スマホ版に
戻る

中国リポート

トップニュース中国リポート
……中国リポート、大変長らくのご無沙汰を致しまして申し訳ありません。小ネタでも少しずつ、アップを再開したいと思います。

 アジア競技大会で5種目制覇を果たし、次は9月7〜16日に遼寧省鞍山市で行われる全中国選手権が控えている中国。今、大きな話題になっているのが、国家体育総局の副局長で、中国卓球協会会長でもある蔡振華の人事についてだ。
 
 蔡振華は国家体育総局に20年以上籍を置き、2007年から副局長、いわばスポーツ副大臣の要職にあったが、すでに先月には中華全国総工会の副主席(副会長)へと異動。中華全国総工会は中国における労働組合の中央組織で、全国代表大会を経て正式に着任する見込みだ。蔡振華を権力の基盤であるスポーツ界から切り離す今回の人事で、国家体育総局内の権力闘争はひとつの決着を見た。

 蔡振華は卓球・サッカー・バドミントンという3つのスポーツ協会の会長を務めているが、サッカーやバドミントンのみならず、卓球協会の会長も代替わりする可能性がある。アジア競技大会が行われた際、国家体育総局の苟仲文局長がITTFのバイカート会長と会談し、中国国内での大会開催や卓球の普及について意見交換を行っているが、この会談の場にも蔡振華は出席していない。卓球会場にも姿を現すことはなかったという。

 もし中国卓球協会の会長が代替わりするならば、後任は誰か。最大の関心事は、協会の副会長である劉国梁の現場復帰がなるかどうかだ。国家チーム内からも現場復帰を求める声が多い劉国梁。もともと昨年の総監督辞職の際には、「劉国梁は苟仲文局長から協会会長への就任を打診されたが、拒否したことで怒りを買い、総監督の座を追われた」という報道も多かった。

 蔡振華の異動と劉国梁の会長就任というのは、昨年から続いた国家チーム内外での混乱の「落としどころ」としては十分あり得る。今後の人事の行方に、注目が集まる。
  • 14年アジア競技大会では、表彰式にも出席していた蔡振華

 3月20日からドイツ・ブレーメンで行われているITTFワールドツアー・ドイツオープン。ワールドツアー最上位の「プラチナ」6大会のひとつで、各国とも主力選手を派遣する中、中国女子は主力メンバーを外し、ベテランと若手を中心に12名をエントリー。そのうち、3名が出場をキャンセルした。王曼昱、馮亜蘭、そして孫銘陽だ。
 この3名のうち、王曼昱は代表選考会で初めて世界選手権の代表権を獲得し、集合訓練に専念。馮亜蘭は代表選考会で右の足首を傷めた。残るひとり、孫銘陽はなぜエントリーを外されたのかというと、今月上旬に行われたITTFワールドツアー・カタールオープンにその原因があるという。

 今年の年明け早々、1月5日に発表された『中国卓球協会・2018年国際大会派遣選手選抜規定』。代表選考基準の部分を主に紹介したが、実は7番目の項目として、「処罰」についての4つの規定が明記されていた。そのひとつ目の規定が「ツアー大会の予選グループを通過できなかった選手、あるいは決勝トーナメントの1回戦で他の協会の選手に敗れた選手は、次のツアー大会にエントリーされていた場合、その大会については出場停止となる」というもの。孫銘陽はカタールオープンの女子シングルスで、日本の橋本帆乃香選手に2−4で敗れてグループ2位となり、予選グループを通過できなかった。そのため、今回でのドイツオープンへのエントリーを外されてしまったのだ。

 ワールドツアーのプラチナ大会はもともと予選リーグからレベルが高いうえ、世界ランキングのシステムが変わってからまだ日が浅く、実力に比べてランキングが低い選手もまだ多くいる。なにしろカタールオープンの予選グループには、五輪&世界女王の丁寧が出ていたくらいなのだ。ひとつでも多く国際大会に出て、実力をアピールしたい中国の若手選手にとって、この処罰規定は大きなプレッシャー。決勝トーナメント1回戦で他協会の選手に敗れるというのも、主力クラスであっても十分にあり得ることだ。
  • カタールオープンでの孫銘陽のプレー(写真提供:ITTF)

 3月15〜17日に行われた世界選手権団体戦の中国代表選考会。女子は丁寧・劉詩ウェン・朱雨玲の3人が選考基準によって出場権を獲得しており、残る代表枠はふたつ。王曼昱・陳夢・木子・武楊・陳幸同・孫穎莎・顧玉ティン・馮亜蘭の8名から、最終順位1位とU-21最上位の2選手を選出する方式となった。

 序盤から連勝街道を突き進んだのは、陳夢と王曼昱。ともに第4戦を終えて4戦全勝、王曼昱は同年代のライバルである孫穎莎にも3−0で完勝した。結局、このふたりが6戦全勝で最終戦を迎え、3−1で勝利した陳夢が総合1位で代表権を獲得。2位の王曼昱はU-21での代表選出となったが、男子の王楚欽と同様、U-21の出場枠に頼らずに代表権を獲得した形だ。世界ランキングを9位(3月発表)まで上げている陳幸同は惜しくも3位、孫穎莎は顧玉ティンと並んで6位に沈んだ。

 これで中国女子の世界代表は、丁寧・劉詩ウェン・朱雨玲・陳夢・王曼昱の5名に確定した。ベストメンバーと言える陣容で、これをAチームだとすれば、Bチームも孫穎莎・陳幸同・顧玉ティン・木子など実力者揃い。若手も着実に伸びており、女王の座は揺るがない。
 中国女子のコーチ陣は、李隼、肖戦、陳彬、黄海城、張琴の5名。監督という役職は置かず、この5名が「教練組(コーチグループ)」を形成するが、世界団体のベンチには李隼が入ることになりそうだ。その李隼コーチ、『捜狐体育』の取材に対して、日本チームの印象を次のように語っている。「日本女子チームの何人かの選手は、中国選手に対して工夫と研究を重ね、試合で対戦するたびに新たな対策を立ててプレーし、或いはテストしてくる。日本選手のテクニックとボールの質は、明らかに以前よりも向上しているし、中国からより多くのコーチを招き、我々の戦術・技術についても理解を深めている」。

 中国女子は18日午後に湖北省黄石市に移動し、4月17日まで集合訓練を行う。4月13〜16日には男子チームが厦門市から移動し、男女合同でエキシビションマッチを開催する予定だ。ちなみに黄石市の訓練基地は、1987年に完成した中国の訓練基地の第1号。翌年に開催されたソウル五輪で中国チームの成績が伸び悩み、「縁起が悪い」と言われたこともあるが、2012年に施設がリニューアル。国家チームの練習拠点のひとつとして、存在感を示している。
  • 大器晩成か、ようやく存在感を示してきた陳夢

  • 王曼昱、同年代のライバルに差をつけた(ともに写真は17年ジャパンオープン)

 3月15〜17日、北京にある国家チームのトレーニングセンターで、4月29日〜5月6日にスウェーデン・ハルムスタッドで行われる世界選手権団体戦の代表選考会が行われた。男子の結果からお伝えします。

 今年1月、国際大会に派遣する選手の新しい選抜規定を発表した中国卓球協会。世界選手権団体戦の代表5名を選ぶ5つの選考基準のうち、「(1)17年世界選手権1〜3位から1名」「(2)17年全中国運動会1〜3位から1名」「(4)17−18中国スーパーリーグの通算成績1〜3位から1名」という3つの選考基準により、男子では馬龍・樊振東・許シンの3名が代表権を獲得した。(4)のスーパーリーグの成績による選考基準には、「国家チームの選手は除く」という注釈があったが、上位3名に国家チーム以外の選手が入ることはできなかったため、結果的には協会推薦枠に近い形になったようだ。

 そして男子代表選考会に出場したのは、梁靖崑・薛飛・周啓豪・閻安・林高遠・劉丁碩・周愷・王楚欽・周雨・方博。この10名の中で最終順位が1位になった選手と、21歳の周啓豪、20歳の劉丁碩、19歳の薛飛、17歳の王楚欽という「U-21(21歳以下)」の4名の中で一番順位が上の選手、計2名が代表権を獲得する方式だった。
 その結果、最終順位1位で代表権を獲得したのは林高遠。周雨に0−3、周啓豪に2−3で敗れたものの、リーグ終盤で勝負強さを見せ、7勝2敗で選考会を終えた。続く2位には王楚欽と梁靖崑が6勝3敗で並び、直接対決で3−1で勝利した王楚欽が2枚目の代表切符を手にした。2位で選考会を終えたことで、U-21の出場枠に頼らずとも代表権を獲得できる力があることを示した王楚欽。「自分をU-21の枠で出場している選手とは考えず、すべての選手と真っ向勝負をするつもりで戦い抜いた」と試合後に語った。

 馬龍・樊振東・許シン・林高遠・王楚欽という男子代表5名は、決まってみればベストに近いメンバー。一方、09年世界選手権から9大会連続で世界選手権代表に名を連ねてきた張継科は、代表選考会を欠場したことで10年ぶりに世界選手権代表の座を失うことになった。張継科自身は世界選手権が閉幕した5月以降に国際大会に復帰する意向を示しているが、世界ランキングはすでに70位(18年3月)まで下落しており、さらに下がることが予想される。

 中国男子チームは昨日18日、劉国正コーチとともにITTFワールドツアー・ドイツオープンに出場する馬龍・許シン・方博・于子洋という「ドイツ組」と、呉敬平コーチとともに福建省厦門市に入り、今回で16回目となる1カ月の集合訓練をスタートさせる「国内組」に別れて移動した。集合訓練に帯同するコーチ陣は、呉敬平・劉国正・王皓・馬峻峰・劉恒の5名で、世界選手権団体戦にもこの5名が帯同するという。総監督を辞任した劉国梁、そして昨年6月の「ボイコット事件」に加担した前男子監督の秦志戩、コーチの馬琳はチームを離れている。指導者として十分な実績を残した劉国梁はともかく、コーチとしてこれからが勝負だった秦志戩と馬琳。国家チームの指導の現場へ、復帰はかなうのだろうか。
  • 選考会1位で代表権を獲得した林高遠(写真は17年ワールドカップ)

  • 王楚欽は首脳陣の期待に応え、代表入り(写真は17年世界ジュニア)

 今日2月16日、国家男子チームの張継科が30歳の誕生日を迎えた。奇しくも今日は中国の旧正月「春節」の元旦(大年初一)に当たる日。春節の時期は年ごとに異なり、2017年は1月28日、2016年は2月8日が春節の元旦だった。偶然とはいえ、30歳の誕生日に元旦を重ねてくるあたり、さすが張継科。「持ってる」感じがする。

 スーパーリーグは今シーズンも欠場し、選手としての動向はほとんど伝えられない張継科。しかし、「緋聞(ゴシップ)」のほうは花盛りだ。1月に国家女子チーム元監督・孔令輝の長年の恋人として知られた馬蘇(マ・スー)との交際が取り沙汰され、この時は弁護士事務所を通じて「ただの友人」だと声明を出す騒ぎに。さらに今月に入って、ハリウッド進出も果たした若手のトップ女優・景甜(ジン・ティエン)のロケ現場を訪れ、車内での密会や「キス写真」まで撮られてしまった。12年ロンドン五輪では表彰台にキスをして、16年リオ五輪では感極まった劉国梁監督にキスされた張継科だが、今度のキスも話題性は金メダル級……というところ。

 ちなみに、今回の交際報道で「張継科ガールズ」たちの熱も冷めるかと思いきや、「張継科球迷会」の微博(マイクロブログ)は誕生日のしばらく前から大騒ぎ。例年どおり、中国の主要都市の新聞で広告欄を買い取り、張継科の誕生日のカウントダウン広告を掲載した。誕生日当日の広告に添えられた言葉は「三十而立(三十にして立つ)」。盲目的な行為とは裏腹に、キャッチフレーズを『論語』から持ってくるとはなかなかシブいが、学問の世界と違ってスポーツは年齢との戦いだ。

 2月15日には、春節の大晦日の恒例番組である『春晩』に他のスポーツ選手たちと出演した張継科。10歳の時に地元・青島市チームに入り、20歳の時に全中国選手権で優勝して頭角を現したが、30歳で迎える2018年はどのような年になるのか。4月の世界選手権団体戦の代表5人は、新しく発表された代表選考基準に照らし合わせると、張継科には代表選考会で3位以上に入らなければ代表入りの道はない。もう一度、あの抜群に勝負強いプレーを見てみたいが、奇跡の復活への道のりは年を追うごとに険しい。
  • 昨年の全中国運動会で、声援に応える張継科。場内が一気に沸いた

  • こちらは08年ジャパンオープンでのプレー。もう10年経ちました

☆2017−2018 中国卓球クラブスーパーリーグ 女子最終順位
1   武漢安心百分百     15勝3敗
2   山東魯能        14勝4敗
3   吉林長白山農商銀行   13勝5敗
4   深圳大学        13勝5敗
5   山東斉魯交通      9勝9敗
6   八一京博控股      8勝10敗
7   山西大土河・華東理工  8勝10敗
8   北京首鋼        6勝12敗
9   龍福環能        3勝15敗
10  四川穹窿先鋒      1勝17敗

 2017−2018女子スーパーリーグの最終順位は上記のとおり。昨シーズンの優勝クラブ・武漢安心百分百が、第17節で山東斉魯交通を下した時点で15勝2敗。2位の山東魯能(13勝4敗)に星ふたつの差をつけ、最終節を待たずに優勝を決めた。最終節で山東魯能が、劉詩ウェンが欠場した武漢に3−0で完勝したものの、時すでに遅し。

 優勝の立役者はなんといっても劉詩ウェン。シングルスは第7節で木子に1−3、第15節で陳夢に0−3で敗れたものの、27勝2敗(ダブルス1勝0敗)という圧巻の成績。ライバルの丁寧にも第5節と第14節で2連勝した。ダブルスは右利きの馮亜蘭と張瑞、左利きの銭天一と孫芸禎の4人で頻繁にペアを組み換え、成績も安定しなかったが、劉詩ウェンひとりの力で勝ち切ったシーズンだった。劉詩ウェンは優勝を決めた後、首から背中にかけて故障を抱え、チームドクターから鍼治療を受けながら試合に出場していたことを明かした。
 往年の天才少女も、今年4月で27歳。来るべき19年世界選手権個人戦や20年東京五輪で、未だ果たせぬビッグタイトル獲得を実現しようとするならば、スーパーリーグで疲弊(ひへい)してしまうのは避けたいところだが……。それが許されないチーム事情もある。

 2015年シーズンから女子スーパーリーグに参戦し、3シーズンで準優勝・優勝・優勝と抜群の成績を残している武漢。山西省女子チームを母体とする大同金地砿業から参戦権を買い取ったため、15年に参戦した当時は武楊・李暁丹という山西省チームの選手たちが主力だった。現在のチームはエースの劉詩ウェンは広東省チーム、銭天一は江蘇省チームの所属だが、馮亜蘭・張瑞・孫芸禎(山東省チームからレンタル移籍中)と湖北省チームの選手も多い。馮亜蘭は15年シーズンに北京首鋼でスーパーリーグ初Vの美酒を味わった後、3シーズン連続で優勝メンバーとなっている。

 2位以下は、朱雨玲を擁する山東魯能、王曼昱が単複で23勝を叩き出した吉林、陳夢と孫穎莎がツインエースの深圳大学という顔ぶれ。国家チームのトップ選手が在籍するこの4チームが「4強」で、他の6チームとの戦力差が大きかった。その中で、五輪女王の丁寧を擁しながら、8位に沈んだのは北京首鋼。15年シーズンは馮亜蘭という助っ人を得て久々の優勝を飾ったものの、ここ2シーズンは丁寧が孤軍奮闘。その丁寧も今シーズンは故障や発熱での欠場が多かった。チームの中堅としてプレーしてきた盛丹丹は、国家チームからの引退を発表。スーパーリーグでのプレーも今季限りということになれば、戦力的にはさらに厳しい中で来シーズンを迎える。
  • シングルスで27勝を挙げた劉詩ウェン(写真は15年プレーオフ)

★2017−2018 中国卓球クラブスーパーリーグ 男子最終順位
1   山東魏橋・向尚運動   14勝4敗
2   八一大商        12勝6敗
3   山東魯能        12勝6敗
4   覇州海潤        11勝7敗
5   天津権健        11勝7敗
6   深圳宝安明金海     10勝8敗
7   安徽朗坤        8勝10敗
8   上海中星        6勝12敗
9   江蘇中超電纜・利永   5勝13敗
10  四川長虹        1勝17敗

 2月10日、2017−2018シーズンの中国卓球クラブスーパーリーグ・男子は、第1ステージの最終節となる第18節が開催された。プレーオフが行われず、第1ステージの結果のみで順位を決定する今シーズン、山東魏橋・向尚運動が14勝6敗で単独トップとなり、初優勝を決めた。

 昨シーズンは馬龍・閻安・林高遠・薛飛というメンバーで優勝候補筆頭と言われながら、プレーオフ準決勝で覇州海潤に敗れて3位に終わった山東魏橋。今シーズンはエース馬龍が天津にレンタル移籍し、甲Aリーグの珠海索卡から左腕の夏易正(17年全中国運動会ベスト8)を補強したものの、大幅な戦力ダウンと見られていた。
 しかし、開幕から6連勝を飾ると、下位チームに取りこぼすことなく手堅く首位をキープ。優勝目前の第16節で山東魯能に0−3、第17節で八一大商に1−3と初の連敗を喫して足踏みが続いたが、最終節の対戦相手は最下位の四川長虹。万が一の事態に備え、エース林高遠を3番ダブルスと5番に配するオーダーで、3−0で勝利した。山東魯能時代に張継科らを育て、退職後に招かれて山東魏橋の指揮を執る尹霄(イン・シャオ)監督の存在も大きかった。

 2位の八一大商は、エース樊振東が敗れるとチームも敗れるという試合が多かった。最終の第18節では、樊振東が梁靖崑にストレートで敗れ、チームも1−3で敗れている。3位の山東魯能は方博・張超・劉吉康というメンバーで、順位は実力どおりか。そして馬龍の獲得で話題を集めた天津権健は、2番手であるカットの馬特もシングルス通算8勝5敗と健闘したものの、結局5位で今シーズンを終えている。
  • 山東魏橋を優勝に導いた林高遠(写真は15年シーズン)

★2017-2018中国卓球クラブスーパーリーグ 男子順位(第14節終了時点)
1   山東魏橋・向尚運動   12勝2敗
2   山東魯能        10勝4敗
3   八一大商        9勝5敗
4   覇州海潤        8勝6敗
4   天津権健        8勝6敗
6   深圳宝安明金海     7勝7敗
7   安徽朗坤        6勝8敗
7   上海中星        6勝8敗
9   江蘇中超電纜・利永   3勝11敗
10  四川長虹        1勝13敗

☆2017-2018中国卓球クラブスーパーリーグ 女子順位(第14節終了時点)
1   武漢安心百分百     13勝1敗
2   山東魯能        10勝4敗
3   吉林長白山農商銀行   9勝5敗
3   深圳大学        9勝5敗
5   山東斉魯交通交通    8勝6敗
6   八一京博控股      6勝8敗
6   北京首鋼        6勝8敗
8   山西大土河・華東理工  5勝9敗
9   龍福環能        3勝11敗
10  四川穹窿先鋒      1勝13敗

 2017-2018中国卓球クラブスーパーリーグは、男女とも第14節まで進行。今シーズンはプレーオフは行われず、この第1ステージ(全18節)の成績のみで順位を決定するが、第14節終了時点での順位は上記のようになっている。
 男子で首位に立っているのは、林高遠・閻安・薛飛・夏易正というメンバーの山東魏橋。第7節で山東魯能に1−3、第12節で上海中星に2−3で敗れたが、12勝2敗は立派な成績。エースの林高遠が17勝2敗と大活躍しているのに加え、対戦チームによって右シェークドライブの閻安、右ペンドライブの薛飛、左シェークドライブの夏易正の3選手でダブルスを組み換え、高い勝率を残しているのが大きい。2位の山東魯能に星ふたつの差をつけ、優勝へとひた走っている。

 女子はエース劉詩ウェンが21勝1敗と圧倒的な勝利を残している武漢安心百分百が首位で、次節の第15節にも優勝を決めそうな勢いだ。劉詩ウェンは第13節で王曼昱、第14節で丁寧という強敵をいずれもストレートで退け、チームを勝利に導いた。ちなみに武漢が唯一敗れたのは第7節の八一戦(1−3)で、劉詩ウェンが唯一黒星を喫したのもこの試合。木子に1−3で敗れている。男女の個人成績ランキング(通算勝利数)は下記のとおり。

★男子個人成績ランキング(通算勝利数)
1   馬龍(天津権健)       18勝3敗
2   林高遠(山東魏橋・向尚運動) 17勝2敗
3   樊振東(八一大商)      15勝4敗
4   方博(山東魯能)       15勝6敗
5   周啓豪(安徽朗坤)      15勝9敗
6   周雨(八一大商)       14勝9敗
7   尚坤(山東魯能)       14勝9敗
8   梁靖崑(覇州海潤)      13勝6敗
9   閻安(山東魏橋・向尚運動)  13勝6敗
10  許シン(上海中星)      12勝7敗

☆女子個人成績ランキング(通算勝利数)
1   劉詩ウェン(武漢安心百分百) 21勝1敗
2   王曼昱(吉林長白山農商銀行) 16勝4敗
3   李佳イ(龍福環能)      16勝9敗
4   丁寧(北京首鋼)       15勝4敗
5   王芸迪(深圳大学)      13勝4敗
6   朱雨玲(山東魯能)      13勝6敗
7   陳可(吉林長白山農商銀行)  13勝13敗
8   陳夢(深圳大学)       12勝7敗
9   馮亜蘭(武漢安心百分百)   11勝5敗
10  劉高陽(山東魯能)      11勝3敗
11  孫穎莎(深圳大学)      11勝7敗
12  陳幸同(山東斉魯交通)    11勝13敗
  • 山東魏橋を引っ張る林高遠

  • 圧巻の強さを見せる劉詩ウェン。優勝は目前だ

 1月24日、中国卓球協会は「2018年の中国卓球クラブリーグへの登録の実施について」という文書を発表した。
 スーパーリーグをトップリーグとして、その下に甲A・甲B・甲C・甲D・乙A・乙Bという下部リーグが存在するピラミッド構造の中国卓球クラブリーグ。今回は『中国卓球クラブリーグ登録管理法』に基づき、甲Aリーグは1月28日~4月1日、甲B・C・Dと乙Aリーグは1月28日〜3月1日という期間で、オンラインでのクラブ・監督・選手の登録を受けつける。

 この文書に添付されている『中国卓球クラブリーグ登録管理法』の内容を確認していくと、第19条に次のような一文がある。
 「中国卓球協会登録の選手以外では、香港、マカオ、チャイニーズタイペイの各協会登録の選手および海外の華僑・華人のみ、各クラブへの登録を認められる。上述の各協会の選手たちによるクラブへの登録人数に制限はないが、1試合に出場できるのは最大で2名までとする」

 昨年秋、平野美宇選手や石川佳純選手の「スーパーリーグ締め出し騒動」が起こった時、「甲Aリーグも来年から日本選手が出られなくなる」という一部での報道があった。今回の通知で、それが現実のものとなった。甲Aの下の甲Bや甲Cにも、多くの日本選手が出場していたが、それも今年から不可能になった。
 特に甲Aリーグからの海外選手の「締め出し」は、世界の卓球界に与える影響は小さくない。海外選手の参戦が進まなかったスーパーリーグに対し、甲Aリーグは2015年度には中国卓球協会以外の登録選手が37%を占めるなど、国際化が進行。日本からも伊藤美誠、神巧也、佐藤瞳、松澤茉里奈というトップ選手たちが登録されていた。甲Aはレベルの高い対戦相手との試合を、短期間で集中的にこなせるというメリットもあった。

 『中国卓球クラブリーグ登録管理法』では、第2条に「この管理法の適用範囲はスーパーリーグを除く各カテゴリーのクラブリーグ」と明記されている。現時点では、来シーズンのスーパーリーグで海外選手が締め出されるかどうかは定かではないが、果たしてどうなるのか。
  • 全日本の新女王・伊藤美誠は、昨年の甲A第2ステージで14戦全勝と大活躍

 日本では昨年10月に公開され、新垣結衣さんと瑛太さんのW主演でヒットを飛ばした卓球映画『ミックス。』。富田多満子役を演じた主演の新垣さんは、本日24日に第60回ブルーリボン賞で主演女優賞を受賞することが発表された。おめでとうございます!

 『ミックス。』は中国でも公開予定。そのまま中国語に訳すると『混合双打』という、ただの種目名みたいになってしまうので、中文題(中国語のタイトル)は『恋愛回旋』。「恋は巡る」みたいな感じでしょうか。新垣さんは中国でも人気があるそうなので、ぜひヒットしてもらいたい。
 
 そして、この『ミックス。』を自らの微博(ウェイボー/マイクロブログ)の中で取り上げているのが、92・96年五輪女子2連覇の小さな女王、鄧亜萍(デン・ヤピン)だ。下記のような文章とともに、『ミックス。』のポスターやビジュアルをアップして話題となった。
 「一部の卓球をテーマにした映画は、映画を通して卓球を理解できるだけでなく、あきらめずに夢を追いかけることの大切さを感じさせてくれる。これからは中国でも、より多くのスポーツをテーマにした映画が公開されるようになってほしい。そしてスポーツを宣伝すると同時に、スポーツマンシップの一要素である目標に向かって努力、奮闘するという精神を伝えていってほしいと思います」

 スポーツコメディの『ミックス。』とは少々ズレた文章なので、女王もまだ映画の内容は知らない様子。もちろん『ミックス。』も、「スポ根」の要素はゼロではないですが。
 映画『ミックス。』は、中国の人たちが見ても十分楽しめるはず。唯一気になるのは、作中で登場する中華料理店・楊楊苑の中国人店員、楊(蒼井優さん)&張(森崎博之さん)を見た時の「本場」の観客の反応。楊さんの「ラー油まいとけ!」という迷言は、戸口で塩を撒くという日本の風習を知らないと、何のことだかわからないかもしれない……。
  • 鄧亜萍の微博の投稿。映画の内容とはあまり関係ないです