大会に入ってから倉嶋監督は「丹羽の調子が上がってきている」と言っていたが、まさにそれを証明した。
春先からのワールドツアーでは連戦連敗、世界ランキングも19位まで落としていた。対するは香港のエース黄鎮廷。ペンホルダーの両面攻撃型。丹羽と入れ替わるように世界ランキングをぐんぐん上げ、大会前は世界8位となっていた。
上昇選手と少し落ち気味の選手の対決。しかし、ここで丹羽は意地を見せた。1ゲーム目こそ黄鎮廷に先取されたが、そこから追い上げ、逆転をする。前・中陣でミスがなく、チキータも効いている。
最終ゲームはスタートでリードを奪うも逆転され、そこからの競り合いで最後まで攻めきった。久しぶりに丹羽らしい、速攻を見せた。勝利した瞬間もガッツポーズはないが、胸に手を当て、タオルで顔を覆い、応援席に手を上げた。
あくまでクール。これが丹羽の流儀だが、地元の観客の「ニワコール」に呼ばれ、観客席で記念撮影の時には笑顔がこぼれた。