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世界卓球蘇州大会WEB速報

●男子ダブルス決勝
許シン/張継科(中国) ー12、7、9、ー9、7、9 樊振東/周雨(中国)

まさに世界最強ダブルスのぶつかり合いとなった男子ダブルスの決勝戦。
周雨が強烈な台上ドライブで攻め、許シンが人間離れしたフットワークで打ち返す。それを待っていましたと言わんばかりの樊振東が狙い打ち、張継科が中陣バックドライブで横入れするなど、すべてのラリーが超絶スーパープレー。

6ゲーム目、10−3と許シン/張継科がリードし、勝負は決まったかと思われたが、そこから突如、許シンがミスを連発し、スコアは10−9。
しかしそこからはさすがの許シン/張継科。最後はキッチリと決めて、勝利のガッツポーズに今大会3回目の胸ドン!

前回の13年パリ大会では男子ダブルスを逃していたが、自国開催で負けるわけにはいかなかった中国勢。優勝した許シン/張継科と準優勝の樊振東/周雨。かつてないレベルの高さで中国の強さを示した。
  • 張継科/許シン、初優勝の喜び

  • 樊振東/周雨は一歩及ばず

  • 決勝後の表彰、松平/丹羽ペアが表彰台に立った

●女子シングルス決勝
丁寧(中国) ー7、13、7、9、ー9、ー4、8 劉詩ウェン(中国)

蘇州大会の女王は丁寧、2大会ぶり2回目の優勝!

昨日の準々決勝の武楊戦、今日の準決勝の木子戦とゲームオールの激戦を戦いながら、決勝でも疲れも見せず、豊富な運動量を見せていた丁寧。決勝でも第1ゲームを落としながら、何回フォアに飛ばされても粘り強く回転量の多いドライブで返球。劉詩ウェンのミスを誘う。ゲームカウント1ー3とリードされた劉詩ウェンも、第6ゲームにはフォアストレートへの飛びつきざまの攻撃など、丁寧の待ちを外してゲームカウント3ー3とする。

ドラマがあったのは最終ゲーム。劉詩ウェンが1ー0とした場面で、フォアに大きく飛びついた丁寧が転倒。右足首を傷め、治療のタイムを取る。ようやく立ち上がった丁寧が、右足を引きずりながら卓球台の前についた時、「劉詩ウェンの初優勝か」と思った人がほとんどだっただろう。

しかし、ここが卓球の難しさ。大きく動けない丁寧の前陣のプレーに対し、劉詩ウェンのブロックにミスが増える。フォアへのロングサービス、フォア前へのショートサービスからの展開など、丁寧を動かす術(すべ)はあったはずだが、そうはしなかった。丁寧が4ー5から4点連取で逆転し、6ー8で異例の促進ルールに入っても流れは変わらず。最後は丁寧のバックフリックに対し、劉詩ウェンのフォアハンドがネットにかかり、丁寧が大きな声で吠えた!
  • 優勝の瞬間、感情を爆発させた丁寧

  • 劉詩ウェン、2大会連続の銀……

  • 右足首の治療を受ける丁寧

●男子シングルス準々決勝
張継科(中国) 4、6、ー10、5、9 水谷

現五輪・世界王者の張継科に挑んだ水谷。第3ゲームを奪ったものの、1ー4で敗れ、今大会はベスト8。


「張継科とは何度もやっているけど今まで一番悪かった。彼の球質も、受けたことのないような質の高いボールで、3ゲーム目からようやく対応できるようになった。入れるだけだと次を攻められるし、少しでも打たれないように厳しいボールを送ろうとしてミスが出た」。試合の序盤をそう振り返った水谷。張継科の強烈な回転にとまどい、守りのプレーになった。中国選手を相手に2ゲームを先取されては、プレッシャーをかけることは難しい。「今日のプレーの出来は20点くらい」と悔しさをにじませた。第5ゲーム9ー10の場面では、まさかのサービスミスでの終戦だった。

「自分がパニックになってしまった。フォアハンドもバックハンドも質が高くて、攻めたいのに、質が高いボールに対して守りになった。それに対して前陣ではなく後陣でラリーに持って行くやり方でも良かった。5ゲーム目を取っていたら、守って相手のフォアばかり攻めようと思っていた
 中国選手に勝つためにたくさん練習をしてきたけど、今までの練習を変えていかないといけない。ボールの回転量のある選手と練習していきたい」(水谷)
 
●男子シングルス準々決勝
樊振東(中国) 10、9、ー8、7、ー13、7 ボル(ドイツ)

18歳の中国の新鋭と、34歳の欧州の皇帝の対戦は、樊振東に凱歌!

敗れたとはいえ、ボルも樊振東の台上バックドライブを、第1ゲームからカウンターで狙う。今日朝の男子ダブルス準決勝で、松平/丹羽を悩ませた樊振東の剛球を、ボルは両ハンドで確実にカウンターできていた。特にフォアのカウンターの精度は抜群だった。
しかし、そのボルのカウンターを、樊振東は平然と中陣からバックドライブで引き返し、さらに回り込んでフォアドライブで反撃。観客を驚嘆させるラリーが何本も展開された。ボルは落とした第1・2ゲーム、第6ゲームで数本ずつエッジやネットインがあったのはややアンラッキー。しかし、そこはボールをねじ込む樊振東の技術力をほめるべきか。

中国の観客からも「波尓(ボル)、加油!」の声援が送られたボル。表彰台はならなかったが、やはり存在感は抜群。全力を尽くしたグッド・ルーザーだった。
●男子シングルス準々決勝
馬龍(中国) 7、9、6、1 唐鵬(香港)
方博(中国) 5、9、ー8、5、5 フランチスカ(ドイツ)

唐鵬、フランチスカ、ボル、そして水谷隼の4人が中国選手と対戦する男子シングルス準々決勝。第2試合まで終了し、馬龍と方博が快勝でベスト4進出。女子シングルスに続く、中国勢のベスト4独占を止められる選手はいるのか。その希望は今や、ボルと水谷のふたりに託されている。

馬龍対唐鵬の一戦は、ラリーにはなるものの、速さとパワーで馬龍が圧倒。バック表ソフトの攻守にミスのない唐鵬だが、馬龍のパワードライブはさすがに受けきれなかった。4回戦の李尚洙戦で見せたバックカットも、馬龍が相手ではチャンスボールにしかならない。

許シンを破って勝ち上がった方博は、フォアサイドの強さが光った。張継科や樊振東のような、台上からバックハンドを多用するスタイルとは違い、フォア7対バック3という中国伝統のスタイル。フォアクロスに攻められたボールを、確実に威力あるドライブでクロスへカウンターした。フランチスカも第3ゲーム10ー8で、方博のチキータをバックドライブで狙い打ち、このゲームを奪ったが、第4ゲーム以降はチャンスがなかった。
  • 方博、銅メダル以上が確定

  • フランチスカ、健闘光るもベスト8止まり

●女子シングルス準決勝
劉詩ウェン(中国) 6、ー8、9、7、8 李暁霞(中国)

劉詩ウェンが前回大会決勝で敗れた相手、李暁霞を4ー1で下し、決勝進出!

これまでバックサイドに李暁霞の回転量の多いバックドライブを集められ、返球があまくなったところを回り込んで狙われるパターンが多かった劉詩ウェン。しかし、この試合ではバックサイドを切る返球にも、前陣でのショートスイングのバックハンドで低く正確に返球。李暁霞にチャンスを与えなかった。李暁霞も長年の故障の影響か、フォアハンドの手数が減った。抜群の決定率を誇る回り込みシュートドライブは、ほとんど見られず。気迫と闘志でも劉詩ウェンが上回っていた。

決勝は丁寧対劉詩ウェン。この大会で優勝すれば、リオデジャネイロ五輪のシングルス代表の座に大きく近づく。激しい闘志のぶつかり合いになるだろう。
●女子シングルス準決勝
丁寧(中国) ー9、6、10、ー5、6、ー1、6 木子(中国)

女子シングルス準決勝、丁寧が木子をゲームオールで破った!
木子のバック表ソフトのボールに対して、バックドライブの弧線が高くなり、木子にフォアハンドで狙われた丁寧。フォアの打ち合いでも全く互角で、我慢・我慢の試合展開だったが、最終ゲーム6ー5でタイムアウトを取ってから、粘る木子を引き離し、熱戦に終止符を打った。

敗れたとはいえ、木子が今大会で見せた攻撃力は圧巻だった。体幹の強さを生かし、ミドルのボールはボディワークを使ってフォアドライブで返球し、すぐに体勢を立て直す。フォアの飛びつきからの戻りも早く、ドライブ対ドライブの引き合いでは抜群の強さを見せた。中国女子では「中堅」の存在だが、その実力は並ではなかった。
  • 丁寧、2大会ぶりに決勝へ!

  • 敗れたとはいえ、存在感を見せた木子

  • 丁寧親衛隊、感涙、抱擁…

 昨日あたりから会場には、丁寧(中国)の応援をする「丁寧親衛隊」の姿が目立っている。今朝も行きがけのコンビニで一緒になったが、丁寧が好きだというドラえもんのロゴを模した「丁寧」という名前入りTシャツを着ていた。そして会場では、着替えたのか全員がお揃いの黄色いTシャツだ。

 ちなみにひとりも男性はおらず、ほとんど若い女性、地味めでメガネ率高し。宝塚の追っかけに近い心理なんでしょうね。会場では丁寧が1点取るたびに、大歓声が起こっている。こんな選手は丁寧だけです。
  • ちょっと暗いですが、今日の丁寧親衛隊

  • 昨日から増え始めている

  • 全中国運動会などでは見かけませんでしたが…

  • どんな心境なんでしょう、本人は

●男子ダブルス準決勝
樊振東/周雨(中国) 6、7、6、6 松平/丹羽
許シン/張継科(中国) ー9、6、9、6、ー4、3 李尚洙/徐賢徳(韓国)

松平/丹羽は中国ペアに敗れ、銅メダルが確定した。
最初から最後まで、樊振東の台上バックドライブにやられた。ベンチに入った倉嶋洋介監督は「樊振東のチキータは世界トップクラスのチキータ。いろいろサービスを変えたり、策を講じたけれど、全部チキータでやられましたね。そのプレッシャーが強すぎて、ラリーにできなかった」と語った。樊振東は要所で、フォア前のボールもバックで回り込み、強烈な台上バックドライブ。これが高いレベルでできるのは、中国でも樊振東と張継科だけか。このボールを狙えない日本ペアに対し、中国ペアは対チキータのレベルも高く、しっかり予測してカウンターで狙ってきた。

「試合で中国と戦う機会を増やさないと中国には対応できない。こういう大舞台で中国とやらないといけない。日本選手同士で練習していてもダメです。ぼくらも精一杯やったけど、何度やっても同じように負けると思う」(丹羽)。「今の試合は通用した部分はないです。通用した部分があったら、あんな負け方はしない」(松平)。試合後、厳しい言葉を口にしたふたり。メダル獲得の充実感より、今大会の最後の試合が完敗に終わった悔しさをにじませた。それでも、速さで中国に対抗できるふたりのダブルスは、対中国の一番手。ここからどこまでパワーアップできるのか。

男子ダブルス準決勝のもうひと試合は、許シン/張継科が韓国ペアに勝利。張継科が第2ゲームの終了後、治療用のタイムアウトを取って右肩のマッサージを受けていた。
  • 松平/丹羽、悔しい敗戦

  • ひきしぼる剛腕、樊振東の台上バックドライブ

5月2日・大会第7日目のタイムテーブル ※試合時間は日本時間

●男子ダブルス準決勝
11:00~ 樊振東/周雨(中国) vs. 松平健太/丹羽孝希(日本)
12:00~ 許昕/張継科(中国) vs. 李尚洙/徐賢徳(韓国)

●女子シングルス準決勝
13:00~ 丁寧(中国) vs. 木子(中国)
14:00〜 李暁霞(中国) vs. 劉詩ウェン(中国)

●男子シングルス準々決勝
15:00〜 馬龍(中国) vs. 唐鵬(香港)
16:00〜 フランチスカ(ドイツ) vs. 方博(中国)
17:00〜 ボル(ドイツ) vs. 樊振東(中国)
19:45〜 張継科(中国) vs. 水谷隼(日本)

●女子シングルス決勝 21:00〜
●男子ダブルス決勝 22:15〜

大会第7日目のタイムテーブルは上記のとおり。朝一番の男子ダブルス準決勝で、松平/丹羽ペアが中国ペアに挑む。昨日は男子シングルスで樊振東に敗れた丹羽だが、試合後に「シングルスとダブルスでは違う。前回はゲームオールで負けたけど、その競り合ったイメージで戦いたい」と語っている。まだ粗さの残る周雨がナーバスになるか、精神的に余裕が出てくるかでこのペアの戦力は相当変わる。第1ゲームの出足から、準々決勝のような積極的な攻めを見せてほしい。
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※上記リンクは2015年4月時点のものです。