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全国高校選手権(インターハイ2016)

 インターハイ・卓球競技、大会第3日目の8月3日。今日は9時30分から女子学校対抗の準決勝、11時から男子学校対抗の準決勝が進行。平行して男女シングルス1回戦も行われる。そして13時スタートの男女ダブルス4回戦(ベスト8決定戦)から、ダブルスは決勝まで一気に行われる。

 女子学校対抗準決勝の対戦カードは、四天王寺対希望が丘、明徳義塾対山陽女子。四天王寺対希望が丘は、希望が丘のスーパーエース早田が前半に出ることは確実だが、それに対して四天王寺は前半をどのようなオーダーにしてくるのか。これまでは右シェークドライブの木村とカットの橋本が前半に出るパターンだが、早田に対してはオーダー変更も考えられる。一方、明徳義塾と山陽女子は接戦が予想される。明徳義塾の熊中/小脇と山陽女子の枝松/木村、このダブルスの勝敗が大きくものを良いそうだ。

 男子学校対抗準決勝は、愛工大名電対遊学館、大阪桐蔭対野田学園。ここまで無失点で勝ち上がってきた優勝候補筆頭の愛工大名電に対し、遊学館はエース出雲がまだ本来のプレーを見せていない。出雲の他にも三上、五十嵐と実力者が揃うだけに、エース出雲が「覚醒」すれば、面白い勝負になるだろう。大阪桐蔭対野田学園は、フォアハンドでグイグイ攻める大阪桐蔭と、両ハンドドライブで敵陣を切り裂く野田学園の激突。伊丹・沼村の2枚が強力な野田に対し、大阪桐蔭は躍動的な動きを見せるエース菅沼を軸に、どのようなプレーを見せるか?
 男子学校対抗の3回戦で昨年3位の瓊浦、準々決勝で躍進を続ける龍谷大平安を破り、ベスト4進出を決めた大阪桐蔭。協和発酵キリンで活躍した下山隆敬、現在原田鋼業でプレーする横山輝、そしてドイツで長くプレーしている小澤吉大と、多くの強豪選手を輩出してきた。野球も強いが、卓球も強い。そしてサウスポーの速攻プレーヤーやハードヒッターが多いイメージがある。左利きでないとしても、攻撃重視、積極一貫が大阪桐蔭スタイルだ。

 龍谷大平安戦でも、出場した選手たちは攻めて攻めまくった。瓊浦戦で中国人留学生の李佳睿を破り、平安戦でもトップに出場した菅沼は、「動物的」とも言える動きでフォアドライブを連発。ネットインにもすかさず反応し、体勢を低くしてドライブで攻め返す予測能力には恐れ入った。2番の中野はレシーブではひたすらフォアフリック、そしてチャンスボールは長身を活かしてフォアドライブでグイグイ攻めるアグレッシブなスタイル。ミスも出るのだが、学年を重ねるに連れて攻撃の精度が増してきている。

 2台進行となった龍谷大平安戦の後半では、左腕・上村と、切れ味鋭いフォアドライブで瓊浦戦で決勝点を挙げた石脇が出場。大阪桐蔭ジュニアからの生え抜きである4番・上村がストレート勝ちで準決勝進出を決めた。プレースタイルは右か左のシェークドライブ型だが、攻撃的なプレーを基調としながら、各選手の個性がよく出ていて面白い。明日の準決勝では野田学園と対戦。超攻撃的スタイルの両校の激突、激しい打撃戦になりそうだ。
  • 驚くべき反応とフットワークを見せる菅沼

  • 長身の男前、中野は準々決勝で貴重な勝利

  • 瓊浦戦で会心のプレーを披露した石脇

  • 上村は3回戦と準々決勝をともにストレート勝ち

  • 大阪桐蔭ベンチ、他校に負けじと熱い!

 女子学校対抗でベスト8に何度も入りながら、ベスト4にあと一歩届かなかった横浜隼人。今年は「あと一本」まで迫りながら、まさに紙一重の差で涙をのんだ。
 山陽女子戦のペースは、むしろ横浜隼人が握っていた。エースの笹尾は、フォアドライブのクロスとストレートへの打ち分けが抜群で、光根とのダブルスでも試合中盤から相手に待ちを絞らせず。応援でも声を枯らしながら、懸命にチームメイトに声援を送った。

 しかし、山陽女子は後半に底力を見せた。2台進行で試合が進む中、まず5番に起用された1年生の真鍋がゲームオール9点で勝利。第3ゲームを11ー0で取った後、第4ゲームは0ー7と大きくリードされ、試合の流れは最後まで読めない。それでも真鍋はロングサービスを積極的に出し、両ハンドで思い切りよく攻めた。第5ゲーム10ー6から10ー9まで挽回されたが、最後の一本はネットインでねじ込んで決着をつけた。

 この時、隣の4番は枝松と杉本が、まさに最終ゲーム終盤の大詰め。3月の高校選抜では杉本が勝利していたこの一戦。成長著しい杉本が、切れ味鋭いフォアドライブを連発すれば、枝松は深く切ったツッツキからフォアストレートへのカウンターを決める。最終ゲーム、杉本は10ー9でマッチポイント。横浜隼人、ベスト4入りは目前だったが、ここで枝松が杉本のフォアサイドを打ち抜き、ジュース。さらに2点を連取して、逆転でチームに勝利をもたらした。

 試合後、涙を見せた杉本、そして横浜隼人の選手たち。しかし、関東チャンピオンとして、積極一貫の素晴らしい戦いを見せてくれた。来年こそベスト8の壁を打ち破りたい。
  • ファイター笹尾、チームのために全力投球

  • 着実に成長している杉本、4番はあと一本……

●男子学校対抗準々決勝
愛工大名電(愛知) 3−0 鶴岡東(山形)
○田中 5、3、4 内田
○木造 9、4、12 葉波
○松山/木造 10、5、6 葉波/中橋

遊学館(石川) 3−1 希望が丘(福岡)
○村田 7、6、8 弓取
 出雲 -8、-8、5、-9 蛭田○
○出雲/五十嵐 -12、5、8、-5、9 弓取/吉田
○五十嵐 9、8、6、8 吉田

大阪桐蔭(大阪) 3−1 龍谷大平安(京都)
○菅沼 7、5、11 今田
○中野 6、9、-7、7 馬場
 菅沼/上村 -8、-6、5、-9 今田/足立原○
○上村 5、5、7 南崎

野田学園(山口) 3−1 関西(岡山)
 竹崎 3、-12、11、-8、-10 田口○
○沼村 8、3、8 柏
○伊丹/沼村 -11、8、10、-9、7 柏/金光
○伊丹 5、4、6 松浦

愛工大名電が颯爽と試合を終わらせる中、他3試合は接戦の連続で、会場は大いに盛り上がる。
中でも大阪桐蔭は久しぶりの表彰台を獲得。「精一杯の調整をしてきた。試合ごとに良くなっている。とにかく力を出し切って、最後までやりきろうと言い続けてきた」(大阪桐蔭高・山岡監督)。

また地元・関西は野田学園を追い詰めながらもダブルスを競り負けて、後半にプレッシャーをかけることができなかった。「1回戦から苦しい試合でベスト8に入ったことはひとつの成果だと思う。生徒は表彰台を目指してきたので結果は残念だが、野田学園さんに勝たないと上にはいけない」(関西高・柏監督)。
  • まだ1点も落としていない愛工大名電

  • 五十嵐が魂の勝利で遊学館が勝ち上がる

  • 見事な手腕でチームをまとめる山岡監督(大阪桐蔭)

  • 関西はベスト8でストップ。だが見事な試合だった

●女子学校対抗・準々決勝
〈四天王寺 3ー0 札幌大谷〉
○木村 ー11、8、6、5 伊藤
○橋本 9、4、5 松浦
○梅村/塩見(真) 4、5、5 松浦/斉藤

〈希望が丘 3ー2 正智深谷〉
 岩越 ー12、ー10、12、7、ー8 弓立○
○早田 5、3、7 田尻
○早田/永道 ー7、3、ー16、6、6 弓立/麻
 柴田 6、ー9、ー8、ー4 丸○
○永道 ー13、8、7、ー7、9 藤井

〈明徳義塾 3ー1 愛み大瑞穂〉
 小脇 ー11、6、ー7、ー10 秋山○
○三村 ー10、7、3、7 松本
○熊中/小脇 8、5、ー9、8 秋山/野村
○熊中 ー10、4、4、ー4、9 野村

〈山陽女子 3ー2 横浜隼人〉
 木村 ー9、ー7、ー6 笹尾○
○皆川 8、9、ー8、12 林
 枝松/木村 9、ー4、ー4、ー3 笹尾/光根○
○枝松 11、ー8、ー4、9、10 杉本
○真鍋 7、ー8、0、ー6、9 三浦

女子学校対抗の準々決勝が行われ、4試合中2試合が最終ゲームのゲームオールまでもつれる大熱戦となった!

左写真は希望が丘対正智深谷戦で、ラストを締めた希望が丘の1年生・永道。相手の強打をしっかりブロックし、時に弱気に陥りそうになりながらも、前陣を死守して勝利をもぎとった。敗れた正智深谷も、昨年の主力だった平・田口・牛嶋という強力トリオが卒業しながら、ベスト8入りは立派。総力戦で戦い抜いた。試合後、正智深谷の平監督は「久しぶりにうちらしい、最後まであきらめないプレーを見せることができた」と清々しい表情。来年に向けて手応えも感じさせた。

明徳義塾対愛み大瑞穂戦は、明徳の左腕・熊中(右写真)が単複2勝の活躍。4番では、ループドライブから頭脳的なラリーを展開する愛み大瑞穂の野村を振り切った。愛み大瑞穂としては、2台進行の5番でカットの石田が井と接戦を展開していただけに、あと一歩というところ。

そして四天王寺は、ここまで無失点でベスト4に勝ち上がった。トップ木村が、11ー10からエッジ・サイドの微妙な判定となり、11ー11から11ー13と逆転されて1ゲームを先取されたが、決してあわてず。そして前半で積極的に起用されているカットの橋本が、カットの変化とバックハンド攻撃で相手を翻弄した。
  • 大仕事をやってのけた希望が丘の1年生・永道

  • 明徳義塾のベスト4進出に大きく貢献、熊中

続いて、女子学校対抗3回戦からピックアップ
今大会も多くの写真を撮っています。
その中から、ピックアップして掲載します。
●男子学校対抗3回戦
愛工大名電(愛知)3−0 上宮(大阪)
鶴岡東(山形)3−1 明徳義塾(高知)
希望が丘(福岡)3−1 青藍泰斗(栃木)
遊学館(石川)3−1 静岡学園(静岡)
大阪桐蔭(大阪)3−2 瓊浦(長崎)
龍谷大平安(京都)3−1 出雲北陵(島根)
関西(岡山)3−0 杜若(愛知)
野田学園(山口)3−0 北陵(佐賀)

男子学校対抗のベスト8が決定した。
京都予選で東山の連続出場を止めた龍谷大平安は破竹の勢いが止まらない。
全国大会の経験がほとんどないメンバーだが、全員が伸び伸びと試合を楽しむかのようにプレーし、上位常連の出雲北陵を飲み込んだ。

3年生であり、主力の今田と足立原は、中学時代は京都府予選でベスト16と32止まりで、近畿大会へも行っていないという。そして1年生の馬場と南崎は昨年の全中に出場しているがどちらも1回戦負け。そんなチームが掲げた目標が「打倒!東山!」だった。

「3年生が引っ張ってくれています。東山が春の選抜でベスト8に入ったから同じステージには行きたかった。初めての経験ばかりですが、生徒たちは楽しんでいますね」(龍谷大平安高・島田監督)

東山に勝ったチーム、その名に恥じないプレーを見せている龍谷大平安。
次は表彰台をかけて大阪桐蔭と対戦する。
  • 今田(左)・足立原のダブルス。ラリーの作り方がうまい

  • 南崎が4番で接戦を制した

●女子学校対抗3回戦
四天王寺(大阪) 3ー0 浜松修学舎(静岡)
札幌大谷(北海道) 3ー1 明誠(島根)
正智深谷(埼玉) 3ー1 済美(愛媛)
希望が丘(福岡) 3ー0 進徳女子(広島)
明徳義塾(高知) 3ー0 日南学園(宮崎)
愛み大瑞穂(愛知) 3ー0 秋田商業(秋田)
横浜隼人(神奈川) 3ー0 福井商業(福井)
山陽女子(岡山) 3ー0 五所川原商業(青森)

女子学校対抗3回戦は、8試合中6試合がストレートでの決着。私立強豪校のレベルの高さを見せつける結果となった。

ベスト16に入った学校では、正智深谷と接戦を演じた済美の健闘が光った。多彩な戦型が揃う済美、カットの篠原が正智の1年生・丸を破って1点を挙げた。右ペン表の篠崎が4番でカットの田尻に対し、0ー2の第3ゲームにマッチポイントを取られてから粘って追いついたが、逆転はならず。2台進行のラスト家高が押し気味に試合を進めていただけに、惜しまれる一戦だった。

「ベスト16はいつ以来かわからない」(細谷監督)というほど、久々の16強進出となった秋田商業は、ダブルスを組む3年生の小田嶋と佐藤を軸に、2回戦では富田に快勝する活躍を見せた。愛み大瑞穂にはストレートで敗れたが、大健闘だ。「うちは全部地元だし、全中に出ている子も少ない。県卓球協会の強化練習に参加している成果が出てきた。富田戦ではダブルスが好調で、『いい勝負をしてくれるだろう』と思っていたけど、そこから乗ってくれた感じですね」(秋田商業・細谷監督)

日南学園は、前陣攻守の土橋とカットの多武の変則ペアが明徳義塾の熊中/小脇から1ゲームを奪ったが、チームはストレートで敗れた。エース格の森谷が腰の故障から完全に復調せず、4番に下がる厳しい戦い。日南学園の西谷監督は「明徳さんは強かったです。勉強させてもらいました。森谷の分をみんなでカバーして、力を出し切ってくれたと思います」と語った。
  • オールラウンドなプレーを見せた済美のチョッパー篠原

  • 秋田商業をベスト16に牽引した小田嶋(手前)/佐藤ペア

  • 明徳ペアから1ゲーム奪った日南学園の土橋(右)/多武

●女子学校対抗3回戦
〈札幌大谷 3ー1 明誠〉
 伊藤 ー8、ー6、10、ー9 古池○
○松浦 1、6、5 萱嶋
○松浦/斉藤 5、3、8 合田/萱嶋
○斉藤 ー4、6、ー10、5、5 岩田

〈横浜隼人 3ー0 福井商業〉
○笹尾 6、ー7、6、6 木内
○三浦 7、10、ー9、ー8、8 山本
○笹尾/光根 9、10、7 山本/青木

大会第2日目は女子学校対抗3回戦からスタート!

昨年ベスト8校同士の対戦、札幌大谷対明誠戦は、3ー1で札幌大谷。佐藤瞳(現ミキハウス)という大エースをはじめ、昨年のチームから主力が抜けた札幌大谷だが、左右によく動いて馬力のある両ハンドドライブを打ち込むスタイルは健在。ダブルスを制して試合を優位に進め、4番斉藤が締めた。しかし、明誠の4番岩田(右中国式ペンドライブ型)のほとばしるガッツと裏面連打にもしびれた。

この3回戦最大の注目カード、ベスト8の常連校である横浜隼人と、昨年ベスト8の福井商業の一戦は、予想外のストレートでの決着。全中3位の青木という大型新人が加入した福井商業だが、2番でエース山本(昨年単ベスト8)が三浦に敗れる波乱。三浦はバック表ソフトのブロックと緩急で、山本をうまく揺さぶった。山本もゲームカウント0ー2の第3ゲーム、2ー8から追いついてゲームオールに持ち込む粘りを見せたが……。

「山本は相手の速さに負けることはほとんどないけど、相手が遅くて負けることがある。決めにいってミスが出てしまった。前半は山本が1点取って、絶対に1ー1でダブルスに持ってきたかった。オーダーは悪くなかったけど、結局力負けですね。でも昨年は山本が最終日まで残ることができたし、ここから切り替えられるかが大事」(福井商業・瓜生監督)。
  • 山本、チームにとってあまりに痛い敗戦だった

  • 殊勲の星を挙げた右シェークバック表の三浦

  • 明誠の岩田、根性の裏面ドライブ連打!