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速報・現地リポート

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平成30年度全日本選手権速報

●男子ダブルス4回戦
水谷/大島(木下グループ) 7、7、−9、4 永田/福田(日本体育大/早稲田大)
田原/曽根(愛工大名電高) 9、9、−11、9 藤本/定松(日鉄住金物流)
及川/三部(専修大) 5、9、10 安藤/堀(岐阜信用金庫)
平野/五十嵐(早稲田大) 9、8、−5、−8、9 松下/宮本(愛知工業大)
横山/徳島(原田鋼業) −11、5、3、−5、7 稲木/手塚(静岡学園高)
木造/張本(愛知工業大/JOCエリートアカデミー) 8、−4、7、8 渡辺/龍崎(明治大)
森田/神(シチズン時計) 4、9、8 柳/張(TEAM SATO/Y.Y卓球クラブ)
鹿屋/有延(リコー) 5、12、7 原田/村田(筑波大)
松下/藤村(日鉄住金物流) −10、−8、9、9、7 出雲/沼村(明治大)
軽部/徳永(鹿児島相互信用金庫) 7、5、7 松生/山本(リコー)
松平/田添(木下グループ) 8、−8、−8、7、10 田中/加山(愛工大名電高)
中野/上村(法政大/大阪桐蔭高) −3、11、−4、9、10 松平/平野(協和発酵キリン)
吉村/坪井(名古屋ダイハツ/筑波大) 7、10、12 硴塚/緒方(早稲田大)
内村秀/内村英(日本体育大) −9、13、9、4 原井/蛭田(専修大)
松浦/中林(原田鋼業) 6、7、−3、−12、4 町/上村(シチズン時計)
松山/高見(愛知工業大) −11、8、7、4 上田/吉田(岡山リベッツ)

男子ダブルス4回戦、昨年優勝の水谷/大島は1ゲームを落とすも3−1で勝利し5回戦進出。混合ダブルスで準優勝に終わった張本は木造とのペアで4回戦を突破。Tリーグで活躍中の上田/吉田は松山/高見の大学生ペアに敗れ4回戦で姿を消した。
  • 2連覇を狙う水谷/大島

●女子ダブルス4回戦
早田/伊藤(日本生命/スターツSC) 7、5、6 切石/谷本(神戸松蔭女子学院大)
菅澤/萩井(ミキハウスJSC ) 5、6、−5、8 出雲/相馬(遊学館高)
成本/井(中国電力) 5、−11、10、9 松澤/高橋(十六銀行)
森/平野(豊田自動織機) −1、9、−8、11、11 平/牛嶋(日立化成)
土田/宋(中国電力) 6、−8、6、6 馬場/前瀧(デンソー)
徳永/阿部(早稲田大) 8、12、4  小室/秋山(日本大女子/青山学院大)
石川/平野(全農/日本生命) 4、6、5 田口/高東(筑波大)
佐藤/橋本(ミキハウス) 6、2、−7、5 秋田/森田(中央大)
鈴木/安藤(日立化成/専修大) −10、10、2、9  前田/田代(日本生命/日本ペイントHD)
加藤知/加藤杏(十六銀行) −7、10、4、−8、10 大島/野村(愛み大瑞穂高)
芝田/大藤(ミキハウス/ミキハウスJSC) 8、−3、5、11 岩越/笹尾(早稲田大)
小道野/永尾(デンソー) 10、9、−8、8 朝田/塩見(同志社大)
平/松本(サンリツ) 8、9、4 久松/池上(愛媛銀行)
中畑/船本(愛知工業大) −12、11、3、3 市川/後藤(日立化成)
長崎/木原(JOCエリートアカデミー/大原学園/JOCエリートアカデミー) 8、−8、7、9 中川/木村(中国電力)
梅村/塩見(中央大/四天王寺高) 5、−10、6、−7、5 佐藤/森本(エクセディ/専修大)

女子ダブルス4回戦。連覇を狙う早田/伊藤、強化本部推薦で出場の石川/平野は危なげなく5回戦進出を決めた。カットの佐藤/橋本、世界ジュニア代表の長崎/木原もベスト16に駒を進めた。
  • 初優勝を目指す石川/平野

男子ジュニア優勝の戸上隼輔(野田学園高)のコメント。
「優勝を目指していて、やっと頂点に立ててうれしかったです。0−2になった時に正直少し諦めていたけど、監督にアドバイスをもらって立て直すことができました。
全日本ジュニアはインターハイとは違い、エリートアカデミーの選手も参加する特別な大会なので、ここで優勝してこそ1位だと思います。
 ダブルスと一般はランク、そしてメダルを目指していきたい」。
一般4回戦はカットの御内(シチズン時計)が相手となる。カット打ちは得意なほうではないが、当たれば良い勝負をするだろう。

起死回生の大逆転劇の決勝だったが、野田学園高の橋津監督は「いつものことです」と意外に冷静だった。
「ゲームカウント0−2になり、ベンチに座らせて『開き直れ』『やるしかない』と何回言ったかわからないくらい。そして点数が0−3になり、タイムアウトを取った時、『ほら、開き直るしかないだろ』と言いました。
隼輔は大逆転がめちゃくちゃ多いんです。彼の開き直りと集中力がつながった時に、ゾーンのような仕上がりになります。0−3の時、ここしかないと思いました。3ゲーム目を取った時に『ほら、できただろ』と言いましたよ。最終ゲームは良い流れでしたが、混合ダブルスが先に終わって、報道のカメラマンのフラッシュが光ってて試合を止めました。流れを止めちゃ行けないと思ってたので、次の1点を取ったら、めちゃくちゃガッツポーズしようと思ってましたよ。
 基本的には粘り強いので、どんな時でもまだまだ行けると思っています。0−2になった時にお互いに考えていた戦術は捨てて、反応しろ、入れていけ!という感じで送り出しました」(橋津監督)

開き直るメンタルと入り込む集中力が1本の線になった時、彼の本当のプレーが呼び起こされる。スロースターターはたびたび調子が上がらずに負けてしまうこともあるが、戸上は3ゲーム目の3−0、ギリギリのタイミングで間に合った。インターハイ、そして全日本ジュニアを制し、この世代の最強の座をつかんだ戸上。次はシニアでの活躍を期待せざるを得ない。
●ジュニア男子決勝
戸上(野田学園高) -6、-7、7、8、3 宇田(JOCエリートアカデミー/大原学園)

ジュニア男子決勝はゲームカウント0−2から大逆転した戸上隼輔が、インターハイに続く優勝!

1ゲーム目は8−1、2ゲーム目は8−2で宇田がリードするなど、前半は一方的な宇田のペース。宇田がチキータで先手を取り、ラリーではループドライブの緩急を交えて優位に試合を進めた。

3ゲーム目も序盤は宇田がリードしたが、徐々に戸上にエンジンがかかる。フォア前のサービスも迷わずチキータで仕掛け、両ハンドのカミソリドライブがさく裂。宇田、3ゲーム目以降はやや優勝を意識した部分もあるのか、プレーが守勢に回った。最終ゲームは戸上が5−1とリードしてチェンジコートすると、8−1までリードを広げ、10−3の戸上のマッチポイントで宇田のチキータがオーバー!

インターハイに続く全国タイトル獲得となった戸上。一方、宇田は昨年の全日本ジュニア、昨年12月の世界ジュニアに続き、またも準優勝となった。
  • 戸上、中盤から迷わずカミソリドライブを振り抜いた

  • 宇田、初優勝は目前だったのだが……

  • 勝者と敗者、明暗はくっきりと分かれた

●混合ダブル決勝
森薗/伊藤(岡山リベッツ/スターツSC ) 5、−6、10、8 張本/長崎(JOCエリートアカデミー/JOCエリートアカデミー/大原学園)

 森薗/伊藤が混合ダブルスで2連覇を達成!
 出足から飛ばした森薗と伊藤。伊藤の巧みな台上プレーと森薗のフォア強打のコンビネーションはばっちりだ。男子のボールを女子選手が受けるペアのほうが不利なのだが、1ゲーム目は張本のボールを苦にしない伊藤のペアが1ゲームを先取した。

 2ゲーム目は逆の展開。張本にボールを送る伊藤が意識したのか、張本ペースで進むが長崎も森薗ボールにしっかり対応し、11−6で張本ペアが取った。昨年から続いていた森薗・伊藤のストレート勝ちの記録はなくなり、連続して取っていたゲームは「34」でストップした。
 
 3ゲーム目はお互いが一歩も引かない状態で8−8から先にゲームポイント奪った張本ペアだったが、12−10で森薗・伊藤ペアが取り返した。続く4ゲーム目も一進一退の展開だが、7−7から一気に森薗ペアが10−7とマッチポイント。10−8から張本がレシーブをネットにかけ、森薗・伊藤ペアが2連覇を達成した。

★森薗/伊藤の優勝後のコメント
「張り詰めた試合でした。最後はサービスで決まって、ヤッタ!という感じでした。相手の二人はチキータがうまい選手なので、打たれるとしてもそのボールの質を低くさせるようなサービスを出そうとして、サービスとレシーブでは主導権を取れたと思います。この1年を優勝でスタートできて、良い弾みになりました」(森薗)。
「楽しかったですね。緊張もしなかった。決勝で張本君とできてよかった。張本君は頭の良い選手で先を読んでくる選手だし。今世界で勝っている選手なので、試合をやりたかった。彼のボールを受けてみたかった。実際にやったらパワーのあるボールでしたね」(伊藤)。

★張本/長崎のコメント
「3ゲーム目、ゲームポイントを取っていたのに決めきれなかった。優勝しないと世界代表のペアにはなれないと思ってました。勝てた決勝でした。伊藤さんのボールはまるで男子並みで、男子ダブルスとやっている感覚でした。バックの甘いボールがいくと点を取られるし、熟練のペアでした」(張本)。
「初めて組んだペアで、決勝までいけたのは良かったけど、決勝で負けたことはとても悔しいです。次は勝ちたい」(長崎)。
  • 森薗/伊藤、笑顔の2連覇!

  • 決勝でついに1ゲームを落とすも、集中力は落ちなかった

  • 健闘した張本/長崎だが、4ゲーム目に力尽きた

●ジュニア女子決勝
出澤(大成女子高) −9、6、5、7 大藤(ミキハウスJSC)

ジュニア女子優勝は茨城・大成女子高の出澤(いでさわ)杏佳。小学4年時に全日本カブで2位に入るなど、小学生時代から全国区で活躍しているが、ハイレベルなジュニア女子でこの優勝はサプライズだ。

1ゲーム目は大藤のサービスに手こずり、落としたものの、2ゲーム目以降はレシーブにほとんどミスが出なくなった出澤。バック面に粒高の一枚ラバーを貼り、バック対バックではハーフボレーにナックルショート、ラケットを横にスライドさせる変化ショートなど、多彩な球質を駆使。バックの強い大藤にバック対バックで優位に立ち、チャンスボールは回転系の表ソフトを貼ったフォアで、スマッシュを叩き込んだ。サービスも表ソフト面で出す切れたバックサービス、粒高面で出すしゃがみ込みサービスなど多彩だった。

大藤の回転量の多い両ハンドドライブを、よくぞここまで……というほど安定性の高い守備力は見事で、変化だけに頼ったプレーヤーではない。優勝の瞬間もほとんどガッツポーズはなかったが、優勝後のミックスゾーンでは「小さい頃から負けている選手が多いので、絶対勝ちたいと思っていました」と負けん気の強さものぞかせた。以下は出澤の優勝コメント。

「まさか優勝できるとは思っていなかったので、まだ実感がなくてすごくドキドキしています。自分より強い選手がたくさんいるので、自分は向かっていこうという気持ちで大会に臨みました。攻めていかないと絶対勝てないので、どう攻めたらいいか考えてプレーしました。小さい頃から知っていて、小さい頃から負けている選手が多いので、絶対勝ちたいと思っていました。勝てて一番うれしかったのは小塩選手。1−2の2−9と大きく離されてしまったんですけど、そこから挽回できたのでとてもうれしかった。この結果に満足しないで、もっと上にいけるように頑張っていきたいと思います」(出澤)。
  • バック粒高・一枚ラバーの攻守は実に多彩だった出澤

  • これが優勝の瞬間。控えめに拳を固めた

  • 大藤、1ゲームを先取するも後が続かず

●ジュニア女子準決勝
出澤(大成女子高) 7、−8、8、8 長崎(JOCエリートアカデミー/大原学園)  
大藤(ミキハウスJSC) 10、9、9 木原(JOCエリートアカデミー)

 大藤と木原、ともにジュニアの国際大会でも活躍する選手が対戦。一気に両ハンドの速攻でラリーを決めていきたい木原に、大藤は速攻をしのいで盛り返すラリーで得点を重ねる一進一退の攻防。大藤が単調にならずに、少しタイミングをはずしながらも緩急をつけて木原を攻め、ゲーム終盤に突き放す展開で、各ゲームは僅差ながらも大藤がストレートで木原を下し、決勝進出を決めた。

 前年度チャンピオンの長崎を苦しめたのは出澤の変化速攻。フォア表ソフト、バックツブ高の変則速攻に出足からミスが出る長崎だが、2ゲーム目からボールをバックに集め、11−8で取り返す。
 3ゲーム目、競り合いが続き、8−8から長崎がバックドライブをミス、バックのツブ高のボールを空振りと台上のミスで、11−8で出澤が奪い、2−1とゲームをリードした。
 4ゲーム目の3−1と出澤がリードしたところで長崎のベンチはたまらずタイムアウト。完全に出澤ペースだったが、ここから3本連取で4−3と逆転。しかし、出澤もしぶとく、6−4と再逆転。そのまま9−6、9−7と進み、9−8から最後は長崎の3球目のバックドライブがオーバーミスで、長崎のジュニア2連勝は消えた。
  • 変化で長崎を破った出澤

  • 大藤は木原にストレート勝ち

  • 長崎、2連覇ならず

  • 木原は昨年に続く3位に終わる

●ジュニア男子準決勝
宇田(JOCエリートアカデミー/大原学園) 4、5、11 谷垣(愛工大名電中)
戸上(野田学園高) −8、5、7、6 横谷(愛工大名電高)

 ジュニア男子決勝は、第1シードの宇田と第2シードの戸上が激突!

 この準決勝では、まず宇田が全中チャンピオンの谷垣に勝利。「サービス・レシーブからの展開で相手のほうが一段上でした。年末の選考会で負けていて、宇田選手はフォアが強いので打たせないようにしたかったですが、うまくいかなかった」と試合後の谷垣。宇田はより変化と精度を高めてきたというサービスで先手を取り、広角に攻める両ハンドで主導権を握った。

 世界ジュニアで活躍し、そのプレーは昨年よりも自信に満ちあふれている宇田。一方の谷垣も「中学でベスト4まで来られたのは自信になったし、ベスト8決定で宮川選手(野田学園高)にリードされたけど、あきらめずに戦って逆転できたのが良かった。来年はもっと上を目指して頑張りたいです」と充実感をにじませた。

 一方の戸上は1ゲーム目を落としたが、2ゲーム目以降は要所を締めた。「1ゲーム目は作戦どおりに取ることができたけど、2ゲーム目以降は自分の苦手なところを突かれて、それを意識させられた。4ゲーム目は作戦を頭に入れて入ったけど、戸上さんとは細かい台上プレーやサービス・レシーブで差がありました」(横谷)。
  • 宇田、初優勝まであと1勝

  • 2ゲーム以降はきっちりと横谷を攻略した戸上

  • 谷垣は1ゲーム奪えず

  • 戸上に敗れた横谷

●混合ダブルス準決勝
森薗/伊藤(岡山リベッツ/スターツSC ) 6、7、11  田添健/浜本(木下グループ)   
張本/長崎(JOCエリートアカデミー) 10、9、4 上村/阿部(シチズン時計/早稲田大) 

混合ダブルス決勝は森薗/伊藤と張本/長崎の顔合わせに!

森薗/伊藤は昨年からの連続ストレート勝ちの記録を「11」に伸ばした。3ゲーム目に8−10でゲームポイントを奪われたが、ここもしのぎ切った。敗れた田添健は「強かったです。森薗のレシーブは何度も受けているから慣れているけど、伊藤さんのレシーブが全然読めなかった。回り込んでのバックフリックが他の選手より速くて対応できなかった」と脱帽のコメントを残した。張本/長崎も競り合いながらもストレート勝ちを収め、決勝はハイレベルな戦いが期待できそうだ。
  • 伊藤のレシーブが効果的だった森薗/伊藤

  • 張本/長崎はついに決勝まで勝ち上がった

  • 田添健/浜本は3位。「悔しいけど、ベスト4まで来られたのはうれしい」(田添)

  • 上村/阿部、敗れるも3位入賞

 ジュニア男子でベスト8まで勝ち上がった左腕・篠塚大登は、第2シードの戸上に完敗。「ボールセンスは水谷、丹羽に匹敵する」と評する卓球関係者もいるほどの逸材だが、レシーブから積極的に戸上に仕掛けられ、勝機を見出せなかった。
 左腕の天才プレーヤーの出現が相次ぐ日本男子。「足りない部分も見つかったので、また来年頑張りたい」という篠塚の成長に期待がかかる。以下は戸上戦後のコメント。

「何もできないっていう感じでした。戸上さんは両ハンドが強いので、自分から攻めようと思っていったけどレシーブから相手に仕掛けられた。自分から攻める場面が少なくなってしまった。威力があるので、簡単にカウンターはできなかった。もっと自分から攻めたかったんですけど。ジュニアでは優勝を狙っていたけど、戸上さんや宇田さんがいるので簡単ではないと思っていた。ここまで来て、やってみて、足りなかった部分も見つかったのでまた来年頑張りたい。

 ボールタッチは自分の調子が良い時は感じとしてはいいなという時があるけど、相手が格上とか調子が悪い時は全然ダメな時がある。どんな時でも感覚を出せるようになりたい」(篠塚)
  • 篠塚、目標は大きく、ここから羽ばたけ!