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世界ジュニア

●男子シングルス決勝
樊振東(中国) −10、−7、8、6、8、4 林高遠(中国)

 第10回世界ジュニア選手権の最終試合、男子シングルス決勝の主役になったのはやはりこの男だった。男子団体で中国男子優勝の原動力となった樊振東(ファン・ジェンドン)。3大会連続の決勝進出で、準決勝の徐晨皓戦でも「今年こそ優勝を」の気負いが見えた先輩・林高遠を、ゲームカウント0−2からの逆転で下した。

 決勝の序盤は林高遠にバックサイドを重点的に攻められ、決勝を戦う硬さもあって両ハンドのミスが多かった樊振東。しかし、第3ゲーム中盤からエンジンがかかりはじめ、第4ゲームからエンジン全開。ショートスイングのバックドライブからの回り込みパワードライブのコンビネーション、さらに中陣での安定したバックでのしのぎからのバックドライブでの逆襲と、やりたい放題のプレーで会場を沸かせた。台上バックドライブの威力も素晴らしいものがある。

 林高遠はフォア前までカバーする台上バックフリックで樊振東の足を止め、中陣から放つ弧線の低いドライブでカウンターのミスを誘っていたが、当たりがついた樊振東はもう止められない。林は第5ゲーム6−8のリードを守り切れずに落とすと、第6ゲームはやや集中力を欠いたか、攻撃のミスが連続して一気にスコアを離された。

 数年後、この世界ジュニア選手権ハイデラバード大会は、第10回の記念大会としてではなく、樊振東が華々しくデビューを飾った大会として語られるかもしれない。中国の上位独占は悔しい結果だが、樊振東の才能のきらめきは、その悔しさを忘れさせてしまう。今後もこの男からは目が離せない。

下写真は左から樊振東のパワードライブ、3大会連続の2位にベンチで肩を落とす林高遠、表彰での樊振東