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リオ五輪

 実力から言えば、まだ水谷が一枚も二枚も上だが、敗れたブラジルのカルデラノは敗戦後に大粒の涙を流した。
 卓球不毛の地、ブラジル。今までは日系選手が中心で代表を担ってきたが、カルデラノによって新しいブラジルの卓球の歴史が切り開かれるだろう。
 小さい頃から卓球が盛んな町で生まれていないカルデラノだが、陸上やサッカーに親しみながらも最終的に卓球を選び、越境しながら腕を磨くがやはりブラジルでは難しい。しかし、神が味方したのか、リオ五輪が決まり、国の援助の元、ヨーロッパ各地で練習する機会をもらった。
 
 日本のように強い選手が名門校に集まり切磋琢磨しながら強くなっていく光景はカルデラノには想像つかないだろう。
 2年前からドイツのオクセンハオゼンのマスターカレッジで練習に励み、ブンデスリーガで力をつけてきた。
 抜群の身体能力とクレバーな頭脳。まだまだ強くなるだろう。南米から世界へ飛び出す20歳だ。

 試合後に大粒な涙を流しながら、役員にファンサービスのために観客席にボールを投げることに嫌な顔を見せなかった。彼はここに来た観客たちの多くが卓球を知らない人たちであることを理解していた。少しでも卓球ファンが増えればという気持ちで涙をこぼしながら、ボールを投げていた。
 アフリカのアルナの活躍、そしてカルデラノの躍進と、卓球というスポーツが世界中から個性的な選手を生み出している。
  • しなやかな全身から放たれるドライブは強烈だ

  • 観客は大いに沸いた

  • 家族と思われる人たちと抱き合う。涙は止まらない

  • 涙を流しながらファンサービスに努めた