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世界1位の樊振東を破った男が心機一転、
新たに韓国メーカーと契約

 世界卓球界の新しいスターが韓国ブランドと契約を結んだ。
 1月2日付で世界ランキング6位で、12月のワールドツアー・グランドファイナルで世界ランキング1位の樊振東(中国)に勝ったブラジルのスター、ウーゴ・カルデラノが韓国の卓球メーカー「XIOM(エクシオン)」とアドバイザリー契約を結んだ。

 XIOMは世界の卓球界では『ヴェガ』『オメガ』などのラバーが有名なメーカー。韓国の鄭栄植もアドバイザリースタッフに名前を連ねている。スタイリッシュなパッケージやプロモーションで際立っているブランドだが、カルデラノはフランスの「コニヨール」との契約を終え、XIOMに移った。

「ぼくにとっても新しいスタートになるし、エクシオンと契約できたのはラッキーなことだった。ぼくは前からこのブランドのイメージやデザインが好きだった」とカルデラノはコメント。

 XIOMのフィリップ・キム社長は「ウーゴ・カルデラノは試合の成績や結果だけの選手ではない」と興奮気味に語った。
「彼の個性、卓球、彼の存在そのものが我々XIOMのイメージそのものだ。カルデラノは卓球を離れても、謙虚で魅力的な青年だ。彼と契約できたことは非常にうれしく、誇りを持っている。彼は単なる選手のイメージを超えた何かを持っている。世界の卓球のイメージを変える何かを持っている。それは我々のブランドそのものを変えていくチャンスでもあるし、我々は彼とともにさらに発展することができると思っている。
 今まで世界の卓球は馬龍、許シン、張継科、そして水谷という世代の選手が中心だったが、これからは若い樊振東、張本、そしてカルデラノが新しい時代を作っていく。
 考えてみてほしい。カルデラノはほかの選手のような卓球の文化と歴史を持った国から生まれた選手ではない。彼はブラジルで発掘されたダイヤモンドだ。彼自身がこれからの世界の卓球を変えると思っているし、彼と一緒にブランドを作っていけることは名誉なことだと思っている」

 カルデラノ選手のラバーは『オメガ7』シリーズの中で決まり、ラケットは発売に向けて開発中とのこと。

 現在、世界の卓球界は中国、日本、韓国、ドイツなどが中心となっている。とりわけ、ヨーロッパ勢の低迷が続き、ドイツのボル、オフチャロフ以外に目立った選手はいない。カルデラノはアメリカ大陸から出た史上最強の選手と言われ、拠点をドイツのオクセンハウゼンに置き、ブンデスリーガでプレーしている。「ぼくはどのプレー領域からでもフルスイングでドライブを打てる。みんなはなぜそんなに強く打つんだ、力をセーブしろとぼくに言うけど、これはぼくにとってはノーマルなことなんだ」とカルデラノ。

 グランドファイナルでは、驚異の両ハンドドライブで樊振東を破り、続く張本智和には完敗したものの、世界選手権や東京五輪でメダルを狙う位置まで上がってきた。用具メーカーを変え、世界の卓球関係者の熱い視線を集める選手の、今後の活躍から目が離せない。

卓球王国の1月21日発売号では、カルデラノのインタビューと技術を特集する。
  • カルデラノ(右)とXIOMのフィリップ・キム社長

  • ワールドツアーグランドファイナルで樊振東を破ったカルデラノ

  • 強烈な両ハンドを持つカルデラノ

  • コートから離れた時のカルデラノは謙虚な好青年だ