速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

2016世界ジュニア選手権大会速報

 まがりなりにも、今大会で世界ジュニア取材は4大会目の編集部タロー。…しかし、今大会に出場する各国の代表選手たち、ハッキリ言って知らない選手ばかりです。現地で実際にプレーを見て、勉強しながら日本の皆さんにお伝えしていきたいと思います。将来、この中から大物選手が誕生するでしょうか。

 中国は男女とも、代表選手が前回大会から総入れ替え。男子は徐海東(Xu haidong)、徐英彬(Xu Yingbing)、楊碩(Yang Shuo)、于何一(Yu Heyi)の4人。長身の右ペンドライブ型、徐海東がチームのエース。王楠・劉詩ウェンと同じ遼寧省撫順市出身で、今年2月に国家2軍チームに入ったとのこと。同じ遼寧省出身で、世界ジュニア代表(2010・2011年)として将来を期待された呉家驥は、中国代表としては芽が出ずにドミニカ共和国代表として今年から国際大会に出場。「王皓2世」という呪縛から解き放たれることはできるのか。

 徐英彬は今年のピョンヤンオープン2位、堂々たる体格の右シェークドライブ型。楊碩は15年アジアジュニア選手権のカデットチャンピオンで、于何一は河南省出身の国家2軍チームメンバー。……耳学問ですみませんが、本大会でしっかりチェックしてきましょう。

 そして今大会、中国に引けを取らない戦力を有するのが韓国。エースの趙勝敏はパワーもあり、下がっても粘り強い左シェークドライブ型。今大会の優勝候補のひとりです。ファイターのアン・ジェヒョンもなかなか手強そう。パワーが売り物の北朝鮮勢も侮れません。ペンホルダーの方には、裏面使いのキム・ソングンが気になるところ。……もう角型ペンは使わないんですかね。
 長くなってしまったので、女子に続きましょう。
 11月30日~12月7日、南アフリカ・ケープタウンで行われる『Sun International 2016 世界ジュニア選手権』。王国取材班の編集部タロー、出発直前まで仕事に追われながら、間もなく南アフリカに出発いたします。開催地のケープタウンは南半球にあり、開催時期はいわば初夏、乾期のベストシーズン。気温は最高が26度、最低が16度くらいのようです。過ごしやすいですね。

 書類上の問題で、25日に南アフリカに出発予定だった女子チームが出発できなかったことは、すでに報道されています。週末は書類に印鑑をもらう公証役場が開いていないため、選手たちはナショナルトレーニングセンターで練習。今日28日の夜出発、翌29日(開幕前日)の現地入りとなりますが、幸い男女とも団体第1シードの日本チームは、大会初日の団体第1ステージは男女とも試合がありません。ジュニアとはいえ、すでに百戦錬磨の女子チームの選手たち。このアクシデントを推進力に変えてくれるはず。日本男女チームの代表メンバーは下記のとおり。

■日本男子チーム
張本智和(JOCエリートアカデミー ※中学1年・13歳・世界ランキング70位)
木造勇人(愛工大名電高2年・17歳・世界ランキング126位)
龍崎東寅(JOCエリートアカデミー/帝京高3年・17歳・世界ランキング134位)
松山祐季(愛工大名電高3年・18歳・世界ランキング264位)

■日本女子チーム
平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園 ※高校1年・16歳・世界ランキング9位)
伊藤美誠(スターツSC ※昇陽高1年・16歳・世界ランキング11位)
早田ひな(希望が丘高1年・16歳・世界ランキング24位)
加藤美優(吉祥寺卓球倶楽部 ※高校2年・17歳・世界ランキング47位)

 パリでの同時多発テロ事件の影響により、昨年のフランス・ヴァンデ大会への選手団派遣を中止した日本。男子チームは全員が世界ジュニア初代表で、高校3年の龍崎と松山は、最初で最後の世界ジュニアとなる。国際大会の経験は最も豊富な龍崎、夏のインターハイ・男子学校対抗決勝4番で勝利し、チームに21年ぶりのタイトルをもたらした松山。高校3年コンビの活躍に期待しましょう。

 そして男子シングルスでは堂々の第1シードとなった張本は、日本男子では史上最年少の世界ジュニア代表。どの試合でも全力プレー、声を枯らして勝利に突進する張本。8日間の世界ジュニアは長丁場だけに、序盤の団体戦での選手起用も注目されるところ。インターハイ王者の木造は、満を持しての世界ジュニアデビュー。パワーを増したチキータからの両ハンドで、世界の強豪に挑む!

 一方、女子は世界ランキング・実績の両面から言って、史上最強チームであることは間違いないでしょう。ワールドカップ女王(平野)や五輪メダリスト(伊藤)が世界ジュニアに出場したことは、未だかつてないこと。女子シングルスでも第1~4シードを日本勢が独占しています。世界ジュニアの代表経験は、伊藤が4回目、平野が3回目、加藤が2回目、早田が初出場。

 団体・シングルス・ダブルスとも、今大会の女子は日本と中国との一騎打ちになりそう。過去の世界ジュニアの記録を見てみれば、女子シングルスは2003年サンチアゴ大会から13大会連続で中国選手が優勝。中国以外の選手で決勝に進出したのは、08年マドリッド大会のA.ゾルヤ(当時ドイツ・現オーストリア)と10年ブラチスラバ大会の石川佳純のふたりだけ。石川は団体決勝で倒した朱雨玲に女子シングルス決勝で惜しくも敗れていますが、今大会は悲願のタイトル獲得なるか??