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競技用シャツに関するルール改訂
白シャツは着用できるのか?

 競技用服装に関するルールの一部改定が、6月8日に開かれた日本卓球協会理事会で承認された。これは国際ルールでは白いボールでの白色ユニフォーム着用が禁止になっているので、日本でも使用禁止にすべきという提案があったためだ。
 現行の「競技用シャツ、ショーツまたはスカートの色は、使用するボールの色にかかわらず任意とする」というルールが、「競技用シャツ(袖、襟を除く)、ショーツまたはスカートの主たる色は使用するボールの色と明らかに違う色でなければいけない」と改定された。
 一方、中学校体育連盟(中体連)からは、部活動で卓球をやっている生徒は体操服等で試合に出場したり、白色ユニフォームを着用したまま応援することの容認(ただしブロック大会・全国大会では容認しない)を希望していた。
 理事会審議の結果、中学生の卓球離れにつながらないように、大会の主催団体が中学生の初期段階での体操服参加に配慮する中学校体育連盟の要望事項を付け加え、猶予期間を設け、2年後に適用するという、ルール・審判委員会の提案が承認された。オレンジボールを使用する大会では従来通り白色ユニフォームが使用できる。

 もともと89年に当時の国際卓球連盟の荻村伊智朗会長が、「卓球のカラー化」を推進した。これは当時、「卓球はクライ」と喧伝されたことに対し、卓球をよりカラフルにしようという試みだった。
 その結果生まれたのが、ブルーのテーブルとブルーのフェンス(それまでは暗緑色)、公式戦でのエンジの床、そしてオレンジボールと白色ウエアだった。特にそれまでは白いウエアは御法度だった卓球界で、オレンジボールを使用することで白ウエアが着られるようになった経緯がある。
 その後、荻村会長の死後、台の色はそのままブルーだったが、国際ルールではオレンジボールではなく白いボールが使われるようになった。今回の日本卓球協会の理事会でも国際ルールに合わせようとする提案であり、ここ数年国内でもオレンジボールから白いボールに切り替わっている現状があった。
 一方、中学校に入ってから卓球部に入る、いわゆる「部活卓球部員」は学校の白い体操着などで試合に出たり、応援に行ったりすることがあり、それを受けて、中体連は「白色ユニフォーム着用の容認」を日本卓球協会に求めていたのだ。
 今回の理事会では、そういう中学から卓球を始める子どもたちにも配慮し、市内の予選などでは白色ウエアを容認して、ブロック大会や全国大会ではボールと同系色の白色ウエアは着用できないという折衷案をルール・審判委員会が提案し、承認された。

*写真は1995年世界選手権天津大会、中国の孔令輝と劉国梁。オレンジボールを使い、白色ユニフォームを着用している