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世界卓球蘇州大会WEB速報

 世界ランキング5位の石川佳純、8位の福原愛、13位の平野早矢香という「五輪3人娘」に加え、同15位の伊藤美誠、36位の平野美宇の「ミウ・ミマ」コンビが女子シングルスにエントリーした日本女子。福原は12歳年下の伊藤に対し、「プレースタイルも同じだし、私も刺激をもらえる。フレッシュな気持ちで戦えます」とコメント。若くして世界デビューを果たし、マスコミの注目とプレッシャーの中で戦ってきた福原や石川は、同じ道を歩もうとしている伊藤や平野(美)をやさしい目で見守る雰囲気が感じられる。

 一方で今、日本女子は、来年のリオ五輪出場を巡る激しい選考レースのまっただ中にある。今年9月発表の世界ランキングで、アジア大陸予選に出場する2名と、団体のみ出場する3番手が決まる。この蘇州大会で、少しでも良い成績を残して、リオ五輪代表の座に近づきたいという思いはみな同じ。逆に、そのプレッシャーをはねのけてプレーできるかどうか。「世界選手権を(五輪への)通過点とは考えず、しっかり戦って表彰台に上がって、五輪に近づきたい」と福原は語っている。

 石川は世界ランキングの上では、五輪アジア大陸予選への出場の可能性が限りなく高い。本人は「世界ランキングは常に頭の中にあるけど、それより自分の力をしっかり出すことが目標」と語っているが、心理的なアドバンテージは小さくないはず。前回はカットのリ・ミョンスン(北朝鮮)に苦杯を喫したが、プラボールでは対カットの強打に威力と安定性を増しており、カット主戦型に対してもより優位に戦えそうだ。
 公開練習での充実ぶりが光ったのは福原。「休憩時間も惜しい」と言わんばかりに、ふたりの中国選手を相手に精力的に練習をこなしていた。何より今は、再び世界の舞台でプレーできる喜びにあふれている感じだ。中国で抜群の人気を誇り、アウェーでありながらホームの戦いができるのも強み。星野(現姓:馬場)美香コーチの指導で「倍くらい成長した感触がある」と充実感を漂わせる。スペインオープンで準優勝の平野(早)は、30歳という年齢でチキータからの連続攻撃に活路を見出しつつある。「自分の力を出し切ることが目標。出られなかった選手の分までしっかりプレーしてきたい」と決意を語る。

 そして、マスコミから大いに注目を集める伊藤と平野は、中学3年生にして単複での世界代表デビュー。ドイツオープンで衝撃の優勝を果たした伊藤の緩急自在のプレーは魅力的だったが、あの「無欲」のプレーを世界戦の大舞台で出すのは容易ではない。カット打ちがうまいのは強みだが、大会序盤でスムーズなスタートを切りたい。一方の平野(美)は、序盤のスタートはそれほど問題はなさそう。対戦相手のランキングが上がってくる3回戦以降で、突破力を見せられるかどうか。第4シードで臨む女子ダブルスは、合宿では課題である対カットに重点を置いた。逆にカットペア以外なら、アジアの強豪ペアでも互角以上に戦えるはずだ。

 前回の個人戦・パリ大会では、シングルスに出場した7名がすべて3回戦までに姿を消した。しかも、誰ひとり中国選手には当たっていない。東京大会では福原不在の中、銀メダルを獲得した日本女子。蘇州の地で、改めてその存在感をアピールしたい。
  • 男子チームとの練習でパワーアップした石川佳純に期待

  • チキータからの連続攻撃、平野早矢香

  • 堂々の第1シードで大会に臨む福原(右)/若宮

  • 平野(美宇・右)/伊藤ペアも第4シード。快進撃を見せるか?

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※上記リンクは2015年4月時点のものです。