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ジャパンオープン・荻村杯2015

★ジャパンオープン荻村杯2015・メダリスト一覧

〈男子シングルス〉
優勝:許シン(中国)
準優勝:吉村真晴(日本・愛知工業大)
3位:樊振東(中国)、尚坤(中国)

〈女子シングルス〉
優勝:陳夢(中国)
準優勝:朱雨玲(中国)
3位:丁寧(中国)、劉詩ウェン(中国)

〈男子ダブルス〉
優勝:馬龍/許シン(中国)
準優勝:樊振東/尚坤(中国)
3位:森薗政崇/大島祐哉(日本・明治大/早稲田大)、アポローニャ/譚瑞午(ポルトガル/クロアチア)

〈女子ダブルス〉
優勝:劉斐/武楊(中国)
準優勝:リン・イエ/ジョウ・イーハン(シンガポール)
3位:杜凱琹/姜華珺(香港)、丁寧/劉詩ウェン(中国)

〈U-21男子シングルス〉
優勝:大島祐哉(日本・早稲田大)
準優勝:吉田雅己(日本・愛知工業大)
3位:三部航平(日本・青森山田高)、シェルベリ(スウェーデン)

〈U-21女子シングルス〉
優勝:佐藤瞳(日本・札幌大谷高)
準優勝:ツォン・ジェン(シンガポール)
3位:スッチ(ルーマニア)、ジョウ・イーハン(シンガポール)

これでジャパンオープン荻村杯の速報を終わります。大会の詳しい報道記事は、7月21日発売の卓球王国9月号に掲載。ご期待ください!!
男子シングルスではノーシードながら、鄭栄植(韓国)、唐鵬(香港)、朱世爀(韓国)、そして尚坤(中国)を破って勝ち上がり、決勝で許シン(中国)に迫った吉村真晴。高校3年生での全日本選手権の優勝後、なかなか成績が伸びない苦しい時期もあったが、ジャパンオープンの主役はこの男だった。技術、戦術、そして精神面と確かな成長を感じさせた。鮮やかなカムバックを、心から祝福したい。

表彰後の会見では、ゲームカウント1ー1の11ー10の場面でのスマッシュミスについて尋ねられ、「非常に悔しいミスと今でも思っています。あれが決まって2ー1でリードできれば、許シンに精神的なダメージを与えられた。ゲームを揺さぶる1点だった」と悔しさをのぞかせた。

これで吉村は世界ランキングを大きく上げ、リオデジャネイロ五輪の選考レースでも一気にスパートをかけた形だ。しかし、油断はない。「リオ五輪という大きな目標は常に置いているけど、大きい目標ばかり見て足下をすくわれるのが一番良くない。一戦ずつ、目の前の敵を倒すことに集中していきたい。その先にリオ五輪があると思います」(吉村)。許シンも賞賛した変化サービスも含め、これから中国にはライバルとして研究されることになるが、中国の確率論が通用しない意外性が、吉村真晴にはある。
●男子シングルス決勝
許シン(中国) −9、2、12、7、7  吉村真晴(日本)

 1ゲーム目の出足で5−2とリードする吉村。ラリーになっても対応している。7−4、8−5から8−8に追いつかれるが、2本サービスエースで10−8、レシーブエースで11−9で第1ゲーム先取。

 第2ゲーム、許シン3−0と出足でリードし、一気に8−1まで離す。このゲームを11−2で許が取り返す。

 第3ゲーム、2−2、4−4、5−5の一進一退。ラリーで決めて吉村7−5のリードしたが8−8に追いつかれ、10−10から吉村の3球目攻撃が決まり11−10。次のラリー中の浮いたボールをミスして11−11。最後は14−12で許が連取。次第に許は吉村のサービスの球種を読んできている。

 第4ゲーム。許が3−1リードで、ベンチの倉嶋監督がタイムアウト。4−4に吉村追いつくも、7−4で再び許リード。8−5、9−5、9−6、9−7、許がラリーで驚異的な動きを見せ10−7でゲームポイント。最後は許のサービスエースで11−7で優勝に王手をかけ、吉村は後がない。

 第5ゲーム。ラリーになってからの許のボールの威力に押されるように吉村に打ちミスが出てきた。攻撃も決まり挙が3−0でリード。1ゲーム目に効いていた吉村のサービスを多少浮いたとしてもミスなく返す許。ラリー戦で中陣、後陣から盛り返す許に、次第に焦りの見えてきた吉村。
 6−1から6−3になったところで劉国梁監督はタイムアウト。ここで一気に勝負に出るか。7−3から吉村粘り7−7に追いつく。許のサービスで9−7、最後は11−7で許が優勝を飾った。
 優勝の瞬間もベンチに帰るときも許に笑顔はなかった。納得いかない試合だったのか。それだけ吉村が苦しめたと言うことだろう。吉村は大健闘。優勝はならなかったが、世界に、そして中国に「YOSHIMURA」をアピールしたジャパンオープンだった。
  • 許シンと真っ向勝負、敗れたとはいえ見事なプレーだった

  • 体は絞り切れていなかったが、許シンのフットワークはやはり驚異

  • 吉村、敗戦後のベンチ

  • 許シンはワールドツアー11大会目のV

●女子シングルス決勝 
陳夢(中国) 11、−6、−5、4、5、−6、7  朱雨玲(中国)

1−2とゲームをリードされた陳夢。ブロックを巧みに使い、カウンターを狙ってくる朱雨玲のペースになりそうだったが、3ゲーム目からはそのブロックを打ち抜くほどの強打を放ち、最終ゲームは連続攻撃で相手を封じた。特にフォアストレートへ放つフォアのパワードライブは、この選手ならではの迫力。蘇州大会ではシングルスのエントリーから外れ、再出発となる今大会で、久々に存在感を示した。

「ひさしぶりの優勝なので、この優勝が今後の自分の自信になると思います。朱雨玲とは互いに手の内をよく知っているけど、精神面でもしっかり準備ができた」(陳夢)。
  • 同世代のライバル朱雨玲を下した陳夢

  • ジャパンオープン初出場で初優勝を果たした

  • 陳夢必殺のフォアストレート攻撃!

●女子ダブルス決勝
劉斐/武楊(中国) 6、−7、9、5 リン・イエ/ジョウ・イーハン(シンガポール)



●男子ダブルス決勝

馬龍/許シン(中国) 8、11、−7、−10、8  樊振東/尚坤(中国)



女子ダブルスは中国のカットペア、そして男子ダブルスは優勝候補筆頭の馬龍/許シンが制した。

劉斐/武楊は、劉斐のカットのミスが多かったものの、シンガポールペアの攻撃の粗さに助けられた。シンガポールの帰化選手ふたりは、ツボにはまった時の一発は本家・中国以上のものがあるが、まだまだ荒削りだ。
男子ダブルス決勝は、第4ゲームに馬龍/許シンがマッチポイントを取ってから樊振東/尚坤が追い上げ、驚異の逆転劇で最終ゲームへ。樊振東/尚坤が8ー6でリードしたが、今度は馬龍/許シンが再び逆転。際どく勝利をおさめた。それにしても、ダブルスでの許シンはまさに「王様」だ。
  • 許シンの裏面チキータは威力抜群だった

  • 優勝したカットペアだが、劉斐(右)の技術はまだ先輩たちとは差があるか

●男子シングルス準決勝
許シン(中国) 7、8、−3、8、−3、−4、8 樊振東(中国)

 世界2位の許シンと同4位の樊振東の対決。お互いが探り合うような試合。激しい打撃戦にはならずに、相手をかわすようなラリーが多かった。前半リードした許シンが追いつかれ、勝負は最終ゲームへ。最後は許シンの強打が試合を終わらせた。

 これで大会のフィナーレを飾る男子シングルス決勝は、許シンと吉村の対決となった。吉村が得意のサービスでどれだけ崩せるのか。許シンが強打を打ち込む機会をどれだけ作れるのかに注目だ。17:00試合開始予定だ。
  • 許シン、順当に決勝へ勝ち上がる

  • 樊振東、驚異のカウンターも見せたが、あと一歩

●男子シングルス準決勝
吉村 ー7、ー6、6、9、6、ー5、8 尚坤(中国)

マハル、尚坤を破って決勝進出。ついに頂点まであとひとつ!

1ゲーム目のラブオールで、いきなりバッククロスへの強烈なパワードライブを振り抜いた尚坤。スイングスピードの速さとボールのキレは抜群で、「1・2ゲーム目は相手のパワーにとまどった」と試合後の吉村。しかし、ゲームカウント0ー2とリードされてから、本来のアグレッシブな攻撃が戻ってきた。「3ゲーム目からは挑戦者として戦うことができた。サービスも途中から思い切って出すことができた」(吉村)。攻守の転換も非常に良くなり、3ゲーム連取で逆転。6ゲーム目は序盤で離されたが、最終ゲームは僅差のリードをサービス力で乗り切り、熱戦に決着をつけた!

勝利後のガッツポーズはややおとなしめ。まだ次がある。決勝の対戦相手は、樊振東対許シンの勝者だ。
  • 観客の声援に応える吉村、やってくれました!

  • 尚坤は勝負所で攻めのプレーを貫けず

  • 中国勢にも非常によく効いた吉村のサービス

●女子準決勝
陳夢(中国) 7、9、3、ー4、9 丁寧(中国)

女子シングルスのファイナリストは、陳夢と朱雨玲!

世界ランキング1位の丁寧は3位に終わった。試合中、蘇州大会決勝で傷めた右足首をかばうしぐさも見せた丁寧。数日前に行ったインタビューでは、右足首の状態は中国語で「七七八八」、ほぼ良くなっていると語っていたが、昨日は試合が続き、かなり疲労がたまっていたことを試合後に明かした。これからも国際大会や超級リーグなど試合が続く丁寧、そこまで無理はできないというのが本音だろう。

劉詩ウェンと朱雨玲の一戦は、時折バック対バックの火の出るような高速ラリーが続く。蘇州大会では劉詩ウェンが完勝していたが、この試合は劉詩ウェンに勝利にかける思いがそれほど感じられなかった。このジャパンオープンも、リオ五輪の選考レースの中に位置づけられるが、「(ジャパンオープンは)あくまでワールドツアーの中の一大会。これからも大会はたくさんあるし、その一つひとつが自分にとっての試練だと考えている」と試合後のコメント。
  • タフな丁寧も、大会前から試合続きで疲れが見えた

  • 大会前に体調を崩したという劉詩ウェン、3位に終わる

会場での、選手やコーチの笑顔を集めてみました。樊振東の笑顔は、なかなか貴重な一枚かも?
  • 会場の片隅で、笑顔で語り合っていた樊振東(左)とアポローニャ

  • 写真右の尚坤は、シャイな性格だそうです。笑顔がいいですね

  • 表彰台で「自撮り」する大島くんと瞳ちゃん。ITTFからの依頼です

  • 蒋澎龍(左)と劉国梁、なかなか豪華なツーショット

★6月28日・大会最終日のタイムテーブル

●女子シングルス準決勝
10:00〜 丁寧(中国) vs. 陳夢(中国)
11:00〜 朱雨玲(中国) vs. 劉詩ウェン(中国)

●男子シングルス準決勝
12:00〜 吉村真晴 vs. 尚坤(中国)
13:00〜 樊振東(中国) vs. 許シン(中国)

●女子ダブルス決勝
15:00〜 劉斐/武楊(中国) vs. リン・イエ/ジョウ・イーハン(シンガポール)

●男子ダブルス決勝
15:30〜 馬龍/許シン(中国) vs. 樊振東/尚坤(中国)

●女子シングルス決勝 16:00〜
●男子シングルス決勝 17:00〜

大会最終日を迎えた神戸グリーンアリーナ。日本勢で唯一残っている吉村真晴は、11時から左シェークドライブ型の尚坤との決戦だ!