●男子シングルス5回戦
張本智和（JOCエリートアカデミー）2、−11、−11、1、−8、4、7　緒方遼太郎（早稲田大）　　
田添健汰（木下グループ） −6、5、−7、8、7、7　高見真己（愛知工業大）
吉村真晴（名古屋ダイハツ）　−7、6、6、7、−6、5　上村慶哉（シチズン時計）
宇田幸矢（JOCエリートアカデミー／大原学園）−9、10、8、−6、5、8　渡辺裕介（明治大）
大島祐哉（木下グループ）4、10、10、6　大矢英俊（東京アート）　
定松祐輔（日鉄住金物流）　7、8、−4、14、8　平野友樹（協和発酵キリン）　
田添響（専修大）11、7、−11、7、9　藤本海統（日鉄住金物流）　　
高木和卓（東京アート）−8、9、9、6、−8、9　森薗政崇（岡山リベッツ）　
町飛鳥（シチズン時計）　3、10、−7、−7、4、7　松平健太（木下グループ）
龍崎東寅（明治大）　11、7、7、9　松下海輝（日鉄住金物流）　
吉田雅己（岡山リベッツ）−5、8、8、8、5　戸上隼輔（野田学園高）
木造勇人（愛知工業大）9、−10、−8、6、7、−8、12　松平賢二（協和発酵キリン）
濱川明史（岩村くらぶ）6、−9、12、6、5　神巧也（シチズン時計）　
丹羽孝希（スヴェンソン）4、−13、8、5、7　岸川聖也（ファースト）
上田仁（岡山リベッツ）　−9、7、8、6、8　藤村友也（日鉄住金物流）　　
水谷隼（木下グループ）6、10、−13、5、4　及川瑞基（専修大）

男子シングルス5回戦の最終結果は上記のとおり。
最多記録を更新する10回目の優勝を狙う水谷は、全日本では3度目の対戦となる及川に勝利。敗れた及川は「水谷さんのサービスの球種やコースが多彩で、それに対応できなかったのが敗因。ドイツ・ブンデスリーガでは相手がどんどん打ってくるけど、水谷さんにはうまく打たされた」とコメントした。

一方で、昨年度3位の森薗と松平健が、ここで姿を消したのは波乱だ。森薗は相変わらずのテクニックと重いフォアドライブを誇る高木和に屈し、松平は町との両ハンドの力比べに敗れている。

木造は最終ゲームに先に9ｰ10でマッチポイントを奪われながら逆転勝ち。2回目のランク入りを決め、両手を高々と掲げた。

●男子シングルス5回戦
丹羽孝希（スヴェンソン）　4、−13、8、5、7　岸川聖也（ファースト）
濱川明史（岩村くらぶ）　6、−9、12、6、5　神巧也（シチズン時計）

　元五輪代表の岸川と、五輪メダリストの丹羽との対決は、丹羽が力の差を見せる試合となった。2ゲーム目を取り、岸川は一矢を報いるも、丹羽の速攻の前に勝機を見いだせなかった。
「なかなか難しい試合でした。丹羽はチキータがうまいので、それに対するサービスとチキータをされた時の対応を考えていた。Tリーグで彼の試合を見ていて強くなっていると思っていたし、凡ミスも少なくなっている。サービス、レシーブは世界のトップクラスだと思います。3ゲーム目、7−6くらいでリードしいて、そこで凡ミスをしてしまった。完敗ですね」（岸川）

　今大会がシチズン時計としての最後の試合となる神は、今後Tリーグでプレーする予定だ。相手は元日鉄住金物流として日本リーグでも活躍した濱川。両ハンドの切れのあるボールが冴え渡り、神に完勝した。以下は神のコメント。
「思ったようなプレーができなかった。3ゲーム目、10−6でリードして、10−7になった時にタイムを取るかどうか迷った。そこで先を見すぎていたのか、（取らなかったこと）その判断ミスですね。10−9で取ったけど、全日本ということを考えたら早めに取るべきでした。
　濱川さんには負けたことがなかった。彼はアメリカとかでもやっていて、動画も見ていたし、対策をやってきた。ここで負けたのはふがいない。シチズンとしての最後の試合だったので何とか恩返しをしたかったけど、それもかなわなかった。これからまだまだ頑張っていきます」

●男子シングルス5回戦
張本智和（JOCエリートアカデミー）　2、ｰ11、ｰ11、1、ｰ8、4、7　緒方遼太郎（早稲田大）

張本智和、最終ゲーム1ｰ6から起死回生の逆転劇で、JOCエリートアカデミーの先輩・緒方に勝利！

「どんなサービスを出してもチキータはされる、特にチキータを封じることは考えなかった」と試合後に語った緒方だが、フォア前に出して張本のフォアに逃げていくYGサービスは、チキータ封じにはやはり効果的だった。張本はツッツキでのレシーブが主体になり、逆に緒方から威力あるチキータで攻められ、バック対バックでも互角の展開。緒方のしのぎに対しても打ちミスが出た。

　もつれ込んだ最終ゲーム、0ｰ3で張本がタイムアウトを取るが、緒方の強烈なフォアストレートのカウンターが決まるなど、1ｰ6と大きくリードを許す。チャンピオン、万事休すと思われたが、ここから4ｰ6まで挽回すると、4ｰ7から驚異の7本連取。「ぼくが6ｰ1でリードしたけど、世界の舞台を何度も経験している選手なので、そこから全くミスが出なくなった」と緒方。会場は安堵の拍手に包まれた。この大逆転勝利は、張本のプレーをさらに加速させるだろう。

●男子シングルス5回戦
大島祐哉（木下グループ）　4、10、10、6　大矢英俊（東京アート）
定松祐輔（日鉄住金物流）　7、8、−4、14、8　平野友樹（協和発酵キリン）

　かつては全日本では準決勝に進出するなど「野獣王子」として存在感を示してきた大矢は大島にストレートで敗れた。大島に対して独特の両ハンド強打で攻め込むも、中陣で大島が応戦したボールにミスが出た。

「若い時代の時には成績は良かったけど、今は若い選手が強い。その中で 今30歳だけど、今が一番強いと思っている。それでも大島くんに0−4と言うことは実力が足りないことを認めざるを得ない。悔しいです。自分の中で相手は強いんじゃないかという思いがあって、リードしていても追いつかれるんじゃないかという気持ちが強いから余裕がなくなって焦ってしまう」（大矢）

　日本リーグ、Tリーグで活躍する平野は5回戦で散った。相手は昨年もランク入りした定松。出足から定松の気迫が平野にプレッシャーをかける。定松は4−1の勝利で2年連続のランク入りを決めた。
「初めての対戦でした。想定した中で最悪の展開になった。思っていたよりも打たされてしまった。勝つのは、難しいですね」。平野は言葉少なにコートを去った。

◎女子シングルス5回戦
早田ひな（日本生命）7、3、9、2　小鉢友理恵（広島日野自動車）
塩見真希（四天王寺高）−9、7、−9、5、7、−7、7　塩見紗希（同志社大）
加藤美優（日本ペイントホールディングス）7、7、5、−9、7　牛嶋星羅（日立化成）　
梅村優香（中央大）8、13、9、−9、7　杉田陽南（香ヶ丘リベルテ高）　
森さくら（日本生命）−11、10、9、7、5　野村萌（愛み大瑞穂高）　
佐藤瞳（ミキハウス）7、5、6、6　木村香純（専修大）　
平侑里香（サンリツ）5、−9、4、−4、11、−9、9　森薗美月（木下グループ）　
木原美悠（JOCエリートアカデミー）−3、10、9、8、9　平野美宇（日本生命）

●女子シングルス5回戦
木原美悠（JOCエリートアカデミー）　ｰ3、10、9、8、9　平野美宇（日本生命）

優勝候補のひとり、平野美宇が木原に敗れる！
快調に1ゲーム目を先取した平野。木原のようなバック表ソフトの異質型には強く、このまま快調に走るかと思われた。しかし、木原はフォア寄り・ミドル寄りから徹底して平野のフォア前へサービスを集める。平野はフリックでレシーブエースを奪う場面もあったが、なかなかフォア前のレシーブが安定しなかった。

バック対バックでは不利になると、自分からバックハンドで広角に攻め、平野を振り回した木原。横回転を入れ、平野のミドルに食い込むような木原のバックブロックも、連打を防ぐうえでは効果的だった。5ゲーム目、木原10ｰ9の2回目のゲームポイントで、平野のバックハンドがネットにかかった。

●女子シングルス5回戦
佐藤瞳（ミキハウス）　7、5、6、6　木村香純（専修大）

　世界ランク12位の佐藤が専大の木村をストレートで下し、ベスト16入りを決めた。木村は思うようにカット打ちができずに、最後まで佐藤のペースで試合は終わった。
「選考会では一度だけやったことがあったけど、自分の嫌なところばかり攻められた。私自身も冷静にはできなかった。全日本でここまで来たことがなくて、ランク決定を意識しすぎた」と木村は試合後にコメント。

　安定したプレーでランク入りした佐藤は「一緒に練習していたチームメイトなので、こういう舞台で試合ができるのはうれしかった。後輩だからといって受け身にならず戦うことを心がけた。去年や一昨年は試合ですごく緊張してしまったけど、練習の時からプレーがうまくいかないのを前提にしてやってきました」と語った。

●女子シングルス5回戦
木村光歩（中国電力）　5、5、3、−9、−7、−10、10　松本優希（サンリツ）

　日本リーガー同士の試合は激しい展開を見せた。出足から飛ばして一気に3ゲームを連取した木村だったが、3−3に追いつかれ、先に10−7とマッチポイントを奪ったのは松本。ここから木村が執念の逆転勝ちを見せ、初のランク入りを果たした。以下は木村のコメント。
「3−0から3−3に追いつかれて、最終ゲームは0−0の気持ちで戦いました。日本リーグでもやっている相手なので、手の内はわかっていて、思い切ってやりました。最終ゲームは7−10でマッチポイントを取られたけど、リラックスしてやろうとしたら、8−10で相手がサービスミスをしてくれて、相手のほうが緊張してるのかなと。ラン決を意識すると力が入って緊張するから考えないでやりました。ランク入りはひとつの目標でしたが、ここで気持ちを切り変えて次も頑張ります」

◎女子シングルス5回戦
伊藤美誠（スターツSC）−8、7、−14、5、11、5　浜本由惟（木下グループ）　
出澤杏佳（大成女子高）11、−12、−4、5、9、7　前田美優（日本生命）　　
橋本帆乃香（ミキハウス）7、８、5、−10、9　鈴木李茄（日立化成）　　
安藤みなみ（専修大）9、5、9、10　平野容子（豊田自動織機）　
木村光歩（中国電力）5、5、3、−9、−7、−10、10　松本優希（サンリツ）　
芝田沙季（ミキハウス）8、11、−10、8、9　森薗美咲（TOP名古屋）　　　
石川佳純（全農）1、1、7、1　中畑夏海（愛知工業大）　
田中千秋（豊田自動織機）10、5、8、7　土井みなみ（中国電力）

女子ラン決、前半の8試合が終了！

現女王の伊藤は、浜本に苦戦。ゲームカウント1ｰ1の第3ゲーム、10ｰ5から計8回のゲームポイントを生かせず、落とす苦しい展開。ゲームカウント2ｰ2の5ゲーム目も終始リードを許した。最後は浜本の打ちミスにも助けられて勝利したが、もうひとつピリッとしない試合展開だった。試合後、涙を浮かべてミックスゾーンに現れた浜本。「終わったあとなので、すぐには試合を振り返ることはできない。サービス・レシーブが効かないという前提で準備はしていたので、サービスよりもその後が良かったかなと思います。（競ることができたのは）コーチのおかげもあるし、用具のおかげもあります。自分の力はあんまり……」とコメント。

●女子シングルス5回戦
石川（全農）　1、1、7、1　中畑（愛知工業大）
安藤（専修大）　9、5、9、10　平野（豊田自動織機）
出澤（大成女子高）　11、ｰ12、ｰ4、5、9、7　前田（日本生命）

　女子シングルス5回戦、ランク決定戦がスタート！
　8コートに絞られたフロアで行われた最初の8試合。一番早く試合を終わらせたのは石川だった。1ゲーム目に10ｰ0、2ゲーム目に9ｰ0でリードを奪うという一方的な展開。中畑の攻撃を受け止め、バックの速攻からすばやく回り込んでの石川の連続攻撃に、中畑は反応できない。その中畑のコメントは以下の通り。
「なすすべなしの試合でした。何をしていいかわからなくなってしまいました。打っても返ってくるし、攻めても攻められた感覚になってしまいました。試合前は、自分はパワーがあるので、相手を崩していって・・・と思っていたけど。石川さんは別格の強さでした」と脱帽。4ゲーム目の終盤には巻き込みサービスを試す余裕を見せて、石川が圧勝した。

　また、ジュニア女子で衝撃的な初優勝を飾った出澤が、前田をも撃破。2回戦から小道野（デンソー）、土田（中国電力）、前瀧（愛媛銀行）、そしてこの5回戦で前田と社会人の強豪プレーヤーを撃破。勢いに乗っているとはいえ、この快進撃はもはやまぐれではない。