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世界卓球クアラルンプール大会速報

 2番で黄鎮廷を下し、一気に流れを日本男子に引き寄せた吉村。得意のサービスはサービスエースをほとんど取れなかったが、試合後にその理由を明かした。

「相手の黄鎮廷に自分が勝てば、チームが勝つと思っていたので、その重責を果たすことができた。前半は凡ミスも多くて、サービスも思う通り出せなかった中、0-2から1本ずつ勝ちにつなげるプレーができた。自分も成長できたし、チームの勝利に貢献できた。

 湿気があって、指が滑って、指がラバーにひっかからなくて5ゲームずーっと下回転が出せなかった。だからサービスエースも取れなかった。最後は上回転を出すしかなかった。1ゲーム目はサービスの意識が行きすぎたけど、それを意識を3球目、5球目と変えていったら動きも良くなった。相手はこれしかないと腹をくくりました。

 正直、3-0か3-1で勝つイメージがあったのに、自分の思うようにいかなかったが、苦しい中で勝てたことは自信になりました。ここからが自分らがやらなくてはいけないこと。決勝まで行って、中国を倒すことを目標にしたい」(吉村)。
●男子団体準々決勝
 〈日本 3ー1 香港〉
○水谷 11、7、ー10、5 何鈞傑
○吉村 ー6、ー5、11、9、5 黄鎮廷
 丹羽 ー5、ー6、ー2 唐鵬○
○水谷 ー9、5、ー11、7、11 黄鎮廷 

 日本、3番で丹羽が唐鵬に完敗したが、4番で水谷が黄鎮廷をゲームオール13ー11で下し、劇的な勝利で準決勝進出。男子もメダルが確定!

 3番丹羽は分が悪い唐鵬に一方的に攻められ、最後まで流れを変えられず。水谷を大の苦手とする唐鵬だが、丹羽には自信を持って強烈なバック表ソフトのバックハンドとフォアのパワードライブを打ち込んできた。
 
 4番水谷は黄鎮廷の自在にコースを打ち分ける裏面ドライブに手を焼き、フォアクロスの打ち合いで押される。第1ゲーム9ー10からレシーブドライブで逆を突かれ、第3ゲームはフォアクロスの打ち合いがオーバーミスとなって落とした。それでも水谷は、しつこくダブルストップで黄鎮廷のフリックミスを誘い、チャンスには果敢な回り込み攻撃を見せ、ゲームオールに持ち込む。

 最終ゲーム、4ー6から水谷のサービスミスで4ー7。苦しい水谷。しかし、ここから水谷はサービスを効かせ、台上のフォアフリック強打などで8ー8に並び、10ー9でマッチポイント。台上に浮いたストップを狙い打てず、10ー11と逆転されてマッチポイントを握られたが、12ー11と再逆転。最後はまたも台上フリック強打から、フォアのパワードライブを打ち込み、黄鎮廷のしのぎがネットを越えず!

 終わってみれば、エース黄鎮廷から2勝を挙げた日本。黄は団体戦での経験不足ゆえか、詰めのあまさが出た試合内容だった。試合の終盤になるにつれてイージーミスが増えた。
  • 勝利の瞬間、拳を突き上げた水谷、ラケットを放り投げた黄鎮廷

  • 黄鎮廷、2点落としたとはいえ、リオでは恐るべきライバル

●男子団体準々決勝
 〈日本 2ー0 香港〉
○水谷 11、7、ー10、5 何鈞傑
○吉村 ー6、ー5、11、9、5 黄鎮廷
 丹羽 vs. 唐鵬
 水谷 vs. 黄鎮廷
 吉村 vs. 何鈞傑

 試合開始時間がやや遅れた男子準々決勝の日本対香港。トップ水谷に続き、2番吉村が黄鎮廷を0ー2からの大逆転。日本2ー0!

 水谷は何鈞傑の強烈な回り込みパワードライブに、たびたびフォアサイドを抜かれながら、ダブルストップや前に落とすブロック、変化をつけたロビングなどでミスを誘う。第3ゲーム10ー11から相手のしのぎに対してイージーな打ちミスが出て落としたが、次のゲームは出足から6ー0。全体を通して試合運びは安定していた。

 2番吉村は、黄の裏面ドライブ、前陣を死守しての連続フォアドライブに一方的に押されながら、中盤からその裏面ドライブを前陣で狙い打つ。サービスが効かず、逆にストップにいったレシーブが浮いてパワードライブを浴びていたが、チキータを散らして待ちを外した。驚くべき大逆転だ。3番丹羽で一気に決めたい!
●男子団体準々決勝
 〈韓国 3ー1 ポルトガル〉
○李尚洙 4、ー11、8、10 モンテイロ
○朱世赫 6、8、ー13、3 フレイタス
 鄭栄植 ー5、ー10、10、ー6 アポローニャ○
○朱世赫 5、ー10、ー12、7、9 モンテイロ

 男子団体準決勝の第1試合、韓国とポルトガルの一戦は、守護神・朱世爀が相変わらずの強さで2点を奪った韓国が勝利。その瞬間、メンバーがコートになだれ込み、前回ベスト8の雪辱を祝った。

 ポルトガルはエースのフレイタスが完全に復調せず。環境へのいら立ち、審判の判定へのいら立ちが完全にプレーに出てしまった。4番モンテイロが必死のカット打ちで、朱世爀と大激戦を繰り広げたのだが、わずかに及ばず。
●女子団体準々決勝
 〈チャイニーズタイペイ 3ー2 香港〉
 陳思羽 ー6、ー9、ー8 杜凱琹○
○鄭怡静 ー10、9、ー5、9、9 帖雅娜
 鄭先知 ー9、8、6、ー6、ー9 李皓晴○
○鄭怡静 9、ー8、4、8 杜凱琹
○陳思羽 14、ー3、8、10 帖雅娜

 〈北朝鮮 3ー2 シンガポール〉
 キム・ソンイ 12、9、ー12、ー10、8 馮天薇○
○リ・ミョンスン 9、9、4 ユ・モンユ
○リ・ミギョン 1、6、6 イ・ヘンヒ
 リ・ミョンスン ー5、5、ー9、ー10 馮天薇○
○キム・ソンイ 5、ー8、ー3、6、7 ユ・モンユ

 チャイニーズタイペイと北朝鮮が4強に進出し、女子のベスト4が出揃った。

  チャイニーズタイペイは、2000年大会以来のメダル確定。この時は陳静と徐競という中国からの帰化選手が主力だったが、今大会は絶好調のエース鄭怡静を軸に、陳思羽と鄭先知が脇を固め、総合力で勝ち上がってきた。中国とはまた違うパワー卓球のスタイルだ。

 そして北朝鮮は、1番でキム・ソンイが馮天薇に対し、ゲームカウント2ー0の10ー7という勝利目前のところから逆転されながら、最後はそのキム・ソンイがユ・モンユに競り勝って勝利を決めた。北朝鮮は2001年大阪大会以来のメダル獲得。日本女子と今夜激突する。
  • 陳思羽が締めたタイペイ、メダル獲得!

  • 果敢な攻撃も見せたキム・ソンイ

  • 勝利後の北朝鮮チーム

 第2会場は今日も熱気ムンムン。各ディビジョンとも決勝トーナメントに入り、観客や関係者の数もグッと増えた印象。チャンピオンシップディビジョンの順位決定戦もここで行われているが、各選手とも懸命なプレー。若手を起用するチームが多く、選手たちにとっては貴重な経験の場となる。
  • 今日もやたらと盛り上がるイラン女子ベンチ

  • 錯覚を起こしそうなシュミッド(スイス)のフォア面バックハンド

  • 勝った選手に「ウェア破いちゃう〜?」。モーリシャスのベンチ

  • コソボのベンチ、アドバイスに力が入りすぎ

  • 近未来的なメガネ

  • 貫禄十分なチリ男子チームの監督

  • 悪そうなオジサン、カラカセビッチ

  • 彫刻のようなアルナのボディ

 第2会場で行われているセカンドディビジョン(25〜48位)の決勝トーナメント、グループリーグに続く再戦となったナイジェリア対インド。

 トップで対戦したのはアルナ(ナイジェリア)とゴーシュ(インド)。このふたり、昨年の世界選手権1回戦で対戦し、ゴーシュが快勝。活躍が期待されたアルナは、初戦で姿を消した。

 しかし、ITTFアフリカの広報担当であるオクサン氏によれば、アルナはその後、バックハンドの強化に力を入れたのだという。もちろん、チキータや強力なバックドライブがあるわけではないが、弾き打つようなバック連打で相手を押し込み、豪快なフォアドライブで決める。今回のグループリーグではゴーシュをストレートで下し、今日の決勝トーナメントでも、0ー2からの逆転でゴーシュに勝利した。ガッツポーズも決まってます。

 それにしても、アルナのフォアへの飛びつきは驚異的。まるで瞬間移動だ。14年男子ワールドカップの張継科戦で見せたスーパーラリーをご記憶の方もいるだろう。
  • とにかくねじ込むアルナのフォアドライブ

  • 五輪7回目の出場を決めたトリオラがベンチに

  • 大逆転勝ちに、歓喜のガッツポーズ!

 第2会場の男子81ー84位決定戦、トルクメニスタン対モーリシャス戦のベンチに、何ともかわいらしい少年がいた。2008年生まれ、7歳のイリヤス・アラナサロブくん。トルクメニスタン卓球協会のアガムラット・アラナサロブ会長の息子さん。まだ卓球を始めて1年半、さすがに今大会は出場機会はないそうだが、チームメイトにバナナを持ってきたり、チョコチョコとよく働いていた。ちなみに好きな選手は「張継科」とのこと。来年の世界選手権個人戦では、プレーする姿が見られるかな?

 下写真はこちらもまだ小学生くらい? リトアニアの3番手コーネリヤ・リリースカイテ選手。多彩なサービスと前陣でのセンスあるブロックプレーを披露していた。
  • ベンチでのアラナサロブくん。後ろがお父さん

  • フニーッ。ちょっと恥ずかしがり屋みたいです

  • リトアニアのリリースカイテ選手

 日本の石川佳純が昨日のドイツ戦の2番で、ゾルヤを破った時に久しぶりに「勝利のジャンプ」を見せた。
 石川は大一番の勝利を決めた時に表情豊かなしぐさを見せる。先の全日本選手権では両腕を腕にあげたガッツポーズだった。しかし、見逃してはならない。石川が絶対負けられない一戦で勝った時には無意識のうちにジャンプを2回繰り返すことを・・。
 思い起こせば、09年横浜大会で帖雅娜(香港)に逆転勝ちした時にもこの勝利のジャンプを見せた。
 そして12年ロンドン五輪のシングルス準々決勝で王越古(シンガポール)に勝った時、そして団体の準決勝で再び2番で王越古に勝った時もこのジャンプを見せた。
 名付けて「石川のVピョンピョン」。ラケットを顔の高さくらいに保持して、そのまま全身をまっすぐに伸ばし、2回ピョン!ピョン!と垂直に跳ぶのだ。体操の白井健三選手の「後方伸身2回宙返り3回ひねり」に「シライ3」と国際体操連盟が命名したと言うが、この石川佳純の可憐な勝利ジャンプに勝手に命名させてもらう。「 石川のVピョンピョン」・・・・。
 編集部のスタッフには相談していない。相談したら苦笑を誘うだけで却下されそうだから。  (今野)
  • Vピョンピョンだ!

 同じ相手ではあるが、前日に2−3で敗れたドイツに対し、準々決勝では見事に3−0でリベンジした日本女子。
 この2試合を比較すると、卓球がいかに心理的なスポーツなのかがわかる。グループリーグで対戦した時には、1点取れば、その時点で1位通過が決まる。つまり1−3で負けると日本・北朝鮮・ドイツが三つどもえとなる。日本は北朝鮮に3−0で勝っているし、その北朝鮮は3−0でドイツに勝っているので1点取……

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