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欧州リポート

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 11月20日に行われたドイツ杯選手権・準々決勝。大本命のデュッセルドルフは、ブンデスリーガで首位に立っているフリッケンハオゼンと対戦し、3-1で勝利。ドイツ杯選手権・準決勝へと駒を進めた。何も問題がないように思えるデュッセルドルフの進撃。しかし、デュッセルドルフが喫した失点1は、不動の大黒柱・ボル(ドイツ)の失点だった。ブンデスリーガでは7戦無敗のボル。文句なしにデュッセルドルフのエースなのだが、この日は2番手で出場。それが“事件”の伏線だったのだろうか。
 ボルに代わり、デュッセルドルフの1番手に抜擢されたのはズース。“ボルの相方”が馬文革をゲームオール13本で撃破、ボルにつなげた。バトンを受けとったボルは第1ゲームこそ2本で制したが、続く第2・3ゲームを9本で落とす。第4ゲームは取り返したが、ファイナルゲームを10本で落とし、まさかの黒星を喫した。
 “事件の当事者”になったのはドイツのシュテガー。世界選手権には03年パリ大会、05年上海大会、06年ブレーメン大会、07年ザグレブ大会に出場している。06年ブレーメン大会では、メダルがかかった準々決勝ロシア戦の3番で出場し、ゲームオールでスカチコフを下して準決勝進出を決めた男だ。今年のヨーロッパ選手権ではベスト16入りを果たしているが、それにしてもまさかボルに勝つとは…というのは素直な感想だ。

 準々決勝もうひとつの試合は、ブンデスリーガではここまで1勝で9位に甘んじているゲナンが3位グレンツァオを退ける波乱となった。王熹(中国)の2点獲りが光るが、2番で登場したフィルス(ドイツ)がブラシュチック(ポーランド)を倒したことが大きいだろう。

 これで準決勝進出チームが出揃った。準決勝に駒を進めたのは水谷所属のデュッセルドルフ(2位)、高木和卓所属のユーリッヒ(7位)、岸川所属のブレーメン(8位)、そしてゲナン(9位)。()内は11月20日までのブンデスリーガの順位だが、下位チームが3チームも残っていることがわかる。戦力的にもデュッセルドルフの本命は揺るがないが、絶対エースのボルが負けたようにまさかの結末が待っているかもしれない。
 準決勝・決勝は12月8日に行われる予定だ。

●準々決勝 ※左側のチームがホーム
11/19 [ゲナン 3-1 グレンツァオ]
王熹 6、11、4、6、9 張ユク
フィルス -4、-7、8、8、11 ブラシュチック
メンゲル -8、-6、-8 フェイヤー-コナート
王熹 7、-8、-8、7、8 張ユク

11/20[フリッケンハオゼン 1-3 デュッセルドルフ]
馬文革 -11、9、5、-5、-13 ズース
シュテガー -2、9、9、-9、10 ボル
トキッチ -5、-3、-10 コルベル
シュテガー -2、-7、-9 ズース

写真:まさかの敗戦を喫したボル(上/07世界選手権ザグレブ大会時)と大金星を挙げたシュテガー(下/06世界選手権ブレーメン大会時)

11/18 [ヴュルツブルグ 6-4 プリューダーハオゼン]
11/18 [デュッセルドルフ 6-1 グレンツァオ]
11/18 [オクセンハオゼン 5-5 フリッケンハオゼン]
※左側のチームがホーム


 11月18日にはドイツ・BL(ブンデスリーガ)で3試合が行われた。14日の試合でフルダ・マーバーツェルに完敗したヴュルツブルグは最下位のプリューダーハオゼンと対戦。エースの譚瑞午(クロアチア)と4番手チチェチニン(ベラルーシ)が単2勝ずつ挙げる活躍で、辛くもプリューダーハオゼンに勝利した。ヴュルツブルグに敗れ、今季7敗1分とドン底のプリューダーハオゼン。この日は05年世界ジュニア混合複準優勝の実績を持つペーテ(セルビア)を4番手で今季初起用。元ドイツ代表のカイナット(現スロバキア)を破ったが、ラストでチチェチニンに完敗し、引き分けに持ち込むことができなかった。

 水谷が所属しているデュッセルドルフは上位争いをしているライバル・グレンツァオと対戦。ITTFプロツアーに参戦していた水谷は出場しなかったが、ボル・ズース・オフチャロフ(以上ドイツ)・コルベル(チェコ)と圧倒的戦力を誇るデュッセルドルフが6-1でグレンツァオを圧倒した。これでデュッセルドルフは2位に返り咲き。

 首位・フリッケンハオゼンはオクセンハオゼンと引き分けた。ここまで単10勝3敗の成績で、首位を走るチームの原動力となっていた馬文革(中国)がクリサン(ルーマニア)と梁柱恩(中国香港)にともにゲームオール9本で敗れ、2番手のシュテガー(ドイツ)も2敗。厳しい戦いとなったが、9番でトキッチ(スロベニア)がゲームオールで勝利し、ラストにつなぐとバウム(ドイツ)もゲームオールでモンテイロ(ポーランド)を下し、苦しみながらも引き分けで勝ち点をゲットした。フリッケンハオゼンはこれで引き分けが3試合、対戦したオクセンハオゼンも4試合になり、どちらも引き分けが多いチーム。もちろん、勝ちきるだけの底力も欲しいところだが、どちらのチームも上位にいることから、ブンデスリーガではなんとか引き分けに持ち込んで、少しでも勝ち点を得ることもひとつのポイントになりそうだ。



11/18 オクセンハオゼン 5-5 フリッケンハオゼン
クリサン/イェレル -5、-9、5、8、-7 馬文革/バウムWIN
梁柱恩/モンテイロ 5、-3、11、-10、-6 シュテガー/トキッチWIN
WIN梁柱恩 -12、14、7、3 シュテガー
WINクリサン -5、-6、3、8、9 馬文革
WINイェレル 8、10、-9、10 バウム
モンテイロ 5、-4、10、-9、-9 トキッチWIN
WIN梁柱恩 -10、7、9、-7、9 馬文革
WINクリサン 10、6、-5、-5、6 シュテガー
イェレル 8、-2、-5、7、-7 トキッチWIN
モンテイロ -9、10、-7、9、-3 バウムWIN

写真上:今季初登場のペーテ(05世界ジュニア選手権時)
写真下:フリッケンハオゼンのバウム(05世界ジュニア選手権時)。オクセンハオゼン対フリッケンハオゼンは10試合中8試合がゲームオールの大激戦となった

現在の順位(11月18日終了時)
1位:フリッケンハオゼン(5勝3分)
2位:デュッセルドルフ(6勝2敗)
3位:グレンツァオ(6勝2敗)
4位:オクセンハオゼン(3勝1敗4分)
5位:フルダ・マーバーツェル(5勝3敗)
6位:ヴュルツブルグ(3勝3敗3分)
7位:ユーリッヒ(2勝3敗2分)
8位:ブレーメン(2勝6敗)
9位:ゲナン(1勝6敗1分)
10位:プリューダーハオゼン(7敗1分)

11/14 [フルダ・マーバーツェル 6-2 ヴュルツブルグ]
11/17 [ゲナン 4-6 フルダ・マーバーツェル]
※左側のチームがホーム


 ITTFプロツアー今季最終戦のスウェーデンオープン開催中の11月14日と17日、ドイツ・ブンデスリーガではフルダ・マーバーツェルの2連戦が組まれたが、ヴュルツブルグとゲナンを連破。連勝を4に伸ばした。

 14日には6位ヴュルツブルグと対戦。失点は2番ダブルスと4番ワルドナー(スウェーデン)の2つだけで、6-2でホームでの勝利を飾った。
 17日のゲナン戦ではスウェーデンオープンに参戦したパーソン(スウェーデン)を欠いたが、代役としてメン・チンユ(ドイツ)が今季初登場。5番ではメンゲル(ドイツ)に敗れたが、ラストでフィルス(ドイツ)を破り、勝利を決めた。

 フルダ・マーバーツェルに所属しているスーパースター・ワルドナーは現在シングルスで5勝8敗。今季初戦はボル(ドイツ)相手にゲームオールの9本と迫ったが、一時は3連敗を喫するなど成績が低迷していた。しかし、今月は2勝2敗とやや立て直してきた感がある。それに呼応するように、チームも4連勝で5位浮上と成績を上げてきている。



●ワルドナーのシングルス成績
11/14 対ヴュルツブルグ
ワルドナー -7、-9、7、-8 譚瑞午WIN
WINワルドナー 5、13、7 凌偉超

11/17 対ゲナン
ワルドナー 6、-7、-11、-9 王熹
WINワルドナー 3、8、5 ガブラス

写真:フルダ・マーバーツェルの2番手に起用されているワルドナー(04アテネ五輪時)

11/12 [ユーリッヒ 3-6 デュッセルドルフ]
11/12 [ブレーメン 6-4 プリューダーハオゼン]
11/12 [グレンツァオ 6-4 オクセンハオゼン]
11/13 [フリッケンハオゼン 6-0 ゲナン]
※左側のチームがホーム


 11月12~13日に、ドイツ・ブンデスリーガ第7節が行われた。6位ユーリッヒと4位デュッセルドルフの対戦は700人もの観客が入る大盛況。高木和vs.水谷の日本人対決はならなかったが、高木和がオフチャロフ(ドイツ)をストレートで敗る奮闘ぶり。ズース相手にもゲームオールと善戦した。しかし、地力に勝るデュッセルドルフが6-3で勝利した。デュッセルドルフの水谷はダブルスでは勝ったものの、シングルスではアポローニャに敗れ、なんとシングルスで5連敗。プロツアーにも参戦している水谷はややお疲れの様子か。

 岸川のブレーメン(現在9位)は最下位プリューダーハオゼンとの対戦。カラカセビッチ(セルビア)に2点獲りを許したが、ブレーメンは全員が1勝を挙げ、プリューダーハオゼンを総合力で上回った。岸川はカラカセビッチにはゲームオールで敗れたが、単複で1勝ずつ挙げてチームの勝利に貢献。ブレーメンは今季2勝目をマークした。

 12日に行われた試合で、一番の注目は現在2位のグレンツァオと3位オクセンハオゼンの対戦。首位のフリッケンハオゼンを追いかける上で、ここで立ち止まるわけにはいけない2チーム。2~5番で4連勝したグレンツァオに対し、オクセンハオゼンもジワリと迫る。グレンツァオの5-4で迎えたラストはパベルカ(チェコ)がボボチーカ(イタリア)を下し、グレンツァオが2位の座を守った。4番の張ユク対梁柱恩の中国香港対決がひとつのポイントとなったか。

 首位のフリッケンハオゼンは8位ゲナンと対戦。順位の差がそのまま表れたような試合で、6-0でフリッケンハオゼンがゲナンを圧倒。首位をがっちりキープ。



11/12 [ユーリッヒ 3-6 デュッセルドルフ]
ロスコフ/高木和 -10、7、9、-5、-7 コルベル/オフチャロフWIN
アポローニャ/フレイタス -8、-6、-9 ズース/水谷WIN
WINロスコフ -4、-4、9、5、10 オフチャロフ
高木和 -8、6、-4、10、-6 ズースWIN
WINアポローニャ 5、-10、8、2 水谷
コソウスキ -7、-8、-6 コルベルWIN
ロスコフ 7、-12、-12、11、-8 ズースWIN
WIN高木和 6、10、9 オフチャロフ
アポローニャ -6、6、8、-6、-9 コルベルWIN

写真:グレンツァオ対オクセンハオゼンで実現した張ユク(上)と梁柱恩(下)の中国香港対決は張ユクが勝利(06世界選手権ブレーメン大会時)

日本人選手の成績
●水谷隼
通算成績
シングルス:2勝6敗
ダブルス:4勝2敗

●高木和卓
通算成績
シングルス:5勝7敗
ダブルス:3勝4敗

●岸川聖也
11/12 [ブレーメン 6-4 プリューダーハオゼン]
WINケーン/岸川 6、10、10 カラカセビッチ/モリーン
岸川 7、-16、-3、9、-3 カラカセビッチWIN
WIN岸川 8、13、11 モリーン

通算成績
シングルス:8勝8敗
ダブルス:4勝3敗


現在の順位(11月13日終了時)
1位:フリッケンハオゼン(5勝2分)
2位:グレンツァオ(6勝1敗)
3位:デュッセルドルフ(5勝2敗)
4位:オクセンハオゼン(3勝1敗3分)
5位:ヴュルツブルグ(2勝2敗3分)
6位:ユーリッヒ(2勝2敗2分)
7位:フルダ・マーバーツェル(3勝3敗)
8位:ブレーメン(2勝6敗)
9位:ゲナン(1勝5敗1分)
10位:プリューダーハオゼン(1分6敗)

 ドイツ杯選手権準々決勝で日本人選手が活躍した。10月29日には高木和卓(東京アート)が所属しているユーリッヒがアウェイでオクセンハオゼンと対戦。ブンデスリーガで上位争いしているオクセンハオゼンが相手だったが、ロスコフが2点、高木和も1点を勝ち取り、見事に勝利した。高木和は2番で梁柱恩(世界ランキング56位/中国香港)を下した。
 11月6日にはブレーメンの岸川聖也(スヴェンソン)が登場。ヴュルツブルグ戦でエースとして起用され、トップで譚瑞午(クロアチア)を下し、期待に応えた。2番ケーン、3番ヒールシャーも勝利してブレーメンが準決勝進出を決めた。
 準々決勝の残り2試合は11月19日・20日に行われる予定。20日には水谷隼(青森山田高)所属のデュッセルドルフがホームでフリッケンハオゼンと対戦する。準決勝進出を決めた高木和、岸川に続くことができるだろうか。

●準々決勝 ※左側のチームがホーム
10/29 [オクセンハオゼン 2-3 ユーリッヒ]
クリサン -7、3、-9、-9 ロスコフ
梁柱恩 -7、5、-9、-9 高木和
イェレル 6、7、7 アポローニャ
クリサン -7、1、4、4 高木和
梁柱恩 9、-3、-9、-11 ロスコフ

11/6 [ヴュルツブルグ 0-3 ブレーメン]
譚瑞午 -5、-6、8、7、-5 岸川
カイナット 8、-6、10、-7、-11 ケーン
チチェチニン -7、-11、-6 ヒールシャー

写真:ドイツ杯選手権で準決勝進出を決めた高木和(上)と岸川(下)。ともに06年世界選手権ブレーメン大会時

 ドイツでは、リーグ戦で行われるブンデスリーガに加えて、トーナメント戦である「ドイツ杯選手権」も行われている。クラス別で争うブンデスリーガとは違い、ドイツ杯選手権は1部と2部のチームが同じトーナメントを戦うオープントーナメント。いわば、サッカーの「天皇杯全日本サッカー選手権大会」のような大会だ。とは言っても、1部チームはシードされており、まずは2部のチームが北部・南部にそれぞれ2ブロックに分かれて予選トーナメントを戦い、各ブロックの優勝チームが本選に進出。そして、本選からは1部チームが登場する。試合方式はECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)などと同じく、1チーム3人で5シングルスを戦う。

 2回戦までの結果は以下の通り。予選トーナメントを勝ち抜いてきた2部チームだったが、4チーム全てが1回戦で姿を消した。やはり1部の壁は厚いようだ。日本人選手が所属しているチームでは、高木和卓(東京アート)所属のユーリッヒ、岸川聖也(スヴェンソン)所属のブレーメンがともに準々決勝進出を決めている。また、準々決勝からは水谷隼(青森山田高)所属のデュッセルドルフも登場する。

●北部グループ1 決勝
8/25 [ベルリン 1-3 ジーク]
●北部グループ2 決勝
8/26 [ゲルマニア・ホルトハウゼン 0-3 シュヴァルベ・ベルグノイシュタッド]
●南部グループ1 決勝
8/25 [テーゲルンハイム 3-0 ヒルポルトシュタイン]
●南部グループ2 決勝
8/25 [シュタインハイム 2-3 ザールブリュッケン]

●本選1回戦
9/16 [フルダ・マーバーツェル 3-1 ジーク]
9/27 [ザールブリュッケン 1-3 ブレーメン]
9/12 [シュヴァルベ・ベルグノイシュタッド 0-3 ユーリッヒ]
9/26 [シュタインハイム 2-3 プリューダーハオゼン]
●2回戦
10/23 [フルダ・マーバーツェル 2-3 ユーリッヒ]
10/9 [ブレーメン 3-0 プリューダーハオゼン]
※左側のチームがホーム

写真:ブンデスリーガだけでなく、ドイツ杯選手権も戦う日本人3選手。上から水谷、岸川、高木和

 日本人選手の出場はないが、ここで女子1部の途中経過をご報告しよう。梅村礼(現・サンドナテーゼ)の活躍などで昨シーズン優勝を果たしたラングバイトだが、梅村をはじめチームの主力選手がバラバラになり今年は2部南部に参戦。王者がいなくなったことで1部はここまで三つ巴の様相。昨シーズン2~4位だったベルリン、ビューゼンバッハ、クロッパッハが負けなしの4連勝で首位の座を争っている。

 クロッパッハは今年の中国・超級リーグで23勝8敗と勝ち越し、チームの3位に大きく貢献した劉詩ブンと、李楠の中国籍選手2名と、昨季優勝のラングバイトからトート(ハンガリー)を獲得。劉詩ブンと李楠はまだ試合には出場していないが、トートは4勝1敗とチームに貢献している。
 ビューゼンバッハは高軍(アメリカ)、孫晋(中国)、パオビッチ(クロアチア)を補強。高軍、孫晋の出場はなく、パオビッチも3番手での出場にとどまっている。しかし、シャン・シャオナーが7戦全勝の活躍でチームを引っ張っている。ただ、1番手で起用されることの多いボージック(ドイツ)が3勝4敗と負け越しているのが気になる。
 大きな補強のないベルリンだが、桑亜嬋(中国香港)が6勝1敗、Ve.パブロビッチが5勝とエース二人が確実に勝ち星を積み重ねていることが勝利の要因。しかし、クロッパッハやビューゼンバッハに比べるとやや層が薄いか。

 一方で昨季6位だったトロイスドルフが大苦戦。5試合をこなしているが通算で2点しか奪えていない。それもそのはず、世界ランキングを持っている選手が一人もいないのだ。正直なところ、よく1部にいるなという印象を受ける。

写真上:クロッパッハのトート(05年世界選手権上海大会時)
写真中:ビューゼンバッハのボージック(06年世界選手権ブレーメン大会時)
写真下:ベルリンの桑亜嬋(05年世界選手権上海大会時)

現在の順位(11月4日終了時)
1位:クロッパッハ(4勝)
2位:ビューゼンバッハ(4勝)
3位:ベルリン(4勝)
4位:トステド(1勝3分)
5位:ホルスターハオゼン(2勝4敗)
6位:ボーリンゲン(1勝2敗1分)
7位:ザールルイ・フラウラウテルン(1勝3敗1分)
8位:バード・ドリブルグ(0勝3敗1分)
9位:ブレーメン(1勝6敗)
10位:トロイスドルフ(5敗)

10/28 [ゲナン 3-6 グレンツァオ]
10/28 [ヴュルツブルグ 5-5 フリッケンハオゼン]
10/28 [ブレーメン 2-6 デュッセルドルフ]
※左側のチームがホーム


 現在、シングルスで9勝3敗と高い勝率を誇っているフリッケンハオゼン・馬文革(中国)。10月28日のヴュルツブルグ戦ではダブルスでは敗れたが、シングルスは2勝。2番手トキッチ(セルビア)は単複全勝で、この二人で5点をもぎ取ったフリッケンハオゼン。バウム(ドイツ)とオーケストロム(スウェーデン)がシングルスで勝ち星を挙げられなかったために引き分けという結果に終わったが、4勝2分で首位キープ。

 そして、この日の注目はなんといっても岸川所属のブレーメン対水谷所属のデュッセルドルフ。残念ながら日本人対決は実現しなかったが、ケーン/岸川組がボル/ズース組をゲームオールにまで引き込んだ。あと一歩で大魚を逃した形になったが、世界有数のペアに対して大健闘したといえるだろう。
 なお、試合はボルが戻ってきたデュッセルドルフの圧勝。15・22日と2連敗したのが響いて現在は4位だが、まだまだ争覇圏内。しかし、水谷が絶不調。この日もヒールシャー(ドイツ)相手に敗戦。22日の試合からシングルスで3連敗中だ。
 一方の岸川は個人成績では勝率5割を保っているが、チームが1勝6敗で大きく負け越している。



10/28 ブレーメン 2-6 デュッセルドルフ
ヒールシャー/タマス -8、8、-5、-7 オフチャロフ/水谷WIN
ケーン/岸川 10、-5、-4、4、-9 ボル/ズースWIN
WINケーン 10、-6、9、9 ズース
岸川 -9、-5、-7 ボルWIN
WINヒールシャー 5、-9、-9、1、1 水谷
ノーラン -5、-3、-6 オフチャロフWIN
ケーン -5、-11、9、-2 ボルWIN
岸川 -3、5、6、-10、-8 ズースWIN

写真:プロツアーでは結果を残しはじめているが、ブンデスリーガではなかなか勝てない水谷(07インターハイ時)

日本人選手の成績
●水谷隼
通算成績
シングルス:2勝5敗
ダブルス:3勝2敗

●岸川聖也
通算成績
シングルス:7勝7敗
ダブルス:3勝3敗

現在の順位(10月28日終了時)
1位:フリッケンハオゼン(4勝2分)
2位:グレンツァオ(5勝1敗)
3位:オクセンハオゼン(3勝3分)
4位:デュッセルドルフ(4勝2敗)
5位:ヴュルツブルグ(2勝2敗3分)
6位:ユーリッヒ(2勝2敗2分)
7位:フルダ・マーバーツェル(3勝3敗)
8位:ゲナン(1勝4敗1分)
9位:ブレーメン(1勝6敗)
10位:プリューダーハオゼン(1分5敗)

 昨日5日、イタリア卓球チームと中国卓球チームとのフレンドリーマッチがイタリア・ミラノで開催された。

 現在、プロツアーでヨーロッパ遠征中の中国チームは、男子が王励勤、馬琳、王皓、馬龍とほぼベストのメンバー。女子も張怡寧・王楠・郭炎・范瑛という豪華メンバーを揃えた。
 一方のイタリアは男子がモンデロ、ボボチーカ、クロッティ、トマシ、女子がステファノバ、タン・ウェンリン、ワン・ユ、ティエン・ジン。女子チームはステファノバ以外はすべて中国系選手だ。また、女子チームのコーチとして、先月現役を引退したばかりのバトルフィ(ハンガリー)がベンチ入りした。

 試合は男女とも4シングルスで開催。00年世界団体選手権でヤン・ミンとともにイタリア男子3位入賞の原動力となったモンデロと若手のクロッティが1ゲームを奪ったものの、残る試合は女子も含めて、すべて中国チームの選手がストレート勝ちを収めた。
 しかし、イタリアも6月のフォルクスワーゲンオープン荻村杯でハオ帥を破ったボボチーカ、ヨーロッパ女子のエースに成長しつつあるステファノバと楽しみな若手が育っている。特に女子チームは北京五輪団体戦のダークホース、日本にとっても油断のならない相手だろう。

 このフレンドリーマッチが開催された背景には、今年4月にミラノのチャイナ・タウンで発生した中国系移民と警察との衝突事件がある。違反駐車の切符を切った警官に中国人の女性が反抗し、警察に連行されたことから住民の怒りが爆発し、激しい抗議デモに発展したものだ。この事件を受けて、イタリア卓球協会のシャニマニコ会長がフレンドリーマッチを企画し、なんと入場も無料にして、盛大に開催された。

Photo:イタリアチームのホープ、ボボチーカ(上)とステファノバ(下)

10/25 [オクセンハオゼン 5-5 ユーリッヒ]
10/27 [プリューダーハオゼン 4-6 フルダ・マーバーツェル]
※左側のチームがホーム


 前回勝利を収めた高木和卓が所属しているユーリッヒは10月25日、オクセンハオゼンと対戦した。オクセンハオゼンは梁柱恩(中国香港)とクリサン(ルーマニア)を中心としたメンバーだが、3・4番手のイェレル(スウェーデン)とモンテイロ(ポルトガル)も今季は勝ち越しており、総力戦で2位につけている。
 この日の高木和は気合いの入ったプレーで、ロスコフ(ドイツ)と組んだ1番ダブルスで梁柱恩/モンテイロ組をゲームオールで下す。この試合は第1ゲームからデュースになるなど白熱した展開だった。ロスコフ/高木和は第1ゲームを15-17で奪われたが、第2ゲームを9本で取り返し、第4・5ゲームを11本でしのぎきった。高木和は8番ではクリサンに敗れたが、3番では梁柱恩(世界ランク54位)を下す金星を挙げ、チームに貢献した。
 そして、ユーリッヒはロスコフが大活躍。4番でクリサンを退け、7番では梁柱恩に勝利し、単複で全勝。アウェイのユーリッヒだが5-2と王手をかけた。しかし、9・10番でアポローニャ、フレイタスがともにゲームオールでの惜敗。5-5の引き分けに終わった。
 実はユーリッヒのアポローニャは今季0勝5敗。03年世界ジュニア複準優勝、04年ヨーロッパユース選手権(ジュニア)複優勝の実績を持つ、このポルトガル人選手はダブルスでは勝ち越しており、チームに貢献しているといえる。しかし、シングルス5敗のうち、ゲームオールでの悔しい敗戦が2試合あるので、シングルスでのもう一踏ん張りを期待したい。

 ワルドナー、パーソン(ともにスウェーデン)がいるフルダ・マーバーツェルは27日、まだ勝ち星がないプリューダーハオゼンと対戦。ワルドナーが単複で1勝ずつ、3番手に下がったパーソンが単2勝挙げる活躍で勝利に貢献した。



10/25 オクセンハオゼン 5-5 ユーリッヒ
梁柱恩/モンテイロ 15、-9、10、-11、-11 ロスコフ/高木和WIN
WINクリサン/イェレル -6、-10、5、5、3 アポローニャ/フレイタス
梁柱恩 -11、-11、4、-9 高木和WIN
クリサン -5、8、-6、6、-5 ロスコフWIN
イェレル -8、7、-11、-5 フレイタスWIN
WINモンテイロ 10、4、6 アポローニャ
梁柱恩 -7、6、-5、-7 ロスコフWIN
WINクリサン -12、5、9、8 高木和
WINイェレル -3、7、8、-9、9 アポローニャ
WINモンテイロ -5、2、8、-9、7 フレイタス

写真:05年世界選手権上海大会出場時のアポローニャ。本選出場決定戦で高木和卓を破った

日本人選手の成績
●高木和卓
通算成績
シングルス:4勝6敗
ダブルス:3勝3敗

現在の順位(10月27日終了時)
1位:フリッケンハオゼン(4勝1分)
2位:オクセンハオゼン(3勝3分)
3位:グレンツァオ(4勝1敗)
4位:デュッセルドルフ(3勝2敗)
5位:ヴュルツブルグ(2勝2敗2分)
6位:ユーリッヒ(2勝2敗2分)
7位:フルダ・マーバーツェル(3勝3敗)
8位:ゲナン(1勝3敗1分)
9位:ブレーメン(1勝5敗)
10位:プリューダーハオゼン(1分5敗)