スマホ版に
戻る

速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

全国高校選手権(インターハイ2019)

 男子学校対抗2回戦までの勝ち上がりは下記のトーナメント表のとおり。地区別にすると、「北海道1・東北2・関東2・北信越1・東海3・近畿2・中国2・四国1・九州1」。見事に9地区に分散しているが、3連覇中の王者・愛工大名電をはじめ、4県中3県の代表が勝ち残った東海地区の充実ぶりが光る。静岡学園は上宮、富田は専大北上という実力校を破ってのベスト16入りだ。
 男子学校対抗3回戦は、明日8月17日の12時30分開始予定。対戦カードは以下のようになっている。

●男子学校対抗3回戦
愛工大名電(愛知) vs. 安田学園(東京)
静岡学園(静岡) vs. 東山(京都)
関西(岡山) vs. 富田(岐阜)
帝京安積(福島) vs. 遊学館(石川)

野田学園(山口) vs. 日本航空(山梨)
北科大(北海道) vs. 明豊(大分)
育英(兵庫) vs. 明徳義塾(高知)
埼玉栄(埼玉) vs. 鶴岡東(山形)

 愛工大名電は、高校1年にして関東チャンピオンとなった伊藤礼博を擁する安田学園との対戦。今年1月の全日本選手権ジュニア4回戦で、伊藤は名電のエース格である曽根翔を3−2で下している。まずは優勝への第一関門というところか。希望が丘を破った明豊は、北科大との対戦。フォアドライブの安定性と威力を兼ね備える明豊の1年生エース・田原翔太が、再び強打を爆発させるか?
●男子学校対抗2回戦
愛工大名電(愛知) 3−0 鹿児島工業(鹿児島)
安田学園(東京) 3−2 東奥学園(青森)
静岡学園(静岡) 3−1 上宮(大阪)
東山(京都) 3−2 樹徳(群馬)
関西(岡山) 3−0 出雲北陵(島根)
富田(岐阜) 3−0 専大北上(岩手)
帝京安積(福島) 3−0 白子(三重)
遊学館(石川) 3−0 秋田商業(秋田)
野田学園(山口) 3−0 東海大菅生(東京)
日本航空(山梨) 3−1 近江(滋賀)
北科大(北海道) 3−1 れいめい(鹿児島)
明豊(大分) 3−2 希望が丘(福岡)
育英(兵庫) 3−1 学館浦安(千葉)
明徳義塾(高知) 3−0 長野工業(長野)
埼玉栄(埼玉) 3−2 敦賀(福井)
鶴岡東(山形) 3−1 作新学院(栃木)

男子は2回戦から波乱の連続が起こっている。
まずは春の選抜で3位だった出雲北陵が関西にストレート負け。ミニ国で勝っていた相性をそのままに関西が強豪を突破した。「このまま遊学館を倒すぞ!」と観客席では関西OBがひと際大きな声援を送っていた。

他にも3-2の激戦多数。中でもシード校ではあるが、激アツの粘り合いを制した埼玉栄。ベスト16入りはナント10年ぶり!若森監督からあとを引き継いだ高橋監督は安堵の表情を見せていた。初の8入りをかけて、明日は鶴岡東と戦う。

そして2回戦最大の番狂わせとなったのは希望が丘vs.明豊だろう。
九州でのライバル同士の試合は大激戦で、前半を1−1で折り返す。
流れは完全に希望が丘にあり、前半シングルスも2-0ペースだったが、2番で希望が丘のカットマン・原田がゲームオール10-7から、明豊の左腕・渡辺にまさかの逆転負け。

タイに戻したが、そのあとのダブルスが明暗を分けたといえるだろう。
選抜では名電ペアにも勝っている希望が丘の阿部・杉本を相手にまたも渡辺が大爆発を見せる。振れば決まる神がかり的なライジングカウンターが何本も決まり、素晴らしいスピードとコース取りでゲームを支配。1年生・田原の強打と噛み合い、明豊がダブルスを奪取したところで、流れは一気に明豊に傾いた。

4番・5番は2台進行となり、先に明豊の田原が杉本を下してゲームセット。田原は杉本の強打に押されても盛り返す力があるため、杉本はリスクのあるカウンターで攻め続けなければならなくなり、ミスが多くなってしまった。
それにしても田原は1年生とは思えないほどの果敢でクレバーなプレーが目を引く。ラリーに強く、勘も良い。すでに大黒柱のような存在感がある大型選手だ。
●女子学校対抗2回戦(ベスト16決定戦)
四天王寺(大阪) 3−0 正智深谷(埼玉)
大成女子(茨城) 3−1 日本航空(山梨)
富田(岐阜) 3−1 五所川原商(青森)
希望が丘(福岡) 3−1 明誠(島根)
横浜隼人(神奈川) 3−0 桜の聖母学院(福島)
済美(愛媛) 3−0 長野商(長野)
札幌大谷(北海道) 3−1 敬徳(佐賀)
明徳義塾(高知) 3−0 和洋女子(千葉)
桜丘(愛知) 3−1 浜松修学舎(静岡)
滋賀学園(滋賀) 3−1 聖和学園(宮城)
萩光塩学院(山口) 3−0 一関一(岩手)
武蔵野(東京) 3−0 明豊(大分)
就実(岡山) 3−0 白子(三重)
日南学園(宮崎) 3−1 鹿児島城西(鹿児島)
真岡女子(栃木) 3−1 四学香川西(香川)
遊学館(石川) 3−1 進徳女子(広島)

 女子学校対抗は2回戦が行われ、シード校が登場。早くもベスト16が出揃った。
 四天王寺は関東大会2位の正智深谷との対戦。正智はエース桑原に2点取りの期待がかかったが、2番で桑原が1年生・菅澤との左腕対決に完敗。菅澤のしゃがみ込みサービスに手を焼き、ラリーでは懐の深い攻守に呑み込まれた。四天王寺ベンチもよく声を出し、油断は微塵(みじん)も感じられない戦いぶりだった。

 遊学館、希望が丘、横浜隼人、明徳義塾といった優勝候補の強豪は確実に勝ち上がったが、遊学館は昨年のダブルス優勝ペア、出雲・相馬が進徳女子の泉田・大槻に痛い敗戦。明徳義塾も主力の船場が、和洋女子の陳ヶ尾にあと一本まで追いつめられるなど、決して楽な試合ではなかった。

 地元期待の鹿児島城西は、昨日の開会式で選手宣誓も務めたキャプテン榎谷が日南学園戦トップで先制点。ダブルスも0−2から2−2まで挽回して食い下がったが、1−3で日南学園に敗れた。
 初出場校では、大成女子がベスト16入りの快挙。エース出澤は攻撃のスピードと精度がさらに増した印象。確実に自信もついてきている。四国大会2位の四学香川西は、2番でペンドラ井関が1勝を挙げるも、51回目の出場となる古豪・真岡女子に敗れている。
●男子学校対抗1回戦
鹿児島工業(鹿児島) 3−2 四学香川西(香川)
安田学園(東京) 3−0 慶誠(熊本)
東奥学園(青森) 3−1 和歌山工業(和歌山)
静岡学園(静岡) 3−0 都城商業(宮崎)
樹徳(群馬) 3−0 新産業大附(新潟)
関西(岡山) 3−0 宮古(沖縄)
富田(岐阜) 3−2 近大附福山(広島)
帝京安積(福島) 3−1 明秀日立(茨城)
秋田商業(秋田) 3−1 城南(徳島)
東海大菅生(東京) 3−1 湘南工大附(神奈川)
近江(滋賀) 3−0 添上(奈良)
北科大(北海道) 3−0 利府(宮城)
明豊(大分) 3−0 鎮西学院(長崎)
学館浦安(千葉) 3−1 敬徳(佐賀)
長野工業(長野) 3−2 鳥取敬愛(鳥取)
敦賀(福井) 3−0 松山北(愛媛)
作新学院(栃木) 3−1 高岡龍谷(富山)

男子1回戦が行われ、それぞれが2時間後に行われる2回戦へ駒を進めた。

生徒がデザインしたという利府町の名産である梨のイラストを乗せたウェアでプレーしたのは、初出場の利府(宮城)。強豪の北科大にストレートで敗れたが、ダブルスで競るなど、見せ場は作った。県内の公立校に限れば、30年ぶりの男子学校対抗の出場となる。「東北大会や全日本に少しずつ出場できるようになっている。女子は先にインターハイに出てますし、男子も頑張ります」(和田監督)

もうひとつ、熱い試合となったのは、地元の鹿児島工業と四学香川西の試合だ。
どの試合も激戦となり、試合時間は3時間を超えた。ラストでペン粒の谷口が、鉄壁のブロックと、反転強打で見事な勝利。
これまで3度出場し、一度も1回戦を突破できていなかった鹿児島工業。
部の歴史を変えた悲願の一戦だった。
「2−2ラストまで行けば勝負になる、どっちに転ぶか分からないと思っていました。今日は選手が堅いね。次は名電さんに胸を借りにいきます」(緒方監督)

次の2回戦はいよいよシード校が登場する。
初日でベスト16が出揃う。
●女子学校対抗1回戦
正智深谷(埼玉) 3−0 龍谷大平安(京都)
大成女子(茨城) 3−2 樹徳(群馬)
五所川原商(青森) 3−1 鹿児島女子(鹿児島)
明誠(島根) 3−0 慶誠(熊本)
桜の聖母学院(福島) 3−1 長崎女子商(長崎)
済美(愛媛) 3−2 福井商業(福井)
札幌大谷(北海道) 3−0 普天間(沖縄)
和洋女子(千葉) 3−2 粉河(和歌山)
浜松修学舎(静岡) 3−1 徳島市立(徳島)
滋賀学園(滋賀) 3−0 奈良女子(奈良)
一関一(岩手) 3−1 鳥取敬愛(鳥取)
明豊(大分) 3−0 山形学院(山形)
白子(三重) 3−0 開志国際(新潟)
日南学園(宮崎) 3−0 高岡龍谷(富山)
真岡女子(栃木) 3−0 秋田商(秋田)
進徳女子(広島) 3−0 姫路商(兵庫)

インターハイ大会第1日目は女子学校対抗1回戦からスタート。16試合の結果は上記のとおりとなった。

大激戦となったのは済美対福井商業。1回戦で当たるのが惜しまれる実力校同士の対決は、2−2ラストの最終ゲームへ。5ゲーム目の開始前、福井商業のラスト大南が過呼吸に近い症状になって試合が中断するなど、まさに死闘だった。中盤まで大南がリードしたが、ここから済美・黒田が回転量の多いループドライブを確実に連打し、チームの勝利を決めた。

初出場の茨城・大成女子と、群馬・樹徳の「北関東対決」も2−2ラストの最終ゲームまでもつれたが、大成女子のラスト小林(莉)が、2−5からの逆転勝利を決め、ベンチは歓喜に沸いた。同じく初出場の一関一も、鳥取敬愛に3−1で勝利。県チャンピオンの1年生左腕・鈴木が単複で勝利を挙げた。小柄ながらボールの緩急、コースの出し入れに優れた好選手。進学校で週末でも3時間しか練習できないという環境ながら、県内の強豪校との練習試合を積極的に行い、強化を進めた成果が現れた。

女子学校対抗は、続く2回戦で四天王寺、遊学館などのシード校が登場する。
 男女学校対抗の1・2回戦が行われる大会第1日目。このラウンドでは、学校対抗の初出場校が登場する。今年の初出場校の顔ぶれは下記のとおりだ。

●男子・初出場校
県利府(宮城)
四学香川西(香川)

●女子・初出場校
県立一関第一(岩手)
大成女子(茨城)
開志国際(新潟)
龍谷大平安(京都)
四学香川西(香川)

男子は初出場が2校。女子の初出場5校は近年では多い数字だ。
香川の四学香川西は男女アベック出場。県予選決勝で、男女とも全国大会常連の尽誠学園を破って全国大会に駒を進めた。宮城の県利府は、県予選決勝で聖和学園を3−2で下して勝ち上がっている。

岩手の県立一関第一は、14年勤めた県立大野高を退職した小坂信彦氏(元高体連卓球専門部理事長)が「部活動指導員」として指導し、創立120周年で初の女子学校対抗出場へと導いた。茨城の大成女子は、全日本ジュニア女子優勝の出澤杏佳を擁し、県予選で強豪・明秀日立を3−2で振り切っての本戦出場となった。

開志国際は練習環境を整備し、創部6年目にして女子学校対抗初出場。京都の龍谷大平安は、男子卓球部は名門・東山のライバルとして名を馳せているが、女子は意外にもこれが初出場。練習前に円陣を組んでから練習に入るという龍谷大平安、目標は出場ではなく、あくまでも上位進出だ。
 女子学校対抗も組み合わせが発表された。
 昨年、四天王寺が女子学校対抗の連続優勝のタイ記録となる6連覇を達成。今年は新記録の7連覇への挑戦となる。昨年の優勝メンバーの多くが卒業したものの、菅澤柚花里と中森帆南という大型新人が入学。7連覇のチャンスは十分にある。
 四天王寺は初戦となる2回戦で、いきなり関東大会2位の正智深谷と対戦する組み合わせ。正智には左腕エースの桑原穂実がおり、桑原と川北帆香のダブルスも強い。四天王寺にとっては試練の初戦だ。その後は順当に勝ち上がれば、準々決勝で希望が丘(福岡)、準決勝で昨年3位の明徳義塾(高知)と当たる組み合わせ。キャプテン稲吉美沙がチームを引っ張る希望が丘、ベンチと観客席の大応援で会場のムードを変える明徳義塾、四天王寺との対戦が実現すれば好ゲームが予想される。

 四天王寺の有力な対抗馬は昨年2位の遊学館だ。四天王寺とは決勝まで当たらないが、3年生の出雲美空と2年生の相馬夢乃は昨年度のダブルスチャンピオンであり、単複に活躍するだろう。遊学館は準決勝で桜丘と当たる組み合わせ。桜丘は昨年の女子学校対抗3位、愛み大瑞穂を愛知県予選で破って勝ち上がっており、異質攻守の浅井一恵を軸にメンバーも揃っている。今大会の台風の目になるとしたら、このチームだ。
 台風10号の影響が心配されたインターハイ・卓球競技だが、15日午後4時から鹿児島アリーナで開会式が行われ、無事に開幕の時を迎えた。学校対抗の出場校は男子49校・女子48校。男子シングルスは215名、女子シングルスは216名、男女ダブルスはそれぞれ109ペアが出場する。こう書くとずいぶん多くの選手が出場できるように感じられるが、いずれも各県の厳しい予選を勝ち上がってきた選手ばかりだ。

 鹿児島はまだ曇り空、時折ざっと雨が降るあいにくの空模様。明日16日は快晴のもと、男女学校対抗の1・2回戦が行われる。どの選手にも悔いを残さないプレーをしてほしい。
一日遅れで行われた学校対抗の公開抽選会で明日の対戦カードが決まった。

明日の初日は学校対抗の1〜2回戦が行われるため、出場している49校が一気に16校まで絞られる。インターハイの競技は5日間行われるが、初日突破の山はかなり高いのだ。

男子の初戦の注目カードは全日本ジュニアランカーの伊藤礼博を擁する安田学園(東京)と慶誠(熊本)の対戦が熱い。1年生主体のチームで6年ぶりにインターハイの学校対抗に出場する安田学園。東京予選を2番手で辛くも抜けたチームだが、大爆発を秘めているチームだ。

また、2回戦に登場するシード校も決して余裕はない。シードの上宮(大阪)の下に入った都城商業(宮崎)と静岡学園(静岡)、シードの出雲北陵(島根)の下に入った関西(岡山)と宮古(沖縄)など、どれも互角の戦いだ。特に関西は先日行われたミニ国体で出雲北陵のメンバーを破っている。この対戦が実現したら大激戦となるだろう。

そしてなんの因果か、右トーナメントの一角はまさに九州大会。
希望が丘(福岡)の下に明豊(大分)と鎮西学院(長崎)が入り、その先にはれいめい(鹿児島)が構えている。やりなれている相手に全国大会でいつも通りのプレーで戦うか、あえて違うプレーで奇襲攻撃をかけるか。この心理戦も見応えがある。ブロック大会では希望が丘が優勝しているが、全国大会での下剋上もあるだろう。
 男子シングルスに続いて、女子シングルスの見どころもチェックしておこう。近年のインターハイ女子シングルスは「異質」が強い。昨年の女子シングルス決勝は、右シェークバック表の野村萌(現・デンソー/愛み大瑞穂高)と、右シェークフォア表の塩見真希(現・ミキハウス/四天王寺高)の対戦だった。

 過去の優勝者を見ても、梅村優香(17年大会優勝)、田口瑛美子(15年大会優勝)、前田美優(12・14年大会優勝)、阿部愛莉(13年大会優勝)とシェーク・バック表ソフトの選手が並ぶ。巧みなサービスからパワフルなフォア強打を放つ田口、バック面の変化からスマッシュを連発する阿部など、ひと口に「異質」と言ってもスタイルは様々だが、特にプラスチックボール時代を迎えてから、異質の優位性が顕著になっている。

 今大会の第1シードは、フォア面に変化系の表ソフトを貼るカット型・相馬夢乃(遊学館高)。第2シードは全日本ジュニア女王で、フォア面表ソフト・バック面粒高の出澤杏佳(大成女子高)。その他の有力選手を見ても、左シェーク・バック表の出雲美空(遊学館高)、「前陣チョッパー」とも言える異質攻守を見せる桜丘のエース浅井一恵など、異質型の選手が揃う。圧倒的にシェークドライブ型が多い男子とは違い、ラリーでも多彩な球種と弧線が繰り出されるだろう。

 一方で、09〜11年インターハイ3連覇の石川佳純(四天王寺高)、16年大会優勝の早田ひな(希望が丘高)のように、異質型を連破する攻撃力を持ったドライブ型の選手が登場すればセンセーショナルだ。左腕からパワフルなドライブを放つ大型1年生・菅澤柚花里(四天王寺高)、元カデット13歳以下チャンピオンの実力者・皆川優香(神須学園高)らに注目が集まる。サービスのうまさとボールタッチが光る工藤夢(五所川原商)、正智深谷高でじっくり基礎レベルを上げてきた天才肌の左腕・桑原穂実には、最後の夏に大爆発を期待したい。絶対的な優勝候補のいない女子シングルス、「戦国女子」の頂点に立つのは誰なのか?