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リオ五輪

 もうひとつの女子準決勝は、丁寧がキム・ソンイを下した。4−1というスコアだが、実際には丁寧にとっては苦しい試合だった。もし5ゲーム目を落としていたらわからない展開だった。
 決勝戦は丁寧vs.李暁霞。ロンドン大会の再現だが、あの大会では丁寧がサービスをフォールトを取られ、後味の悪い結果となった。丁寧はリベンジをはかる。
 福原愛は今夜、北朝鮮のキム・ソンイと銅メダルを賭けて争うことになる。ドライブでの粘りに対して、ミスのないキム。リ・ミョンスンとの試合のような、相手を前に寄せてからの強打と揺さぶりで勝負を挑むだろう。

●女子準決勝
丁寧(中国) 4(5、-9、6、3、9)1 キム・ソンイ(北朝鮮)
  • まるで壁のようなカット守備を見せたキム・ソンイ

  • 試合直後、サインもできないほど腕がしびれていた丁寧

 日本時間10日午後10時から始まった福原vs.李暁霞の準決勝は24分で終わった。多くの日本ファンはテレビの前で固唾をのみながら観戦していたのではないだろうか。だが、李暁霞はあまりにも強すぎた。このゲームで、福原が李暁霞から奪った点数はわずか9点。
福原は、緩急をつける、逆チキータで返す、左右に振るなどあらゆる技術を駆使するもロンドン五輪覇者は全く意に介していなかった。福原本人も「ボールの威力、回転ともに相当に上まっていて対応できなかった。悔しいです。無駄な感情は捨てて、夜(3位決定戦)に備えたいです」。
 まだメダルの可能性は大いにある。3位決定戦は日本時間、明日11日午前8時半から。NHK総合で8:15からLIVE放送予定。

●女子準決勝
李暁霞(中国) 4(4、3、1、1)0 福原愛(日本)
  • 福原を圧倒した李暁霞。さすがロンドン金メダリスト

  • 福原のバック強打と揺さぶりは李には通用しなかった

  • 福原はなすすべなしという表情

  • 気持ちを切り替え、銅メダル決定戦に備えたい福原

本日の卓球競技・テレビ放送予定は以下のとおり


〈地上波〉
21:00~(0:00)テレビ東京系列   女子シングルス準決勝 (福原愛×李暁霞 戦)

〈BS〉
21:55~( 0 :00)NHK BS1   女子シングルス準決勝 LIVE(福原愛×李暁霞 戦)
 大会4日目、準々決勝終了時までの勝ち上がりは以下のとおり。
 過去のフレイタスとの対戦では水谷が圧倒的に分が良いとはいえ、五輪の舞台では何が起きるかわからない。
 それは本人が一番わかっている。ロンドンでは直前の大会で圧勝していたメイス(デンマーク)に完敗した苦い経験を持っている。
 
 出足から水谷の積極性が光っていた。一方、フレイタスもリスキーな戦術をとらなければ勝てないのは承知している。それでもお互いがしのぐためにラリー戦になり観衆を沸かせた。フレイタスに2ゲームを取られたが、最後は実力で押し切った。

「きつい試合から解放されました。フレイタスはアグレッシブな攻撃を仕掛けてきて、戸惑ったけど、途中でうまく流れを変えることができた。次の馬龍との準決勝では悔いの残らない試合をしたい」と試合直後の組織委員会へのインタビューで水谷はそう答えた。

 明日は休養日で、明後日、まず馬龍と対戦。勝てば決勝で、反対側のブロックの張継科とサムソノフの勝者と、負ければメダル決定戦でその敗者と当たる。今のところ、張継科にサムソノフが勝つのは至難の業。そうするとサムソノフが出てくるが、水谷は分が良い相手。気持ちを引き締めつつも、水谷は完全にメダルを射程距離にとらえた。
 もし水谷がメダル獲得となれば、男子初の五輪のメダルとなる。
●男子シングルス準々決勝
水谷隼(日本) 4(4、-9、3、8、-10、2)2 フレイタス(ポルトガル) 
馬龍(中国) 4(4、2、6、7)0 アルナ(ナイジェリア)
  • ついに4強の水谷。自信に満ちあふれたガッツポーズ

  • フレイタス、得意のラリー戦に持ち込むも及ばず

 ロンドンで銅メダルを獲得しているドイツの英雄オフチャロフが、まさかの敗戦。
 相手はロシアリーグの「オレンブルク」のチームメイト、サムソノフ(ベラルーシ)。オフチャロフがゲームを先取し、2ゲーム目にサムソノフがリードした時点で、サムソノフが左脇腹を押さえ、ゲーム中断。大会の医療チームが控え室に連れていき、テーピングして帰ってきた。

 これでオフチャロフがリズムを狂わしたのか。終始、オフチャロフが強攻し、それをブロックで柔らかくかわすサムソノフが、そこから反撃するパターンだ。
 1996年アトランタ大会から出場を続ける40歳のサムソノフは今までベスト8が最高の成績だったが、初のベスト4となった。まさに望外の喜び。

 準決勝は張継科との対戦となった。
  • 初戦から気合が空回りしていたオフチャロフは準々決勝で散った

  • 勝利した瞬間、喜びを爆発させたサムソノフ

 黄鎮廷を破り勢いに乗る丹羽孝希は準々決勝でロンドン五輪チャンピオンの張継科(中国)と対戦。
 1ゲーム目を先取した丹羽。台上からの攻め、両ハンドのカウンター好調。「これはひょっとすると」と期待を持たせたが、2ゲーム目の中盤から張継科につかまってしまった。2ゲーム目以降は自分の流れに引き寄せることはできなかった。張継科も出足は固かったが、2ゲーム目を取って以降はパワフルなボールが炸裂した。
 しかし、ベスト8入りは立派。よくやった丹羽! 
 これで良い流れと気分で団体戦で戦うことができるだろう。

●男子シングルス準々決勝
サムソノフ(ベラルーシ) 4(−8、7、17、−4、2、12)2 オフチャロフ(ドイツ)
丹羽孝希 1(5、−4、−7、−7、−4)4 張継科(中国)

  • 出足から気合十分の張継科

  • 1ゲーム目の出来は素晴らしかったが、2ゲーム目以降は張のカウンターを浴びた

丁寧(中国) 4(8、5、3、7)0 ハン・イン(ドイツ)
キム・ソンイ(北朝鮮) 4(8、-6、5、6、-9、6)2 ユ・モンユ(シンガポール)
李暁霞(中国) 4(5、5、6、6)0 鄭怡静(チャイニーズタイペイ)

福原愛(日本) 4(12、8、7、5)0 馮天薇(シンガポール)

福原愛、ここまですべて4-0で勝ち上がっている。1ゲームも落としていない。李暁霞とは、どんな戦いを見せてくれるのか。本日午後10時(日本時間)からの予定。

ちなみに、ここまで善戦を続けてきた丹羽孝希は、ロンドン金メダリストの張継科に1-4で敗れている。また、40歳のサムソノフが、ロンドン銅メダルのオフチャロフを4-2で破っている。
 五輪での福原の強さは格別だ。
 昨日、ドデアンに勝ったあたりからエンジンがかかった。それにしてもだ。オリンピック前に調子を上げていた馮天薇をストレートで破るとは、すごすぎる。
 バック対バックで完全に主導権を取り、フォアに回されてもミスをしない。途中から馮天薇は完全にお手上げ状態。福原の完勝だった。
 春先から調子を落とし、ツアーに出ても負けて、ポイントを落としていた福原のこの強さ。やはり、五輪の下、この選手は何かを持っているのだ。
 明日は、李暁霞と対戦。今の調子なら競り合いになってもおかしくない。仮に負けたとしても、反対側からキム・ソンイかユ・モンユが来れば、悲願のメダルも夢ではなくなった。
 熱い。福原の戦いは熱い。リオに卓球の神が降り立って福原に微笑もうとしている。

福原愛(日本) 4(12、8、7、5)0 馮天薇(シンガポール)