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世界卓球東京大会WEB速報

 おはようございます!
 昨日は日本女子のシビれる、シビれる一戦でした。試合が終了し、石垣選手のミックスゾーンでの取材が終わったのは11時45分くらい。終電とタクシーを乗り継いで何とか帰宅しました。海外での大会だとオフィシャルホテルに入るので、時間は気にしなくて済むのですが…。でも、日本が勝ってくれたら、午前1時でも2時でも構いません。今日もドンと来い!
 大会第7日目、5月4日は男女団体準決勝の2試合。タイムテーブルは下記のとおりです。

★大会第7日目・5月5日のタイムテーブル

10:00〜 [男子団体準決勝]中国 vs. チャイニーズタイペイ
13:00〜 [女子団体準決勝]中国 vs. シンガポール
16:30〜 [男子団体準決勝]日本 vs. ドイツ
19:30〜 [女子団体準決勝]日本 vs. 香港

 昨日の白熱の一戦で、今日はさらに観客も増えそう。日本が世界選手権の決勝に進出すれば、1983年東京大会以来、31年ぶり。今回と同じ会場、代々木第一体育館だった。準々決勝での勝利後、「日本の卓球界の新しい扉を開きたい」と日本男子の倉嶋洋介監督。さあ、決戦の日曜日だ!
  • 会場の外には入場待ちの列ができた

 苦戦の末につかんだ2大会ぶりのメダル。ミックスゾーンで日本女子チームの村上恭和監督は「石垣の3番を見抜いて、カットのリー・ジエを3番に使ってきたオランダのオーダーはすごい。本当にイチかバチかのオーダーで、この大会でそれをやってくるのかと。オーダーでは完全に負けました」とコメント。オランダのティミナ監督のオーダーに脱帽した。

 「石川は、2番のリー・ジャオ戦は、作戦的には良かった。ただ、10−8のマッチポイントで自分のサービスで、絶好球を2回ミスした。あれはやはり今後の課題にしなければならない。ああいうボールは一流選手は絶対にミスしない。5番の(エーラント戦の)最終ゲーム、0−3でのタイムアウトは、もう時間稼ぎです。開き直っていけと。作戦なんか言えませんから。
 石垣は3月のドイツオープンで1−4でリー・ジエに負けていた。前半で1勝1敗になった時は、3・4番をとられて1-3のシナリオも頭に浮かびました。
 この組み合わせで決勝まで行けなかったら、ぼくは恥ずかしいと思っている。ずっと0−3で来ていたから、今日の試合ではちょっとあまいところも出た。香港戦ではオーダーを読まれないように、今日は余計なことはしゃべりません(笑)」
●女子団体・準々決勝

 〈日本 3−2 オランダ〉

○平野 7、8、−9、5 エーラント

 石川 9、−8、−9、7、−10 リー・ジャオ○

○石垣 −8、6、8、9 リー・ジエ

 平野 9、−10、−3、4、−7 リー・ジャオ○

○石川 8、7、−7、−9、6 エーラント

 ラスト石川、ゲームカウント2−0から追いつかれながらも振り切った!
 日本女子、メダル確定!!!

 苦しい、あまりに苦しい大会だった。得意のサービスからの3球目攻撃がなかなか出せず、苦しみながらもポイントを重ねて2ゲームを先取した石川だったが、第3ゲーム終盤から、次第にエーラントが調子を上げる。弧線の低いループドライブで石川のミスを誘い、石川のフォアサイドを威力あるバックドライブで攻める。第4ゲーム9−9から自分のサービスで2失点し、最終ゲーム0−3でリードされた時は、会場にも悲壮感が漂った。

 しかし、ここから石川はエーラントの強打を中陣で粘ってポイントを拾い、1−3。そして3−5のビハインドで、ミドル前に浮いたレシーブに対する石川のフォアスマッシュがオーバーするが、主審が「レット」の判定。絶体絶命のピンチで、このふたつの局面が大きなターニングポイントだった。5−5に追いついたあたりから、石川の目つきが変わった。8−6とリードして、ロビング打ちからシュートするスマッシュで得点。このまま振り切って、ついに勝利を手にした!
  • 石川、本当に苦しい勝利だった

  • バックドライブが強力だったエーラント

  • 勝利を決め、石川の眼には涙…

  • 敗れたエーラントを抱擁するリー・ジャオ。こちらも感動的な光景

●女子団体・準々決勝
 〈日本 2−2 オランダ〉
○平野 7、8、−9、5 エーラント
 石川 9、−8、−9、7、−10 リー・ジャオ○
○石垣 −8、6、8、9 リー・ジエ
 平野 9、−10、−3、4、−7 リー・ジャオ○
 石川 vs. エーラント

 4番平野、リー・ジャオとゲームオールの接戦を演じたが、最後はリー・ジャオのフォアストレートへのカウンターブロックなど、ペンホルダーの秘術を尽くしたプレーに一歩及ばず。すでに試合開始から3時間半が経過。5番石川に勝負の行方はゆだねられた!
●女子団体・準々決勝
 〈日本 2−1 オランダ〉
○平野 7、8、−9、5 エーラント
 石川 9、−8、−9、7、−10 リー・ジャオ○
○石垣 −8、6、8、9 リー・ジエ
 平野 vs. リー・ジャオ
 石川 vs. エーラント

 3番石垣、第1ゲーム3−7の場面で促進ルールに入る長期戦を制し、日本に2勝目をもたらした!
 サービスは一本交替、レシーバが13本連続で返球したら、レシーバーの得点になる促進ルール。フォアの攻撃に威力はあるものの、単発で後が続かないリー・ジエに対し、石垣はミスが出てもドライブからのスマッシュを果敢に打ち込む。サービス力でも石垣が上だった。第4ゲーム0−4から追いつき、10−9でも渾身のフォアスマッシュをミドルへ決めた!

 さあ4番平野、ここで決めるぞ!
●女子団体・準々決勝
 〈日本 1−1 オランダ〉
○平野 7、8、−9、5 エーラント
 石川 9、−8、−9、7、−10 リー・ジャオ○
 石垣 vs. リー・ジエ
 平野 vs. リー・ジャオ
 石川 vs. エーラント

 トップで平野が幸先良く先制点を挙げた日本。2番石川は、リー・ジャオの鉄壁のバックショート、フォアへ出される伸びるロングサービスへの対応に苦しみながら、集中力の高いプレーで勝負は最終ゲームへ。石川が4−0とリードしたところでリー・ジャオのしのぎがエッジ。それでも石川が7−2、8−6とリードし、10−8でついにマッチポイントを握る。10−9でミドル前にやや浮いたレシーブ、石川「これで決まれ!」と打った3球目強打が、無情にもオーバーミス。
 最後はリー・ジャオのバックショートが石川のフォアサイドに突き刺さり、ゲームセット。日本、痛い逆転負け。続けて3番石垣が出場。
  • 平野、精緻な攻守でエーラントを翻弄

  • 石川、惜しい!あと1本!

●女子団体・準々決勝
 〈日本 vs. オランダ〉
 平野 vs. エーラント
 石川 vs. リー・ジャオ
 石垣 vs. リー・ジエ
 平野 vs. リー・ジャオ
 石川 vs. エーラント

 日本女子対オランダのオーダーが発表された。オランダはリー・ジエを3番に配し、今大会全勝のエーラントを2点起用。カット打ちのうまい平野をリー・ジエから外し、なおかつカットの石垣に当ててきた。エーラントの位置にリー・ジエが出てくることを予想した日本のオーダーが外された形だ。
 オランダにしてみれば、日本女子のこのオーダーは読みやすかったはずだが、3大会連続ベスト8からワンステップアップするため、思い切ったオーダー変更に出てきた。日本としては、トップ平野が何としても勝利をつかみたい。
●女子団体・準々決勝
 〈中国 3-0 北朝鮮〉
○李暁霞 6、3、8 リ・ミギョン
○劉詩ウェン 8、4、6 リ・ミョンスン
○朱雨玲 5、-5、5、6 キム・ジョン

 今大会のダークホースと見られていた北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)も、中国には通じず。トップでリ・ミギョンを完封した李暁霞の打球点の早さ、攻めの厳しさはやはり別格。2番劉詩ウェンも、正確なカット打ちでリ・ミョンスンを封じた。北朝鮮はキム・ジョンが1ゲームを奪うのがやっとだった。
 男子団体・準々決勝の韓国戦で2勝を挙げ、改めて健在ぶりをアピールした荘智淵。4番の朱世爀戦では、第3ゲームにマッチポイントを奪われたが、試合後に「点数のことは何も考えなかった。ただプレーすることだけを考えた」と語った。カットに弱いと言われてきたチャイニーズタイペイだが、「対カットの練習をしっかりやってきたので、今回はそんなに苦手だとは感じなかった」とコメントしている。

 「世界選手権パリ大会で金メダルを取ったことが、タイペイチームにとっては良い刺激になった。(予選リーグでは朱世爀に敗れていたが)今回の対戦ではテンポをゆっくりにして、我慢強く戦うようにした。ラストの陳建安は勝つと信じていたけど、彼が勝ったというよりチーム全員でつかんだ勝利だと思う。次の中国戦は全力を尽くして頑張りたい」(荘智淵)
●男子団体・準々決勝
 〈チャイニーズタイペイ 3-2 韓国〉
 陳建安 3、-12、6、-11、-8 朱世爀○
○荘智淵 4、-10、6、10 鄭栄植
 江宏傑 -8、6、-7、-7 趙彦来○
○荘智淵 -9、-6、12、6、2 朱世爀
○陳建安 6、-6、7、9 鄭栄植

 タイペイと韓国の白熱した好ゲームは、チャイニーズタイペイに軍配!
 韓国はトップの陳建安戦で、第4ゲーム7-10とマッチポイントを奪われてから逆転した朱世爀が、4番で荘智淵と対戦。第3ゲーム10-9でマッチポイントを取り、韓国の勝利まであと1点だったが、ここから荘智淵が逆転。第5ゲームは中盤から朱世爀の集中力が切れ、逆転負けを喫した。

 ラストは陳建安対鄭栄植。両ハンドの激しい攻防になったが、プレーの角(かど)が取れ、荒々しさに正確さが加わった陳建安が上回った。勝利の瞬間、崩れ落ちるようにフロアに横たわった陳建安。チームメイトたちと歓喜の輪が広がった。タイペイは昨年のパリ大会での男子ダブルスで、初の金メダルを獲得したが、今度は男子団体で初のメダル。新たな歴史を刻んだ。

 韓国は女子がベスト8入りを逃したのに続き、男子もメダル獲得ならず。韓国男子が世界団体でメダルを逃すのは、2000年のクアラルンプール大会以来のことだ。柳承敏・呉尚垠というベテランが抜け、鄭栄植らの若手が育ってきたが、やはりまだ経験不足。「アジアの虎」は失意の底に沈んだ。
  • タイペイに歓喜の初メダル!

  • 守護神・朱世爀、ついに力尽きた…