような情報でスミマセン。
●男子シングルス準々決勝 
平野友樹(明治大) vs. 丹羽孝希(青森山田高)
岸川聖也(スヴェンソン) vs. 松平健太(早稲田大)
松平賢二(協和発酵キリン) vs. 大矢英俊(東京アート)
張一博(東京アート) vs. 水谷隼(beacon.LAB)

 いよいよ大会最終日。卓球台の搬入が大雪で遅れ、初日の競技開始も大幅に遅れたのが遠い昔のようです。男子シングルス準々決勝の組み合わせは上記のとおり。卓球ファンにはたまらない対戦カードが揃っている。平野以外は全員が世界選手権の日本代表経験者だ。
 王座返り咲きを目指す水谷は、昨日の6回戦後の会見で「準々決勝の張戦がヤマ。それを乗り越えれば一気に優勝への道が見えてくる」と語っていた。張も昨年12月世界選手権代表選考会で優勝し、好調をキープしている。

 また、男子シングルス準々決勝に先だって行われる、女子ダブルス準々決勝は以下のような組み合わせになった。

●女子ダブルス準々決勝
藤井寛子/若宮三紗子(日本生命) vs. 鈴木李茄/宋恵佳(青森山田高)
根本理世/北岡エリ子(中央大) vs. 福岡春菜/土井みなみ(中国電力)
田代早紀/藤井優子(日本生命) vs. 池田好美/平野容子(東京富士大)
小野思保/森薗美咲(日立化成) vs. 石塚美和子/山梨有理(十六銀行)

世界選手権個人戦パリ大会でも優勝を狙う、藤井/若宮ペアの3連覇は成るか?
●男子シングルス6回戦
平野(明治大) 8、11、−9、7、4 吉村(愛知工業大)

 昨年度優勝の吉村が、6回戦で姿を消した。野田学園高の先輩・平野に対し、レシーブが積極的にいけず、ドライブの引き合いでも優位に立てない。「チャレンジャー精神で臨んだけど、体も思うように動いていなくて、相手の好きなようにやられた感じです」と試合後の吉村。「全日本は簡単に勝てるような場じゃない。自分が甘かったという気がします。自分も一緒の自分ではないと思っていたけど、全然進化しきれてないというか、ただただ止まってたなっていう…」(吉村)。

 最後は絞り出すように「これからは少しずつ変わっていって、また日本のトップで戦っていけるように、頑張っていくだけです」と語った吉村。手の内を知っている選手同士の対戦は難しい。ランク決定戦で最終ゲーム1−4のビハインドから塩野のカットを根性で打ち抜いた平野は、「今大会で一番のプレー」と試合後に語った。
●男子シングルス6回戦

平野友樹(明治大) 8,11,-9,7,4 吉村真晴(愛知工業大)
丹羽孝希(青森山田高) 3,-2,3,4,3 坪口道和(長崎県スポーツ専門員)
岸川聖也(スヴェンソン) -5,8,14,-11,7,-1,4 高木和卓(東京アート)
松平健太(早稲田大) 7,5,-4,11,10 村松雄斗(JOCエリートアカデミー/帝京)
松平賢二(協和発酵キリン) 6,8,9,11 吉田雅己(青森山田高)
大矢英俊(東京アート) 5,-9,-9,-4,5,9,7 時吉佑一(TEAM GIFU)
張一博(東京アート) 3,9,3,9 森本耕平(愛知工業大)
水谷隼(beacon.LAB) 8,7,5,6 瀬山辰男(リコー)

激しい打撃戦が繰り広げられた岸川vs高木和の一戦。ともにラリー力が高く、相手に打たせてカウンターを狙い、さらにそれをかけ返し、引き合いへつながるという大きいラリー戦が多く見られた。ラリー戦では互角だったが、台上テクニックとコース取りにうまさを見せた岸川。最終ゲームも、岸川が台上フォアドライブ、チキータとレシーブから攻めに攻め、勝利した。高木和はミスはないが、厳しいコースに先に仕掛けるという先手のプレーが少なく、単調になってしまった感がある。若い頃はライジングのカウンターバックハンドなどを見せていたが、ラリーの主導権を一気に引き寄せるようなテクニックが今後はほしいところ。
  • 五輪代表の貫禄を見せ勝利した岸川

  • 高木和、接戦で敗れ、この表情

●女子シングルス決勝
福原愛(ANA) -6、7、-4、9、8、3 石川佳純(全農)

★福原愛の優勝インタビュー
「まさか今回は優勝できると思っていなかったので、本当に驚いています。石川選手はロンドン五輪で一緒に戦ったチームメイト、試合前は必ず競るだろうと思っていた。手術後、復帰する際に応援してくださった方々の思いを胸に頑張りました」

 福原のショートサービスを台上から石川がバックハンドで決めれば、負けじと福原もフォア連打で石川のバックサイドを打ち抜く。一進一退の攻防が続いた女子シングルス決勝は、福原愛が2連覇を達成した。
 福原は誰もが手こずる石川のハイトスサービスを苦にせず、少しでも長くなれば回転量の多いループドライブでミスを誘い、短いサービスには時折よく切れた深いツッツキレシーブを混ぜる。昨年8月に手術した右ひじは、ベンチに入った張莉梓コーチ曰く「練習の後は毎日アイシングとマッサージをしている。まだ痛みはあるはず」という状態だったが、力強く正確なフォアドライブの連打はそれを感じさせなかった。「今回優勝できて自信になったし、『帰ってこれた』という感じです」と優勝後の会見で語った。

 敗れた石川は決勝後の会見で「競ったところでのサービスと3球目攻撃がまだまだあまいので、そこをしっかり練習していきたい」と課題を語った。決勝の後半は持ち味であるフォアハンドの積極性が出せなかった感があった。「リードした時に守りに入ってしまった。もっと攻めていけていたら、今日の決勝は違う結果になったんじゃないかと思います」(石川)
  • 福原愛、優勝のガッツポーズ!

  • 優勝会見で皇后杯を手にする福原

  • 石川は9−8でリードした第4ゲームを取りたかった

●男子ダブルス決勝
松平健太/丹羽孝希(早稲田大/青森山田高) 7、11、7 坂本竜介/笠原弘光(協和発酵キリン)

 第2ゲームにゲームポイントを奪われながら逆転した松平/丹羽が、ストレート勝ちで2大会ぶり2回目の優勝を決めた。丹羽が観客を驚嘆させるカウンタードライブを連発、「本当にこれが決勝?」と思えるほどプレッシャーを感じさせないプレーだった。
 坂本は現役最後の一戦で、有終の美を飾ることはできなかったが、相手の逆を突くカウンタードライブなど、ボールセンスを随所に見せた。

★松平/丹羽の優勝インタビュー

「去年は決勝に行けずに準決勝で負けてしまったので、今回はよりいっそう勝ちたいという気持ちが強くなって、決勝に進出できて、しっかり勝つことができました。(決勝では)サービス・レシーブが重要になってくるので、そこをしっかりやってラリーに持ち込もうと思っていました。
 明日お父さんが誕生日で、少しですけどプレゼントができたと思う。今日のシングルス6回戦に勝って、明日にのぞみたい」(松平)

「2ゲーム目は負けていたんですけど、1ゲーム目を取っていたので、落としてもいいと思って、思い切ってやりました。昨日の初戦からすごく苦しい試合が続いていて、その中で勝ってこれたので、今日は調子がよかった。まだシングルスの試合が残っているので、今日しっかり勝って、明日も優勝したいです」(丹羽)
  • 2年ぶりの優勝を決めた

●男子ダブルス準決勝

松平/丹羽(早稲田大/青森山田高) 7,9,-9,9 水谷/岸川(beacon.LAB/スヴェンソン)
坂本/笠原(協和発酵キリン) 6,-5,6,2 張/高木和(東京アート)

  • 水谷/岸川を破った松平/丹羽

●女子シングルス準決勝
福原(ANA) 8、9、-9、-11、9、4 藤井寛(日本生命)
石川(全農) -9、-9、3、-5、3、9、7 松澤(淑徳大)

 福原(ANA)は過去にこの大会で2回負けたこともある藤井寛子(日本生命)と対戦。しかし出足から接近戦の勝負に持ち込み、2ゲームを連取。しかし、藤井はじりじりと距離感をつかみ、無理をせずに中陣からのカウンターで攻め。2−2に追いついた。5ゲーム目は6−3と福原がリードするも藤井は7−6と逆転。7−7、9−9、11−9で福原がからくもゲームを取り、3−2とした。
 6ゲーム目、出足から福原がリードを奪い、11−4の4−2で福原が勝利。全日本では藤井に2連敗だった福原は苦しみながらも決勝へ進出。
 2年連続で福原対石川の決勝となった。
  • 松澤に辛勝した石川

  • 藤井は2年ぶりの決勝進出ならず

 松澤(淑徳大)は石川(全農)に対して出足からすばらしいプレーを見せる。バックハンドもうまいが、そこからのフォアドライブで仕留めるボールに力がある。2−0とゲームをリードして完全に松澤ペースの展開。石川は3ゲーム目を取り返すも、松澤の勢いは止まらず、3−1と勝利に王手をかけた。5ゲーム目、必死で攻め、そして守る石川が奪い返し、6ゲーム目に入る。
 5−4と石川がリード。7−6とリードは広がらない。ここから9−7と松澤が逆転し、9−8で松澤がタイムアウト。9−9と石川が追いつく。10−9と今度は石川が逆転し、めまぐるしい展開で、最後は石川バックストレートの強烈なフォアドライブが決まり、最終ゲームにもつれ込んだ。
 1−0から見事なカウンターブロックが決まり、2−0松澤。4−1、5−3、5−5で石川が追いつく。6−6から石川が8−6として、9−7、松澤のレシーブミスで10−7、最後は石川がラリーを制し、五輪メダリストの意地を見せた。しかし、松澤の前陣での攻撃はすばらしかった。
  • 石川は2年連続の決勝進出

  • 石川を追いつめた松澤

●女子ダブルス5回戦

藤井寛/若宮(日本生命) 4,2,9  中尾/小道野(早稲田大)
鈴木/宋(青森山田高) 4,7,-12,4  野上/市川(日立化成)
根本/北岡(中央大) 8,6,-6,4  河村/松浦(アスモ)
福岡/土井(中国電力) 6,-4,4,8  阿部/天野(サンリツ)
田代/藤井優(日本生命) 5,11,9  大西/宮崎(日本体育大)
池田/平野(東京富士大) 7,7,9  平野/伊藤(ミキハウスJSC山梨/豊田町卓球スポーツ少年団)
小野/森薗(日立化成) 9,7,7  中島/加藤(早稲田大)
石塚/山梨(十六銀行) 6,6,8  久木/市原芹菜(龍谷大)
  • 5回戦で敗退の平野/伊藤

  • 平野/伊藤の記者会見