世界の卓球界を見ると、卓球専門誌は実は数えるほどしかない。
ヨーロッパでは60数万人の登録人口を持つドイツ。『ティッシュテニス』で発行部数は推定15000部前後か? これは月刊誌で、協会の公認誌としてスポーツ系の出版社に委託して作っている。その証拠に、ドイツではクラブ(チーム)も協会への登録制になっており、チーム数も1万ほどあり、協会登録すると自動的にこの月刊誌が送られてくる。
フランスにも『PING PONG』という月刊誌がある。スウェーデンには季刊か隔月かで発行される『PINGIS』、中国には『ピンポン世界』(兵兵世界)と最近新しく発刊された『ピンポン』(兵兵)がある。韓国には『月刊卓球』。
そのほとんどが卓球協会の広報誌、機関誌なのだ。そこで収益をあげるというよりも、協会が予算を取り、広報誌として活用しているのが現状だ。
卓球王国が10周年記念号に、国際卓球連盟のシャララ会長が祝福の言葉を寄せてくれた。
「世界の卓球専門誌はいくつかあるが、わずかな例外を除いて、ほとんどの専門誌は協会が発行したり、卓球メーカーが作っているものだ。ところが、卓球王国は実にユニークだ。民間の出版社が発行している唯一の雑誌だからだ。世界の中でもっともプロフェッショナルな専門誌であることは明らかだ」
もちろん、カナダのITTFオフィスには毎月卓球王国が送られている(彼らは日本語は読めないが、その「質」はわかるらしい)。シャララ会長とは、彼が日本に来るたびに可能な限り、時間を作って会っている。のちに、彼の甥っ子を預かることになろうとは思わなかったが……。 <続く>