世界選手権日本代表の選考会が宮城県仙台市のカメイアリーナ仙台で行われ、男子は森薗政崇(岡山リベッツ)、女子は加藤美優(日本ペイントホールディングス)が優勝し、それぞれ日本代表に内定した。
男子は混戦の中を森薗が抜け出し、代表権を獲得した。1回戦で平野(協和発酵キリン)、準決勝で戸上(野田学園高)にそれぞれ4-3で勝ち、決勝では同じ岡山リベッツの吉田を4-1で下し、世界選手権では初のシングルスの出場を決めた。
全日本選手権準優勝の大島は初戦で吉田に逆転負けを喫した。
●森薗のコメント
「ダブルスはある程度今までも結果を残せてきたが、シングルスは残せていなかった。今回は競り合いに勝ちながら自信を重ねていけた。Tリーグのレギュラーシーズンが終わってから1週間、新しいことに取り組んで、それをうまく発揮できた。特に同じチームの林昀儒(チャイニーズタイペイ)のサービスが効いていたので、彼にコツを聞いて取り入れた。Tリーグがぼくを強くしてくれた。ダブルスだけじゃなくてシングルスで勝てることを示していきたい」
●敗れた吉田のコメント
「お互い知り尽くしている相手。1ゲーム目を取って、2ゲーム目の10-9で取り切れなかった。2-0にできたら流れは変わった。森薗はバックハンドで点を取れるようになっていた」
女子は初戦で、ポルトガルオープンで優勝した早田ひな(日本生命)が全日本準優勝の木原美悠(JOCエリートアカデミー)を4-2で下し、準決勝で加藤と対戦。試合は競り合いとなり、最終ゲームで早田が10-5とマッチポイントを奪い、勝負あったと思った瞬間にそこから加藤が挽回。ジュースに持ち込んでからは加藤がしゃがみ込みサービスで2本連続、サービスエースを取り、最後は13-11で加藤が勝利した。
●早田のコメント
「 2-0とゲームをリードしてから相手がしゃがみ込みサービスを多用してきて、うまく対応できなかった。自分の感覚と相手ボールの回転に差があり、レシーブが甘くなった。もっと練習で精度を上げなくてはいけない。最終ゲームの10-8の時に弱気になってしまった」
決勝では加藤は、長崎を破って上がってきた森(日本生命)と対戦し、ラリー戦での強さを発揮し、優勝。デュッセルドルフ大会に続いての世界選手権出場となった。
●加藤のコメント
「正直優勝するのは無理かなと思っていたので信じられない気持ちで、優勝はうれしい。4日前に背中を痛め、本調子ではなかった。早田さんは絶対優勝しようと考えていて、私はリラックスしてできた。マッチポイントを取られて、もうダメかなと思ったけど、開き直ってできた。本大会ではのびのびとやりたいですね」
●森のコメント
「決勝では相手の作戦にうまく対応できなかったし、バック対バックで優位に立てなかった。しゃがみ込みサービスは苦手ではないけれども、その後のラリー展開でうまくいかなかった」
●男子の倉嶋洋介監督のコメント
「森薗はダブルスのスペシャリストと言われてきたが、シングルスも頑張れることを示した。1次選考会の7、8位の二人での決勝で、日本男子の層の厚さがわかる。森薗はもともとチキータはうまいが、今回はバックハンドのパワーもできてきた。彼は研究熱心で向上心のある選手、これから期待したい」
●女子の馬場美香監督のコメント
「加藤選手は早田戦で5-10から粘り強い試合を見せ、自分のペースに持って行けた。早田は試合の戦い方を考えなければいけないし、受け身になってしまった。加藤は今まで試合の中で波があったが、今回はリードされても落ち込み方が少なく、安定していた」