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2016世界ジュニア選手権大会速報

●男子団体
優勝:日本
準優勝:韓国
3位:中国、チャイニーズタイペイ

●女子団体
優勝:日本
準優勝:中国
3位:香港、韓国

●男子シングルス

優勝:張本智和(日本)
準優勝:趙勝敏(韓国)
3位:楊碩(中国)、呉柏男(香港)

●女子シングルス

優勝:石洵瑶(中国)
準優勝:麥子詠(香港)
3位:加藤美優(日本)、ディアコヌ(ルーマニア)

●男子ダブルス
優勝:安宰賢/趙勝敏(韓国)
準優勝:張本智和/龍崎東寅(日本)
3位:カサン/セイフリード(フランス)、黄建都/林昀儒(チャイニーズタイペイ)

●女子ダブルス
優勝:ディアコヌ/ドラゴマン(ルーマニア)
準優勝:早田ひな/加藤美優(日本)
3位:劉麒/黄芊柔(香港)、麥子詠/蘇慧音(香港)

●混合ダブルス
優勝:趙勝敏/金智淏(韓国)
準優勝:松山祐季/早田ひな(日本)
3位:徐海東/袁媛(中国)、ヨルジッチ/ルプレスク(スロベニア/セルビア)
男子シングルスを制し、「今大会、自分では目標は4冠と言っていたけど、男子シングルスは一番難しいタイトルだと思っていた。うれしすぎて言葉に言い表せないです」と語った張本智和。13歳での優勝は驚異と言う他ない。3回戦で16年アジアジュニアチャンピオンの徐海東(中国)、準々決勝で16年ヨーロッパユース選手権ジュニア優勝のカシン(フランス)、準決勝で楊碩(中国)を連破。そして決勝では、過去に丹羽孝希や大島祐哉にも勝っている趙勝敏を退けた。
この4試合のうち、楊碩戦は4ー2だったが、他の3試合はいずれもゲームオール。その勝負強さの理由を本人は「普通に気合いだけです」と語るが、苦しい場面になるほど力を発揮するメンタルは、まさに超一流の素質。その頑張りに魅了された観客が、表彰式後に新チャンピオンと記念写真を撮ろうと、大挙して彼の周りを取り囲んだ。

優勝の瞬間、すべての体の力が抜けたように、フロアに倒れ込んだ張本。最後は得意のエビぞり、「ハリバウアー」を決めるかと思ったが、本人は笑顔で「疲れていたので……」とコメント。「ワールドツアーとかでは最近、体力不足とか言われていた。今大会は試合数が多かったけど、最後に優勝できたのはうれしい」(張本)。ルーマニア戦でプレテアに敗れ、試合前の準備不足を痛感してからは、試合中にダダダッと足踏みをする光景が多くなった。


「2年前までは世界ジュニアはいつか出られるといいなと思っていて、まさか2年後にその大会でチャンピオンになれるとは思わなかった。本当にうれしいです。疲れはあったんですけど、疲れたなんて言っているヒマはないので、全力でやりました。自分はブロックが結構自信があったので、(趙勝敏の)サービスは切れているから、チキータで狙うよりツッツキで返して、ブロックとカウンターで返していこうという作戦でした。とりあえずブロックでつなぐ、ひたすら相手より一本多くつなぐと決めていました。今回は(3回戦の)徐海東戦が一番のヤマだと思ったので、そこを乗り切れてからはゲームオールになっても落ち着いてプレーすることができました」(張本)。

ベンチに入った父の張本宇コーチは「優勝するのは目標でしたが、難しいと思っていました。優勝はしたけど、まだ実力が足りないと思います。パワーだとか、課題はまだいっぱいある」と試合後に語った。勝負強さの秘訣については「毎日練習した成果ですね。あと教える時に、一本一本を大事にさせたことが一番だと思います」とコメントしている。ちなみに息子さんへのご褒美はまだ考えていないとのこと。「大会期間中は携帯電話は私が管理しているので、とりあえず、いますぐ携帯電話を本人に返しますね」。……そう、新チャンピオンはまだ13歳なのだ。
●男子シングルス決勝
張本智和 ー7、ー9、6、10、8、ー7、7 趙勝敏(韓国)

大会の最後の最後で、日本チームを覆う重苦しい空気を吹き飛ばす快挙!
張本が趙勝敏を下し、初出場にして初優勝。さらに2003年6月27日生まれ、まだ13歳の張本は史上最年少優勝という快挙も達成した!

男子ダブルスで見せた豪快なプレーが観客にアピールしたのか、試合序盤は観客も趙勝敏への声援が多かったが、張本の奮闘に次第に会場の空気が変わった。「ハリモト!」「ハリー、ゴーゴー!」「トモカジュ!」という声援が、「ゴー! コリア!」という韓国への声援と錯綜。この大会最終日、観客席は空席ばかりが目立っていたが、両選手が繰り広げるスーパーラリーが決して多いとは言えない観客を熱狂させ、興奮の渦へと巻き込んだ。

試合の大きなポイントは第4ゲーム。誰もが手こずる張本のチキータを苦にしない趙勝敏に対し、張本はバックへの深く切れたツッツキを有効に使う。「出足で予想と違って、思ったより得点できなかったので、戦術を変えました。(趙勝敏は)チキータをすごくうまく返してきたので、ツッツキからのプレーに変えました」とベンチに入ったお父さんの張本宇コーチ。さらに6ー7の場面で、今大会たびたびフォルトを取られていた趙勝敏のサービスが、またもフォルトの判定。
「Why?」と審判へ向かって両腕を広げる趙勝敏。意気消沈した趙勝敏から張本が10ー7とゲームポイントを握り、結局このゲームを12ー10で制し、2ー2のタイに持ち込む。

第6ゲームは出足で離されて落とした張本だが、第7ゲームはフォアストレートへ狙い打つチキータ、そして相手のチキータをバックストレートへ打ち抜くフォアドライブなどで4ー1、6ー2とリード。6ー6に追いつかれるも、再び突き放して11ー7で勝利。その瞬間、プレッシャーから解き放たれるようにその場に崩れ落ち、フロアに大の字になった張本。13歳での史上最年少優勝に「2年前までは世界ジュニアはいつか出られるといいなと思っていた。まさか2年後にその大会でチャンピオンになれるとは思わなかった。本当にうれしいです」と語った。
  • 気合いあふれるプレーを貫き通した張本

  • 趙勝敏、完勝ペースから失速

  • 最後の一本は全力を振り絞ったバックストレートへの一撃

  • 優勝の瞬間、フロアに崩れ落ちた

  • ベンチに入った父・張本宇さんと歓喜の抱擁

●女子シングルス決勝
石洵瑶(中国) 2、10、11、3 麥子詠(香港)

女子シングルス決勝は、中国の石洵瑶(シ・シュンヤオ)が香港の麥子詠(マク・ツェイン)にストレート勝ち。中国勢が唯一守ってきた、03年サンチアゴ大会からの連続優勝記録を14回に伸ばし、次大会につなげた。

準決勝の加藤戦とは対照的に、第1ゲームから声を出し、気合いあふれるプレーを見せた石洵瑶。バックハンド主体のプレーヤーだが、守りは堅いが攻撃力に乏しい麥子詠を相手に、積極的にフォアハンドでの攻撃を仕掛けた。第1ゲーム8ー0のリードであっという間に1ゲームを先取し、第2ゲームは序盤でリードされる展開が多かったものの、攻撃力の差を見せてストレート勝ち。

今大会、中国に唯一の金メダルをもたらした石洵瑶。フィジカルもなかなか強いものを持っているが、中国の厳しい競争を勝ち抜くだけの個性とインパクトはまだない。
「中国にとって今大会最初の金メダルを勝ち取ることができて、すごくうれしいです。でも、もっと金メダルを取れなかったことには少しがっかりしている。国際大会での経験が少なくて、まだ経験不足だったと思います。決勝は記録の上では完勝に見えるかもしれないけど、相手はすごく強かったし、第2ゲームと第3ゲームは接戦でした」。決勝を戦い終え、そう語った。
  • 決勝では積極的にフォアで仕掛けた石洵瑶

  • 麥子詠、快進撃も決勝でストップ

  • 優勝の瞬間、高々と左手を突き上げた

  • ベンチに入った国家2軍チームの知恵袋、陳振江コーチとパチリ

  • 女子シングルスの表彰。加藤は見事3位入賞

  • 石洵瑶、オフではこの笑顔です

●混合ダブルス決勝
趙勝敏/金智淏(韓国)ー7、9、9、ー7、ー8、3、11 松山/早田
●女子ダブルス決勝
ディアコヌ/ドラゴマン(ルーマニア) 7、8、6、ー5、ー9、9 早田/加藤
●男子ダブルス決勝
安宰賢/趙勝敏(韓国)ー7、8、4、3、4 張本/龍崎

……ダブルス種目に関しては、今日は「日本の日」ではなかったか。日本の3ペアが出場したダブルス3種目の決勝は、いずれも銀メダル。

惜しまれるのは混合ダブルス決勝。松山/早田が最終ゲーム10ー7でマッチポイントを握ったが、趙勝敏のチキータで10ー8。ここから趙勝敏の下回転系サービスに、松山のチキータが2本続けてネットミス。この後、11ー10で4回目のマッチポイントも握ったが決めきれず、逆転を許した。試合後、「松山くんには、自信があればチキータでいっていいよと言いました。松山くんのチキータは女子選手はほとんど返せないので、そのミスはしかたない。ただ、10オールになってから『負けたらどうしよう』という気持ちが少し出てきて、思い切って打ちにいけなかった部分もあります」と早田。松山は「チキータでうまく試合を進められていたから、最後はチキータにいった。今は後悔もあるけど、自分が選んでやったことだからしかたないです」と語った。これも経験。何より貴重な経験だ。

ただ、タイムテーブルの遅れによって、混合ダブルス決勝で敗れた直後に女子ダブルス決勝が始まったのは、早田にとっては不運だった。「ミックスが終わった時点で、『大丈夫』と自分に言い聞かせて試合に入ったんですけど、コートに入るとさっきまでと同じ台で同じ雰囲気で、少しやりにくい部分はあった。自分の攻撃ミスだったり、思い切ってプレーできないところがあって、加藤さんには迷惑をかけてしまった」(早田)。これまでダブルスでは素晴らしいプレーを見せていた早田、序盤に攻撃のミスが多く出て、ゲームカウント0ー3のビハインド。スロースタートになってしまったことが、最後まで響いた。ルーマニアペアはバックハンドの強さとディアコヌのストレートへのパワードライブを武器に、ラリー戦を制した。

男子ダブルス決勝は、第1ゲームは韓国ペアにミスが多く、張本/龍崎が先制したが、試合が進むごとに韓国ペアのチキータがスピードを増した。第2ゲーム0ー6、第3ゲームと第4ゲームはともに0ー4と出足で離され、一方的な韓国ペアのペースになった。切れた下回転系のサービスも一発で持っていく安宰賢と趙勝敏のチキータは強烈だった。
  • 最後まで堂々のプレー、逆転負けしたとはいえ、松山/早田は全力を尽くした

  • 混合ダブルス表彰でのふたり

  • ルーマニアペアと熱戦を演じた早田/加藤だが、序盤の出遅れが響いた

  • ディアコヌ/ドラゴマン、チームメイトと歓喜の抱擁

  • 張本/龍崎は韓国ペアの猛攻を食い止められず

●男子シングルス準決勝
趙勝敏 5、7、7、ー8、7 呉柏男(香港)
●女子シングルス準決勝
麥子詠(香港) 10、7、7、9 ディアコヌ(ルーマニア)

男子シングルス準決勝のもうひと試合、韓国の趙勝敏が呉柏男に完勝して決勝へ勝ち上がってきた。やはり張本の相手はこの男だ。

時にプレーが淡泊に見える趙勝敏だが、技術の一つひとつの質は非常に高い。その下回転サービスは、団体決勝トップで対戦した木造も「めちゃくちゃ切れている」と言うほど。しかも、思い切り切って出すというふうではなく、さりげなくブッツリ切って出す。
彼の技術は全般的にバックスイングのモーションが小さく、そこから体全体をしならせるように使い、強烈なパワーボールを出してくる。インパクトへの力の集約が非常にうまい選手だ。そしてコースも読みにくい。決勝で対戦する張本、今大会サウスポーの選手と対戦するのはこれが初めて。趙勝敏のサービスへの対応が大きなポイントとなる。

女子シングルス準決勝の第2試合は、第1ゲーム6ー10から逆転した麥子詠が、非常に堅いバックハンドの守りとショートスイングのフォアのカウンターで、ディアコヌを完封。先輩の杜凱琹らに共通するような守備重視のスタイルだが、リスクを負わない分ラリーには強く、ディアコヌがしびれを切らす場面もあった。ノーマークのダークホースだったが、実力は確かだ。
  • 趙勝敏、決勝で張本と相まみえる

  • 時折フルスイングのパワードライブも見せた呉柏男だが、勝機はなかった

  • 試合中は無表情の麥子詠、勝利に頬がゆるんだ

  • ディアコヌ、第1ゲームの逆転負けが尾を引いた

●女子シングルス準決勝
石洵瑶(中国) ー6、8、10、ー8、9、7 加藤

日本女子、最後のひとりとなった加藤は準決勝で石洵瑶に敗れ、銅メダル。

チキータとは逆の回転になる、加藤独特の流すようなバックの「ミユータ」、しゃがみ込みサービスなどに石洵瑶のミスが出て、第1ゲームを幸先良く先制した加藤。第2ゲームも5ー2とリードを奪ったが、石洵瑶はバック対バックでの展開は不利とみて、ミドルを混ぜた細かいコース変更で加藤を揺さぶる。

ともにバックハンド主戦の両選手、緩急のうまさでは加藤、コースの打ち分けでは石洵瑶という印象。お互いにバック深くへの切れたツッツキを混ぜながら、優位な展開に持ち込もうとしたが、次第に加藤のミスが多くなった。第5ゲーム、9ー10で勝負をかけたフォア前のミユータがオーバーミス。第6ゲームは出足から離され、リードを保たれた。

「相手はやりづらかったです。台から距離を取ってきたり、コースも散らしてきたので、きれいなバック対バックの展開にあまりならなかった。バック対バックにしないようにミドルやフォアをうまく突いてきた」と試合後の加藤。「レシーブで何度もあまいツッツキをしてしまったので、そこが一番ダメだったと思います」。

決勝進出はならなかったが、劉煒珊を破り、この石洵瑶とも互角の勝負をした加藤。収穫の多い大会となった「シングルスでは優勝を目指していたんですけど、ここまで来られたことは結構頑張ったんじゃないかなと思います。ダブルスは絶対に優勝したいです」(加藤)
  • 加藤のしゃがみ込みサービス。序盤は相当効いていた

  • ポーカーフェイス、マイペースの石洵瑶

●男子シングルス準決勝
張本 6、10、11、ー9、ー10、3 楊碩(中国)

張本智和、中国の最後の砦を破った! 楊碩を破って決勝進出だ!

出足からバックハンドの技術力の差を見せ、バック対バックで得点を重ねながら、楊碩のバックサイドへ深く切れたバックツッツキとストップを混ぜ、ペースをつかんだ張本。楊碩は一発のチキータはあるが、そこからの連係はまだまだ発展途上。バックサイドに詰められたボールを打ちきれなかった。

張本が2ー0とゲームをリードした第3ゲーム、9ー5のリードから9ー8となったところでベンチの張本宇コーチがタイムアウト。12ー11となって「1本いける!」と叫んだ張本。このゲームを13ー11で奪って3ゲームを連取する。

このままストレートで押し切りたかったが、ここから楊碩が2ゲームを返した。特に第5ゲームは張本が10ー8とマッチポイントを握ったが、フォアクロスに巻いて曲げてくる楊碩のボールに対し、張本のフォアストレートへのバックハンドカウンターにミスが多くなった。楊碩も開き直ってバックドライブで強く攻めてきた。

第6ゲーム、気合いを入れ直し、4ー0、8ー1と一気に突き放す張本。ベンチの張本宇コーチからは「ラリーで大丈夫!」「粘って、粘って」などのアドバイスが多かった。パワーでは負けていても、長いラリーになれば有利ということを見抜いていたか。最後までバックハンドの優位性を保った張本が押し切った。
  • 張本、決勝へ! 中国は今大会、男子単決勝に進出できず

  • 堂々たる体躯の楊碩だが、攻撃の連係はまだまだ荒削り

★大会最終日・12月7日のタイムテーブル ※時間は日本時間

17:00〜(現地時間10:00〜) 
●男子シングルス準決勝 張本智和(日本) vs. 楊碩(中国)

17:40〜(現地時間10:40〜)
●女子シングルス準決勝 加藤美優 vs. 石洵瑶(中国)

18:20〜(現地時間11:20〜)
●男子シングルス準決勝 呉柏男(香港) vs. 趙勝敏(韓国)

19:00〜(現地時間12:00〜)
●女子シングルス準決勝 麥子詠(香港) vs. ディアコヌ(ルーマニア)

20:00〜(現地時間13:00〜)
●混合ダブルス決勝 松山祐季/早田ひな vs. 趙勝敏/金智淏(韓国)

22:00〜(現地時間15:00〜) 
●女子ダブルス決勝 早田ひな/加藤美優 vs. ディアコヌ/ドラゴマン(ルーマニア)

22:40〜(現地時間15:40〜)
●男子ダブルス決勝 張本智和/龍崎東寅 vs. 安宰賢/趙勝敏(韓国)

23:20〜(現地時間16:20〜) ●女子シングルス決勝
24:30〜(現地時間17:30〜) ●男子シングルス決勝

2016世界ジュニア選手権もいよいよ最終日。南アフリカに来たのが遠い昔のような気がします。今日は一発目の試合から、張本対楊碩、加藤対石洵瑶という日本と中国のビッグマッチだ。

女子の代表4名と張本は、明日からカタール・ドーハで行われるITTFワールドツアー・グランドファイナルに出場。今夜のフライトでケープタウンを発つというハードなスケジュールだ。大会最終日、有終の美を飾ってほしい。
●女子ダブルス準決勝
ディアコヌ/ドラゴマン(ルーマニア) ー14、ー6、9、8、ー6、11、8 劉麒/黄芊柔(香港)
早田/加藤 7、6、6、ー7、4 麥子詠/蘇慧音(香港)

●男子ダブルス準決勝
張本/龍崎 ー8、ー6、7、10、8、ー8、12 カサン/セイフリード(フランス)
安宰賢/趙勝敏(韓国) ー2、9、9、5、ー9、ー8、12 黄建都/林昀儒(チャイニーズタイペイ)

●混合ダブルス準決勝
趙勝敏/金智淏(韓国) ー9、8、ー9、10、11、8 徐海東/袁媛(中国)
松山/早田 6、ー11、ー4、6、3、9 ヨルジッチ/ルプレスク(スロベニア/セルビア)

まとめてのアップになってしまってすみませんが、男子シングルス準々決勝に続いて行われたダブルス3種目の準決勝の結果は、上記のとおり。

まず女子ダブルス準決勝。勝ち進むごとにペアリングが良くなる早田/加藤は、香港のエースダブルスに4ー1で完勝。加藤の中陣での対応力がついてきたことで、前で良し、下がって良しと多彩なプレーを披露。攻守ともに粘り強い香港ペアを圧倒し、タイトルが見えてきた。
「レシーブの良さと、私がチャンスを作ってひなちゃんが決めるパターンが強みです。私はそんなにガンガン攻めるタイプではないので、その分ひなちゃんに良いボールを回せるようにしています」(加藤)。明日の対戦相手は、ルーマニアのディアコヌ/ドラゴマン。ディアコヌのフォアストレートへのドライブには注意が必要だ。

そして男子ダブルス準決勝、張本/龍崎は苦しんだ。今日5試合目の張本にさすがに疲れが見え、龍崎もパワーのあるフランスペアのボールに押され、中陣からのドライブにミスが出たが、ふたりの集中力は最後まで途切れなかった。
「でっかいほうの選手(セイフリード)はチキータがうまいので、それを後半うまく利用できたのが良かった」と張本。パートナーの龍崎は「張本はマジで勝負強いと思います、9ー9で張本がレシーブの時はすごく安心感がある。絶対に入るっていう感じがします」と後輩のプレーを讃えた。その龍崎も、大きいラリーには強いフランスペアを封じるべく、プレッシャーのかかる場面で台上でのストップで勝負したのは見事だった。「今日の試合に勝つことができたので、ここまで来れば金メダルを獲りたいですね」(龍崎)。

そしてトリを飾ったのは松山/早田の混合ダブルス。対戦相手はヨルジッチ/ルプレスクの国際ペア。即席ペアではあるのだが、ヨルジッチの中陣からの両ハンドドライブに威力があり、ルプレスクが前陣寄りでの両ハンドで正確につなぎ、かき回してきた。ゲームカウント1ー2とリードされる場面もあったが、松山/早田は大きなラリーの打ち合いで、常に相手より一本多く返す粘りがあり、相手ペアが根負けするまでラリーをつないだ。明日の決勝では、趙勝敏/金智淏と対戦。左腕の趙勝敏のチキータと広角ドライブを、どこまで封じられるか。

男女シングルスに張本と加藤が残っている日本、まだ全種目制覇の可能性を残している唯一の国だ。団体戦の名誉挽回を期す強豪を相手に、ハードな挑戦になるが、幾つのトロフィーを日本に持ち帰ることができるか?
  • ナイスコンビネーションを見せた早田/加藤

  • 張本/龍崎、歓喜の抱擁。龍崎先輩が心なしか押されてる…?

  • 松山/早田も決勝へ。早田は2種目で決勝進出と大健闘

  • 張本/龍崎を大いに苦しめたフランスペア。カサン(奥)は単複とも張本に敗れる