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全国高校選手権(インターハイ2018)

本日は男女シングルス2〜5回戦が一気に休みなく行われ、ベスト8が決定する。2・3回戦はインターバルが少なく、常に台が埋まっている状態だ。田中(愛工大名電)や戸上(野田学園)などの超エース級の試合は早いが、他の試合はかなり競っている。以前よりも選手たちの実力差はなく、2〜3本のラッキーボールがあれば、試合はひっくり返る。

遊学館の川村、大原学園の金光は2回戦からゲームオールの薄氷を踏む勝利。
うわてと言えども、全身全霊をかけてぶつかってくる相手にひるんだら呑み込まれる。
ニッタク以外のボールもABS樹脂素材に変わったことで、どのボールを選んでもラリーが続き、1発で決まるような展開は少ない。
ボールの性質を活かし、細かい台上勝負を避けて、打ち合いにもっていく選手が多いように感じる。
  • 金光はヒヤヒヤの初戦突破

  • 加山(愛工大名電)は田仲(東山)をゲームオールで振り切る

  • 学校対抗出場を逃した岩永(帝京安積)。シングルスにかける!

  • 深沢(浜松修学舎)は劉念(日南学園)に勝利した

●女子学校対抗・準決勝
 〈遊学館 3−2 明徳義塾〉
○相馬 −7、3、5、6 高田(愛)
 千葉 −6、−3、8、9、−11 里川○
○出雲・相馬 10、5、8 里川・船場
 平川 −9、−8、5、−7 船場○
○出雲 3、8、9 岡田

 女子学校対抗、四天王寺が待つ決勝に勝ち上がったのは遊学館!

 準々決勝まで出雲・千葉のダブルスを起用していた遊学館は、女子ダブルスで優勝したばかりの出雲・相馬にダブルスをスイッチ。1ゲーム目は里川・船場が10−7でゲームポイントを握ったが、ここを取り切れず、2ゲーム目以降は主導権を握れなかった。「遊学館には相馬さんと出雲さんという強いふたりがいて、それを前半と後半に分けられて、ダブルス勝負になった。やっぱりダブルスですね。1ゲーム目にリードしていて、そこをしっかり取り切れなかった。うちのエース(里川)は、出雲さんにも分は悪くないので、出雲さんか相馬さんに当てたかった」(明徳義塾・佐藤利香監督)

 明徳義塾もラストまで持ち込んだが、立ちはだかったのは出雲。相手の強打をうまくいなしてコースを突き、チャンスボールはクロス・ストレートへと打ち分けるボールの「出し入れ」が抜群にうまい。3ゲーム目はややイージーミスが出たが、それでも余裕のある戦いぶりだった。

 遊学館は3月の高校選抜に続く決勝進出で、再び四天王寺と対戦する。まだ相馬が入学前の選抜で、四天王寺とは2−3の接戦を演じた。出雲・相馬のダブルスという強力な武器を得た今、四天王寺とも十分に勝負できる。四天王寺の6連覇か、女子ダブルスに続いて遊学館が歴史的タイトルをつかむか。明日の決勝が楽しみだ。
  • 単複2点を叩き出した出雲

  • 2番で千葉との接戦を制した里川

  • 女子複チャンプの貫禄を見せた出雲(左)・相馬

●男子学校対抗準決勝
鶴岡東(山形)3-1 遊学館(石川)
○星 8、4、−9、9 浅利
○小松 9、-2、-7、10、9 川村
 中橋・星 -5、-9、-9 川村・畑○
○中橋 9、7、5 畑
 佐藤 (0−3) 清野

前半戦の2−0が勝敗を大きく分けた。
鶴岡東が初の決勝進出。2番小松が相手エースの川村に金星を挙げ、鶴岡東が一気に流れを引き寄せた。

ダブルスから粘りの試合を見せた遊学館だが、4番の中橋が会心の試合で畑を押し切る。
フォアの威力があるゆえに、緩いループも相乗効果を生み、要所で得点。打ち込まれても、バックで押し返し、フォアへつなげた中橋。
星・中橋の頼もしいツインエースの活躍で鶴岡東に新しい歴史を作った。

敗れた遊学館の植木監督のコメント
「エースの川村が負けた時点で難しいと思いました。ダブルスから盛り返したかったですね。4番の畑を信じて送り出しましたが、技術的に中橋くんには厳しい。オーダーは狙いどおり完璧でしたが、残念です。
 初のラストで起用した清野があれだけ頑張ったので、来年の選抜やインターハイが楽しみです。
もう1試合、彼らとの時間を楽しみたかった。残念です」

昨年の主力だった出雲・五十嵐・三上が抜けた遊学館は、正直戦力が大幅にダウンしたと思っていた。
しかし、蓋を開けてみれば選抜で3位、そして今大会も選抜とは比べ物にならないほど強くなっている。
植木監督が誇る自慢の選手たちは、堂々とした戦いぶりだった。
やはり遊学館はなにかをやってくれる。
そして勝利した鶴岡東はラストステージへ向かった。
  • 頼りになる中橋は決勝で名電に挑む

  • 小松の金星が勝利を引き寄せた

  • この気迫こそ鶴岡東の代名詞だ

  • 川村、後半で崩れてしまった

  • 遊学館は観客席から降るような応援で後押し

  • 先生の自慢の選手たち、輝いていました!

●女子学校対抗・準決勝
〈四天王寺 3−1 愛み大瑞穂〉
 本井 −10、−7、−3 野村○
○宮崎 −4、9、5、8 板花
○宮崎・高橋 9、−8、7、8 野村・大島
○塩見 6、4、4 大島
 大川(千) − 中田

 四天王寺が女子学校対抗6連覇に王手!
 地元の大声援をバックに戦う愛み大瑞穂を、3−1で破った!
 
 絶対的エースの塩見をトップではなく、4番に起用した四天王寺の村田監督。一方、愛み大瑞穂の神谷監督は「オーダーは悩みましたが、トップ野村が塩見さんに当たって負けたらしょうがない。単複取られても、2番板花、4番大島、5番中田で3点取るオーダーでした」と試合後のコメント。トップ野村がバックハンドで本井を振り回し、台から下げてあまいボールを上から叩いて先制すれば、四天王寺の2番宮崎が、ループドライブからの粘り強い両ハンドで愛み大のキャプテン板花に競り勝つ。1−1で勝負のダブルスへ。

 ダブルスは中盤まで互角の展開だったが、レシーブからバックハンドを多用する野村・大島に対し、宮崎・高橋はアップダウン(上回転と下回転)のロングサービスを多用し、優位に立った。このダブルスでの勝利が、四天王寺にとっては大きかった。四天王寺は4番塩見が、バックサイドを切る必殺のバックドライブと、相手のフォアを厳しく突くバックハンドで得点を重ね、大島を完封した。 

 敗れたとはいえ、ベンチには笑顔があふれ、選手たちは持てる力を出し尽くした愛み大瑞穂。「ぼくのほうがプレッシャーで熱くなってたくらいなんですけど、選手たちがウチワであおいで「先生を冷やせ〜」とか言ってくれて、元気良く戦ってくれました」(神谷監督)。地元開催の夏を爽やかに戦い抜いた。
  • 4番でエースの貫禄を見せた塩見

  • トップで先制点を挙げた愛み大瑞穂の野村

  • 勝負のダブルスを宮崎・高橋が制す

  • 笑顔にあふれていた愛み大瑞穂のベンチ

●男子学校対抗準決勝
愛工大名電(愛知)3−0 滝川第二(兵庫)
田中 2、5、9 村上
田原 5、4、6 稲垣
田中・加山 7、7、7 稲垣・橋田

滝川第二の神通力、通じず。
愛工大名電の横綱相撲に跳ね返されて、オールストレートの完敗を喫した。

攻めの早さ、球の深さなど、格の違いを見せつけた名電。
滝川第二も流れを作ろうと、必死の粘りを見せたが、名電はどこ吹く風か、最後まで自分たちの卓球を貫き、決勝への切符を掴んだ。

「昨日も言ったけどラッキーでここまで来たんですよ。1回戦で負けてもおかしくない。だから3位は大満足です。昨日はOBから30件くらい電話が来ましたね。
 名電さんとあたってボールの質、安定が全然違う。回転量、鋭さ、それを安定させること、すべてが上。全国上位のボールを体験できて良かった。そこに1歩でも近づけるようにしたい。
 来年、兵庫県は1校しか代表枠がない。今年は2位通過だったし、県大会から勝負です。またこの地でできるように頑張ります」(滝川第二・松尾監督)

準決勝敗退、しかし同校初の3位に躍進した滝川第二は強烈な印象を残しただろう
  • 田中のスピードについていけなかった

  • この経験をどう活かすか。滝川第二はまだ強くなる

●女子ダブルス決勝
出雲美空・相馬夢乃(遊学館) −11、5、8、2 青木優佳・小畑美月(横浜隼人)

女子ダブルス優勝は出雲美空・相馬夢乃!
遊学館にインターハイ初のタイトルをもたらした!

1ゲーム目、11−11からネットインが2本入り、青木・小畑ペアが1ゲームを先制した決勝。左腕の青木にややカット打ちのミスが出たが、注意深く相馬のナックルカットを打っていた。

しかし、2ゲーム目以降は次第に出雲・相馬が優勢。試合後、「相馬さんのカットを相手が打ったボールを狙うのが得意」と出雲が語ったように、時にカウンターブロックでコースを突き、時に中陣からでも鋭いカウンターを決めた。

1年生の相馬は「初めての全国タイトルでうれしいです。私はとにかく入れていくだけでした」と、団体戦の応援で枯らした声でコメント。フォア面に変化系の表ソフトを貼る、珍しいタイプのチョッパーである相馬。カットの変化に加え、3ゲーム目10−8からは前に落とすフォアショートで相手のミスを誘うなど、巧みなプレーを見せた。時折見せるバックのカウンターも有効だった。
  • 圧巻の強さで優勝を果たした出雲・相馬

  • 集中力の高いプレーを見せた青木・小畑だが、変化に翻弄された

  • 遊学館に初の全国タイトル!

●男子ダブルス決勝
田中・加山(愛工大名電)10、3、7 田原・曽根(愛工大名電)

さすがの強さを見せたエースペア。
田中・加山が素晴らしい試合で優勝。同士討ちでも気合いの入ったプレーで、付け入る隙を与えなかった。

チキータを得意とする両ペアだが、田中・加山はチキータを狙い打つカウンター精度が高い。
特に田中の予測能力が高く、まるでシステム練習かのようなカウンターを何度も見せた。
加山も相手のチャンスボールを前で弾き返すなど、スーパープレーを連発。
ストレートコースを有効に使い、圧倒した。
最後も加山のレシーブエース。フォアドライブでストレート一閃。
田中は2年ぶり、加山は初優勝。

「昨年の決勝で負けていたので、優勝できて良かった。団体の慶誠戦でダブルスを落としてしまい、昨夜に加山と話し合って、もう一度気持ちを入れ直しました」(田中)

自分たちのペアの強さは相手に向かっていく気迫だという。
優勝インタビューでは田中の言葉に続いて、加山が「佑汰さんの言う通りです」と右へならえのコメント。

兄貴分の田中が引っ張って、加山が伸び伸びとプレーする。
ナイスコンビでの優勝だ。
  • タイトルは田中・加山へ

  • 打たれても攻め返す、田中・加山の攻守が光った

●男子ダブルス準決勝
田中・加山(愛工大名電)3-1 橋本・横谷(愛工大名電)
田原・曽根(愛工大名電)3-1 中橋・星(鶴岡東)

鶴岡東ペア、及ばず。決勝は名電同士の戦いに。

エースペアの田中・加山は1ゲーム目こそ奪われたが、2ゲーム目からはコースを的確に散らし、橋本・横谷の挑戦を退けた。
田原・曽根はボールの鋭さが光る。打ち合いは互角の展開だったが、サービスの精緻さ、レシーブの大胆さが1点、2点と差を離し、中橋・星に勝利した。
  • 本命ペアの田中・加山。優勝まであとひとつ

  • 攻撃力なら負けてない。田原・曽根にもチャンスあり

●女子ダブルス準決勝
青木優佳・小畑美月(横浜隼人) 3−1 大島奈々・野村萌(愛み大瑞穂)
出雲美空・相馬夢乃(遊学館) 3−0 永道麻依加・稲吉美沙(希望が丘)

女子ダブルス決勝を戦うペアは、横浜隼人の青木優佳・小畑美月と、遊学館の出雲美空・相馬夢乃!

隼人ペアは団体戦でも活躍した小畑が、強く打てるボールとつなぐボールをうまく見極め、左腕の青木とうまいコンビネーションを見せた。出雲・相馬は、左シェーク異質の出雲が3球目バックハンドを次々に決め、相馬のカットに対する永道・稲吉のドライブを、中陣から威力あるカウンターで打ち抜いた。相馬の変化のあるカットと出雲のカウンターで、相手ペアに安心してプレーさせなかった。
  • 青木・小畑ペア、決勝へと勝ち上がる!

  • 出雲・相馬ペアは底知れぬ強さを見せている

●女子ダブルス準々決勝
大島・野村(愛み大瑞穂) 3−0 白神・日口(白子)
青木・小畑美月(横浜隼人) 3−2 里川・船場(明徳義塾)
出雲・相馬(遊学館) 3−0 後木・杉渕(駒大苫小牧)
永道・稲吉(希望が丘) 3−2 浅井・原田(桜丘)

女子ダブルスは4回戦に続いて準々決勝が行われ、ベスト4が出揃った。
地元・愛み大瑞穂の大島・野村はバックハンドの強さを生かし、ストレート勝ちでベスト4進出。左シェーク異質の出雲と、右シェークカットの相馬の変則ペアは、先にゲームポイントを取られた2ゲーム目を逆転し、こちらもストレート勝ちを収めた。相馬のバックサービスは変化が激しい。

横浜隼人の青木・小畑、希望が丘の永道・稲吉はともにゲームオールの接戦を制して勝ち上がった。間もなく女子ダブルス準決勝がスタートする。
  • 試合中も笑顔の大島(右)・野村

  • 明徳ペアと大接戦を演じた青木・小畑

  • 2年生の出雲と1年生の相馬が組んでベスト4入り

  • 希望が丘のエースペア、永道(奥)・稲吉