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速報・現地リポート

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全国高校選手権(インターハイ2015)

派手なラリーに隠れがちだが、愛工大名電ペアはサービスとレシーブを丁寧にコントロールし、1−1の3ゲーム目、5−8からの逆転勝ちを演出した。

松山がきっちりとストップを決め、相手が繋いだボールを木造がバックでストレートへ起こしていく。スピードはないが、木造の3球目チキータはふわっと宙に浮き、台についたらぎゅっと曲がる。そのボールを明徳ペアは狙い打てなかった。
本来ならレシーブからチキータで攻めるスタイルだが、強打者の明徳ペアはそれを待っている。そこでストップでのワンクッションを入れることで攻略したのだ。

「準決勝でチキータからの展開が良くなくて、決勝はフォアを中心にレシーブしました」(木造)
「良いプレッシャーを持ってやれました。木造はチャンスメイクがうまいので、ぼくが決めていけた」(松山)

メイデン勢のダブルス優勝は96年の真田浩二・金氏祐一ペア以来、19年ぶり。
団体の優勝は逃したが、松山・木造はダブルスで面目躍如となった。
  • 逆転勝ち、そして観客席へガッツポーズ!

  • 声援を送るメイデン応援団

  • 惜しくも敗れた明徳ペア

  • 19年ぶりに母校にカップを持ち帰るふたり

●男子ダブルス決勝
松山・木造(愛工大名電) ー5、5、8、5 春日・金(明徳義塾)
●女子ダブルス決勝
平・田口(正智深谷) 9、2、ー4、4 橋本・塩見(四天王寺)

男子ダブルスは松山・木造が優勝。両選手とも積極的にフォアハンドで仕掛け、勝負の分かれ目となった第3ゲームに5ー8のビハインドから6点連取で11ー8と逆転。第4ゲームも序盤で一気にリードを広げ、明徳義塾ペアを下した。

女子ダブルスは平・田口が正智深谷にインターハイ初タイトルをもたらした。終始冷静、かつ強気に攻め続けて、主導権を譲らず。橋本のカット・ロビングに対しても無理打ちをせず、塩見のバック粒高面のボールを狙い打った。
●女子ダブルス準々決勝
橋本・塩見(四天王寺) 3ー0 武久・永田(岩国商業)
奥下・徳持(就実) 3ー2 上月・馬場(芦屋学園)
芝田・木村(四天王寺) 3ー2 船本・黒飛(進徳女子)
平・田口(正智深谷) 3ー0 松岡・玉石(明誠)

●女子ダブルス準決勝
橋本・塩見 3ー0 奥下・徳持
平・田口 3ー0 芝田・木村

準決勝まで終了した女子ダブルス、決勝は四天王寺の橋本・塩見と、正智深谷の平・田口というライバル校対決になった。

橋本・塩見は高校選抜で結果を残せず、学校対抗のダブルスでは起用されなかったが、橋本のカットを持ち上げさせて塩見が狙うパターンで、要所で得点を重ねた。橋本のカットはやはり変化があり、相手がミスをすることもたびたび。平・田口は両者のコンビネーションが良い。平の好調なプレーに、田口もエンジンがかかってきた感あり。準決勝では第1ゲームの出足でリードを奪いながら、8ー10と逆転を許したが、ここで踏ん張って12ー10で取り返したのが大きかった。正智深谷、インターハイでの個人戦初タイトルなるか?
  • 初タイトルを狙う正智深谷ペア

  • 四天王寺ペアはカットと攻撃のコンビネーション

男子ダブルスで明徳義塾の春日・金博が大金星!
青森山田のエースペアの及川・三部に勝利して、決勝へ進出した。

及川・三部は相手のチキータを警戒し、サービス後は台から距離を取っていたが、春日・金博はストップを多様。そしてフリックと深いツッツキを駆使して、青森山田ペアの距離感を惑わせた。

及川・三部は打球点が落ちてしまい、相手の強打に防戦となり、ロビングに追い込まれてしまう。中陣からの反撃もリスクをともない、徐々にミスが多くなり、点差を詰められない苦しい展開へ。
シングルスでは打球点の早いプレーが得意なふたりだが、ダブルスでは長所が出ず、明徳義塾の強打に押されてしまった。
  • 攻め続けた明徳ペア

  • 及川・三部の三冠王への道はここでついえる

数々の新1年生を紹介してきたが、やはり1年生の親玉というべき男は木造勇人だ。ボールセンス、打球点、技の多さ、そして堂々とした試合態度、どれをとっても今最も強い1年生だろう。

昨日の学校対抗では後半オーダーだったため、不完全燃焼だったようだが、シングルスでは順当にベスト8入りを決めている。落としたゲームは現在わずか1と圧倒的な安定感を誇る。
試合を見ていてもカウンターの精度、そしてラリー中のコース取りは群を抜き、ドライブを台の横から入れるなど調子の良さも伺える。

木造は同じ事をやってこないという強みがある。
チキータでのレシーブが全盛になっている時代だが、チキータと合わせてストップ、ツッツキ、流し、フェントを使い分けて、相手に待ちを絞らせない。強い技術を補充するサブ技術のレベルが高い。だからこそ相手はどこで勝負するかを迷ってしまう。
準々決勝では一ノ瀬(青森山田)、そして準決勝ではおそらく及川(青森山田)と対峙することになるだろう。
及川は昨年度の全日本選手権で一般とジュニアで2連敗している宿敵だ。
天才と称される木造、その真価が問われる試合となるだろう。
女子シングルス5回戦(ベスト8決定戦)、好勝負を演出したのはカットの選手たちだ。

まず四天王寺・団体優勝の立役者、橋本と就実の奥下の一戦。フォア表ソフトの奥下のカット打ちは非常にミスが少なく、さらに安定したツッツキと機を見て放つバッククロスのフォアスマッシュで、橋本の堅陣を打ち抜く。試合は一進一退の大激戦となったが、橋本のカットの安定性がわずかにまさった。勝った橋本がベンチで涙を流すほど、厳しい戦いだった。「苦しい試合だったけど、今まで頑張ってきた分、悔いのないようにと思って戦った」と試合後の橋本。

正智深谷の牛嶋と希望が丘の中澤も、ゲームオールの熱戦。カット打ちにミスが多く、第4ゲームを1ー11で落として追い詰められた中澤が、開き直った連続強打で最終ゲームに持ち込んだ。感動的な頑張りを見せた中澤だが、牛嶋は最後まで崩れず。
佐藤の途中棄権という残念な結果になったとはいえ、福井商業のエース山本のカット打ちも特筆に値する。「もともとカットマンは得意、思い切ってやるだけでした」という山本、抜群の集中力と伸びのあるフォアドライブで、確実に佐藤のカットを攻め、佐藤得意のバックドライブも堅いブロックでシャットアウト。

明日の女子シングルス準々決勝の対戦カードは下記のとおり。四天王寺はなんと4人がベスト8入り。木村は団体準決勝ラストで敗れた牛嶋(記録には残らず)、芝田も同じく団体準決勝2番で敗れた平との再戦にリベンジを期す。

●女子シングルス準々決勝
田口(正智深谷) vs. 三條(四天王寺)
木村(四天王寺) vs. 牛嶋(正智深谷)
山本(福井商業) vs. 橋本(四天王寺)
平(正智深谷) vs. 芝田(四天王寺)
  • カットの橋本を最後まで苦しめた奥下

  • 山本のフォアドライブはバウンド後にグッと伸びる

  • 中澤(手前)、敗れるも猛烈なファイト

男子ベスト8に入った白子の辻。
ノーシードから勝ち上がり、本日の第1試合からはどの試合も大接戦。今日だけで4試合、計20ゲーム戦い抜いて、準々決勝へ駒を進めた。
どっしり太い下半身は、どんなに前後左右に振られても、しっかりと前傾姿勢が保たれており、そこから重いドライブを連打。
バックは思い切りの良いチキータ、そして打たれてもミート打ちで押し返す守備の堅さが特徴で、4回戦では明徳義塾の西の強烈なフォアドライブを受けきった。
5回戦では同戦型の穂積(明大中野)との叩き合いの我慢比べを制し、ベスト8入り。
学校対抗で代表になれなかった悔しさを見事にシングルスで晴らした。

「ベスト8入りは自分でもビックリです。団体は出られなかったけど、仲間がすごく応援に来てくれて、観客席から声援を送ってくれて力になりました。試合は多かったけど、勝つという気持ちが体を動かしてくれました」(辻)

準々決勝の相手はジュニアチャンピオンの及川。厳しい相手だが、声援を力にしてもうひと花咲かしたい。
  • フォアドライブは威力と安定感を兼ね備える

  • この太い脚、そしてガッツで勝ち上がる

  • 穂積との叩き合いに勝利

シングルスの5回戦、ベスト8決定戦が行われた。
本日の4試合目となる5回戦は7ゲームスマッチ。4回戦が終わったらすぐに5回戦が開始されるなど、過酷なタイムスケジュールの中、熱い試合が展開された。

●男子シングルス5回戦
及川(青森山田)4−0 葉波(鶴岡東)
出雲(遊学館)4−1 久保(東山)
三部(青森山田)4−0 中ノ瀬(瓊浦)
松山(愛工大名電)4−0 金博(明徳義塾)
辻(白子)4−3 穂積(明大中野)
弓取(希望が丘)4−2 伊丹(野田学園)
木造(愛工大名電)4−0 沼村(野田学園)
一ノ瀬(青森山田)4−3 吉田(希望が丘)

●女子シングルス5回戦
三條(四天王寺)4−2 瀬山(富田)
木村(四天王寺)4−2 馬場(芦屋学園)
田口(正智深谷)4−1 細川(松商学園)
山本(福井商業)キケン 佐藤(札幌大谷)
橋本(四天王寺)4−3 奥下(就実)
牛嶋(正智深谷)4−3 中澤(希望が丘)
平(正智深谷)4−0 小脇(明徳義塾)
芝田(四天王寺)4−0 田中(武蔵野)

札幌大谷の佐藤は4ゲーム目の3−7で途中棄権。
傷めていた右ひざが限界を迎え、無念の棄権となった。
  • 松山、ようやくエンジン全開!

  • 最後のインターハイが棄権になった佐藤から涙があふれ出る

シングルスの4回戦が終わり、男女ベスト16が決定した。
これから5回戦のベスト8決定戦が始まる。
対戦カードは以下のとおり

男子
及川(青森山田)vs.葉波(鶴岡東)
久保(東山)vs.出雲(遊学館)
中ノ瀬(瓊浦)vs.三部(青森山田)
金博(明徳義塾)vs.松山(愛工大名電)
穂積(明大中野)vs.辻(白子)
伊丹(野田学園)vs.弓取(希望が丘)
沼村(野田学園)vs.木造(愛工大名電)
一ノ瀬(青森山田)vs.吉田(希望が丘)

女子
瀬山(富田)vs.三條(四天王寺)
木村(四天王寺)vs.馬場(芦屋学園)
田口(正智深谷)vs.細川(松商学園)
佐藤(札幌大谷)vs.山本(福井商業)
奥下(就実)vs.橋本(四天王寺)
中澤(希望が丘)vs.牛嶋(正智深谷)
平(正智深谷)vs.小脇(明徳義塾)
芝田(四天王寺)vs.田中(武蔵野)
●男子シングルス2回戦
高橋(青森山田) −3、9、−6、4、8 柏(関西)

ハツラツとした1年生、柏が2回戦で高橋(青森山田)と激突。
昨日の福山戦(れいめい)では怒濤の逆転劇で勝利し、上位進出が期待されたが、安定感に勝る高橋に惜敗した。

しかし、素早い動きと思い切りの良いドライブ、そして相手に食ってかかるようなガッツは魅力十分。
来年の地元岡山インターハイではさらなる成長を見せてくれるだろう。
  • ブンブン振っていく柏

  • 最後の山田勢のひとり高橋は意地を見せる

  • 初のインターハイは悔しい2回戦負け

  • 相手の特徴を分析し、高橋に伝える板垣監督