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中国リポート

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★★★ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 男子第7節 11.11 ★★★
※1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ。すべて第5ゲームは7点先取で行う

〈渤海銀行・天津 3−2 覇州海潤〉

 雷振華 −6、10、−9、7、5−7 崔慶磊○
○ハオ帥 15、9、9 ジャイ超
 雷振華/パーソン −9、−9 程靖チィ/ジャイ超○
○ハオ帥 6、8、6 崔慶磊
○パーソン 6、−7、7−1 程靖チィ
(天津紅星職業体育館)

〈江蘇中超電纜 3−2 山東魯能〉
 徐輝 −8、−10、−9 張継科○
○馬琳 −8、7、4、8 方博
○陳杞/徐輝 −4、6、9−7 張超/方博
 馬琳 −11、−6、−2 張継科○
○陳杞 −8、12、8−6 張超
(青島市・中国石油大学体育館)

〈寧波海天塑機 3−0 上海金邁馳〉
○閻安 −9、7、7、12 許シン
○馬龍 9、11、7 王励勤
○閻安/ジャイ一鳴 8、11 王励勤/尚坤
(海南省屯昌体育館)

※八一熔盛重工 vs. 四川長虹は12月26日に開催

☆☆☆ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 女子第7節 11.11 ☆☆☆

〈山東魯能 3−0 大連新衡業・上方〉

○李暁霞 6、−4、5、−7、7−4 常晨晨
○陳夢 4、10、−7、5 文佳
○陳夢/顧玉ティン 11、9 常晨晨/李佳イ
(済南市皇亭体育館)

〈八一冀中能源 3−0 内蒙古銀行〉
○劉曦 −5、10、11、−5、7−2 朱雨玲
○木子 7、7、7 趙岩
○曹臻/劉曦 10、6 趙岩/朱朝暉
(唐山市灤県一中体育館)

〈大同雲崗・金地砿業 3−2 広東二沙〉
○李暁丹 3、−9、7、−9、7−3 楊揚
 武楊 −7、−7、−3 王シュアン○
 馮天薇/李茜 10、−9、3−7 王シュアン/徐潔○
○武楊 −4、7、6、4 楊揚
○馮天薇 6、10 徐潔
(大同大学体育館)

※山西大土河・華東理工 vs. 北京控股集団は開催延期

 超級リーグも折り返しの男女第7節。男子は渤海のパーソン(スウェーデン)が超級初勝利。しかもラストでチームの勝利を決めている。また、上海金邁弛の開幕からの連勝が「6」でストップ。寧波はトップ閻安が許シンから値千金の1勝を挙げた。
 「今日はラストまで回ることを覚悟していたけど、選手たちが素晴らしいプレーをしてくれた。とくに閻安は気迫がみなぎっていたし、かなり自信がついてきたようだ」(寧波・劉国梁監督)。来年1月で20歳になる閻安、フォアストレートにも打てる前陣でのカウンタードライブには威力があるが、そろそろ超級リーグでもふたケタ以上の勝ち星を挙げていかなければ、世界代表への道は拓けない。ライバルの方博ともども、もう少しプレーに個性が欲しい。ちなみに閻安のお父さんの閻永国は北京市女子チーム監督で、超級リーグの北京控股集団でも監督を務めている。男女の違いはあるが、超級リーグ版「親子鷹」だ。

 女子は李暁霞が戦列に復帰した山東が大連に完勝し、連敗を「3」で止めた。期待のホープ陳夢は次第に調子を上げてきている。
 開幕から6連勝中の八一は、エース郭躍が同じ五輪代表の李暁霞・丁寧に続いて発熱に見舞われ、この試合を欠場。ついに敗れるかと思われたが、代役の劉曦(リウ・シ/右シェークドライブ型)がトップで朱雨玲を破る大仕事をやってのけた。11月1〜7日に行われた第2回全国青年選手権の女子チャンピオンで、スイングスピードの速いパワーヒッター。虫眼鏡が必要になりそうな名前なのだが、覚えておいて損はなさそうだ。

photo上:顔は非常に覚えやすい閻安
photo中:許シンは昨年のHarmony中国オープンでも閻安に敗れている
photo下:劉曦に痛い敗戦を喫した朱雨玲
★★★ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 男子第6節 11.7 ★★★
※1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ。すべて第5ゲームは7点先取で行う

〈渤海銀行・天津 3−1 八一熔盛重工〉

○ハオ帥 4、−3、8、−12、7−2 周雨
○雷振華 10、6、−6、4 王皓
 雷振華/胡彬 −4、−8 周雨/尹航○
○ハオ帥 10、−5、7、−4、9 王皓
(杭州市臨浦体育館)

〈山東魯能 3−0 覇州海潤〉
○張継科 10、7、7 ジャイ超
○方博 9、−9、11、6 崔慶磊
○張超/方博 −9、3、7−5 ジャイ超/程靖チィ
(唐山市灤県一中体育館)

〈寧波海天塑機 3−1 四川長虹〉
○馬龍 6、8、6 許鋭鋒
○閻安 5、−10、7、8 邱貽可
 閻安/ジャイ一鳴 4、−9、1−7 朱霖峰/頼佳新○
○馬龍 10、7、−8、4 邱貽可
(蘭州蘭園体育館)

〈上海金邁馳 3−0 江蘇中超電纜〉
○許シン 9、−7、7、1 馬琳
○王励勤 −6、7、6、4 陳杞
○王励勤/尚坤 5、9 馬琳/林晨
(江蘇イェン城大豊市体育館)

☆☆☆ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 女子第6節 11.7 ☆☆☆

〈八一冀中能源 3−2 山東魯能〉
 木子 −7、−10、−9 陳夢○
○郭躍 7、−1、10、11 李暁霞
 郭躍/曹臻 −5、−9 陳夢/顧玉ティン○
○木子 9、−7、7、9 李暁霞
○曹臻 −11、6、7−5 顧玉ティン
(河北省唐山体育館)

〈大連新衡業・上方 3−1 大同雲崗・金地砿業〉
 常晨晨 9、−4、−7、11、2−7 武楊○
○文佳 −12、8、−5、7、7−3 李暁丹
○常晨晨/李佳イ 9、−8、7−5 馮天薇/李茜
○文佳 7、10、−10、7 武楊
(鞍山市鞍鋼体育館)

〈山西大土河・華東理工 3−0 内蒙古銀行〉
○馮亜蘭 9、−6、9、7 朱雨玲
○劉詩ウェン 8、−6、7、9 趙岩
○范瑛/鄭詩暢 6、−8、1 趙岩/朱朝暉
(内蒙古師範大学体育館)

〈北京控股集団 3−1 広東二沙〉
○郭炎 8、3、5 周芳芳
 李天一 −6、−8、−2 楊揚○
○李天一/盛丹丹 9、10 徐潔/周芳芳
○郭炎 10、−7、15、10 楊揚
(珠海市曁南大学体育館)

 やっと第6節まで追いついてきました、中国リポート。
 男子第6節、開幕から6連勝を飾ったのが上海金邁馳。今やエースとなった許シンが張継科や王皓ら、相手チームのエースを倒し、ラストではサウスポー尚坤が3戦3勝と見事な火消し役。そして34歳の王励勤も、単3勝3敗・複2勝2敗(第6節終了時点)というトントンの成績は全盛期に比べると寂しいが、チームの精神的支柱として果たす役割は大きい。
 女子はポーランドオープンに出場したエース丁寧を欠いた北京控股集団が、郭炎の2得点で勝利。ちなみに、この北京vs広東の一戦と、王皓と周雨がポーランドオープンに出場する八一vs渤海の2試合は、開催を3日早めて11月4日に行われている。丁寧もチームには帯同していたのだが、相手が5連敗中の広東二沙ということで温存されたようだ。広東にとっては屈辱的な敗戦で、開幕から6連敗。

 今シーズンの超級リーグ男子は、エースの許シンの流出で戦力半減の覇州海潤(1勝5敗)と、若手の強化も補強も進まない四川長虹(0勝6敗)が「二弱」の状況だ。特に四川は、昨シーズンから世界有数の大手家電メーカー・四川長虹集団とスポンサー契約を結びながら、慢性的に苦しいクラブ経営を強いられている。
 四川が試合を行っている地名を見てみると、今回の第6節が行われたのが甘粛省蘭州市、第5節が安徽省風台県体育館、第3節が新疆ウイグル自治区・ウルムチ市紅山体育館。どこに出しても恥ずかしくない「田舎の中の田舎」ばかり。娯楽が少ない地方の体育局に、試合の主催権を売却することで、苦しい経営をカバーしているのだ。主催権は20〜30万元(約250〜375万円)で売れるそうで、観客も大都市でやるよりずっと多く入る。

 ホーム&アウェーの戦いとはほど遠い実態に、国家体育総局・卓球/バドミントン管理センターは今シーズンから「ホームの7試合を開催する体育館は、合計で4会場以内にとどめること」という規定を作った。この規定に違反すると10万元(約125万円)の罰金があるのだが、今シーズンの四川長虹はホームの7試合を5会場で行う。開催権を売却したほうがはるかに収入が大きいのだから、罰金は覚悟のうえで規定を違反しているわけだ。その結果、四川の選手たちは長時間の移動が続き、疲労からシーズン後半に失速するのが例年のパターン。国家2軍チームのメンバーで、国際大会へのデビューも果たした朱霖峰(左シェークドライブ型)と頼佳新(右シェークドライブ型)に期待するしかなさそうだ。

photo上:馬龍から1ゲーム奪うも、勝利は遠かった邱貽可
photo中:来年9月の全中国運動会での現役引退を表明している王励勤
photo下:広東二沙戦のダブルスで勝利した、左シェーク異質攻撃の李天一
(photo上・下は09年全中国運動会、photo中は11年世界選手権)
★★★ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 男子第5節 10.31 ★★★
※1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ。すべて第5ゲームは7点先取で行う

〈山東魯能 3−2 渤海銀行・天津〉

○張継科 8、−11、10、5 パーソン
 方博 8、−7、9、4 ハオ帥○
○方博/張超 −10、7、4 雷振華/パーソン
 張継科 −14、−12、13、8、5−7 ハオ帥○
○張超 4、9 雷振華
(山東大学体育館)

〈寧波海天塑機 3−1 八一熔盛重工〉
 閻安 9、8、−4、−3、8−10 王皓○
○馬龍 6、−9、9、7 周雨
○閻安/ジャイ一鳴 11、11 周雨/尹航
○馬龍 5、6、8 王皓
(広東省順德体育センター)

〈上海金邁馳 3−0 覇州海潤〉
○許シン 6、9、10 ジャイ超
○王励勤 6、−8、4、4 崔慶磊
○王励勤/尚坤 7、9 ジャイ超/程靖チィ
(上海市青浦体育館)

〈江蘇中超電纜 3−0 四川長虹〉
○陳杞 −5、5、3、−7、7−3 許鋭鋒
○馬琳 6、8、−9、9 邱貽可
○馬琳/林晨 7、−8、7−3 許鋭鋒/朱霖峰
(安徽省風台県体育館)

☆☆☆ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 女子第5節 10.31 ☆☆☆

〈大同雲崗・金地砿業 3−2 山東魯能〉
 武楊 −7、−4、6、−8 顧玉ティン○
 李暁丹 −2、8、−5、−8 陳夢○
○馮天薇/李茜 8、6 顧玉ティン/顧若辰
○武楊 7、11、6 陳夢
○馮天薇 9、−6、7−3 顧若辰
(大同大学体育館)

〈八一冀中能源 3−1 山西大土河・華東理工〉
○郭躍 9、10、−3、7 劉詩ウェン
 木子 7、−9、8、−9、0−7 馮亜蘭○
○郭躍/曹臻 2、4 馮亜蘭/饒静文
○木子 −7、5、−6、5、7−5 劉詩ウェン
(山西呂梁市大土河体育館)

〈北京控股集団 3−1 大連新衡業・上方〉
○郭炎 −7、6、3、11 文佳
○丁寧 7、−10、6、5 常晨晨
 李天一/郭炎 −6、−4 常晨晨/李佳イ○
○丁寧 4、6、8 文佳
(北京広安体育館)

〈内蒙古銀行 3−1 広東二沙〉
 趙岩 −3、−7、−4 楊揚○
○朱雨玲 8、6、8 王シュアン
○趙岩/朱朝暉 6、−3、7−3 周芳芳/徐潔
○朱雨玲 7、9、8 楊揚
(内蒙古自治区オルドス市・伊旗全民健身活動センター)

 超級リーグ、結果の後追いという情けない事態に陥っております…。
 男女第5節の結果は上記のとおり。男子の山東と渤海の一戦では、張継科とパーソンという「年の差22歳対決」が実現。パーソンにとってはアウェーの戦いだが、「佩尓森、加油!(パーソン、頑張れ!)」と張継科を上回るほどの声援を受けた。パーソンもこの声援に応え、第2ゲーム7−10から13−11と逆転する健闘を見せたが、勝利には届かず。3番では雷振華とダブルスを組んだが、超級リーグで「外援(助っ人外国人)」が中国選手とペアを組むのは珍しいケースだ。
 「若い選手たちと一緒に練習して、一緒に試合に出るのが好きなんだ。だって、そうすれば永遠に自分は若いと感じられるだろう? 単純なものさ」(パーソン)。スウェーデンの「ザ・レジェンド」は、選手たちと一緒にハードな移動をこなしながら、毎食同じ料理を食べ、ひと言も不平を言わないという。

 第5節の終了時点で、好調をキープしているのは8勝1敗のハオ帥。朱世爀(韓国)に敗れた1敗のみで、馬琳、許シン、張継科らを連破している。これまでは「最強の二番手」という位置づけだったが、やはり郷里・天津のチームは肌に合うのだろうか。この第5節で王皓に完勝した馬龍も7勝1敗と相変わらず強い。

 女子は五輪金メダリスト・李暁霞が第4節に続き体調不良で欠場。陳夢・顧玉ティン・顧若辰という有望な若手3人を起用し、大同から2−0とリードを奪ったが、無念の逆転負け。各チームとも実力伯仲の女子だが、1チームだけ蚊帳の外に置かれているのが5連敗の広東二沙。確実に単2点を叩き出してきたエース劉詩ウェンが抜けた穴は、中堅の楊揚と王シュアンの補強ではとても埋めきれない。「まずは1勝」が現実的な目標だ。

photo上:パーソン、超級リーグで青春を取り戻した?
photo中:国家チームで同じ肖戦コーチの指導を受けるハオ帥に敗れた張継科。「手の内は完全に知られているから、負けるのは不思議なことじゃない」
photo下:大同戦トップで武楊のカットを攻略した顧玉ティン
(photo上・中は12年ロンドン五輪、photo下は11年世界ジュニア)
★★★ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 男子第4節 10.28 ★★★
※1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ。すべて第5ゲームは7点先取で行う

〈寧波海天塑機 3−0 渤海銀行・天津〉
○馬龍 6、−6、6、7 パーソン
○朱世爀 3、−9、6、7 ハオ帥
○閻安/ジャイ一鳴 3、7 雷振華/胡彬
(広東省順徳市順徳体育センター)

〈上海金邁馳 3−2 山東魯能〉
 王励勤 −8、−6、5、−4 張継科○
○許シン −7、10、11、6 方博
 王励勤/許昕 −10、−5 張超/方博○
○許シン −7、−8、8、8、9−7 張継科
○尚坤 5、6 張超
(蘭州蘭園体育館)

〈江蘇中超電纜 3−2 八一熔盛重工〉
 陳杞 9、−4、−9、4、6−8 周雨○
○馬琳 6、7、9 王皓
○馬琳/林晨 9、9 周雨/尹航
 陳杞 −8、−7、−6 王皓○
○林晨 3、−9、7−3 尹航
(内蒙古自治区オルドス市・伊旗全民健身活動センター)

〈覇州海潤 3−1 四川長虹〉
 ジャイ超 −5、7、−9、9、5−7 邱貽可○
○崔慶磊 7、−13、−6、7、7−4 許鋭鋒
○ジャイ超/程靖チィ 10、10 張ユク/許鋭鋒
○崔慶磊 −10、4、8、8 邱貽可
(成都大学体育館)

☆☆☆ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 女子第4節 10.28 ☆☆☆

〈山西大土河・華東理工 3−1 山東魯能〉

○馮亜蘭 2、−9、−8、3、7−5 顧若辰
○劉詩ウェン 8、8、8 陳夢
 馮亜蘭/饒静文 −6、−7 陳夢/顧玉ティン○
○劉詩ウェン 3、4、4 顧若辰
(山西省体育館)

〈北京控股集団 3−1 大同雲崗・金地砿業〉
 郭炎 −7、−8、4、10、5−7 李暁丹○
○丁寧 9、−6、9、7 武楊
○李天一/郭炎 11、8 馮天薇/李茜
○丁寧 9、4、5 李暁丹
(北京広安体育館)

〈八一冀中能源 3−0 広東二沙〉
○郭躍 9、7、5 王シュアン
○木子 3、5、6 徐潔
○郭躍/曹臻 5、3 周芳芳/徐潔
(河北科技大学体育館)

〈内蒙古銀行 3−2 大連新衡業・上方〉
○趙岩 −4、9、−9、7、7−4 文佳
 朱雨玲 −9、−7、11、3、6−8 常晨晨○
 趙岩/朱朝暉 −9、−3 常晨晨/李佳イ○
○朱雨玲 1、8、−8、7 文佳
○張薔 9、6 李佳イ
(内蒙古自治区オルドス市・伊旗全民健身活動センター)

・男女第4節、男子は上海と山東が激突し、4番で許昕が張継科に大逆転勝ちした上海が開幕から4連勝。7点制の最終ゲーム、張継科にジュースで競り勝った許シンは「7点制は勝負所でのメンタル、そして積極性を養うことができる。最初は慣れなかったけど、他の選手も状況は同じだよ」とコメントしている。今シーズンは「自分の父親とほとんど年が変わらない」パーソンとの対戦を楽しみにしているそうだ。他の男子選手では、八一の王皓も馬琳に完敗しており、ロンドン五輪後の調整不足は否めない。

 女子でも山東の李暁霞、北京の丁寧がともに発熱でダウン。微熱が続いていた丁寧は大同戦に強行出場して2勝を挙げた。今シーズンからチームに復帰した郭炎は調子が今ひとつで、丁寧にかかる負担はまだ大きいが、この厳しいチーム事情の中で踏ん張ってきたことが、丁寧をここまで成長させたとも言える。一方、李暁霞は欠場を余儀なくされ、チームも敗れた。序盤の4試合で2勝2敗、3連覇を狙うチームとしては、これ以上負けを積もらせたくないところだ。

photo上:許昕、ライバル張継科を下す
photo下:北京の屋台骨を支える丁寧、少々の熱では休めない
またまたやってしまいました。中国リポート、長くご無沙汰をして誠に申し訳ありません。中国リポート担当が〆切に追われている間、選手たちは内蒙古にウイグル、河北に広東と中国各地で熱戦を繰り広げ、すでに第7節まで進行。今後は結果だけでも、随時アップするように致します。
 まずは第7節まで、慌ただしく追いかけます……。

★★★ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 男子第3節 10.24 ★★★
※1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ。すべて第5ゲームは7点先取で行う

〈上海金邁馳 3−2 渤海銀行・天津〉

○許昕 11、6、4 雷振華
 王励勤 −8、−9、5、9、5−7 ハオ帥○
○王励勤/尚坤 13、9 雷振華/胡彬
 許昕 −9、7、5、−7、5−7 ハオ帥○
○尚坤 9、−4、7−4 胡彬
(天津紅星職業体育館)

〈寧波海天塑機 3−0 江蘇中超電纜〉
○閻安 −8、2、6、6 林晨
○馬龍 6、9、−7、10 馬琳
○閻安/ジャイ一鳴 −4、8、7−3 馬琳/陳杞
(宣興市体育センター体育館)

〈山東魯能 3−0 四川長虹〉
○方博 −8、−11、4、7、7−4 邱貽可
○張継科 3、9、10 許鋭鋒
○張超/方博 10、3 許鋭鋒/張ユク
(ウルムチ紅山体育館)

〈八一熔盛重工 3−1 覇州海潤〉
 周雨 10、−4、−14、−6 崔慶磊○
○王皓 4、1、10 程靖チィ
○周雨/尹航 9、7 程靖チィ/ジャイ超
○王皓 9、6、−11、10 崔慶磊
(河北省唐山体育館)

☆☆☆ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 女子第3節 10.24 ☆☆☆

〈山東魯能 3−1 北京控股集団〉

 陳夢 −7、−8、8、−8 丁寧○
○李暁霞 5、−10、6、10 郭炎
○陳夢/顧玉ティン 6、9 李天一/盛丹丹
○李暁霞 −10、7、7、9 丁寧
(山東大学体育館)

〈山西大土河・華東理工 3−0 広東二沙〉
○劉詩ウェン 6、−6、10、6 楊揚
○馮亜蘭 6、3、9 王シュアン
○馮亜蘭/饒静文 −7、6、7−2 周芳芳/徐潔
(珠海体育センター体育館)

〈内蒙古銀行 3−1 大同雲崗・金地砿業〉
 趙岩 −3、−7、−7 武楊○
○朱雨玲 5、−9、−8、8、7−5 李暁丹
○趙岩/朱朝暉 −8、7、7−4 李暁丹/李茜
○朱雨玲 10、10、8 武楊
(内蒙古師範大学体育館)

〈八一冀中能源 3−2 大連新衡業・上方〉
 郭躍 12、−7、−5、−7 文佳○
○木子 7、−9、12、4 常晨晨
 郭躍/曹臻 −11、−11 常晨晨/李佳イ○
○木子 3、10、4 文佳
○曹臻 −9、7、7−3 李佳イ
(遼寧鞍山市鞍鋼体育館)

・男子は上海金邁馳が、渤海のエース・ハオ帥に2点を取られながらも3連勝。首都・北京から3,000km近く離れた新疆ウイグル自治区・ウルムチ市で行われた山東と四川の一戦は、山東が快勝した。
 女子は山東対北京の一戦で、李暁霞対丁寧というロンドン五輪女子決勝の対戦カードが再現。かつては丁寧が圧倒的に分が良かったが、今後の対戦成績はどうなっていくのか。「出足で焦ってしまったので、途中から気持ちを落ち着かせて、1点ずつしっかり取ることに専念しました」(李暁霞)。

photo上:五輪組が好調とは言えない中、シブイ働きを見せるハオ帥photo下:李暁霞は天敵・丁寧の攻略法を見つけたのか?
★★★ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 男子第2節 10.21 ★★★
※1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ。すべて第5ゲームは7点先取で行う

〈渤海銀行・天津 3−2 江蘇中超電纜〉
 パーソン −5、−3、−3 馬琳○
○ハオ帥 4、5、8 徐輝
 雷振華/胡彬 −6、−7 陳杞/徐輝○
○ハオ帥 8、5、8 馬琳
○雷振華 12、8 陳杞
(常州武進職教中心校体育館)

〈上海金邁馳 3−1 四川長虹〉
○許シン 9、9、8 許鋭鋒
 王励勤 −8、−8、−2 邱貽可○
○王励勤/尚坤 8、5 張ユク/許鋭鋒
○許昕 −10、3、6、8 邱貽可
(上海青浦体育館)

〈寧波海天塑機 3−1 覇州海潤〉
 閻安 17、−10、−5、−9 崔慶磊○
○馬龍 −9、3、6、7 程靖チィ
○閻安/ジャイ一鳴 −6、7、7−5 程靖チィ/ジャイ超
○馬龍 5、−7、8、7 崔慶磊
(寧波北侖体育館)

〈山東魯能 3−1 八一熔盛重工〉
 方博 −8、6、−9、−3 王皓○
○張継科 1、8、8 周雨
○方博/張超 9、10 周雨/尹航
○張継科 5、9、−8、11 王皓
(山東大学体育館)

☆☆☆ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 女子第2節 10.21 ☆☆☆

〈山東魯能 3−0 広東二沙〉
○陳夢 7、7、9 楊揚
○李暁霞 5、8、3 王シュアン
○陳夢/顧玉ティン 11、8 周芳芳/徐潔
(珠海体育中心体育館)

〈北京控股集団 3−1 内蒙古銀行〉
○丁寧 9、−10、5、6 趙岩
 郭炎 −5、−4、−6 朱雨玲○
○盛丹丹/李天一 6、9 趙岩/朱朝暉
○丁寧 2、9、5 朱雨玲
(北京広安体育館)

〈山西大土河・華東理工 3−1 大連新衡業・上方〉
○馮亜蘭 9、11、−6、9 文佳
○劉詩ウェン 4、6、6 常晨晨
 馮亜蘭/饒静文 6、−9、4−7 常晨晨/李佳イ○
○劉詩ウェン −9、−8、5、5、8−6 文佳
(山西呂梁市大土河体育館)

〈八一冀中能源 3−0 大同雲崗・金地砿業〉
○郭躍 11、9、−9、1 李暁丹
○木子 −5、5、9、6 武楊
○郭躍/曹臻 6、−9、7−3 馮天薇/李茜
(大同大学体育館)

 1週間に2試合ずつ消化していく中国超級リーグ。本当は男女別でお伝えしたいところですが、ひとまず結果をすべてアップします。

 男子の最大のトピックスは、スウェーデンのパーソン(渤海銀行・天津)の超級リーグデビュー。第1節でも試合間のエキシビションで10歳のちびっ子選手と対戦し、会場を沸かせていたが、ついに正真正銘のプレーヤーとしてコートに立った。江蘇中超電纜戦のトップ、対戦相手は馬琳。32歳(馬琳)対46歳(パーソン)の対戦は、残念ながらワンサイドゲームに終わった。「自分のプレーを全くコントロールできなかった」と試合後のパーソン。大ベテランにとっても、初の超級の舞台は相当なプレッシャーだったようだ。
 「パーソンは練習では、誰もが認めるほど好調だった。それに今年の世界団体選手権では、馬琳を苦しめている。雷振華や胡彬を出しても馬琳には分が悪いだろうから、パーソンの頑張りに賭けたんだ」(馬文革監督/出典:『天津日報』)。パーソンは敗れたものの、渤海銀行・天津はエースのハオ帥が2点を獲り、開幕から連勝を飾っている。

 山東魯能と八一熔盛重工の対戦は、張継科がエースの重責を果たした山東魯能が勝利。張継科は全中国選手権で敗れた周雨を圧倒し、ロンドン五輪決勝以来の対戦となる王皓戦を3−1で乗り切った。「決して楽な試合じゃなかったけど、王皓は少し疲れていたんじゃないかな。実はぼくもかなり疲れている。でもこういう(厳しい)日程だからしかたない。やっぱり勝てたのはうれしいね」(張継科:出典『新浪体育』)。

 一方の女子は、優勝候補の4チームが順当に勝利した。北京控股集団は、第1節で山東魯能を下す金星を挙げた内蒙古銀行にホームで勝利した。気温8℃、冷たい雨が降った北京の街。エース丁寧は「冬の試合はラバーのスポンジが硬くなるのを感じるし、試合でもなかなか調子が上がらない」と言いながらも、4番で伸び盛りの朱雨玲に完勝している。山西大土河・華東理工の劉詩ウェンは、開幕戦に続いて2点獲りの活躍。クラブは変わっても、その実力は健在だ。

photo上:パーソン、おそらく超級でプレーした史上最高齢の選手だ
photo中:5番ラストで見事にストッパーの役割を果たした雷振華
photo下:朱雨玲を完封した丁寧
(photo上・下は12年ロンドン五輪、photo中は09年全中国運動会)
 6回目の戴冠の感激に浸る間もなく、欧州の帝王は機上の人となっていた。10月23日の午後1時、中国・上海のレイク・マラーレンゴルフクラブの18番ホールに、2012ヨーロッパ選手権の男子シングルスで優勝したティモ・ボル(ドイツ)が姿を現した。ボルが上海を訪れたのは、10月25〜28日に中国で初めて開催されるゴルフのトップトーナメント『BMWマスターズ』のエキシビションマッチに参加するため。もちろん卓球のエキシビションマッチだ。

 ボルとともに登場したのは、ゴルフの男子世界ランキング1位であるローリー・マキロイ(北アイルランド)、2010年全米プロゴルフ選手権優勝のマーティン・カイマー(ドイツ)、そして地元・中国の呉阿順。マキロイはすでにゴルフ界のスーパースター、ドイツ期待のカイマーはBMWのイメージキャラクターも務めている。
 18番ホールのグリーンのそばで行われ、風に翻弄された今回のエキシビション・マッチ。ボルに与えられたハンデは「回転をかけたらダメ」。……この程度のハンデで欧州王者の力を封じられるはずもなく、ボルは呉阿順に5−1、カイマーに5−0、マキロイに5−2で勝利。ゴルファー3人の中ではマキロイが一番上手だったとのこと。

 ゴルフが趣味のひとつであるボルにとって、トップゴルファーたちとふれ合った今回のエキシビションは、ヨーロッパ選手権優勝の祝賀パーティよりも魅力的だったのかもしれない。中国で開設した微博(マイクロブログ)のフォロワー数が100万人を突破するなど、ボルの中国での人気は非常に高い。「今シーズンは超級リーグとブンデスリーガのシーズンが重なってしまったけど、来年はきっと超級リーグの舞台に戻ってくるよ」とコメントしたボル。中国語の勉強も続けており、これからも中国を訪れる機会は増えていきそうだ。

↓エキシビションの写真が掲載された『東方早報』の記事はコチラ
http://wap.dfdaily.com/html/ty/2012/10/24/883425.shtml

photo:ゴルフ界のスーパースターたちに胸を貸したボル
☆☆☆ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 女子第1節 10.17 ☆☆☆

〈内蒙古銀行 3−1 山東魯能〉
○朱雨玲 −3、5、9、10 陳夢
 趙岩 6、5、−4、−9、−8 李暁霞○
○趙岩/朱朝暉 8、9 陳夢/顧玉ティン
○朱雨玲 −6、4、−4、10、5 李暁霞
(内蒙古師範大学体育館)

〈大連新衡業・上方 3−0 広東二沙〉
○文佳 7、8、4 王シュアン
○常晨晨 4、6、9 楊揚
○常晨晨/李佳イ 11、−9、3 周芳芳/徐潔
(鞍鋼体育館)

〈山西大土河・華東理工 3−1 大同雲崗・金地砿業〉
○馮亜蘭 2、4、5 馮天薇
○劉詩ウェン −11、5、7、9 李暁丹
 饒静文/馮亜蘭 −7、−3 李暁丹/李茜○
○劉詩ウェン −13、6、−8、4、5 馮天薇
(大同大学体育館)

〈八一冀中能源 3−2 北京控股集団〉
 郭躍 −5、−6、−7 丁寧○
○木子 −9、4、7、13 郭炎
○郭躍/曹臻 7、8 郭炎/李天一
 木子 −7、−6、−9 丁寧○
○曹臻 9、9 盛丹丹
(唐山体育館)

 郭躍、郭炎、劉詩ウェンらの移籍で、勢力図が大きく変化した2012年シーズンの女子超級リーグ。2010・2011年シーズンで優勝し、男女通じて史上初の3連覇を狙う山東魯能は、開幕戦で内蒙古銀行にまさかの敗戦。昨シーズンまで内蒙古銀行に所属していた陳夢と顧玉ティンが、古巣相手に手の内を読まれたか、勝ち星を挙げられず。エース李暁霞も、ホームの観衆をバックに攻勢に出た朱雨玲に競り負けた。
 日本リーグでも活躍した劉偉(95年世界3位)率いる内蒙古銀行は、悪く言うと寄せ集めのクラブだが、有望な若手が経験を積む場でもある。エースの朱雨玲は四川省チーム所属、09年シーズンを最後に超級リーグから降格している名門・江蘇省チーム所属の趙岩・朱朝暉・張薔という若手が脇を固め、遼寧省チーム出身のユ・モンユ(シンガポール)もいる。今シーズンは降格の心配がないので、若手の選手たちも思い切って戦えるはず。トップ選手たちが「五輪疲れ」を抱えているうちに勝ち星を積み重ねれば、プレーオフ(第1ステージで4位以上)進出も夢ではない。

 全中国選手権の女子団体で優勝した遼寧省チームを母体とする大連新衡業・上方は、エース劉詩ウェンが流出した広東二沙に快勝。広東二沙の戦力は、超級リーグを戦い抜くにはあまりにも厳しい。そして、その劉詩ウェンが加わった山西大土河・華東理工が、劉詩ウェンの2点獲りで難敵・大同を下している。郭炎と帖雅娜がチームを去り、陣容は一新されたが、内蒙古銀行から馮亜蘭も獲得したこのチームはかなり強い。

 解放軍チームを母体とする八一冀中能源は、郭炎が5シーズンぶりに復帰した北京控股集団に競り勝った。3番手の木子が安定した成績を残せるようになり、ダブルスで郭躍/曹臻と全中国選手権優勝ペアの木子/曹臻を使い分けられるのも強み。敗れた北京も、全中国選手権団体決勝で2敗した丁寧が、きっちり結果を残した。「試合を通じて調子を上げていこうと思っていたから、2勝できたのは予想外」と試合後の丁寧。郭炎と若手選手(李天一と盛丹丹)でペアを組むダブルスに不安があるが、ここ2シーズン続いていた「丁寧の孤軍奮闘」という状況からは脱出できそうだ。

photo上:開幕戦で李暁霞を下した朱雨玲
photo中:まゆ毛が凛々しい趙岩も、李暁霞をゲームオールまで追い詰めた
photo下:首の痛みを抱えながらダブルスで勝利を挙げ、勝利に貢献した郭躍
(写真は上から11年世界ジュニア、10年世界ジュニア、12年ロンドン五輪)
★★★ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 男子第1節 10.17 ★★★

〈山東魯能 3−2 寧波海天塑機〉
○張継科 −8、8、14、8 朱世赫
 方博 −9、−7、10、−11 馬龍○
 方博/張超 −4、6、3−7 閻安/ジャイ一鳴○
○張継科 −12、8、−4、13、7−5 馬龍
○張超 10、8 閻安
(山東大学体育館)

〈上海金邁馳 3−2 八一熔盛重工〉
○王励勤 9、−4、9、18 周雨
○許シン 10、−5、8、11 王皓
 王励勤/尚坤 −10、−8 王皓/尹航○
 許シン 8、−7、5、−6、3−7 周雨○
○尚坤 8、8 尹航
(杭州市臨浦体育館)

〈江蘇中超電纜 3−2 覇州海潤〉
 徐輝 −9、−9、−10 崔慶磊○
○馬琳 16、8、−6、5 ジャイ超
 陳杞/徐輝 −7、8、2−7 程靖チィ/ジャイ超○
○馬琳 4、6、8 崔慶磊
○陳杞 10、5 程靖チィ
(覇州市卓球館)

〈渤海銀行・天津 3−1 四川長虹〉
 雷振華 9、8、6 邱貽可○
○ハオ帥 5、−5、10、8 許鋭鋒
○雷振華/胡彬 9、−9、7−3 張ユク/許鋭鋒
○ハオ帥 2、5、5 邱貽可
(天津紅星職専体育館)

 ※試合方式についてはひとつ下の記事『超級リーグの「七分制」は冒険か、それとも英断か』を参照

 超級リーグの開幕戦となる男子第1節。現・五輪金メダリスト&世界チャンプの張継科率いる山東魯能が、ホームで寧波海天塑機を迎え撃った。
 トップで昨シーズンまでのチームメイト・朱世赫のカットを攻略した張継科。3番ダブルスで方博/張超が敗れ、1−2とリードされる苦しい展開の中で、最大のライバルである馬龍と激突。第4ゲームの出足で1−5とリードされ、9−10で馬龍にマッチポイントを握られたが、ここで馬龍がバック前に浮いたボールを狙い打てず、ストップがミス。その後も馬龍が2回のマッチポイントを握るも、張継科がしのぎきった。
 「七分制」で行われた最終ゲームは、張継科が6−5でマッチポイント。ここでフォアクロスの豪快なドライブの引き合いから、押された馬龍がバックにつないできたボールに対し、張継科のシュートドライブが炸裂。山東大学体育館の大観衆を熱狂させた。勝負どころで強気に攻められなかった馬龍、「継科は逆境でのメンタルの強さが増している」と張継科の勝負強さに脱帽。ラストはハードヒッター・張超が閻安を下し、山東魯能が開幕戦で大きな白星を挙げた。

 その他の試合では、ラストを尚坤が締めた上海金邁馳が八一熔盛重工に競り勝った。今シーズンから上海市チームのスポンサーになった金邁馳(King Match)は、車のシガーソケットに挿入するだけで燃費が向上するという「節油器」のメーカー。すでに王励勤を「形象代言人(イメージキャラクター)」として前面に押し出しているが、長期のスポンサードは望めそうにない。
 馬琳の獲得で戦力アップの江蘇中超電纜は、エース許シンの流出で戦力半減の覇州海潤に勝利。渤海銀行・天津はエース・ハオ帥の2得点で、四川長虹に勝利している。

photo上:「早くベストの状態に戻していきたい」と試合後に語った張継科
photo中:バックサービスも駆使した馬龍だが、逆に勢いを止めてしまったか
photo下:ようやく地元チームでの活躍の場を得たハオ帥
(photo上・中は12年ロンドン五輪、photo下は11年世界選手権)
 2012年10月17日〜2013年1月27日まで行われる「2012中国卓球クラブ超級リーグ」が開幕。今シーズンは男女とも計8つのクラブによって優勝が争われ、ファーストステージの全14節が12月23日に終了。年明けの1月からプレーオフが開催される。
 また、今年の超級リーグは最下位の8位のクラブでも甲Aリーグには降格しない。そして2012&2013年シーズンの甲Aリーグの優勝チームが超級リーグに加わり、2014年シーズンは10のクラブが超級リーグに参戦する予定となっている。

 すでに17日に開幕している超級リーグ。試合結果を早速リポートしたいところだが、まだお伝えしていなかった重要な試合方式の変更がひとつある。実際に男子第1節のひと試合を例にとって説明しましょう。

〈上海金邁弛 3−2 八一熔盛重工〉
○王励勤 9、−4、9、18 周雨
○許シン 10、−5、8、11 王皓
 王励勤/尚坤 −10、−8 王皓/尹航○
 許シン 8、−7、5、−6、3−7 周雨○
○尚坤 8、8 尹航

 まず3番の王励勤/尚坤と王皓/尹航の一戦にご注目。試合が0−2の時点で終了しているが、今シーズンの超級リーグは1・2・4番のシングルスが5ゲームズマッチ、3番のダブルスと5番のシングルスが3ゲームズマッチで行われる。
 続いて4番の許シン対周雨。最終ゲームのスコアが「3−7」になっている。これが今シーズンから導入された「七分制(7点制)」という試合方式だ。5ゲームズマッチの3試合、3ゲームズマッチの2試合とも、最終ゲームはなんと7点先取で行われる。この4番の試合もただ「−3」と書くと11点制との区別がつきにくいので、少々見づらいですが最終ゲームは「3−7」と表記します。

 波乱が起こりやすいようにしてリーグを盛り上げ、テレビでの放映を考えて試合時間を短縮することが「七分制」の主な目的。夜の試合は19時半(午後の試合は15時半)スタートなので、これまでの試合方式だと23時近くまでかかる場合もあった。また、格下の選手が相手でも全力でプレーするよう、トップ選手にプレッシャーをかけるのも狙いのひとつだろう。
 「七分制」の場合、出足で0−4や0−5でリードされたら、追いつくのはかなり難しそうだ。リードされてから追いつくにしても、スコアは「0−5→3−7→7−7」、あるいは「0−4→3−6→5−7→8−8」というように推移することが多い。これを「七分制」に当てはめると、「3−7」や「5−7」の時点ですでに負けだ。11点制以上にスタートダッシュが重要になることは言うまでもない。

 この「七分制」に対して、張継科は「自分のメンタルや、スタートダッシュの能力を高める機会だと思っている。試合の内容だけでなく、ルールの改革などに対しても、ポジティブに受け止めることが大事」(出典『華奥星空』)とコメント。今シーズンの超級リーグでは番くるわせが多くなるのか、第1ステージ折り返しの第7節の終了時点で一度チェックしてみたい。

photo:「七分制」にも動じない張継科。今シーズンの観客席では、「あれ、もう終わりなの?」とキョトンとしてる人が結構いそうです