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アジア競技大会・卓球競技

 男女団体準決勝が行われる大会第3日目。日本男子と中国の男子団体準決勝は17時、日本女子とシンガポールの女子団体準決勝は19時30分スタート(日本との時差はなし)。熱戦の開幕は、今しばらくお待ち下さい。
 それまでに日本選手が登場するのは、混合ダブルスの丹羽孝希/平野早矢香と岸川聖也/福原愛、そして女子ダブルスの石川佳純/平野早矢香と福原愛/若宮三紗子。その他、男女シングルス1回戦も進行するが、日本選手は出場しない。

 すでに混合ダブルス2回戦は終了し、丹羽/平野ペアと岸川/福原ペアは問題なく初戦を突破。丹羽/平野と対戦したモンゴルのバトヒシグ/バトサイハンは、バトヒシグが身長190㎝はあろうかという長身のサウスポー。下がっても粘り強く、第2ゲームはジュースまで持ち込まれたが、振り切った。
  • ペア歴の長い岸川/福原、ゲーム間には笑顔も

  • 丹羽/平野も3回戦へ進出

 女子団体予選グループの韓国戦、そして準々決勝の香港戦でともに2勝を挙げた福原愛。フォアドライブの打球点の早さと安定感、そしてサイドを切るコース取り。バック表ソフトでの、相手の焦りを見透かすような緩急。左第5中足骨の疲労骨折によるブランクがあったにも関わらず、「故障前より強くなったのでは?」と感じずにはいられない。いや、実際に強い。

 「出足で一気にスタートダッシュをかける『先行逃げ切り』の戦い方で、試合運びが非常にうまくなった」「速攻型は転がったボールを拾うにしても、パッと走っていってパッと拾うほうがリズムが途切れない。そういうところにも気を配るようになった」。試合を観ていた関係者からはそんな声も聞かれる。

 故障でのリハビリを続ける間、勝利を求める「戦う牙(きば)が生えてきた」とインタビューで語った福原。余計なプレッシャーに惑わされず、まっすぐに勝利に突き進んでいる。そして何よりも、団体戦で試合ができる喜びが、見ていても伝わってくる。
 大会第2日目の夜に行われた女子団体準々決勝。韓国と北朝鮮の「朝鮮半島対決」が観客の注目を集めた。結果は北朝鮮が3ー1で勝利。エースであるカットのリ・ミョンスンが徐孝元、梁夏銀を連破し、ベテラン左腕のキム・ジョンも変わらぬパワーとテクニックを披露した。
 韓国は3番で右ペン表の李恩姫がリ・ミギョンに勝利し、一矢を報いたものの、地元大会で表彰台に上がれず。日本戦に続いて2失点を喫した梁夏銀にとっては、苦い記憶の残る団体戦となった。長身を利した両ハンドの攻守には安定感があるものの、競ってきた場面での精神面の安定感や試合の進め方は、まだまだ発展途上。

 金キョン娥、朴美英というカットの2枚看板に帰化選手勢を加える陣容で、長く世界で戦ってきた韓国女子。2012年のロンドン五輪が終わってから世代交代に入ったが、少しタイミングが遅れた感がある。姜華君と帖雅娜から若手トリオの李皓晴・呉穎嵐・杜凱琹にスイッチした中国香港も、実力以上に経験の不足が目立つ。四年に一度の大舞台、経験と実績が重視されるオリンピックというビッグゲームが、各チームの世代交代を難しいものにしている。
 その点、やはり中国の世代交代は見事。女子団体で優勝を逃した、2010年の世界団体選手権という失敗例はあるものの、4〜5年きざみで数人の主力選手を育成しながら、流れるような世代交代を進めていく。
  • パワーは健在、キム・ジョン

  • 勝利に沸く北朝鮮チーム

  • 惜しい試合を落とした梁夏銀。個人戦での巻き返しに期待

●女子団体・準々決勝

〈中国 3-0 チャイニーズタイペイ〉

○丁寧 6、8、2 陳思羽
○朱雨玲 7、7、-9、-8、9 鄭怡静
○陳夢 5、4、9 李依真

〈北朝鮮 3-1 韓国〉

○キム・ジョン ー9、2、7、ー8、3 梁夏銀
○リ・ミョンスン 8、11、ー6、ー7、7 徐孝元
 リ・ミギョン 8、ー7、ー5、ー3 李恩姫○
○リ・ミョンスン 9、9、ー3、4 梁夏銀

〈日本 3ー1 中国香港〉

○石川 6、8、7 李皓晴

○福原 11、3、ー10、7 杜凱琹
 平野 ー6、ー9、ー8 呉穎嵐○

○福原 7、5、6 李皓晴

〈シンガポール 3-0 インド〉
○馮天薇 7、8、7 バトラ
○リン・イエ 9、8、ー6、8 ダス
○ジョウ・イーハン 5、11、9 ガタク
●男子団体・準々決勝
〈中国 3-0 インド〉
○許シン 7、7、7 アチャンタ
○馬龍 5、ー7、2、6 デサイ
○樊振東 2、11、1 シェティ

〈日本 3ー2 北朝鮮〉

松平 ー2、7、8、ー9、ー6 パク・シンヒョク○

○水谷 ー9、ー10、10、3、5 キム・ヒョクボン

丹羽 ー7、9、8、ー7、ー14 チェ・イル○

○水谷 9、6、7 パク・シンヒョク

○松平 9、9、9 キム・ヒョクボン


〈チャイニーズタイペイ 3-2 中国香港〉
○荘智淵 ー8、ー4、10、7、7 黄鎮廷
 陳建安 12、ー11、ー9、ー7 唐鵬○
○江宏傑 ー8、8、ー5、11、9 江天一
 荘智淵 9、2、ー10、ー6、ー4 唐鵬○
○陳建安 ー5、ー12、12、9、10 黄鎮廷


〈韓国 3-0 シンガポール〉
○丁祥恩 6、8、8 ガオ・ニン
○朱世爀 6、4、5 チェン・フォン
○李廷佑 9、7、9 李虎
●男子団体準々決勝
〈日本 3ー2 北朝鮮〉
 松平 ー2、7、8、ー9、ー6 パク・シンヒョク○
○水谷 ー9、ー10、10、3、5 キム・ヒョクボン
 丹羽 ー7、9、8、ー7、ー14 チェ・イル○
○水谷 9、6、7 パク・シンヒョク
○松平 9、9、9 キム・ヒョクボン

 日本、苦しい苦しい準々決勝を、ラスト松平健太の頑張りで制した!
 松平はトップでの攻守のかみ合わないプレーがウソのように、北朝鮮のエース、キム・ヒョクボンをブロックで振り回し、台上で少しでも浮いたボールは得意のパワーフリックで攻める。「フォアで動き過ぎずに、両ハンドで攻めろ。打ち合うのではなく、守備も攻撃もできる位置で、ブロックで振り回したり、バックドライブで変化をつけていこう」。それが倉嶋洋介監督の試合前のアドバイスだった。「1番で負けてガックリした後で、ラストで相手のエースに勝てたのは、世界卓球東京大会の時に比べて、精神的に成長している部分もあると思います」(倉嶋監督)。

 「北朝鮮は精神面が強くて、それに負けない気持ちで臨まないといけない。1番は相手が精神的に向かってきて、自分は受けてしまった。ラストは絶対負けられない試合だったので、1本ずつ丁寧にプレーしようと思った。水谷さんが2点取ってくれたのに、チームが負けるという負け方はしたくなかった」(松平)。

 さあ、明日の準決勝は中国戦。エースの水谷は「長く中国選手と試合をしていないので、非常に楽しみ」と頼もしい。松平も「中国選手はみんな格上なので、向かっていくだけです」とコメントを残した。

 
  • ラスト健太、男になったぞ!

  • パワフル左腕、パク・シンヒョク

  • キム・ヒョクボンの強打をしのぎきった水谷

  • 北朝鮮に勝利後の日本男子

●男子団体準々決勝
〈日本 2ー2 北朝鮮〉
 松平 ー2、7、8、ー9、ー6 パク・シンヒョク○
○水谷 ー9、ー10、10、3、5 キム・ヒョクボン
 丹羽 ー7、9、8、ー7、ー14 チェ・イル○
○水谷 9、6、7 パク・シンヒョク
 松平 キム・ヒョクボン

 日本男子、北朝鮮と大激戦を展開中!
 
 日本は2番水谷がゲームカウント0ー2の8ー10から大逆転勝ち。1ー1のタイとして3番丹羽につないだが、丹羽が2回のマッチポイントをつかみながらも逆転を許し、苦しい展開に。水谷が4番でしっかり勝利を挙げたが、ラストは松平と百戦錬磨のキム・ヒョクボン。健太、日本のメダルを決めてくれ!
●女子団体準々決勝
〈日本 3ー1 中国香港〉
○石川 6、8、7 李皓晴
○福原 11、3、ー10、7 杜凱琹
 平野 ー6、ー9、ー8 呉穎嵐○
○福原 7、5、6 李皓晴

 日本女子、JA全農世界卓球に続いて中国香港を破り、3大会ぶりのメダル確定!
 
 日本は苦しかった韓国戦を乗り越え、福原と石川というツインエースがエンジン全開。このふたりが万全のプレーをすれば、日本はどこからでも点が取れる。3番で平野が呉穎嵐に、JA全農世界卓球での大逆転勝ちのリベンジを喫したものの、4番福原が出足からフォアストレートへ、李皓晴の逆を突く3球目フォアドライブを決め、その後も攻守に完璧なプレーを披露した。
 過去2大会、世界選手権での実績から考えると不本意なベスト8に終わっていた日本女子。しかし、この大会では、ひと回りもふた回りも大きくなって帰ってきた。明日の準決勝の対戦相手はシンガポール。エースの馮天薇は健在だが、今の日本のチーム力なら十分に勝つチャンスがある。

「銅メダルではまだまだ満足していません。ここで安心しないで、明日の準決勝でしっかり勝って、決勝で中国と戦いたい。今日の4試合は、故障から復帰してから一番良い試合ができたし、すごく自信になりました。シンガポール戦は、馮天薇には昨年のワールドカップで負けているけど、ロンドン五輪では勝っているので、自信を持って臨みたいです」(福原)
  • まさに絶好調、福原愛

  • 韓国戦を乗り越え、自信に満ちたプレーを見せた石川

  • 福原は笑顔で日本チームのスタッフと握手

  • 「大器」の呼び声高い杜凱琹も、福原には及ばず

 先ほど行われた男子団体予選リーグの中国男子対シンガポール戦は、予想に反してラストまでもつれる接戦になった。その理由は、若手の樊振東の2失点。2番で中国・河北省出身の帰化選手、チェン・フォンにゲームオール7点、4番で03年世界ジュニアチャンピオンの李虎に同じくゲームオール7点で敗れた。

 チェン・フォン戦では得意の台上バックドライブをうまく狙われ、さらに強引に攻めたボールをうまくコースを突いてブロックされ、反撃を許した。五輪出場の機会を求め、シンガポールに移籍したチェン・フォン。フォアに飛ばされたボールも、驚異的な飛びつきでクロスへカウンターするなど、中国の後輩に対して「簡単には負けないぞ」という思いが垣間見えた。

 一方、4番の李虎戦では、樊振東は完全に自分のプレーを見失っていた。ゲームカウント1ー1の第3ゲームには、11ー1という屈辱的なスコアでゲームを奪われた。体重が増え、かなり動きは落ちた李虎だが、樊振東の心の焦りを見透かすように、ブロックで巧みにいなし、入れに来たレシーブを3球目パワードライブで打ち抜いた。

 これまでジュニアクラスのタイトルを総ナメにしてきた樊振東だが、まだ戦術面では詰めが甘く、強打に頼って得点の手段が少なくなる。躍起になってフォアクロスの引き合いに応じてしまうところがある。
 このアジア競技大会で、4種目にフルエントリーされている樊振東。シングルスでは許シンとともにエントリーされ、馬龍・張継科に続く、リオ五輪の3番目の代表の座を争う立場。しかし、そのオーディションは早くも「落選」の空気が漂い始めている。シングルスで優勝したとしても、この汚名を返上するのは、なかなか難しいかもしれない。
  • プレーが単調になってしまった感のある樊振東(奥)

  • 劉国梁監督(左)、肖戦コーチも厳しい表情

  • 李虎、元中国ジュニア代表の意地を見せる

団体戦準々決勝のドローが行われ、日本男子は北朝鮮、日本女子は中国香港との対戦が決まった。
今年の世界卓球東京大会の準決勝でも香港と死闘を演じた日本女子だが、今回はどんな戦いになるのだろうか? 世界卓球はケガで欠場したエース・福原の活躍がカギとなるだろう。
男子の北朝鮮はどの選手もパワーがあり、当たり出すと止まらないタイプ。日本男子も油断はできない相手だ。
また、女子では韓国vs北朝鮮の朝鮮半島対決もあり、会場でも大きな注目を集めるだろう。
試合は、20時からスタートする。

●男子団体・準々決勝
中国 vs インド
北朝鮮 vs 日本
中国香港 vs チャイニーズタイペイ
シンガポール vs 韓国

●女子団体・準々決勝
中国 vs チャイニーズタイペイ
韓国 vs 北朝鮮
日本 vs 中国香港
インド vs シンガポール