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速報・現地リポート

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全国高校選手権(インターハイ2016)

 男女シングルスが2回戦から5回戦(ベスト8決定戦)まで、一気に4ラウンド進む大会第4日目。まず女子シングルスの2回戦、続けて3回戦が行われている。どの選手も厳しい県予選を勝ち抜いた選手たち。目に留まった選手たちを少しピックアップしてみます。
  • 個性的なバックサービス、角館の大和田凛選手

  • 旺盛なフットワークを誇るサウスポー、聖和学園の川﨑茉惟選手

  • 古豪・徳島市立から出場、カットの濵川侑未選手

  • 女子学校対抗にはなんと1年生4人で出場、川口総合の岡崎日和選手

  • バックハンドでグイグイ押す! 滋賀学園の伊藤莉菜選手

  • 前陣をキープして、強烈なバック強打。茨城は大成女子の菊池紗央里選手

  • 裏ソフトでサービス、反転して表ソフトでスマッシュ。瓊浦の黄佳怡選手

  • 黄佳怡選手との「黄対決」を制したカットの黄訳心選手(倉吉北)

本日は男女シングルス2〜5回戦まで行われ、ベスト8が決定する。
序盤戦と言っても出場者は各県を抜けた強豪たちだ。県ベスト4入りの選手同士のため、1回戦から県準決勝レベルの試合になる。その県では「神童」と呼ばれる選手たちだが、気を抜いて良い試合はひとつもない。

インターハイは高校生にとって最高の舞台だ。
一生に一度の晴れ舞台。そのため、舞台を彩る衣装となるウェアにも気合いが入る。
学校の伝統を受け継ぐウェア、特注の色違いウェア、そしてオリジナルウェア。

一般選手には派手なウェアのほうが人気が高いとも言われる卓球市場。
ゴルフのような落ち着いたシックなウェアよりも派手なウェアがとにかく売れる。

コートは舞台、選手は演者。
はつらつとした高校生には派手めのウェアが似合う。
  • 上下ピンクの聖和学園

  • 日南学園のウェアは一際映える

  • 桜舞う、桜の聖母

  • 学校名をイメージした日本航空

  • 龍谷大平安もトータルコーデ

  • バックスタイルは違った印象でGOOD

●男子ダブルス決勝
高見/田中(愛工大名電) 11、8、-5、6 伊丹/沼村(野田学園) 

「部内ではほどんど勝ったことがない」という松山/木造のチャンピオンペアを準決勝で下し、決勝の舞台に上がった高見/田中。
対する伊丹/沼村は接戦をくぐり抜けてきた百戦錬磨のペア。

前半から果敢にチキータで攻めていった伊丹/沼村だが、要所で高見/田中が連続ポイントをあげる。チキータの質では野田学園のほうが上だ。しかし、それを待ち伏せして狙い打ちする戦術がピッタリはまり高見/田中が先行する。

田中の前陣球さばきはセンスを感じる。両サイド、そして打球点の早いストレート。相手が苦しむ場所へ確実にボールを送り、高見をアシストした。

「優勝はうれしいです・。中3の終わりくらいから組んで、全然結果がでなかったけど、東京選手権くらいから慣れ始めた。県と東海大会で優勝して自信がつきました」(田中)

「決勝はチキータの質が高くてミスが多かったけど、気持ちで入れていきました。優勝はビックリしています」(高見)

果敢に攻め、冷静に相手を崩していったふたり。クレバーであり力強いペアだった。

高見/田中、新チャンピオンおめでとう!
  • 相手を分析したコース取りが光った高見(左)/田中

  • 愛工大名電が2年連続ダブルスを制す

  • 新チャンピオン、晴々した笑顔だ

  • 攻撃力はナンバーワンだった野田学園ペア

●女子ダブルス決勝
橋本帆乃香/塩見紗希 ー5、7、ー9、10、13 梅村優香/塩見真希

昨年度2位の橋本/塩見ペアが、後輩ペアの挑戦を退け、涙の初優勝!

塩見姉妹の姉妹対決ともなったこの試合。姉の紗希はバック表、妹で昨年度の全中チャンピオン・真希はフォア表の右シェーク攻撃型。同士討ちでボールに慣れていることもあるが、両選手とも強打に対してもほとんどミスをせず正確にブロックし、片方のペアが押し込んでいたラリーがリセットされる。両ペアともよく声を出し、まったく手加減なし。試合の終盤にはツッツキ対ツッツキの、しびれるような15本、20本と続くラリーもあった。

試合の流れを握っていたのは梅村/塩見。他校のペアが手こずる橋本のバックサービスも全く苦にせず、塩見(紗)のカウンターも中陣から正確にはじき返す。梅村、塩見(真)とも小柄ながら、ダブルスでは懐の深いプレーだった。第4ゲームには10ー9で梅村/塩見がマッチポイント。ここは橋本/塩見が積極的な攻撃で跳ね返し、勝負は最終ゲームへ。

最終ゲーム、梅村/塩見が5ー2のリードでチェンジエンド。橋本/塩見が5ー5に追いついて逆転し、10ー8で最初のマッチポイント。ここから13ー13まで、両ペアがマッチポイントを取り合う。11ー11で塩見(真)のバックツッツキがエッジ、11ー12で橋本のバックカットがエッジ。会場がどよめく。そして迎えた14ー13の4回目のマッチポイントで、橋本/塩見がついに勝負を決めた。ふたりの眼にあふれる涙……!

優勝後、「自分は三冠を狙っていたので、去年も二位だったので優勝しようと思っていたけど、梅村さんのペアには大阪府予選で0ー3ですごい簡単に負けていた。自分たちが年上なんですけど、負けていたから向かっていくしかなかった」と橋本が言えば、塩見は開口一番「よくそんなにしゃべれるね……」とまだ涙。
「とりあえず優勝できてうれしいです。大阪府予選では私のレシーブが本当に入らなくて、何もできないまま負けてしまったので、橋本さんに一本でも多くつないだら絶対取ってくれるという信頼感があった。橋本さんにつなぐことだけを考えていた」(塩見)。妹の真希も、表彰を待つサブアリーナで涙。姉妹とはいえ、プライドを懸けた真剣勝負だった。
  • 橋本(左)/塩見(紗)、優勝を決めた瞬間!

  • 梅村(左)/塩見も3回のマッチポイントを握ったが……

  • 3年生ペア、うれしい初優勝。おめでとう!

●男子ダブルス準決勝
高見/田中(愛工大名電) 13、6、-7、8 松山/木造(愛工大名電)
伊丹/沼村(野田学園) 8、12、-8、9 弓取/吉田(希望が丘) 

●女子ダブルス準決勝
橋本/塩見(紗)(四天王寺) 9、13、-9、9 柴田/岩越(希望が丘)
梅村/塩見(真)(四天王寺) 3、12、3 早田/永道(希望が丘)

男子ダブルス準決勝は名電ペア同士の対戦となり、昨年優勝・第一シードである松山/木造が後輩ペアに負け、連覇を逃した。
木造がやや精細を欠き、それをカバーしようと松山が無理をした感がある。
一方の高見/田中ペアは先輩の胸を借りようと、伸び伸びプレー。出来の差は明らかだった。

男子ダブルス決勝は高見/田中vs伊丹/沼村。明日の決勝の前哨戦ではないが、まずは愛工大名電vs野田学園の第一ラウンドだ。

一方、女子ダブルス準決勝は、四天王寺のダブルス2ペアがともに希望が丘ペアを下し、決勝は四天王寺勢の同士討ちに。橋本/塩見は、橋本の投げ上げバックサービスと塩見(紗)の巻き込みサービスで、たびたびサービスエースを奪って試合を優位に進めた。一方、梅村/塩見(真)は、ともに小柄ながら相手の強打に対する予測と反応が素晴らしく、強打に対しても一発で抜かれるシーンはほとんどない。塩見(真)のフォア表ソフトの合わせ打ちも、相手の連打を防ぐには有効だった。
  • チャンプを越え、初優勝に挑む高見(右)/田中

  • 連覇ならず、そしてふたりの3冠王もなくなった

  • 橋本(左)/塩見、昨年決勝で敗れ、逃したタイトルまであとひとつ

  • 粘り強く橋本のカットを攻めた柴田(右)/岩越だが、惜敗

●男子ダブルス準々決勝
松山/木造(愛工大名電) 4、6、6 原井/南里(福岡工業)
高見/田中(愛工大名電) 6、-8、7、-12、4 山下/森廣(福井商業)
伊丹/沼村(野田学園) 8、-9、6、-7、8 葉波/中橋(鶴岡東)
弓取/吉田(希望が丘) 10、-8、7、-6、10 中ノ瀬/田中(瓊浦)

男子は学校対抗準決勝が白熱した影響もあり、ダブルスの進行がかなり遅れている。それでも松山/木造、伊丹/沼村など連戦続きに疲れも見せず勝ち上がっている。

中でも山下/森廣の快進撃は特筆ものだ。
3回戦で野田学園の盛武/佐藤を下し、準々決勝の4ゲーム目は、最大6点差を跳ね返して高見/田中を後一歩のところまで追い詰め、会場を大いに沸かせた。

左利きバック表の山下がトリッキーなブロックで変化をつけ、森廣が仕留めるプレーがうまくはまり、裏裏の選手のリズムを崩していくプレーは現代的ではないが独創的。

ダブルスにおける役割分担、そしてそれぞれの個性を融合させたペアだった。
  • ナイスペアリングだった山下(左)/森廣

  • 鶴岡東の葉波/中橋は左利き同士のペア

●女子ダブルス準々決勝
橋本/塩見(紗)(四天王寺) 5、7、3 皆川/真鍋(山陽女子)
柴田/岩越(希望が丘) 8、ー9、ー7、8、5 合田/萱嶋(明誠)
早田/永道(希望が丘) ー6、10、7、12 枝松/木村(山陽女子)
梅村/塩見(真)(四天王寺) ー9、2、7、3 秋山/野村(愛み大瑞穂)

 今日4回戦から4つラウンドが進み、決勝まで一気に行われる男女ダブルス。女子ダブルスは準々決勝が行われ、四天王寺ペアが2組、希望が丘ペアが2組、準決勝に進出。準決勝はともに四天王寺対希望が丘のペアによる対戦カードとなった。

 地元・岡山の山陽女子ペア2組は、4回戦で明徳義塾の熊中/小脇を下した枝松/木村が、早田/永道と接戦を演じたが、一歩及ばず。希望が丘の柴田/岩越からゲームカウント2ー1とリードを奪った明誠ペアは、中盤までスコアが競り合った第4ゲームに決着をつけたかった。第5ゲームは4ー8と大きく離され、勝機を逸した。
  • 惜しくもベスト8、明誠の合田(右)/萱嶋

  • 野村(左)がレシーブからバックハンドで攻撃、秋山/野村ペア

●男子学校対抗準決勝
愛工大名電 3−1 遊学館
○髙見 9、7、-7、11 出雲
○木造 8、6、-10、7 三上
 松山/木造 5、-8、-6、8、-10 出雲/五十嵐○
○松山 -8、8、10、9 村田
○田中 3−0 五十嵐

男子もうひとつの準決勝は大接戦の上、愛工大名電に軍配があがった。
前半のシングルスで高見が値千金のプレーで出雲を下すと、エース木造もゲームを落としながらさすがのプレーを見せる。
このままストレートで勝利かと思われたが、遊学館も負けじとダブルスで意地を見せる。実は松山/木造に相性が良いという出雲/五十嵐。1カ月前に行われた中部日本選手権ではストレートで勝利しており、遊学館の植木監督の中では「ダブルスは絶対に取れる」という確信があった。

競り合いながら、ガッツポーズで鼓舞し合い、出雲/五十嵐が僅差で勝利。後半2台進行のシングルスが始まる時には遊学館有利か?という空気が流れていた。
その空気を一変させたのは5番に登場した1年生の田中佑汰だ。成長著しい五十嵐を相手に圧倒のプレーを見せた。特にコース取りが素晴らしく、強烈なボールで五十嵐のミドルを狙い、詰まらせたと思ったら、さらに速いスピードのボールが両サイドを遅う。噂に違わぬスーパールーキーが準決勝5番という大舞台で素晴らしいポテンシャルを見せた。
田中がストレート勝ちし、勝敗は決したが、4番で松山が勝利したため、記録には残らない。

「うちの五十嵐も成長していると思ったけど、田中がここまで強くなっているとは思わなかった。情報不足です」と遊学館の植木監督も驚いた成長ぶり。決勝でキーパーソンになるのは田中かもしれない。

敗れた遊学館は、前半の出雲の失点が誤算だった。
「彼はメンタルが崩れやすい。インターハイ中はずっと受け身になっている。プレッシャーに負けて彼らしさがなかった。シングルスは優勝を狙えると思っているので、なんとか吹っ切れてほしい」(植木監督)。
エースとして重責を担ってきた出雲。少しでもプレッシャーを取り除こうと、昨夜はサウナに誘い、ずっと話を聞いたという。
まだ残っているシングルスに向けてチームメイト、監督は全員が思っている。「蘇れ、出雲」。
  • 強心臓・田中が衝撃デビュー

  • 4番で勝って決勝へつないだ松山

  • 五十嵐に引っ張られるように出雲も声を出した

  • 遊学館は6年ぶりのベスト4だが、目指すのは頂点だ

●男子学校対抗準決勝
野田学園 3−0 大阪桐蔭
○沼村 7、8、7 菅沼
○竹崎 -5、9、6、10 中野
○伊丹/沼村 3、4、4 菅沼/上村

大阪桐蔭の快進撃がついに止まった。相手は初優勝を狙う野田学園。
大阪桐蔭は序盤からボールのスピードに苦しめられ、無理に攻めようとするとミスが出てしまう。
頼みの菅沼もフォアフリックのミスが続き、沼村に余裕を与えてしまった。
「オーダーは狙い通り」と大阪桐蔭の山岡監督。2番の竹崎に中野をぶつけて1点をもぎ取りたかったが、競りはしたが要所で細かいミスが目立ち、竹崎に逆転負けを許した。

とにかくミスがない。そして質が高い野田学園の打球。深く鋭く入ってくる伊丹/沼村のボールに菅沼/上村は終始ペースを握れず、ラリーにすることができなかった。

「大舞台での経験の差が出ましたね。そして技術の差も感じた。練習通りにやりたかったが、うちの選手は緊張していました。できれば前半で1点取り、4番の上村まで回して伊丹選手とやらせてあげたかった。
 ここまで頑張ってきた菅沼ですが、今後はエースとして、そして後輩を引っ張る選手にしていきたい。シングルスでは頼りになるけど、ダブルスはまだギクシャクしていて、引っ張っていけていない。もう一度、来年この舞台に立って、今年とは違う試合ができるようにしたいですね」(山岡監督)

中野以外は1・2年生が主体だった大阪桐蔭。来年も暴れる可能性を大いに秘めている。
  • 菅沼(右)/上村、来年も主力のふたり

  • 惜しかった中野。3年生としてチームを鼓舞した

  • 今大会、浪速旋風を起こした大阪桐蔭

  • スピードで振り切った野田学園、初優勝まであとひとつ

●女子学校対抗準決勝
〈四天王寺 3ー2 希望が丘〉
 塩見(真) 8、7、ー6、ー9、ー4 早田○
○橋本 ー5、0、7、8 永道
 梅村/塩見(真) 6、ー8、11、ー1、ー9 柴田/早田○
○木村 2、10、3 岩越
○梅村 2、9、12 柴田

〈明徳義塾 3ー0 山陽女子〉
○熊中 3、0、ー7、4 皆川
○井 ー7、4、6、6 枝松
○熊中/小脇 10、3、6 枝松/木村

女子学校対抗準決勝は、四天王寺と明徳義塾が勝利!

四天王寺は「早田封じ」の刺客として、1年生の塩見真希を起用。塩見は早田に伸びのある中陣ドライブを連打される展開を避け、フォア表ソフトのスマッシュでの早めの仕掛けと巧みなサービスで2ゲームを連取。しかし、早田は中盤から、時にレシーブでは無理をせずに低く切ってレシーブし、相手に打たせる展開も交えながら、台との距離を詰めてプレー。3ゲーム連取で逆転勝ちした。

昨日の準々決勝で組んだ永道とパートナーを組み替えた柴田とのダブルスでも、柴田の果敢なカウンタースマッシュと、早田の身体能力を生かした豪快なフォアドライブで四天王寺ペアを押し切った。早田の単複以外は勝機をつかめず、試合後に希望が丘の松井清美監督は「早田とダブルスを取って、後半の2点でどちらかを取りに行くというオーダー。結果的に後半は0ー3、0ー3で負けてしまったけど、これは力の差かなと思います。早田以外のメンバーが戦ううえでの四天王寺さんとの差を感じました」とコメントした。

「オーダーは少し予想とは違いましたが、早田のところに塩見さんか梅村さんで勝負に来ると思っていた。そこで早田が勝てないとうちは勝てない。そこで1点取って、ダブルスは昨日とは変えました。柴田が去年の全日本のダブルスで塩見/梅村ペアに勝っていて、良い印象もあるし、早田とのペアも練習してきたので勝つことができて良かったと思います」(松井監督)

一方、明徳義塾は山陽女子を完封。トップで左腕の熊中が、皆川のレシーブのあまさを突いてロングサービスを積極的に出し、カウンターを連発して仕留めれば、2番井も硬さの見える枝松を攻撃力で上回った。3番ダブルスは、第1ゲームで枝松/木村がリードしたが逆転を許し、第2ゲームは出足から熊中/小脇がフォア強打を連発。手のつけられない当たりで山陽女子ペアに快勝した。
  • 四天王寺の梅村、ラストを死守

  • 四天王寺ペアを破った希望が丘の柴田/早田ペア

  • 伸びのある両ハンド攻守、明徳義塾の井

  • 昨日の殊勲者・枝松はやや硬さが見えたか

  • 熱い応援を繰り広げる明徳義塾ベンチ