●男子シングルス準決勝
馬龍(北京市) 3、8、6、ー5、7 王楚欽(北京市)
樊振東(解放軍) キケン 許シン(上海市)
男子シングルス準決勝の馬龍対王楚欽の試合が行われている時、大会審判長からの通知があり、許シンが男子シングルス準決勝を棄権することが発表された。一昨日の男子シングルス準々決勝、昨日の男子ダブルス決勝といずれもインジャリータイム(故障の治療のためのタイム)を取り、やっとのことでコートに立ち続けてきた許シンだったが……。
馬龍対王楚欽という、北京市チームの先輩・後輩対決は、さすがに二枚も三枚も役者が違った。強力なチキータから、クロス・ストレートに威力あるフォアドライブを打ち分ける王楚欽だが、まだ自分のプレーで精一杯。対する馬龍は、バックの横回転ショートを巧みに混ぜ、王楚欽がつないできたところを一発のパワードライブで打ち抜くなど、心憎いプレーを随所に披露。多彩なレシーブで王楚欽に的を絞らせず、4ー1で快勝した。
許シンの棄権で、王楚欽は男子シングルス3位が確定した。2回戦の程靖チィ戦ではマッチポイントを取られ、準々決勝の周愷戦もゲームオールジュースの大激戦。まだ試合運びには詰めの甘さがあり、勝利が近づいてくると守りに入る時があるが、最後の最後まで追い詰められるとすごい力を出してくる。
サービスが非常にうまく、フォアドライブでの体の使い方にも天性の柔らかさを見せる王楚欽。顔つきにはまだあどけなさを残すこのサウスポーを、中国男子チームは厳しく鍛えてくるだろう。樊振東に続く、未来の主力候補だ。