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2016世界ジュニア選手権大会速報

女子ダブルス2回戦で中国の劉煒珊/孫芸禎に敗れた平野美宇/伊藤美誠。14年ドイツオープンでのワールドツアー史上最年少優勝、14年ワールドツアー・グランドファイナルでの優勝など、多くの実績を残してきた平野美宇/伊藤美誠の「みうみま」ペア。

しかし、2016年のふたりの成績は、1月に出場した全日本選手権で桒村/粟屋(龍谷大)に初戦敗退。そして伊藤がリオ五輪に出場するため、一時的にペアを解消。今年9月から再び練習を再開したが、9月のアジアジュニア選手権では初戦となる2回戦で中国の石洵瑶/袁媛にストレート負け。そして今回も、劉煒珊/孫芸禎(中国)に初戦敗退を喫した。

「ダブルスだけ考えたら、ちょっと落ちているのかなと。合宿中も3日くらいの練習で足りなかったし、全体的にまとまっていない。弱くなっているというか……難しいですね。練習していないのもあるけれど、シングルスではお互い確実に強くなっているのに、ダブルスではまとまっていない。いろいろできすぎて、いろいろやってしまう感じです。それがミスにつながってしまう。前はできない分、やれることを徹底的にやって、ある意味では安定していたんです。でも今はいろいろやりすぎる。得点があったとしても、それがパターンとして良いのかわからなくて、しっくりこない」(伊藤)
「前組んでいた時から期間が空いて、そのせいにしたらダメなんですけど、前のほうがいろいろできない部分をカバーできていたのに、個々の力がついて逆にバラバラになっている感じがある。前のほうがダブルスという感じがします」(平野)。

確かに現在のふたりのプレーは、相手のボールがどこに来ても先に攻めていけるし、厳しいコースを突いていける。しかし、時にそれが相手の厳しい返球を呼び、結果的に良い展開にならない時も多い。前々回の2014年上海大会では2位だったふたりのダブルス。この時の世界ランキングでは伊藤が38位、平野が48位だった。それが今や、伊藤が9位、平野が11位(12月発表)。お互いに急激に成長するがゆえに、ダブルスのコンビネーションが崩れてしまうのは不思議ではない。

しかし、たとえば中国女子のトップクラスの場合、多少の相性はあるとしても、劉詩ウェンと李暁霞が組んでも、朱雨玲と丁寧が組んでも、誰が組んでも世界の頂点を狙える。「決め役」にも「つなぎ役」にもなれる技術力があるからだ。「今は安定性より、どちらも決めにいくプレーになってしまっているけど、安定したプレーも、決めにいくプレーも両方できるようになるのが今後の課題です」と伊藤は言う。今大会の敗北の痛みは「成長痛」のようなものではないだろうか。
  • 中国ペアを相手に、2回戦で敗れた今大会

  • 敗戦後、ベンチに入った中澤コーチと長く話をしていた