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世界卓球東京大会WEB速報

少し遅くなりましたが、昨夜の大激戦、日本女子vsオランダの「星野の眼」です。

1番の平野は安定したフォアドライブで相手のミスを誘った彼女らしいプレーだった。相手は平野のフォアサイドを狙ってきたが、ポイントどころで平野はそれを待ってのカウンターや、先に攻めて相手のフォア攻めを封じ勝利を勝ち取った。

2番、石川対リージャオ。エース同士お互いゆずれない一戦。その中でわずかにリーのほうがミスをしなかった。石川のほうが“勝たなければ”という気持ちが強かったようだ。石川は1ゲーム目のスタートは最高だった。回り込んでのフォアドライブの打球点が早く、しかもストレートを狙っていた。サービスの組み合わせも良く、サービスでのポイント、3球目攻撃が光っていた。2ゲーム目からリーはフォア前をフリックレシーブ。要所でストレートへのフォアドライブ攻撃で石川の攻めを封じた。3ゲーム目から石川の回り込みドライブの打球点が下がった。リーのフォアへのコース攻めに対して足が止まりだしたからだ。4ゲーム目は石川が相手のループドライブを上から押さえた速い攻めと、フォア攻めが有効だった。5ゲーム目はお互いに勝ちたい気持ちが強くなり、力みが入ったように見えた。10-8で石川リードの時にはこのまま押し切ると思われたが、やはりここはチーム戦、石川に力みが見え、逆転を許してしまった。とにかくリーはペン特有の打球点の早いショートがうまく、プッシュ気味のショートも自在に操り、その多彩なテクニックで相手を両サイドに振り回す。バックに比べてフォアは弱いが読みとコース取りが非常に良い選手だ。

3番の石垣の勝利はチームをメダルへと近づけた大きな一勝だった。1ゲーム目の3-7から促進に入った。促進スタート時点での得点差が大きすぎてそのゲームは落としたが、次のゲームからはまさに攻撃力の差が出た試合で最後まで攻撃を確実に決めた石垣の勝利。この緊張した中で、石垣の攻撃にほとんどミスがなかったのはすばらしかった。リーは石垣のフォアへサービスを出し、フォア面裏ソフトでレシーブしたボールを狙っていったが、石垣はそれを封じるためフォアをバックで回り込み表ソフトでレシーブ。それによりリーの3球目での強打ができなくなった。

4番、平野対リージャオ。リーはサービス、フォアへのストレート攻撃、止めるショートやプッシュなどの多彩なバック技術をうまく試合の中で使える選手。この試合は要所でそれをうまく使い平野上回りリーが勝利した。平野はリーのショートを封じるため、リーのフォアサイドを狙ったが、それを読まれて早い打球点で返され、有利な展開にならず。リーの要所で見せる速いフォアカウンターに平野は翻弄され、うまく攻めきれなかった。

5番、石川はまさに執念の勝利。エーラントは3ゲーム目から台から距離をとり、中陣でフォア・バックとも回転をかけてラリーを有利にしていった。そのドライブを石川が止めきれず、3,4ゲーム目を失った。最終ゲーム序盤で0-3とリードされた場面で石川がタイムアウト。そこから流れが変わり、石川のネットプレーからの攻撃も効き、相手はポイントしていた中陣からのラリーができなくなった。石川の実力と勝利への執念がメダルを呼び寄せた。
各選手が実力を発揮し、勝利に貢献。チーム一丸となって勝ち取ったすばらしい勝利だった。