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●女子シングルス1回戦
劉詩ウェン(中国) 7、12、7、9 石川佳純
王曼昱(中国) 8、6、6、6 朱雨玲(中国)
王芸迪(中国) 6、7、6、−6、5 平野美宇

 石川佳純対劉詩ウェン、平野美宇対王芸迪の2試合が続けて行われた女子シングルス1回戦。石川は0−4、平野は1−4でともに敗れた。両選手のITTFワールドツアー・グランドファイナルでの獲得ポイントは同じ1020ポイント。これをもって、世界ランキングのランキングポイントで135点をリードしていた石川が、伊藤美誠に次いで東京五輪・卓球競技の二人目のシングルス代表候補となることが確定した。

 石川は過去0勝11敗の劉詩ウェンに対し、試合後に「2ゲーム取るのが今日の目標だった。2ゲーム取れば勝ちがやっと見えてくる」と試合後のコメント。劉詩ウェンは両ハンドでのストレートの攻めを得意とする石川に対し、特にストレートのバック対バックで優勢に立った。右利きのバックストレートへのバック連打は、対右利きにはあまり使わないコース。コントロールの精度が落ちてもおかしくないのだが、劉詩ウェンのバックストレートのバック連打は見事だった。そしてバックに意識がいき過ぎると、フォアサイドを切られる。ミドルをうまく突いても、一度は効いても二度目にはすかさず狙われた。

 2ゲーム目にはゲームポイントを2回奪い、4ゲーム目も5−1と大きくリードした石川だが、劉詩ウェンからゲームを奪うことはできず。「……強い、劉詩ウェン。まだまだです。ネットやエッジがついても崩れないし、すごく勉強になった」と語った。この時点で五輪代表切符の行方は平野の結果待ちになったが、「今はもう、自分以外のことはどうもできない。やることはある程度できたかなという今の試合だったので、あとはもう待つだけです」とスッキリした表情を見せた。

 一方、平野は王芸迪に対し、出足から思うような試合運びができない。フォアの攻撃力に比べ、バックに難があると思われた王芸迪だが、「平野対策」は相当積んできたか、バック対バックでも簡単には崩れない。逆にバック対バックから王芸迪が先に平野のフォアを突き、ノータッチで抜く。強打者のイメージがある王芸迪だが、サービスも意外にうまく、平野のストップやツッツキのミスが試合を通じて何本も出た。

 緩急をつけたバックドライブなどで得点を重ねた4ゲーム目のプレーが、出足からできていれば結果は変わったかもしれない。しかし、序盤の出遅れを取り戻すことができず、平野も1−4で敗れた。勝てば自力で五輪代表の切符を手にできる戦いだったが、連戦の疲れもあり、センターコートの強い光に照らされた平野の顔は蒼白に見えた。「3人目の五輪代表は自分が決めることではないので、待つだけかなと思いますけど、可能性のある位置にはいる。選んでいただけたらしっかり結果を残せるように頑張りたい」と試合後に語った。