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卓球王国ストーリ-

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 28号で晴れて「月刊コード」を取得。これは「月刊誌」として、雑誌流通の中で認められた証だ。ところが、やる気にあふれていた矢先に大トラブルが発生した。

 それは29号、1999年10月号での出来事。
 印刷も終わり、搬入された新しい卓球王国。そこでなんと「乱丁」が起きた。乱丁とはいわゆる製本ミスで、ページの順番が乱れることだ。
 間に合うところには発送をストップし、すぐに再印刷となったが、書店には間に合わなかった。この号は表紙は木方慎之介選手(当時明治大→協和発酵)で、特集は「ボールを左右に曲げる」。冗談ではないが、まさにページが右や左へ移動してしまった。

 この乱丁本を見たときにスタッフは真っ青となった。どれだけの被害があるのだろうと考えると、今野も頭真っ白の状態になった。すぐに再印刷するものでクレームに対応、交換の処置。そして、取り次ぎ会社に謝罪のため何度も出向いた。

 クレームの電話がじゃんじゃん鳴るかと思いきや「いや〜、変わったページの作り方すると思った」と言われる始末で、悲しいかな、こちらの心配とは別に意外にも影響力がないのかなと逆に落ち込んでしまうほどだった。
 創刊以来、お付き合いをしていた大手印刷会社だったが、あまりに無責任な態度に腹を立て、即刻、取引をやめ、別の大手印刷会社に変えたのは、この次の号から。ところが、印刷コストはそれまでよりもだいぶ安くなり、まさに「災い転じて福となす」ことになった。
 この時、今野が感じたのは「ピンチはそこをしのげばチャンスになるんだ」という人生訓だった。
  • 乱丁になった28号