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全中国運動会・速報2017

●男子ダブルス準決勝
馬龍/許シン(北京市/上海市) 5、9、8、10 張煜東/孫聞(江蘇省)
周雨/樊振東(解放軍) ー11、4、4、ー10、5、ー12、6 閻安/林高遠(北京市/広東省)

男子ダブルス準決勝は、優勝候補の双璧、馬龍/許シンと周雨/樊振東が勝ち上がった。

馬龍/許シンは、許シンがコルセットをはめて登場。対下回転のパワードライブはまったく打てず、裏面打法と相手のドライブに対するカウンターのみ。思い切って打っていったボールは、許シンらしからぬミスの連続だった。これがワールドツアーだったら、とっくに棄権しているだろう。

それでもパートナーの馬龍が、許シンをうまくアシスト。フォアのパワードライブを打ち込んでくる江蘇省ペアに対し、フォアの打ち合いに持ち込ませないようなバックハンドの打球点の早さ、コースの厳しさが光った。

前回優勝の周雨/樊振東は、第6ゲームに10ー8で握ったマッチポイントを逆転され、試合は最後までもつれた。周雨にレシーブや中陣ドライブのミスが多く出ても、樊振東は集中力を最後まで切らさず、相手のカウンターも両ハンドで正確に返球した。非常にハイレベルな試合内容だった。
  • 許シン、コルセット姿で我慢のプレー

  • 3位決定戦に回った張煜東(右)/孫聞

  • 周雨(左)/樊振東はゲームオールで辛勝

  • 随所に好ラリーを展開した閻安(右)/林高遠

●女子ダブルス準決勝
顧玉ティン/木子(山東省/解放軍) ー7、5、7、8、7 丁寧/劉詩ウェン(北京市/広東省)
朱雨玲/陳夢(四川省/山東省) 8、ー7、ー9、8、4、5 劉高陽/馮亜蘭(山東省/湖北省)

速報のアップが遅くなって申し訳ありません。本日は午前中に男女ダブルス準決勝、午後に男女ダブルスの3位決定戦と決勝という、最終日を前に何ともゆったりしたタイムテーブル。……と思っていたら、午前中のダブルスが長引き、10時にスタートして14時近くまでかかりました。

女子ダブルス準決勝の勝者は、顧玉ティン/木子と朱雨玲/陳夢。丁寧/劉詩ウェンは、顧玉ティン/木子から1ゲームを先取したものの、その後は全くペースをつかめなかった。
その理由は劉詩ウェンの不振。昨日は相性の良いカットの武楊にゲームオール9本まで追い詰められた劉詩ウェン、この女子ダブルス準決勝でも試合を通じてミスが多かった。打球点の非常に早い、精緻なプレースタイルであるがゆえに、ボールなどの環境の変化による影響が大きいのか。特に上回転のボールにうまく対応できていないようだ。表情が曇りがちなのも気になる。

朱雨玲/陳夢は、高い守備力が光った。馮亜蘭のパワードライブと劉高陽の鋭いカウンターを中陣で受け止め、ラリー戦ではバックハンドでコースを突いて振り回す。劉高陽/馮亜蘭はラリー戦の中で不用意に空いたスペースを作ると、そこを確実に突かれ、失点していた。
  • 準決勝で敗れた丁寧/劉詩ウェン

  • 顧玉ティン(左)/木子は金星にこの笑顔

  • 懐の深い攻守を見せた朱雨玲(右)/陳夢

●男子シングルス準々決勝
許シン(上海市) 10、ー9、5、ー2、ー7、9、4 ハオ帥(天津市)
樊振東(解放軍) 4、8、2、10 夏易正(河南省)

深夜の22時35分スタートの許シン対ハオ帥戦が終わった時、間もなく日付が変わろうとしていた。

許シン対ハオ帥の左腕対決は、お互いにインジャリータイム(故障の治療のためのタイム)を取り合い、まさに満身創痍の状態で行われた。すでに左肩を傷めている許シンだが、第4ゲームの終了後に取ったインジャリータイムでは、脇腹の治療も受けていた。中国男子チームの秦志戩監督や、担当コーチの呉敬平コーチが歩み寄って心配そうに見つめる。

ゆっくりとコートに戻った許シン。しかし、対下回転のパワードライブは振れず、軽く持ち上げてあとはカウンターで合わせるのみ。許シンとは思えないプレーの連続で、逆にハオ帥のプレーもおかしくなった。現役の世界代表である許シンに対し、故障をさらに悪化させるようなプレーはためらわれたのか。ハオ帥も左腕を傷めており、互いに軽打とブロックの応酬という、信じられない光景だった。

結局、最終ゲームに8ー0までリードを広げた許シンが勝利したが、明日の男子ダブルスでプレーできるのか。それほどひどい状態でも棄権という選択肢はないのが、全中国運動会という大会の持つ重みなのか。
  • 第4ゲーム終了後、ベンチで治療を受ける許シン

  • あの許シンが、こんな軽打を見せるなんて……

  • ハオ帥も第7ゲームの中盤にインジャリータイムを取った

  • 樊振東に敗れた夏易正。両ハンドのカウンターに圧倒された

  • 許シンのファンたちは深夜0時近くまで会場に残り、声援を送っていた

●女子シングルス準々決勝
劉詩ウェン(広東省) 3、ー7、5、ー7、ー7、11、9 武楊(山西省)
王芸迪(雲南省) 6、ー5、7、13、11 陳夢(山東省)

女子シングルス準々決勝の残り2試合、ベスト4に名乗りを上げたのは劉詩ウェンと王芸迪!

劉詩ウェンは苦しい苦しい戦いだった。「劉詩ウェンと当たるなんて、武楊も不運だな」と思っていたが、試合が進むにつれて武楊のカットとカーブロングにミスが増える。
ゲームカウント2ー3とされた第6ゲーム、4ー6から10ー6と逆転しながら、5点連取を許して10ー11で武楊のマッチポイント。応援団が必死に声援を送る中、ここをしのぎきって大きく吠えた。最終ゲームもリードしながら挽回される展開だったが、辛くも勝利。劉詩ウェンらしからぬ凡ミスの多さは、ボールの違いも影響しているのか。

そして、ダークホース王芸迪の活躍はセンセーショナルだ。女性にこんな表現は失礼かもしれないが、「面構え」がいい。ミスが出ても、自分の立てた予測や戦術に徹しきれる思い切りの良さがある。技術的にも、バックハンドの打ち分けのうまさ、守備力の高さに加え、フォアドライブも馬力あり。

若手の人材不足と言われた中国女子だが、孫穎莎、王曼昱のこの王芸迪が加わるとなると……、やはり手強い。
  • 新たなヒロイン登場、その名は王芸迪(ワン・イーディ)

  • 前回2位の陳夢はベスト8に終わる

  • 劉詩ウェン、得意のカットに大苦戦

  • よく守った武楊だが、あと一歩及ばず

●男子シングルス準々決勝
馬龍(北京市) 6、ー9、6、3、4 馬特(天津市)
王楚欽(北京市) 8、ー8、6、10、ー10、ー5、13 周愷(解放軍)

女子シングルス準々決勝に続いて行われた、男子シングルス準々決勝の2試合。北京市チームのエースとホープが、ともにベスト4進出だ。

王楚欽と周愷という、左右の本格派のシェークドライブ型が激突した一戦は、観る者を熱くさせる展開となった。王楚欽がゲームカウント3ー1とリードした第5ゲームに10ー8でマッチポイントを握ったが、周愷が4点連取で逆転。勝利が近づくとプレーが守りに入る王楚欽、6ゲーム目は一方的な展開で落とし、勝負は最終ゲームへ。

最終ゲームも一進一退。王楚欽が先に10ー9でマッチポイントを握るが、ここから4回連続のマッチポイントを決めきれない。周愷のチキータは強力だ。しかし、最後まで集中力を切らさずに戦った王楚欽が、14ー13の5回目のマッチポイントでシュートドライブを決め、コートに大の字!

王楚欽、ハッキリ言って自意識過剰。しかし、方向性を間違えなければ、それもアスリートの資質のひとつか。明後日の大会最終日、先輩の馬龍との激突が楽しみだ。
  • 謎の図形のようですが……王楚欽、劇的勝利でコートに倒れ込んだ

  • ようやく起き上がりました

  • 1ゲームを落としたが、やはり対カットは強い馬龍

  • 低い打球点でのナックル性のつなぎが有効だった馬特

●女子シングルス準々決勝
丁寧(北京市) 8、6、ー10、7、ー9、5 孫穎莎(河北省)
朱雨玲(四川省) 6、5、10、ー11、ー2、ー6 10 王曼昱(黒龍江省)

女子シングルス準々決勝、まず丁寧と朱雨玲がベスト4に勝ち残った。

女子団体決勝4番でゲームオール(5ゲームスマッチ)11ー9という熱闘を演じた朱雨玲と王曼昱は、シングルスでも激しい攻防。朱雨玲が3ー0とリードして完勝ペースだったが、4ゲーム目をジュースで制した王曼昱がゲームオールまで追いつき、最終ゲームも中盤でリードされながら追い上げる。お互いにバックハンドの守りが堅く、機を見てのフォアのカウンタードライブも強烈。そして今回も朱雨玲が際どく勝利を収めた。

団体決勝での敗戦ではベンチで号泣した王曼昱だが、今日の敗戦に涙はなかった。自分の現在位置を確認し、大器はさらなる成長を胸に誓ったはずだ。
  • 王曼昱のバックドライブは強烈。コースの打ち分けもうまい

  • 勝負所ではきっちり回り込んで攻める朱雨玲

  • 手に汗握る熱闘だった!

  • 気合い十分の丁寧、孫穎莎を下す

●女子ダブルス準々決勝
丁寧/劉詩ウェン(北京市/広東省) 7、7、4 王芸迪/李暁丹(雲南省/山西省)
顧玉ティン/木子(山東省/解放軍) 10、7、8 文佳/陳幸同(遼寧省)
劉高陽/馮亜蘭(山東省/湖北省) 7、ー6、10、6 車暁㬢/王曼昱(黒龍江省)
朱雨玲/陳夢(四川省/山東省) 8、7、9 李佳イ/蘭㬢(遼寧省)

女子ダブルスも準々決勝が行われ、優勝候補の筆頭、丁寧/劉詩ウェンはストレート勝ちを収めた。

お揃いのブルーのXIOMウェアで登場した丁寧/劉詩ウェンは、強打の王芸迪/李暁丹をあっという間に料理。劉詩ウェンが前陣で自在にコースを打ち分け、丁寧が中陣での驚異的な守備範囲と、パワードライブでの反撃でラリーを盛り返す。さすが現・世界チャンピオンペア、という強さだった。

そのふたりに試合後、熱心にアドバイスを送っていたのが馬琳だ。劉詩ウェンは以前から指導しているが、丁寧にも繰り返しアドバイスしていた。今大会、国家チームのコーチ陣が座る席の最前列に陣取り、選手たちのプレーに真剣な眼差しを向けている馬琳。現在は中国男子チームのコーチという肩書きだが、懸案である中国女子チームの監督の座はひょっとして……?
  • 爽やかなブルーが似合うふたり

  • 朱雨玲/陳夢もストレート勝ち

  • 熱いアドバイスが印象的だった馬琳

●男子ダブルス準々決勝
馬龍/許シン(北京市/上海市) 7、5、8 方博/尚坤(山東省/上海市)
張煜東/孫聞(江蘇省) 6、3、9 于何一/王林塑(河南省)
閻安/林高遠(北京市/広東省) 11、5、2 劉吉康/ハオ帥(遼寧省/天津市)
周雨/樊振東(解放軍) 10、8、ー10、11 朱誠/蔡偉(江蘇省)

大会第8日目の最初の試合、男子ダブルス準々決勝の結果は上記のとおり。馬龍/許シンは、許シンの左肩の状態が心配されたが、馬龍がパワードライブでアシストした。周雨/樊振東は、ゲームカウント2ー0でリードした第3ゲーム7ー2のリードから逆転され、第4ゲームも6ー2、7ー4から追いつかれるなど、ピリッとしない試合ぶり。一発の威力は抜群の周雨だが、ラリーになるとどうしても周雨にミスが増える。

下写真はそんな周雨の災難。樊振東が思い切って飛びついて打ち返したボールが、周雨の後頭部を直撃。周雨は結構痛がっていた。並の選手が打ったボールではない、ボールが割れて交換するほどの衝撃。周雨のミスの連続に、カチンと来ていたから……ではないと思いますが。
  • 「イテテッ」と頭をさする周雨。後ろで樊振東、爆笑

  • 見て見て、ボール割れちゃったよ!

  • 観客席のファンたち。これがカメラの「砲列」ってやつですね

観客席がある二階に上がって通路をぐるっと一周すると、大会スポンサーである地元の卓球メーカー『729』のブースや、中国に関する卓球の文物の展示などがあった。清代のラケットや、中国への卓球伝来が定説より早かったことを伝える手紙など、貴重な文物がドッサリで大興奮。やたらとカメラで撮りまくる日本人を、中国の観客の皆さんが不気味そうに見ていました。
  • 清代の木製のラケット

  • 卓球の中国伝来が、定説の1904年より早い1902年だったことを示す手紙

  • 中国が初めて国際大会に出場した、極東運動会の記念章

  • これは新しい、張怡寧の使用ラケット

★9月4日のタイムテーブル

[男子ダブルス準々決勝]
●11:00〜(現地時間10:00〜)
馬龍/許シン(北京市/上海市) vs. 方博/尚坤(山東省/上海市)
張煜東/孫聞(江蘇省) vs. 于何一/王林塑(河南省)
●11:30〜(現地時間10:30〜)
劉吉康/ハオ帥(遼寧省/天津市) vs. 閻安/林高遠(北京市/広東省)
朱誠/蔡偉(江蘇省) vs. 周雨/樊振東(解放軍)

[女子ダブルス準々決勝]
●12:00〜(現地時間11:00〜)
丁寧/劉詩ウェン(北京市/広東省) vs. 王芸迪/李暁丹(雲南省/山西省)
顧玉ティン/木子(山東省/解放軍) vs. 文佳/陳幸同(遼寧省)
●12:30〜(現地時間11:30〜)
車暁㬢/王曼昱(黒龍江省) vs. 劉高陽/馮亜蘭(山東省/湖北省)
李佳イ/蘭㬢(遼寧省) vs. 朱雨玲/陳夢(四川省/山東省)

[女子シングルス準々決勝]
●20:00〜(現地時間19:00〜)
丁寧(北京市) vs. 孫穎莎(河北省)
王曼昱(黒龍江省) vs. 朱雨玲(四川省)


[男子シングルス準々決勝]
●20:45〜(現地時間19:45〜)
馬龍(北京市) vs. 馬特(天津市)
王楚欽(北京市) vs. 周愷(解放軍)

[女子シングルス準々決勝]
●21:30~(現地時間20:30~)
劉詩ウェン(広東省) vs. 武楊(山西省)
王芸迪(雲南省) vs. 陳夢(山東省)

[男子シングルス準々決勝]
●22:15〜(現地時間21:15〜)
許シン(上海市) vs. ハオ帥(天津市)
夏易正(河南省) vs. 樊振東(解放軍)