●女子ダブルス1回戦
杜凱琹／姜華君（香港）　ｰ8、3、10、1　北岡／庄司
陳夢／朱雨玲（中国）　7、9、7　浜本／加藤


●男子ダブルス1回戦
松平／丹羽　6、7、ｰ9、11　シェルベリ／イェレル（スウェーデン）
趙彦来／金東賢（韓国）　8、ｰ5、10、ｰ5、7　及川／三部
森薗／大島　5、ｰ6、5、8　方博／閻安（中国）

男女ダブルスの決勝トーナメント1回戦が終了。女子ダブルスは日本の2ペアが敗れ、日本勢はすべて姿を消した。

そして男子ダブルスでは、森薗／大島が中国ペアを撃破。「蘇州大会で優勝した中国ペア相手に良い試合ができて、ここで負けて『やっぱり勝てないのか』と思われたくなかった。強い気持ちを持って試合に臨んだ」（森薗）。森薗のチキータは相変わらず効果抜群で、ノータッチのレシーブエースが何本もあった。そして第4ゲームは10ｰ5から10ｰ8まで挽回されてから、大島のチキータが相手のフォアを駆け抜けた。「蘇州大会の経験と自信を持って、このペアにも向かっていけた。最後の10ｰ8では、どんなサービスが来ても2本ともチキータでいこうと思っていた」（大島）。

「してやったり」の見事な勝利。今大会、もちろん狙うのは優勝しかない。

★大会第3日目・6月26日のタイムテーブル

10：00～　●女子ダブルス決勝トーナメント1回戦
北岡エリ子／庄司有貴　vs.　杜凱琹／姜華君（香港）
浜本由惟／加藤美優　vs.　陳夢／朱雨玲（中国）

10：30〜　●男子ダブルス決勝トーナメント1回戦
松平健太／丹羽孝希　vs.　シェルベリ／イェレル（スウェーデン）
及川瑞基／三部航平　vs.　趙彦来／金東賢（韓国）
森薗政崇／大島祐哉　vs.　方博／閻安（中国）

11；00〜　●U-21女子シングルス決勝
佐藤瞳　vs.　ツォン・ジェン（シンガポール）
11：30〜　●U-21男子シングルス決勝
吉田雅己　vs.　大島祐哉

12：00〜　●女子シングルス1回戦
石垣優香　vs.　リー・ジャオ（オランダ）
石川佳純　vs.　リン・イエ（シンガポール）
平野早矢香　vs.　田志希（韓国）
若宮三紗子　vs.　馮天薇（シンガポール）

13：30〜　●女子シングルス1回戦
森薗美咲　vs.　杜凱琹（香港）
佐藤瞳　vs.　徐孝元（韓国）
福原愛　vs.　陳思羽（チャイニーズタイペイ）

14：30〜　●男子シングルス1回戦
村松雄斗　vs.　李平（カタール）
丹羽孝希　vs.　ワン（カナダ）
吉村真晴　vs.　鄭栄植（韓国）

15：30〜　●男子シングルス1回戦
松平賢二　vs.　朱世爀（韓国）
水谷隼　vs.　リウェンツォフ（ロシア）

16：30〜　●女子シングルス1回戦
平野美宇　vs.　丁寧（中国）
伊藤美誠　vs.　劉斐（中国）

17：30〜　●男子シングルス1回戦
森薗政崇　vs.　荘智淵（チャイニーズタイペイ）

18：30〜　●女子シングルス2回戦の一部
19：30〜　●男子シングルス2回戦の一部

大会第3日目のタイムテーブルは上記のとおり。いよいよ男女シングルスの決勝トーナメントがスタート。ご覧のとおり、日本選手は男女とも1回戦から強敵ばかりだ。中国のトップ選手と当たるのは平野美宇くらい。中国がトップ選手をエントリーしてきた今大会で、まずはその中国勢への挑戦権を得る戦いとなる。さあ頑張れ、ニッポン！

●男子ダブルス予選トーナメント1回戦
呉智康／ヤン・ツー（シンガポール）　5、ｰ6、8、5　張本／木造
●男子ダブルス予選トーナメント2回戦
オーケストレム／M.カールソン（スウェーデン）　6、7、ｰ9、12　水谷／吉村
及川／三部　6、9、5　リー／ワン（トルコ／カナダ）
何鈞傑／リウェンツォフ（香港／ロシア）　ｰ7、10、1、7　塩野／村松

今大会で初めてペアを組んだ水谷／吉村は、初戦となる予選トーナメント2回戦で予想外の敗戦。「ペアリングどうこうより、とにかく最後まで慣れないまま終わってしまった。初戦の難しさを感じました」と試合後の水谷。相手のスウェーデンペアは、右シェーク・バック粒高のオーケストレムと、右シェーク・フォア表のM.カールソン。粒高と表ソフトのボールに前後に揺さぶられ、水谷／吉村にミスが出た。

「反省すべきところは（プレーの）全部ですね。簡単なミスが多すぎた」（吉村）。格下ペアを相手に気持ちが乗りきらず、台の弾みや雰囲気に慣れないままでの終戦。ふたりの表情に、落胆の色はそれほどなかったが、明日のシングルスに不安を残した。

●女子シングルス予選トーナメント2回戦
劉斐（中国）　9、4、6、6　加藤
若宮　ｰ5、11、9、7、10　ドルギフ（ロシア）
佐藤　7、2、ｰ9、8、1　黄怡樺（チャイニーズタイペイ）
森薗　8、ｰ5、ｰ14、7、10、9　ツォン・ジェン（シンガポール）
李皓晴（香港）　10、ｰ10、10、5、10　森
平野美　5、3、1、3　李スル（韓国）
陳思羽（チャイニーズタイペイ）　4、7、9、9　丹羽

女子シングルスも予選トーナメントが終了。日本勢では若宮、佐藤、森薗、平野美の4人が決勝トーナメントへ勝ち上がった。

カットの佐藤は、安定感抜群のバックカットと正確な前後の動きで、ベテランの黄怡樺に攻略の糸口を与えなかった。第5ゲームは10ｰ0までリードを広げる圧勝。きっちり本選に勝ち上がるあたり、地力はついてきている。森薗は中国からの移住選手で、超級リーグでのプレー経験もあるツォン・ジェン（曾尖）に競り勝った。世界ランキングを25位に上げ、厳しい立場とはいえ、リオ五輪への選考レースに名を連ねている森薗。このジャパンオープンでは相当なプレッシャーがかかるはずだが、試合終盤でも無理な強打をせず、相手の立ち位置を見極めたカウンターブロックなど、終始冷静だった。価値ある1勝だ。

平野美宇は、韓国の若手を全く寄せつけず。世界選手権後に腰を傷めたという平野、今大会は大会直前に女子ダブルスの出場を回避したが、かなり回復してきているという。「以前は試合前になると、負けたらどうしようとか考えたり、緊張してしまっていたけど、世界選手権で思ったより緊張せずに楽しく試合ができた。だから世界選手権が終わってから、試合でも緊張しなくなりました」（平野）。世界の大舞台が15歳の平野を成長させた。いや、潜在能力を引き出したと言うべきか。

●男子シングルス予選トーナメント2回戦
ロランツ（フランス）　5、8、7、ｰ3、ｰ12、ｰ8、6　塩野
森薗　ｰ6、8、7、2、9　イェレル（スウェーデン）
松平賢　8、10、ｰ10、7、8　陳建安（チャイニーズタイペイ）
ウラソフ（ロシア）　9、8、9、7　高木和
吉村　4、5、8、6　黄聖盛（チャイニーズタイペイ）
譚瑞午（クロアチア）　ｰ8、ｰ8、9、9、ｰ10、6、5　松平健

男子シングルスは予選トーナメントの2回戦が終了し、明日の決勝トーナメントに進む16名が決定した。日本男子では森薗、松平賢、吉村が決勝トーナメント進出。イェレル、陳建安、黄聖盛といずれもサウスポーの実力者を下した。

一方、松平健太はやはりサウスポーの譚瑞午に競り負けた。ドイツ・ブンデスリーガのフリッケンハウゼン時代にチームメイトだった譚瑞午だが、公式戦での対戦は初めて。「相手はレシーブがあまりうまくないので、サービスで崩して3球目で攻める作戦だった。サービスは最後まで効いたけど、途中から3球目攻撃を待たれてしまって、コースやタイミングが合ってきた。それに対してぼくは変化をつけていくことができなかった」（松平健）。リオ五輪への道はますます険しさを増していく。また、前々回大会の覇者である塩野も、フランスのロランツに敗れている。

昨日の馬龍に続き、今日は今野編集長が丁寧にインタビュー。選手としての生い立ちから、ロンドン五輪後の大きな挫折、そして蘇州大会決勝でのあの右足のケガまで、よどみなくインタビューに答えてくれた。頭の回転がとても速く、表情やジェスチャーも豊か。どの世界に行っても成功する、人間としての魅力を感じた。

ちなみに現役を引退したら、世界中を回っていろいろなものを見て勉強したいとのこと。日本でも行きたいところがたくさんあるとか。丁寧がバックパッカーになって、町の卓球場にふらりと現れたら……なんて想像するとちょっと面白い。

●U-21男子シングルス1回戦
シェルベリ（スウェーデン）　9、ｰ10、12、11　村松
張禹珍（韓国）　5、5、5　アングレ（フランス）
及川　5、10、ｰ7、ｰ9、９　何鈞傑（香港）
吉田　8、8、ｰ6、8　チュウ・ジェユー（シンガポール）
大島　8、6、9　ラーネフール（スウェーデン）
姜動洙（韓国）　ｰ9、4、ｰ9、7、7　町
三部　6、ｰ5、ｰ9、11、13　廖振ティン（チャイニーズタイペイ）
金東賢（韓国）　6、8、ｰ7、ｰ2、7　坂根

U-21男子シングルス1回戦、兵庫県推薦の坂根翔大（育英高）が第2シードの金東賢（韓国）をあと一歩まで追い詰める健闘を見せた。昨日、チャイニーズタイペイの洪子翔を破る殊勲の星を挙げた左シェークドライブ型の坂根。金のパワードライブに押されながらも、第3ゲームからは相手のフォアを果敢に攻め、要所で混ぜるフォアの上回転サービスも有効だった。最終ゲーム、2ｰ4から6ｰ4と逆転して「また金星か？」と思わせたが、ここから連続ポイントを許して敗れた。

「こういう経験をさせてもらえて良かった。大きな自信になりました。去年の全日本ジュニアでベスト8に入って、もっと上を目指したいという気持ちが出てきた。まずは日本代表に入って、そして東京五輪を目指していきたい。ひとつずつのボールの質を高めていきたい」（坂根）。試合疲れや、過度のプレッシャーにプレーを乱す選手も少なくない中で、攻めのプレーを貫き、爽やかに戦い抜いた。

一方、第1シードの村松はシェルベリに苦杯。攻撃とカットのコンビネーションがもうひとつで、必殺の武器であるバックドライブもほとんど見られなかった。プラボールの影響か、対カットの打ちミスが各選手とも非常に少なくなっている。村松には明日の男子シングルス1回戦での巻き返しに期待したい。

●U-21女子シングルス1回戦
松平　9、8、7　リン・イエ（シンガポール）
スッチ（ルーマニア）　ｰ9、ｰ9、7、4、8　森
ツォン・ジェン（シンガポール）　ｰ8、10、3、ｰ2、9　前田
早田　ｰ11、ｰ8、9、6、5　崔禎珉（韓国）
加藤　12、7、6　李ダソム（韓国）
周一涵（シンガポール）　ｰ7、ｰ5、8、7、4　木原
浜本　4、7、3　朱成竹（香港）
佐藤　2、ｰ2、6、5　李幼芃（チャイニーズタイペイ）

U-21女子シングルスの1回戦、地元・兵庫から出場した小学5年生の木原美悠は、シンガポールの周一涵にゲームカウント2ｰ0から逆転を許した。
木原がツッツキで相手に打たせてからブロックで振り回し、変化のあるバックツッツキで揺さぶって2ゲームを連取。しかし、第3ゲーム以降は、周が早めの仕掛けで先手を取り、木原がミスをするまで安定した両ハンドドライブを打ち続けた。ツッツキに対して攻撃で先手を取れない木原との技術力の差が出た。

昨日は不戦勝で、実際の試合での1勝はならなかった木原。「1勝できなくて悔しい。下回転のサービスからしっかり攻撃できるようになりたい。次は全日本ホープスで優勝するのが目標」と試合後に語った。

下写真は森に0ｰ2から逆転勝ちしたスッチ。見た目には勝ち気でキレやすい（失礼）感じだが、追い詰められた時に力を発揮する粘り強さを持っている。今大会は逆転勝ちの連続だ。

★6月25日・男女シングルス／U-21男女シングルスのタイムテーブル

10：00〜
●U-21女子シングルス1回戦
松平志穂　vs.　リン・イエ（シンガポール）
森さくら　vs.　スッチ（ルーマニア）
前田美優　vs.　ツォン・ジェン（シンガポール）
早田ひな　vs.　崔禎珉（韓国）
加藤美優　vs.　李ダソム（韓国）
木原美悠　vs.　周一涵（シンガポール）
浜本由惟　vs.　朱成竹（香港）
佐藤瞳　vs.　李幼芃（チャイニーズタイペイ）

10：30〜
●U-21男子シングルス1回戦
村松雄斗　vs.　シェルベリ（スウェーデン）
及川瑞基　vs.　何鈞傑（香港）
吉田雅己　vs.　チュウ・ジェユー（シンガポール）
大島祐哉　vs.　ラーネフール（スウェーデン）
町飛鳥　vs.　姜動洙（韓国）
三部航平　vs.　廖振ティン（チャイニーズタイペイ）
坂根翔大　vs.　金東寅（韓国）

11：00〜
●女子シングルス予選トーナメント2回戦
加藤美優　vs.　劉斐（中国）
若宮三紗子　vs.　ドルギフ（ロシア）

12：00〜
●男子シングルス予選トーナメント2回戦
塩野真人　vs.　ロランツ（フランス）
森薗政崇　vs.　イェレル（スウェーデン）
松平賢二　vs.　陳建安（チャイニーズタイペイ）

13：00〜
●男子シングルス予選トーナメント2回戦
高木和卓　vs.　ウラソフ（ロシア）
吉村真晴　vs.　黄聖盛（チャイニーズタイペイ）
松平健太　vs.　譚瑞午（クロアチア）

14：00〜
●女子シングルス予選トーナメント2回戦
佐藤瞳　vs.　黄怡樺（チャイニーズタイペイ）
森薗美咲　vs.　ツォン・ジェン（シンガポール）
森さくら　vs.　李皓晴（香港）
平野美宇　vs.　李スル（韓国）
丹羽美里　vs.　陳思羽（チャイニーズタイペイ）

大会第2日目の6月25日、神戸の街は爽やかな青空が広がっている。注目される男女シングルス予選トーナメント2回戦、そしてU-21男女シングルス・決勝トーナメント1回戦のタイムテーブルと組み合わせは上記のとおり。
男女シングルス予選2回戦は、どの選手もハードな戦い。この試合に勝てば、明日行われる決勝トーナメント1回戦（32枠）に進むことができる。日本選手にはひとりでも多く勝ち進んでもらいたい。

女子シングルス予選トーナメント2回戦の後は、男女ダブルス予選トーナメントの1・2回戦、そしてU-21男女シングルスは今日の最終試合で、準決勝まで終了する。

●男子シングルス予選トーナメント1回戦
シェルベリ（スウェーデン）　7、9、7、8　町（明治大）
ラーネフール（スウェーデン）　9、8、ｰ5、8、ｰ8、ｰ4、9　大島（早稲田大）
ワン（カナダ）　ｰ9、7、ｰ7、12、6、10　神（シチズン）
尚坤（中国）　10、12、7、ｰ6、11　岸川
楊子儀（チャイニーズタイペイ）　5、6、9、ｰ8、ｰ9、5　吉田（愛知工業大）

●女子シングルス予選トーナメント1回戦
鄭先知（チャイニーズタイペイ）　4、ｰ8、ｰ5、7、ｰ9、9、5　前田（日本生命）
ボルマイヤー（ドイツ）　9、4、ｰ12、3、7　松平（ミキハウス）
王意如（チャイニーズタイペイ）　3、ｰ5、7、13、ｰ3、9　浜本（JOCエリートアカデミー／大原学園）
崔禎珉（韓国）　8、8、8、ｰ9、10　早田（石田卓球クラブ）
ミハイロワ（ロシア）　14、ｰ7、5、7、8　北岡（日立化成）

男女シングルスの予選ラウンドは、今大会はリーグではなく、敗れればそこで終わりのトーナメント方式。男子で世界選手権蘇州大会代表の吉田や大島が敗れ、女子では黄金世代のひとりである早田や、社会人1年目の前田が姿を消した。明日の予選トーナメント2回戦で勝利すれば、決勝トーナメント（32枠）に進出できる。これはなかなか狭き門だ。