速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

世界卓球東京大会WEB速報

8日間の世界選手権も日本女子の銀メダル、男子の銅メダルという輝かしい結果で幕を閉じた。最終結果は以下のとおり。

★男子
優勝:中国
2位:ドイツ
3位:日本、チャイニーズタイペイ

☆女子
優勝:中国
2位:日本
3位:シンガポール、香港

これで世界選手権東京大会の速報を終了します。
白熱した戦いの模様は卓球王国7月号(5月21日発売)に掲載します。
お楽しみに!
 女子団体の表彰式の終了後、行われた記者会見。銀メダルの重み、そして今大会の勝因について尋ねられた石川、平野、石垣の3名は次のようにコメントした。

石川「この大会が私たちのホームである東京で戦えたことがとても大きいです。ピンチになった時、チームとして戦うことができたし、本当にチームワークのおかげで何回も苦しい戦いを乗り越えられた。すごく団結した戦いができたと思います」
平野「今大会のグループリーグの1試合目が始まる前は、どういう戦いになるのか正直予想できなかったけど、試合をこなしていく中で選手一人ひとりが持っている力を出し切った。そして次の人につなげられたから、31年ぶりのメダルを獲得できたんだと思います。5人のうちひとりでも欠けたらこの結果は出せなかったし、私たちの何倍も多くのスタッフの皆さんにサポートしていただいた。そのおかげだと思います」
石垣「私は福原さんの代わりに出場させていただいて、本当に貴重な経験ができました。地元開催でたくさんの人に応援していただいて、試合に出ている選手だけじゃなく、裏方でサポートしてくれた方々のおかげでメダルが獲れた。たくさんの思いがこもったメダルだと思います」

 会見後のミックスゾーンでの囲み取材では、石川は「大会前はすごく苦しくて、思い切っていこうと思っても『自分が2点落としたらどうしよう』というのがいつも頭にあって、夢にも出てきた」と今大会でのプレッシャーの大きさを語った。そのプレッシャーを和らげたのが陳莉莉コーチの言葉。「自分との戦いだから、自分らしいプレーをしなさい。練習はたくさんしてきたから、あとは思い切ってやるだけ」と言われ、本来のクレバーなプレーが復活した。
 「今日、李暁霞と試合をして、これが五輪チャンピオンだ、これが世界一だということを肌で感じられて、すごく良い勉強になった。これからもっと強くならなきゃいけないし、もっと強くなれると思っているので、頑張って近づいていきたい」(石川)。そう語る石川の背中は、ひと回り大きく見えた。
男子団体銅メダル、女子団体銀メダルの日本。女子団体決勝の終了後、会場では表彰式が行われた。日本女子チーム、「準決勝の壁」をついに破った意義は大きい。

表彰式後には、女子団体決勝に出場した6選手が記者会見を行った。石川佳純は「今回は地元で世界卓球を戦うことができて、チーム全員で苦しい場面を何回も乗り越えられた。準々決勝ではほとんど負けているところから勝つことができて、すごく自信になりました。ホームの力を受けることができて、最高のプレーができた」と充実した大会を振り返った。
  • 日本女子、満面の笑顔で表彰台!

  • 許シンと丹羽がガッチリ握手。表彰式でのひとコマ

  • 記者会見でも笑顔の3人

星野美香の眼
「トップの石垣対丁寧。1ゲーム目は丁寧のサービスはすべてフォアへ出していき、丁寧のボールの威力、速さ、コースも十分で、攻撃していく中で打球点の早いドライブを混ぜていた。2ゲーム目に石垣はそのサービスをバック面で取り丁寧の攻撃を封じ、フォアに粘ってくるボールを石垣は狙って攻撃した。そこで丁寧の攻撃は単調になり、石垣はゲームを取り返した。
 3ゲーム目から丁寧の攻撃はバックに集め、石垣の注意をバックに集めた。時々丁寧がフォアに出すサービスを石垣はフォアで返球せざるをえなくなり、そのレシーブの回転はわかるために丁寧は3球目で石垣を崩し、4ゲーム目もその戦術を使い、丁寧は逃げ切った。敗れはしたが石垣の健闘は光った。

 石川に対して李暁霞は粘るボールはすべてバック、強く打つボールのみフォアを狙った。石川がストップレシーブした時には1ゲーム目は台上で狙い打ち、威圧していった。それによってストップレシーブを少なくさせる戦術だった。それを1ゲーム目から3ゲーム目までを通していた。
 石川は1ゲーム目、0−3から7本連取している。それは中国に対しても可能性があることを示している。

 3番の平野が対した劉詩ウェンは攻撃をしてきても、自分が下回転を打つ時も打球点を全く落とさない。それは人並み外れた反応の早さがあるからで劉は群を抜いていた。中国の3選手三様のプレースタイルを開花させていた。
 日本の選手は非常に頑張って銀メダルを獲得したのは賞賛に値する。選手たちは自分が出た試合でそれぞれが貢献していて良い働きをした」
 〈中国 3-0 日本〉
○丁寧 5、-8、2、5 石垣
○李暁霞 8、7、7 石川
○劉詩ウェン 4、2、5 平野

 3番平野は、劉詩ウェンの快速卓球に終始押された。平野がよく反応して返したボールも、劉詩ウェンはさらに早い打球点で攻めてくる。4年前の世界団体戦決勝で2点を落として「チームの敗因を作った」と言われ、2年前のドルトムント大会では決勝のオーダーから外れた劉詩ウェン。その鬱憤(うっぷん)を晴らすかのような気合いの入ったプレーだった。第3ゲーム10-5。平野のバックドライブでのレシーブに対する、強烈なカウンターバックドライブが、日本の希望を断ち切った。

 敗れたとはいえ、31年ぶりの世界選手権団体戦での銀メダル。連日、素晴らしいプレーを見せてくれた日本女子チームに拍手。ありがとう!
  • 驚異の速攻を見せた劉詩ウェン

  • 平野は攻略の糸口を見出せず

  • 表彰台で満面の笑顔を見せた中国女子チーム

 〈日本 0-2 中国〉
 石垣 -5、8、-2、-5 丁寧○
 石川 -8、-7、-7 李暁霞○
 平野 vs. 劉詩ウェン
 石川 vs. 丁寧
 石垣 vs. 李暁霞

 日本、2番石川は昨日の香港戦に続き、好調。男子NTとの練習の成果か、李暁霞のパワードライブにも臆することなく、前陣で対応。第1ゲーム0-3から7点連取で7-3とリード。しかし、ここから李暁霞は必殺の台上バック強打、ミドルに来たボールへ驚異的な反応からのカウンタードライブなど、気合いを入れ直して7点連取。第1ゲームを11-8で李暁霞が奪う。

 第2ゲーム以降も、石川のプレーはベストと言えるものだった。3球目のバックハンドのパワードライブで、李暁霞を打ち抜くシーンもあった。しかし、かさにかかって攻める李暁霞のカウンタードライブは、さすがに世界最高の打球点と球威だった。
 日本、3番は昨日の香港戦で大逆転勝利を収めた平野。劉詩ウェンに挑む!
 〈日本 0-1 中国〉
 石垣 -5、8、-2、-5 丁寧○
 石川 vs. 李暁霞
 平野 vs. 劉詩ウェン
 石川 vs. 丁寧
 石垣 vs. 李暁霞

 定刻どおり19時30分にスタートした女子団体決勝。村上恭和監督はトップにカットの石垣を起用。丁寧との対戦となった。
 第1ゲームはカット主体のプレーで、なかなかチャンスを見出せなかった石垣。第2ゲームは出足から攻撃を増やし、9-8の場面ではフォアストレートへのフォアカウンターがエッジで入る。このゲームは石垣が11-8で奪取。
 かつてはカット打ちを苦手としていた丁寧。攻略の糸口が見出せるかと思えたが、ここから石垣のミドルへ堅実なカット打ち。石垣のカーブロングが何本もオーバーするほど回転量の多いボールで、石垣にチャンスを与えなかった。
 <中国 3-1 ドイツ>
○馬龍 6、9、9 ボル
 張継科 -11、-8、-6 オフチャロフ○
○許シン 5、2、8 フランチスカ
○馬龍 10、5、2 オフチャロフ

中国が3-1でドイツを下し、7連覇を達成!
4番オフチャロフは、10−9とゲームポイントを握った第1ゲームがすべてだった。ここで威力ある台上バックドライブを馬龍にブロックされ、次球がミス。このゲームを落としてからは、馬龍の「パワードライブ・ショー」の開幕だった。
 特に第3ゲームの2−0からの2本は驚異。バックストレートへの3球目パワードライブと、オフチャロフのミドルへの4球目カウンタードライブ。これは取れない、誰も取れない。オフチャロフの戦意を喪失させるに十分な一撃だった。

 優勝を決め、観客に投げキスを送った中国男子の劉国梁監督。今大会最強のライバルを下しての優勝、新記録の7連覇。さすがの名将も喜びを隠せなかった。
  • 動きの速さと球威が際立っていた馬龍

  • オフチャロフは2ゲーム目から集中力を欠いた

  • 優勝の瞬間、ベンチで許シンもジャンプ!

  • 中国人ファンの声援に応える劉国梁監督

 〈中国 2−1 ドイツ〉
○馬龍 6、9、9 ボル
 張継科  −11、−8、−6 オフチャロフ○
○許シン 5、2、8 フランチスカ
 馬龍   vs.  オフチャロフ
 張継科  vs.  ボル

 3番の許シン対フランチスカは、許シンがストレート勝ち。フランチスカがミスをするまで、フォアドライブを打ち込んできた。第1ゲームは8−4、第2ゲームは8−0と許シンが大きくリード。第3ゲームは許シン9−6の場面で中国ベンチがタイムアウト。相変わらず動きの早い中国ベンチ、すぐにピンチの芽を摘み、許シンがストレート勝ち。中国が7連覇に王手!
  • フランチスカをストレートでくだした許シン

  • 今大会、成長を見せたフランチスカ

 〈中国 1−1 ドイツ〉
○馬龍 6、9、9 ボル
 張継科  −11、−8、−6 オフチャロフ○
 許シン  vs.  フランチスカ
 馬龍   vs.  オフチャロフ
 張継科  vs.  ボル

 ドイツはトップのボルが、第1ゲーム6−4、第2ゲーム5−1、第3ゲーム5−2といずれも中盤までリードを奪いながら逆転を許し、ストレート負け。しかし、2番でオフチャロフが、張継科の台上バックドライブを完璧に狙い打ち、なんとストレートで勝利。第3ゲームは9−2までリードを広げた。張継科は時折キレのあるフォアドライブを見せたものの、生命線である台上バックドライブを狙われたことで、バック系技術全体にミスが多くなり、自滅した印象もある。
 3番は許シン対フランチスカ。
  • オフチャロフ、張継科をノックアウト

  • 意外なほどのもろさを見せた張継科

  • ボルは3ゲームともリードを守れず…