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アジア競技大会・卓球競技

 先ほど行われた男子団体予選リーグの中国男子対シンガポール戦は、予想に反してラストまでもつれる接戦になった。その理由は、若手の樊振東の2失点。2番で中国・河北省出身の帰化選手、チェン・フォンにゲームオール7点、4番で03年世界ジュニアチャンピオンの李虎に同じくゲームオール7点で敗れた。

 チェン・フォン戦では得意の台上バックドライブをうまく狙われ、さらに強引に攻めたボールをうまくコースを突いてブロックされ、反撃を許した。五輪出場の機会を求め、シンガポールに移籍したチェン・フォン。フォアに飛ばされたボールも、驚異的な飛びつきでクロスへカウンターするなど、中国の後輩に対して「簡単には負けないぞ」という思いが垣間見えた。

 一方、4番の李虎戦では、樊振東は完全に自分のプレーを見失っていた。ゲームカウント1ー1の第3ゲームには、11ー1という屈辱的なスコアでゲームを奪われた。体重が増え、かなり動きは落ちた李虎だが、樊振東の心の焦りを見透かすように、ブロックで巧みにいなし、入れに来たレシーブを3球目パワードライブで打ち抜いた。

 これまでジュニアクラスのタイトルを総ナメにしてきた樊振東だが、まだ戦術面では詰めが甘く、強打に頼って得点の手段が少なくなる。躍起になってフォアクロスの引き合いに応じてしまうところがある。
 このアジア競技大会で、4種目にフルエントリーされている樊振東。シングルスでは許シンとともにエントリーされ、馬龍・張継科に続く、リオ五輪の3番目の代表の座を争う立場。しかし、そのオーディションは早くも「落選」の空気が漂い始めている。シングルスで優勝したとしても、この汚名を返上するのは、なかなか難しいかもしれない。
  • プレーが単調になってしまった感のある樊振東(奥)

  • 劉国梁監督(左)、肖戦コーチも厳しい表情

  • 李虎、元中国ジュニア代表の意地を見せる