会場に「ニッポン」コールが響き渡っている。それは日本人だけの応援団だけではない。地元のブラジル人も声を上げて応援している。
日本男子は、中国を追い詰めた。2番の水谷が許シンに最終ゲームの7−10から逆転勝ちを収め、観客のボルテージは最高潮に達した。
そして3番のダブルスでも第1ゲームを奪い、中国の劉国梁監督は檄を飛ばし、審判からイエローカードをもらうほどだ。
もしこのダブルスが勝っていれば、日本はラストの水谷対張継科にもつれこみ、今日の水谷の調子なら勝ったのではないかと思わせた。張継科はダブルスの時点で持病の腰痛で動けなくなっていたから、余計に悔しい。
今大会にMVPがあるとすれば、それは金メダリストの馬龍ではなく、水谷がもらうべきだろう。今までの水谷と違う一段上のレベル、それは中国と対等のレベルの卓球を見せた。本当に卓球の神が乗り移ったようなプレーだった。
このチームはもちろん「水谷のチーム」だった。しかし、吉村と丹羽も大事なところでしっかり点を取ったし、悪い出来ではなかった。
これからの日本男子に期待できる。何より全国の一般の人に男子卓球のすさまじさを見てもらえたのがうれしい。