スマホ版に
戻る

欧州リポート

トップニュース欧州リポート
 ブンデスリーガ男子1部は第4節が行われ、及川瑞基(専修大)が出場。2部でも宇田幸矢(JOCエリートアカデミー/大原学園)が今シーズン初出場している。

【2018/2019 ドイツ・ブンデスリーガ】
男子1部
<オクセンハウゼン 3-1 ユーリッヒ>
○ゴーズィ 9、4、-5、9 アレグロ
○ディヤス 10、6、9 クレイン
 カルデラノ -9、-6、-12 デヴォス○
○ディヤス 9、9、-13、11 アレグロ

<ザールブリュッケン 3-2 ブレーメン>
○ヨルジッチ 7、-4、7、-9、3 ランビエ
 ザトウカ -3、-2、-7 シュテガー○
○フランチスカ -16、3、5、-9、3 ツボイ
 ヨルジッチ -9、-8、-9 シュテガー○
○フランチスカ/ラスムッセン 5、8、-6、-11、5 ツボイ/ランビエ

<フルダ・マーバーツェル 3-0 グレンツァオ>
○フィルス 9、6、-7、9 ゲラシメンコ
○王熹 5、8、8 アギーレ
○プツァル -9、8、4、8 ボボチーカ

<グリューンヴェッターズバッハ 3-2 ケーニヒスホーフェン>
 ワルサー -8、-8、-13 及川○
 チウ・ダン 6、10、-8、-7、-9 オルト○
○グナナセカラン 8、10、12 マジョロス
○トキッチ -7、-7、6、8、6 オルト
○グナナセカラン/チウ・ダン -11、7、2、11 及川/マジョロス
★及川瑞基通算成績:単3勝2敗/複0勝1敗

<ボルシア・デュッセルドルフ 3-2 ミュールハウゼン>
 K.カールソン -8、-9、6、-5 イオネスク○
○O.アサール 9、-8、-5、6、11 ヤンカリク
 シェルベリ -3、6、-9、-5 Da.ハベソーン○
○O.アサール 7、13、-9、11 イオネスク
○K.カールソン/シェルベリ 6、7、-10、6 Da.ハベソーン/ヤンカリク

男子2部
<ボルシア・ドルトムント 6-1 バート・ハム>
○ボトロフ/ファデーヴ -8、7、7、7 エロワ/宇田
○ミノ 9、-7、4、-4、7 宇田
★宇田幸矢通算成績:単0勝1敗/複0勝1敗
 ドイツ・ブンデスリーガに続き、スウェーデン・エリートリーグでも新シーズンが開幕。今シーズンは2シーズン目となる英田理志、そして初の海外リーグ参戦となる木造勇人の2人がプレーする。

【2018/2019 スウェーデン・エリートリーグ】
9月4日
<エースレーブ 4-1 ハルムスタッド>
 コシバ -4、5、8、-3、-9 木造○
○モアガルド 7、-5、-9、9、3 ジャーヴィス
○スゴウロポウロス -11、9、-9、13、4 ラーネフール
○モアガルド 5、-6、4、7 木造
○スゴウロポウロス -9、9、-9、6、6 ジャーヴィス
★木造勇人通算成績:1勝1敗

 昨シーズンのチャンピオンチーム、ハルムスタッドに加入した木造。デビュー戦は1番でコシバ(ハンガリー)を下すも、4番では世界ジュニア2位のモアガルド(スウェーデン)に敗戦。チームも1-4で敗れ、白星スタートとはいかなかった。ハルムスタッドはエースだったファルク(M.カールソン/スウェーデン)が今シーズンよりフランスのポントワーズに移籍。木造にはその穴を埋める活躍が期待される。
 各チームのラインナップを見てみると、中心は若手のモアガルドやラーネフールに、元世界選手権代表のスベンソンらスウェーデンの若手&中堅選手。徐輝はじめ中国選手も数名参戦している。また、タンビリヤベチャクル(タイ)、スゴウロポウロス(ギリシャ)、ジャーヴィス(イングランド)、チウ・リャン(ドイツ)ら地域を問わず海外からの若手選手の参戦が多いのも特徴。廖振珽(チャイニーズタイペイ)、O.アサール(エジプト)、アギーレ(パラグアイ)など、スウェーデンリーグでのプレーを経験し、ブンデスリーガでプレーする選手もここ最近目立っている。

写真提供(右):クリスチャン・ヘイドール
  • 木造、デビュー戦は1勝1敗(写真は2018前期日本リーグ)

  • ウルフ-ティッキャン・カールソン監督からアドバイスを受ける木造

 週末に2018/2019シーズンのブンデスリーガ1部の第2、3節が開催。日本選手では及川瑞基(専修大)が出場した。

【18/19 ドイツ・ブンデスリーガ男子1部】
8月31日
<ボルシア・デュッセルドルフ 3-1 グリューンヴェッターズバッハ>
○O.アサール -8、-1、11、9、7 トキッチ
 シェルベリ 14、-6、-8、-8 ワルサー○
○K.カールソン -7、9、11、-4、9 チウ・ダン
○O.アサール 10、5、3 ワルサー

<ケーニヒスホーフェン 3-2 グレンツァオ>
○オルト 6、9、7 ゲラシメンコ
○及川 10、-5、6、-3、5 リンド
 マジョロス -3、7、-9、3、-5 ボボチーカ○
 及川 -9、-8、10、3、-7 ゲラシメンコ○
○マジョロス/オルト 10、4、-6、8 ボボチーカ/リンド

<ブレーメン 3-2 フルダ・マーバーツェル>
 ツボイ -9、-3、-9 フィルス○
○シュテガー 7、9、5 王熹
 スッチ -8、-8、5、9、-6 プツァル○
○シュテガー 5、7、6 フィルス
○ツボイ/ランビエ 6、-11、-7、7、6 プツァル/メン・ファンボ

<オクセンハウゼン 3-2 ザールブリュッケン>
○ゴーズィ 4、9、-4、9 ヨルジッチ
 カルデラノ 9、-12、7、-8、-11 フランチスカ○
○フェガール 9、10、8 ラスムッセン
 ゴーズィ -8、11、-7、8、-5 フランチスカ○
○カルデラノ/フェガール 4、7、9 ヨルジッチ/ラスムッセン

9月1日
<ベルクノイシュタッド 3-1 ユーリッヒ>
 シドレンコ -8、-8、8、-9 デヴォス○
○ドゥダ 4、6、2 クレイン
○ロブレス -10、8、10、-10、8 アレグロ
○ドゥダ 5、7、7 デヴォス

9月2日
<ベルクノシュタッド 3-0 グレンツァオ>
○ドゥダ 5、4、7 リンド
○ドリンコール 8、-9、9、6 ゲラシメンコ
○ロブレス 5、7、8 ボボチーカ

<ボルシア・デュッセルドルフ 3-1 ザールブリュッケン>
 シェルベリ -7、-5、11、-6 フランチスカ○
○O.アサール 9、12、-9、4 ラスムッセン
○K.カールソン 7、-10、9、-9、7 ヨルジッチ
○O.アサール -8、-8、9、3、9 フランチスカ

<ブレーメン 3-1 グリューンヴェッターズバッハ>
 スッチ -10、4、-6、-11 グナナセカラン○
○シュテガー 8、9、8 トキッチ
○ツボイ 10、11、7 ワルサー
○シュテガー 6、-8、8、7 グナナセカラン

<フルダ・マーバーツェル 3-0 ケーニヒスホーフェン>
○王熹 8、4、-7、-9、9 オルト
○フィルス 6、9、7 マジョロス
○プツァル -7、5、5、7 及川
★及川瑞基通算成績:単2勝2敗

<ミュールハウゼン 3-1 オクセンハウゼン>
 Da.ハベソーン -7、-5、10、-10 カルデラノ○
○イオネスク 10、10、-9、7 ゴーズィ
○ヤンカリク -8、-17、9、8、6 フェガール
○Da.ハベソーン 4、9、12 ゴーズィ


 及川は2試合を戦い、シングルス1勝2敗。チームは第3節を終えた時点で2勝1敗で4位につけている。昨シーズンは10チーム中9位に終わったケーニヒスホーフェンだが、今シーズンは躍進なるか。現在の首位は5連覇中のボルシア・デュッセルドルフ。第2、3節ではボル(ドイツ)を温存しながら勝利と、充実の戦力で開幕3連勝を飾っている。
 2018/2019シーズンのブンデスリーガ男子1部が開幕。1部で2シーズン目を迎えた及川瑞基(専修大)が出場し、チームの勝利に貢献した。開幕戦は下記のような結果となった。

【2018/2019 ドイツ・ブンデスリーガ男子1部】
<ボルシア・デュッセルドルフ 3-2 フルダ・マーバーツェル>
 O.アサール -8、5、-8、9、-8 フィルス○
○ボル 8、7、5 王熹
○K.カールソン 5、-9、9、7 プツァル
 O.アサール 9、-9、9、-7、-4 王熹○
○K.カールソン/シェルベリ 7、6、-7、11 フィルス/プツァル

<グレンツァオ 3-1 ユーリッヒ>
○ボボチーカ 8、11、9、5 クレイン
○ゲラシメンコ -7、10、-10、5、7 アレグロ
 アギーレ -6、-6、7、-4 デヴォス○
○ゲラシメンコ 10、7、7 クレイン

<ミュールハウゼン 3-2 ベルクノイシュタッド>
 メンゲル -7、-5、-6 ドゥダ○
○イオネスク 6、-11、5、-4、8 ロブレス
○Da.ハベソーン 5、-9、6、-11、7 ドリンコール
 イオネスク 7、-2、-7、-5 ドゥダ○
○Da.ハベソーン/ヤンカリク 8、9、-6、6 ロブレス/ドリンコール

<オクセンハウゼン 3-2 グリューンヴェッターズバッハ>
 ゴーズィ -6、12、-7、-9 チウ・ダン○
 フェガール -10、-13、7、8、-9 ワルサー○
○ディヤス 9、9、8 トキッチ
○ゴーズィ 9、-4、6、-7、10 ワルサー
○フェガール/ディヤス 9、-7、-10、6、7 トキッチ/チウ・ダン

<ケーニヒスホーフェン 3-0 ブレーメン>
○オルト 8、7、9 シュテガー
○及川 2、5、-4、8 ツボイ
○マジョロス 10、-11、9、10 スッチ
★及川瑞基通算成績:1勝0敗


 2部からユーリッヒが昇格し、11チームで争われる今季のブンデスリーガ男子1部。試合方式も変更となり、5シングルスから4シングルス+ラストの1ダブルスで行われることとなった。
 及川はツボイ(ブラジル)に勝利し、シーズンを白星でスタート。初の1部挑戦となった昨シーズンは9勝17敗と大きく負け越してしまったが、今シーズンはどこまで勝利を重ねられるか。昨シーズンまでドイツでプレーした森薗政崇(岡山リベッツ)、村松雄斗(東京アート)が帰国し、今シーズン、ブンデスリーガ1部でプレーするのは及川のみとなったが、ドイツで存在感を見せてほしい。
  • 2年目の開幕を白星で飾った及川(写真は2018年インカレ)

 7月15日から24日まで、ルーマニア・クルジュ=ナポカで2018 STAGヨーロッパユース選手権が開催され、全14種目で優勝が争われた。各種目の入賞者は下記のとおり。

【ジュニア男子シングルス】
優勝:スゴウロポウロス(ギリシャ)
準優勝:モアガルド(スウェーデン)
3位:シポシュ(ルーマニア)、グレブネフ(ロシア)

【ジュニア男子ダブルス】
優勝:カツマン/グレブネフ(ロシア)
準優勝:ヤン・シンユ/ユ・ヒンハン(アゼルバイジャン)
3位:プレテア/ベルトラン(ルーマニア/フランス)、シポシュ/オプレア(ルーマニア)

【ジュニア男子団体】
優勝:フランス
準優勝:ロシア
3位:ルーマニア、ドイツ

【ジュニア女子シングルス】
優勝:ニン・チン(アゼルバイジャン)
準優勝:プライアン(ルーマニア)
3位:シェルベリ(スウェーデン)、ジロノワ(ロシア)

【ジュニア女子ダブルス】
優勝:コリシュ/ゴーチェ(ロシア/フランス)
準優勝:ニン・チン/チェン・シンタイ(アゼルバイジャン)
3位:スルジャン/ヨキッチ(セルビア)、プライアン/ジロノワ(ルーマニア/ロシア)

【ジュニア女子団体】
優勝:アゼルバイジャン
準優勝:ロシア
3位:フランス、ルーマニア

【ジュニア混合ダブルス】
優勝:ロラン/ゴーチェ(フランス)
準優勝:クルツィツキ/ウェグリズン(ポーランド)
3位:グレブネフ/マリニナ(ロシア)、デノドレスト/ルッツ(フランス)

【カデット男子シングルス】
優勝:キュビク(ポーランド)
準優勝:サビー(フランス)
3位:ベリク(チェコ)、ホッロ(ドイツ)

【カデット男子ダブルス】
優勝:キュビク/バン(ポーランド/クロアチア)
準優勝:トミカ/モヴィランヌ(ルーマニア)
3位:サビー/ラコトアリマナナ(フランス)、クライバー/デリンカク(スロバキア)

【カデット男子団体】
優勝:フランス
準優勝:ベルギー
3位:ロシア、ポーランド

【カデット女子シングルス】
優勝:ザハリア(ルーマニア)
準優勝:アブラミアン(ロシア)
3位:パヴァデ(フランス)、ムスカントル(スウェーデン)

【カデット女子ダブルス】
優勝:パヴァデ/ショミス(フランス)
準優勝:アブラミアン/テントセル(ロシア)
3位:トミニャク/ベゼク(セルビア)、アラポビッチ/ザデロバ(クロアチア/チェコ)

【カデット女子団体】
優勝:ルーマニア
準優勝:ロシア
3位:セルビア、フランス

【カデット混合ダブルス】
優勝:プッポ/スラウティナ(イタリア/ロシア)
準優勝:ラコトアリマナナ/パヴァデ(フランス)
3位:スタルザー/ザデロバ(チェコ)、トミカ/ザハリア(ルーマニア)


 ジュニア男子シングルスでは昨年優勝のスゴウロポウロスが、スウェーデンリーグ・エースレーブの同僚でもある世界ジュニア2位・モアガルドをフルゲームの末に下して2連覇達成。上背はさほど高くないが、筋骨隆々の体格のスゴウロポウロス。体格だけ聞くとギリシャの先輩、クレアンガのようなプレーをイメージしそうだが、前陣で堅いブロックと安定したフォアドライブが武器の堅実派。クレアンガ、ギオニス以降、なかなか若手の現れないギリシャにとっては、このスゴウロポウロスは久々に現れた期待の新星だ。

 ジュニア女子シングルスでもアゼルバイジャンのニン・チンが大会2連覇。ニン・チンは女子団体ではアゼルバイジャンを初優勝に導き、ジュニア女子ダブルスでも準優勝と3冠にこそ届かなかったものの大会の主役とも言える大活躍。カスピ海に面し、北はロシア、南はイランと国境を接する南コーカサスの1国であるアゼルバイジャン。これまで卓球で話題に上がることはほとんどなかった国家だが、ここ数年で中国からジュニア世代の選手が移住し、2015年からITTFジュニアサーキットに出場。自国だけでなく中国での合宿も行いながら強化を図っており、出場数こそ少ないがジュニアサーキットでは度々上位に顔を出すようになっている。これまで卓球界では無名だったアゼルバイジャンがヨーロッパを席巻する日も近いかもしれない。

写真提供:ITTF
  • ジュニア男子シングルスV2のスゴウロポウロス

  • ジュニア女子2冠のニン・チン

 昨日は男子ヨーロッパチャンピオンズリーグのグループリーグのドローと各チームのラインナップを紹介したが、本日は女子のドロー&ラインナップを紹介していこう。

【2018/2019 ヨーロッパチャンピオンズリーグ】
※選手名は主な登録選手
★グループA
●Dr.チャッスル(クロアチア)
→杜凱琹、ユ・フ、リー・ジエ、フー・メレク、倪夏蓮、劉高陽
●メス(フランス)
→シャスラン、ディアコヌ、グルンディシュ、呉佳多
●ブダオルシ(ハンガリー)
→ロバシュ、ペルゲル

★グループB
●ベルリン・イーストサイド(ドイツ)
→エクホルム、ポータ、シャン・シャオナ、ミッテルハム、顧玉婷
●クレールフォンテーヌ(フランス)
→ドルギフ、シャオ・ジエニ、マテロバ
●カルタヘナ(スペイン)
→エルデリー、シャオ・マリア

★グループC
●AGフロシュベルグ(オーストリア)
→ベリストロム、ポルカノバ、蘇慧音、浜本由惟
●セント・クエンティン(フランス)
→ミハイロワ、チャン・モー、ザリフ
●スポルティング(ポルトガル)
→リー・フェン、バーテル、モンテイロ-ドデアン

★グループD
●タルノブジェク(ポーランド)
→ハン・イン、リー・チェン、Vi.パブロビッチ、サマラ、顧若辰
●ホドーニン(チェコ)
→パルティカ、バチェノフスカ
●LZフロシュベルグ(オーストリア)
→ホ・ティンティン、ウー・ユエ、バルテュシテ


 グループAの注目は、昨シーズン、クロアチアクラブ初のECL制覇を果たしたDr.チャッスル。優勝メンバーの杜凱琹(香港)、ユ・フ(ポルトガル)、リー・ジエ(オランダ)に、昨シーズン準優勝のバシャクシェヒル(今季はECL不出場)からフー・メレク(トルコ)が加入。さらに2014年ユース五輪金メダルの劉高陽(中国)、加えて昨シーズンのETTUカップ(ECLの下のヨーロッパリーグ)王者のギルバウ・ヴィック(スペイン)から御年55歳の倪夏蓮(ルクセンブルク)も移籍。圧倒的な戦力で連覇を狙っている。Dr.チャッスルには昨シーズン、元中国代表のペン粒・周昕彤が在籍。今シーズンも元中国代表のペン粒・倪夏蓮が在籍するということで、ペン粒プレーヤーにとっては何とも魅力的なチームとなっている。
 
 昨シーズン、王座を空け渡したグループBのベルリン・イーストサイドもV奪還に向けて世界ランキング25位のエクホルム(スウェーデン)と元世界ジュニア2位でワールドツアーでも実績を残している顧玉婷(中国)と契約。P.ゾルヤ(ドイツ)がチームを去ったが、グループ内では頭ひとつ抜けた戦力と言えるだろう。

 グループCのAGフロシュベルグには日本から浜本由惟、さらに蘇慧音(香港)が加入。スポルティングは男女揃ってのECL参戦。メンバーはベテランのリー・フェン(スウェーデン)に、ポルトガル男子代表の奥様2人。モンテイロの奥様・モンテイロ-ドデアン(ルーマニア)、アポロニア(ポルトガル)の奥様で元ドイツ代表のバーテルとECL初出場だが、実績あるメンバーが揃った。

 グループDは第2シードのタルノブジェクも豪華かつ個性的なラインナップ。ハン・イン(ドイツ)、リー・チェン(ポーランド)、Vi.パブロビッチ(ベラルーシ)のカット3枚に、左腕のサマラ(ルーマニア)、今シーズンより中国代表として国際大会にも数多く出場している顧若辰も加わった。
 ちなみにグループDにも「フロシュベルグ」なるチームがいるが、このチームはグループCのAGフロシュベルグの姉妹チーム。母体は同じで、こちらのLZフロシュベルクはユース世代の育成チームのような形で運営されているが、昨シーズンはオーストリアリーグで姉貴分のAGフロシュベルグに次ぐ2位となっている。
 
  • 55歳で欧州NO.1クラブに移籍の倪夏蓮。脱帽です

  • ユース五輪金の劉高陽もECL参戦

  • エクホルムはドイツの強豪ベルリン・イーストサイドへ

  • 伸び盛りの蘇慧音はAGフロシュベルクに加入

 ボルシア・デュッセルドルフ(ドイツ)の7シーズンぶり11度目の優勝で幕を閉じた2017/2018シーズンの男子ヨーロッパチャンピオンズリーグ。9月末から始まる2018/2019年シーズンに向けて、グループリーグのドロー、そして各チームのラインナップが発表された。

【2018/2019 ヨーロッパチャンピオンズリーグ】
※選手名は主な登録選手
★グループA
●ボルシア・デュッセルドルフ(ドイツ)
→ボル、K.カールソン、シェルベリ、O.アサール、アチャンタ
●ポントワーズ(フランス)
→M.カールソン、フロール、バウム、アックズ
●スポルティング(ポルトガル)
→アルナ、モンテイロ、カルバリョ
●オストラヴァ2016(チェコ)
→コルベル、トレグラー、オリバレス

★グループB
●UMMC(ロシア)
→ガチーナ、シバエフ、方博、グルーツ
●ジャルドヴォ(ポーランド)
→ワン・ヤン、黄鎮廷、フェルティコウスキー、高木和卓
●ロマーニュ(フランス)
→陳天元、クリサン、ゴラク
●ウォルターヴェルス(オーストリア)
→コズル、シューディ、朴康賢

★グループC
●ザールブリュッケン(ドイツ)
→フランチスカ、ヨルジッチ、ポランスキー、廖振珽
●ボゴリア(ポーランド)
→ギオニス、シルチェク、バドウスキー、吉田海偉
●アンジェ(フランス)
→ジェラルド、ヨン・パーソン、ルンクイスト
●ロスキレ(デンマーク)
→メイス、ベンツェン、ツァイ・ユージア、ラカトシュ

★グループD
●オレンブルク(ロシア)
→オフチャロフ、サムソノフ、フレイタス、閣安
●エンヌボン(フランス)
→ピチフォード、ニュイティンク、Q.ロビノ
●ミュールハウゼン(ドイツ)
→Da.ハベソーン、メンゲル、ヤンカリク、イオネスク
●エースレーブ(スウェーデン)
→徐輝、T.モアガルド、スゴウロポウロス

 まずはグループAから。少し前に欧州リポートでも紹介したが、昨シーズンの王者、ボルシア・デュッセルドルフはフェガール(オーストリア)が移籍し、アチャンタ(インド)とO.アサール(エジプト)が加入し連覇を狙う。そのボルシア・デュッセルドルフを追うのがポルトガルクラブ初のECL勝利から3位に駆け上がったスポルティングと、2013/2014、2015/2016シーズンのECL王者・ポントワーズ。スポルティングは昨シーズン同様にアルナ(ナイジェリア)、モンテイロ(ポルトガル)の2人が主力。チームの躍進は3番手のカルバリョ(ポルトガル)の頑張りにかかっている。ポントワーズは大黒柱のフレイタス(ポルトガル)がオレンブルクへ移籍。代わりにM.カールソン(スウェーデン)とバウム(ドイツ)が加入した。ちなみに同グループのオストラヴァ2016には96年バルセロナ五輪4位のコルベル(チェコ)が監督兼選手として在籍している。

 続いてグループB。昨シーズン吉村真晴(名古屋ダイハツ)が在籍していたUMMCは2シーズンぶりに15年世界選手権2位の方博(中国)が復帰。さらにドイツのフルダ・マーバーツェルからグルーツ(デンマーク)が移籍し戦力充実。脇を固めるシバエフ(ロシア)、ガチーナ(クロアチア)も強力で上位進出が期待できる。昨シーズン、破竹の勢いでフランス・プロAで初優勝を飾ったロマーニュは、エース格のウェイ・シハオ(中国)が抜け、戦力ダウン。昨シーズンは松平健太(木下グループ)が所属したジャルドヴォには今シーズン、高木和卓(東京アート)が所属する。

 グループCのボゴリアには吉田海偉(東京アート)がポーランドリーグ内のライバルであるグルジョンツから移籍し、ECLに参戦。ザールブリュッケンはポランスキー(チェコ)、ヨルジッチ(スロベニア)、プレテア(ルーマニア)、廖振珽(チャイニーズタイペイ)と若手有望株が大量に加入。エースのフランチスカ(ドイツ)をフォローし、チームに勢いをつけたい。昨シーズンはメイス(デンマーク)の電撃復帰で下馬評を覆してベスト8に勝ち上がったロスキレはラカトシュ(ハンガリー)が加入した以外はラインナップの大きな変更はなし。グループ突破は若手のツァイ・ユージア(デンマーク)の頑張り次第か。アンジェはブンデスリーガ・オクセンハウゼンからジェラルド(ポルトガル)が加入して戦力アップ。エースとして期待される。

 最後はグループD。昨シーズン準優勝のオレンブルクは水谷隼(木下グループ)が抜けたが、代役としてフレイタスを獲得。オフチャロフ(ドイツ)、サムソノフ(ベラルーシ)にフレイタスの布陣はまさにヨーロッパのオールスターチーム。さらに2013年世界選手権ベスト8の閣安(中国)も登録されており、その戦力は他のチームと一線を画す。エンヌボンはエースのピチフォード(イングランド)にニュイティンク(ベルギー)、Q.ロビノ(フランス)と欧州の中堅を揃えトーナメント進出を目指す。グループDではエースレーブも面白い存在。大黒柱の徐輝(中国)に昨年の世界ジュニア準優勝のT.モアガルド(スウェーデン)、昨年のヨーロッパジュニア王者のスゴウロポウロス(ギリシャ)に、中国出身の21歳、チャン・フージョウのラインナップ。2015/2016シーズン準優勝時のような番狂わせを巻き起こせるか。
  • オレンブルクに移籍のフレイタス。水谷の穴を埋められるか

  • 13年世界選手権ベスト8の閣安もオレンブルクでエントリー

  • 2シーズンぶりにUMMCから出場の方博

  • 吉田海偉はボゴリアへ移籍しECL参戦

 6月15〜17日にロシア・プレミアリーグの第4ラウンドが開催され、水谷隼(木下グループ)の所属するオレンブルクが優勝。吉村真晴(名古屋ダイハツ)所属のUMMCは準優勝となった。

【2017/18 ロシア・プレミアリーグ 第4ラウンド】
※日本選手出場試合のみ掲載
6月15日
<UMMC 3-0 CSTA>
○ウラソフ 8、-7、7、7 パンチェンコ
○ガチーナ 6、4、2 シュメレフ
○吉村 7、2、7 イリヤ

<オレンブルク 3-0 UMMC-ELEM>
○サムソノフ 5、6、6 キセレフ
○水谷 7、4、5 アブセフ
○リヴェンツォフ 7、6、7 シュベッツ

6月16日
<UMMC 3-2 ハイドロメット>
 吉村 -8、-8、-5 シドレンコ○
○ガチーナ -6、-7、9、4、1 ニクリン
○ウラソフ -6、7、9、-10、5 アルテメンコ
 ガチーナ -7、-8、-6 シドレンコ○
○吉村 2、-10、4、5 ニクリン

<オレンブルク 3-1 スパルタ>
○水谷 8、4、8 ムティグリン
○サムソノフ 7、5、5 メルズリキン
 リヴェンツォフ -9、-4、5、-5 シュコフ○
○水谷 -10、7、5、6 メルズリキン

<オレンブルク 3-0 リュマール>
○水谷 8、10、6 バルディン
○リヴェンツォフ 9、3、4 ドミトリエフ
○オフチャロフ 10、7、6 フィルチェフ

6月17日
<UMMC 3-2 オレンブルク>
 ウラソフ -5、-7、-6 水谷○
○ガチーナ 5、3、-10、7 リヴェンツォフ
 吉村 -7、3、-7、-9 サムソノフ○
○ウラソフ -5、10、7、10 リヴェンツォフ
○ガチーナ -7、10、7、9 水谷


 ロシア・プレミアリーグは全12チームが総当たりで2度ずつ対戦し、優勝を決める。水谷所属のオレンブルク、吉村所属のUMMCともにリーグ内では抜けた存在。2回目の対戦となった第4ラウンドの最終戦でUMMCがオレンブルクから3-2で勝利を奪い、通算21勝1敗で並んだが、1回目の対決ではオレンブルクが3-0でUMMCに勝利しており、2回目の対戦の1番で水谷がウラソフ(ロシア)を破った時点でオレンブルクの優勝が決まった。
 ボルシア・デュッセルドルフの5連覇で幕を閉じた2017/18シーズンのドイツ・ブンデスリーガ。今シーズンは10チームで争われていた男子1部だが、2部からユーリッヒが昇格し、来シーズンは11チームで優勝を争う。シーズンが終わったばかりだが、次シーズンに向けてどのチームも続々とラインナップを発表している。

 チャンピオンのボルシア・デュッセルドルフはフェガール(オーストリア)がライバルチームのオクセンハウゼンに移籍。その代わりにO.アサール(エジプト)が加入し、アチャンタ(インド)が2シーズンぶりに復帰となった。オクセンハウゼンには韓国の張禹珍も加わるが、村松雄斗(東京アート)が日本へ戻り、ジェラルド(ポルトガル)はフランス・プロAのアンジェへ移籍することとなった。
 今シーズン3位のザールブリュッケンは大幅にメンバーが入れ替わった。アポロニア(ポルトガル)、トキッチ(スロベニア)、バウム(ドイツ)の3人が移籍、ヨルジッチ(スロベニア)、ポランスキー(チェコ)、廖振珽(チャイニーズタイペイ)と若手3選手が新加入し、新たなスタートを切る。ザールブリュッケンと同じく3選手が加入したのがグレンツァオ。エースのコウ・レイ(ウクライナ)がチームを離れる代わりにベテランのボボチーカ(イタリア)に、15歳で北京五輪に出場したアギーレ(パラグアイ)、センスが光る19歳のリンド(デンマーク)と契約を結んだ。今シーズンは森薗政崇(FPC)、村松雄斗、及川瑞基(専修大)が1部でプレーしていたが、来シーズンプレーするのは及川ひとりのみとなった。


【2018/19 ドイツ・ブンデスリーガ男子1部ラインナップ】
(6月13日現在)※★は新加入選手

●デュッセルドルフ
ボル(ドイツ)、K.カールソン(スウェーデン)、シェルベリ(スウェーデン)、★O.アサール(エジプト)、★アチャンタ(インド)

●オクセンハウゼン
ゴーズィ(フランス)、カルデラノ(ブラジル)、ディヤス(ポーランド)、★フェガール(オーストリア)、★張禹珍(韓国)

●ザールブリュッケン
フランチスカ(ドイツ)、★ポランスキー(チェコ)、★ヨルジッチ(スロベニア)、★廖振珽(チャイニーズタイペイ)

●フルダ・マーバーツェル
王熹(ドイツ)、フィルス(ドイツ)、★プツァル(クロアチア)

●ブレーメン
シュテガー(ドイツ)、スッチ(ルーマニア)、ランビエ(ベルギー)、★ツボイ(ブラジル)

●ミュールハウゼン
イオネスク(ルーマニア)、Da.ハベソーン(オーストリア)、ヤンカリク(チェコ)、★メンゲル(ドイツ)

●グリューンヴェッターズバッハ
ワルサー(ドイツ)、チウ・ダン(ドイツ)、★トキッチ(スロベニア)、★グナナセカラン(インド)

●ベルクノイシュタッド
ドゥダ(ドイツ)、ロブレス(スペイン)、★ドリンコール(イングランド)、★ヤン・レイ(中国)

●ケーニヒスホーフェン
及川瑞基(日本)、オルト(ドイツ)、ゼリコ(クロアチア)、★マジョロス(ハンガリー)

●グレンツァオ
ゲラシメンコ(カザフスタン)、★ボボチーカ(イタリア)、★リンド(デンマーク)、★アギーレ(パラグアイ)

●ユーリッヒ
アレグロ(ベルギー)、★デヴォス(ベルギー)、★クレイン(ドイツ)
  • ボルシア・デュッセルドルフに移籍のO.アサール。先日の世界選手権ではボルを破った

  • オクセンハウゼンは張禹珍が加入し、15年ぶりの優勝を目指す

 2017/2018シーズンのブンデスリーガ男子はプレーオフ決勝が行われ、ボルシア・デュッセルドルフとオクセンハウゼンが対戦。3-1でボルシア・デュッセルドルフが勝利し、5連覇を決めた。

【2017/2018 ドイツ・ブンデスリーガ】
男子1部プレーオフ決勝
<ボルシア・デュッセルドルフ 3-1 オクセンハウゼン>
 フェガール 10、-8、-8、-7 カルデラノ○
○ボル 7、6、7 ゴーズィ
○K.カールソン -8、-8、1、4、6 ジェラルド
○ボル 6、13、17 カルデラノ


 ボルシア・デュッセルドルフは1番でフェガールがカルデラノに敗れたが、2番でボルがゴーズィに完勝。3番のK.カールソンも2ゲームを先取されながら、逆転でジェラルドを下すと、4番でボルが競り合いながらカルデラノにストレートで勝利。5シーズン連続のブンデスリーガ優勝を決めた。優勝の立役者・ボルはプレーオフ準決勝1、2戦目でも2勝ずつをあげる活躍で決勝でも2得点。2週間前に行われたヨーロッパチャンピオンズリーグ決勝でも2試合で4勝をあげて、チームの優勝に貢献。エースとしてフル回転でチームを栄冠に導いた。
 ボルシア・デュッセルドルフはドイツカップ、ヨーロッパチャンピオンズリーグに続き、ブンデスリーガも制して3冠達成と、最高のシーズンとなった。


写真提供:マンフレッド・シリング
  • この日も強かったボル。2勝をあげる活躍

  • カルデラノは食らいついたが及ばず

  • 殊勲の勝利を上げたK.カールソン

  • ジェラルドは2ゲームを先取したが逆転負け

  • 37歳、ボルが飛ぶ!

  • 5年連続のブンデスリーガ制覇

  • シーズン3冠を達成したボルシア・デュッセルドルフ