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中国リポート

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 3月30日に閉幕したITTFワールドツアー・ドイツオープン。男子ダブルスを制した王皓/呂翔ペアは、なかなか感慨深いペアリングだ。
 ひと昔、いやふた昔前の「王/呂」ペアといえば、92年バルセロナ五輪男子複金メダリストの王涛/呂林ペア。王涛のバック表ソフトのクセ球と広角打法、呂林の馬力のあるフォアドライブが噛み合ったナイスコンビだった。呂林は韓国選手のコピープレーヤーで、桧単板のラケットを使用した右日本式ペンホルダードライブ型。96年に現役を退き、現在は浙江省体育局・副局長の要職にある。

 そして、今回王皓とペアを組んで優勝した呂翔は、その呂林の息子さん。1996年8月9日生まれの17歳。6歳で卓球を始め、2010年に浙江省チームの一員として全中国選手権に出場。試合を観ていた王涛が呂林にこう話したという。「いいボールセンスをしている、うちのチームに連れて帰りたいくらいだ」。
 ちなみにプレースタイルは左シェークドライブ型で、憧れの選手は父親……ではなく同じ戦型の陳杞。ドイツオープンの男子シングルスでは、クリサン(ルーマニア)を破ったが、同じ左シェークドライブ型のイェレル(スウェーデン)に敗れている。

 日本式ペンドライブ型の父を持つ呂翔が、裏面打法のパイオニア・王皓とペアを組み、つかみ取った栄冠。中国卓球界でも、親子二代で選手として活躍した選手は非常に珍しいが、今後の成長に注目だ。
  • 父にソックリ? 11年成都ジュニアオープンでの呂翔(写真提供:ITTF)