速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

平成26年度全日本選手権大会速報

●女子シングルス準々決勝
石川(全農) 6、5、3、6 伊藤(スターツSC)
前田(希望が丘高) 6、-4、8、7、3 平野(JOCエリートアカデミー)

 石川佳純と前田美優、ふたりのサウスポーが明日の準決勝に進出!

 石川は伊藤にバック表ソフトの変化球に揺さぶられても、決してあわてず横綱相撲をとった。会心のパワードライブは1試合を通じてほとんどなかったが、弧線の低く回転量の多いフォアドライブと深く切れたツッツキで伊藤のミスを誘った。2ゲーム目の9ー5で、フォアストレートへフォアドライブでレシーブエース。10ー5のゲームポイントではストップ対ストップから台上バック強打で打ち抜いた。「左対策はしてきたけど、それだけじゃダメ。石川さん対策をしないといけない」と試合後の伊藤。

 一方、前田は平野に対してピッチの早い打ち合いにつきあわず、先に攻めさせる「後の先」の戦術が成功した。2ゲーム目からは平野にミドルを攻められたが、あわてずにフォアハンドで対応。このボールを平野が攻めきれなかった。「表ソフトはプラスチックボールがよく止まるし、不利になったとは感じていない」(前田)。敗れた平野は「あっという間に、よくわからないまま負けてしまった。弱い部分を攻められて、対策を立てられているなと感じました」と試合後に語った。

 敗れたとはいえ、伊藤と平野の中学2年生でのベスト8入りは快挙と言うほかない。4月の世界選手権個人戦の選考について、ふたりは「祈るしかないです」とコメントしたが、少なくともダブルスでは代表入りの可能性は非常に高いだろう。
  • 伊藤に快勝で準決勝進出を決めた石川

  • パワーで平野を抑えた前田、明日は石川に挑戦

 今日からメインコートは2台のみ設置。その1台で、試合開始前の練習を行う石川。
練習の最後に多球練習で、バックドライブとフォアドライブの入念なチェックを行っていた。陳莉莉コーチが身振り手振りを交えながら、気づいた点はすぐにアドバイスする。
 バックドライブは深く切れたボールに対して、フォアドライブはフォアの飛びつきとバックの回り込み。フォアドライブの威力は、この1年でさらに増した印象だ。
 大会も残すところあと2日、大会第6日目の1月17日。阪神・淡路大震災が発生してから今日で20年。謹んで哀悼の意を表します。
 今年は日程が1日延びて、今日は男女シングルス準々決勝と男女ダブルス準決勝・決勝が行われる。各種目の対戦カードは下記のとおり。

●女子シングルス準々決勝 
10:00~
石川佳純(全農) vs. 伊藤美誠(スターツSC)
平野美宇(JOCエリートアカデミー) vs. 前田美優(希望が丘高)
10;45~
森薗美咲(日立化成) vs. 松平志穂(ミキハウス)
佐藤瞳(札幌大谷高) vs. 石垣優香(日本生命)

●男子シングルス準々決勝
11:30~
水谷隼(beacon.LAB) vs. 吉村真晴(愛知工業大)
岸川聖也(ファースト) vs. 松平健太(JTB)
12:15~
吉田海偉(Global Athlete Project) vs. 神巧也(明治大)
吉田雅己(愛知工業大) vs. 丹羽孝希(明治大)

●女子ダブルス準決勝
13:15~
平野早矢香/石川佳純(ミキハウス/全農) vs. 田代早紀/藤井優子(日本生命)
中村薫子/市川梓(日立化成) vs. 阿部愛莉/森薗美月(四天王寺高)

●男子ダブルス準決勝
森薗政崇/三部航平(明治大/青森山田高) vs. 吉村和弘/平野晃生(野田学園高)
張一博/高木和卓(東京アート) vs. 岸川聖也/水谷隼(ファースト/beacon.LAB)

●女子ダブルス決勝 15:00~
●男子ダブルス決勝 15:30~

 女子シングルス準々決勝はジュニアチャンピオンの伊藤美誠が石川佳純に挑む。伊藤のバック表ソフトの変化も、石川には簡単には通じないが、どういった作戦を立ててくるのか。また、平野美宇と前田の世界ジュニア代表対決も興味深い。
 男子シングルス準々決勝は好カードが目白押し。3年前の全日本決勝の再現である水谷対吉村は熱戦必至。吉田対丹羽は、昨年の6回戦で吉田が勝利したが、その後は丹羽が吉田を圧倒している。果たして今回の結果はどうなるのか。
●女子ダブルス 6回戦

平野/石川(ミキハウス/全農)-9、8、5、13 石川/加藤(JOCエリートアカデミー)
田代/藤井(日本生命) -5、7、-8、6、3 土田美紀/三宅(中国電力)

中村/市川(日立化成) 8、-8、9、-8、8 土井/宋(中国電力) 

阿部/森薗(四天王寺高)4、6、9 中川/土田美佳(中国電力)

 平野/石川(佳純)と石川(梨良)/加藤の石川姉妹対決は、平野/石川に軍配。エリートアカデミーペアも石川の広角な攻撃、加藤の意外性のある強打などで善戦したが、攻撃の厳しさと安定性でやはり平野/石川が上回った。
 どの試合も接戦になる中で、高校生ペアの阿部/森薗がストレート勝ちを収め、ベスト4入りを決めた。
  • ストレート勝利で4強入りを決めた高校生の阿部/森薗

 今日の全ての試合終了後にチャンピオンの水谷は報道陣の前に立った。ランク決定戦での笠原戦はほとんど負け試合だった。準備万端だった笠原は凡ミスもなく王者を追い詰めた。また、続く森薗には4-1でも各ゲームが競り合う試合だった。

「きょうの初戦(笠原戦)は負けるような試合だった。負けることは覚悟した。ボールが全く練習していなかったボールなので、それが最後まで慣れなかった。追い詰められた試合だったが、最後の1本まであきらめなかった。フィッシュでも全然点が取れなかった。波に乗れなかった試合だった。リスクを冒して攻めて行きながら調子が上がっていった。
 森薗戦は調子も上がって来たし、出足から積極的に攻めて行くことが出来た。ボールもいつもと同じもので違和感はなかった。体の切れも良くなっていた。先月、森薗とやった時には0−3から戦術を変えて逆転したので、その時の戦術を思い出しながらやった。
 もちろん優勝しか考えていない。明日も厳しい試合になると思うけど頑張ります」(水谷)
 「じゃんけんでボールを選べるというあり得ないルール」と岸川はコメントした。選手は試合前のじゃんけんでボールを選ぶ。笠原選手のように、水谷選手のじゃんけんを読んで、いつもと違うボールを選んだ。選手としての勝利への執念を感じた。

 大会前にトップ選手たちはそれぞれのメーカーのボールで練習をしていた。しかし、均等には出来ないので、ある特定のボールや契約メーカーのボールで練習をすることが多い。つまり、国際大会のようにひとつのボールでやること。観戦していた元世界チャンピオンのガシアン選手も「えっ、いろんなボールを使うことができるの?」と驚いていた。これだけの権威のある大会、しかも世界選手権の選考も兼ねる大会、しかもプラボールは現段階でメーカーによる差異が大きい。

「笠原戦のボールは回転も全然違う。昔のセルロイドとあまり違わないけど(他のボールと)全然違う。今回じゃんけんでボールが自由に選べて,決めるので、来年から少しでもそこが良くなることを願っています。日本代表が全部4−3とか試合をしている時には全部違うメーカーのボールだった。ボールで試合の勝負が決まってしまうのはおかしいと思います」と水谷。
 ぜひ来年は1社のボールを使用球とすることを協会には望みたい。
  • 慣れないボールに四苦八苦した水谷

  • ワールドツアーを戦う選手にとって今回のルールは厳しいものだ

  • ボールの品質が安定していないため、時間をかけて選球する選手も多い

●男子ダブルス準々決勝

森薗/三部(明治大/青森山田高)6、-5、-13、11、11 加藤/吉田(愛知工業大)

吉村/平野(野田学園高)8、12、-7、5 森田/軽部(シチズン)

張/高木和(東京アート)3、-7、9、9 吉村/藤村(愛知工業大)

岸川/水谷(ファースト/beacon.LAB)11、4、-6、6 松平賢/上田(協和発酵キリン)

 男子ダブルス準々決勝が終了。昨年度優勝の森薗/三部は、加藤/吉田との激しいラリー戦を制して、今年もベスト4に勝ち進んだ。5ゲーム目にマッチポイントを握られる場面もあったものの、最後は三部のスーパーブロックと、森薗の電光石火のカウンタードライブで決着をつけた。三部はイージーミスも時々出るのだが、要所での集中力と、相手の意表を突くアイデアにセンスを感じさせた。
  • ベスト4入りを決めた前回王者の森薗/三部

●女子シングルス6回戦

石川(全農) -8、10、6、-8、6、4 加藤(JOCエリートアカデミー)
伊藤(スターツSC)4、9、8、-11、9 酒井(ミキハウス
)
平野美(JOCエリートアカデミー)-7、7、-7、8、6、-8、5 松澤(日立化成)
前田(希望が丘高)10、10、8、9 若宮(日本生命) 

森薗(日立化成)5、5、4、4 牛嶋(正智深谷高)

松平(ミキハウス)6、11、-6、9、-10、9 田代(日本生命)

佐藤(札幌大谷高)10、6、8、-8、7 松本(ミキハウス)

石垣(日本生命) 6、-10、-8、9、9、9 山本(中央大)

女子はベスト8に高校生が2人、中学生が2人入り、若い力の台頭を印象づけている。
カットマンの佐藤の相手は昨日早田を倒した試合巧者の松本。
松本のミスのないループドライブとツッツキに対し、粘るカットと反撃で対応。ドライブだとブロックされるので、途中からスマッシュで打ち抜きにくるところはさすがの対応力。世界ジュニアやグランドファイナルを経験し、1年で試合の作り方がうまくなった感がある。

敗れた松本は「もっとストップで前後に振る戦術を多く使うべきでした。ドライブの回転で攻めても相手は取り慣れているので、決め球のスマッシュを打つべきだったし、スマッシュにつながるプレーをもっと考えなければならないです。やり方を変えないと難しい。
 プラスチックボールになって三球目攻撃が浅くなったり、止まったりしてしまう。回転もかからないので、カットマンがあまり下がらなくて、前にいるので反撃も打たれてしまうようになってしまった」とコメント。回転が少なくなり、不利になったと思われたカットマンだが、佐藤はそれを払拭するような見事なプレーだった。
  • 松本を下し8強入りした高校生の佐藤

  • 松本は佐藤のカットを崩せなかった

 昇り龍の大島(早稲田大)と元学生チャンピオンの神(明治大)の対戦。出足から大島のフットワークとドライブが神を上回り、3-0とゲームをリード。勝負あったかと思ったが、ここから神の粘り腰。4ゲームを奪い返し、ジワジワと大島に迫っていく。そして6ゲームの終盤から神の雄叫びがヒートアップ。そして、最後は11-9で「神がかり」の逆転勝利。初のランク入りでいきなりベスト8に進出した。
 「学生になってから勝ったことがなく分が悪かった。0-3になったけど、点数は競っていたし、タイプ的にも僕と同じで動ききるタイプで、大島のほうが足が速くて同じ土俵で戦ったら難しいと思っていた。距離感もあっていたのでもし1ゲームでも取ったら行けると思っていた。6ゲーム目あたりから相手が緊張しているのが分かった。最後はどこまで自分を信じられるかだった。信じました。土曜日に観客の多いところでやれるのは燃える。本当にうれしいです」

●男子シングルス6回戦結果
神(明治大) -9、-8、-7、6、10、7、9 大島(早稲田大)
水谷(beacon.LAB)10、8、10、-9、9 森薗(明治大)
吉村(愛知工業大)7、5、-5、7、11 森本(協和発酵キリン) 
岸川(ファースト)8、9、-7、8、10 軽部(シチズン)
松平健(JTB)7、10、-6、-10、9、11 上田(協和発酵キリン)

吉田海(Global Athlete Project)-7、9、-9、6、9、4 塩野(東京アート)


吉田雅(愛知工業大)6、6、-9、-10、5、-9、5 松平賢(協和発酵キリン)

丹羽(明治大)-8、5、-11、10、9、6 藤本(日鉄住金物流)
  • 大逆転でベスト8入りした神

 女子ダブルスも5回戦が終了し、ベスト8が出揃った。注目のカード、平野/石川vs平野/伊藤は、昨年度優勝の平野/石川が接戦を制してベテランの意地を見せた。

●女子ダブルス 5回戦
平野/石川(ミキハウス/全農) -6、7、8、-8、5 平野/伊藤(JOCエリートアカデミー/スターツSC)
土田美紀/三宅(中国電力) 11、-8、-8、13、9 橋本/塩見(四天王寺高)
田代/藤井(日本生命) 7、-9、11、9 原/松村(アスモ(株))
中村/市川(日立化成) -6、4、-6、7、10 堀/安藤(専修大/慶誠高)
阿部/森薗(四天王寺高) 4、8、13 根本/大森(十六銀行)
中川/土田美佳(中国電力) 5、5、-4、9 河村/森永(アスモ(株))
石川/加藤(JOCエリートアカデミー) 3、-7、7、-7、7 梅村/塩見(ミキハウスJSC)
土井/宋(中国電力) 6、-2、4、8 池田/平野(日立化成/東京富士大)
  • ミウミマを破り2連覇に向けはずみをつけた平野/石川

  • 平野/石川に迫るもあと一歩の平野/伊藤