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2018世界卓球ハルムスタッド大会速報

オーストリア戦3番で、アメリー・ゾルヤに勝利した平野美宇。ドイツのペトリサ・ゾルヤの姉であるアメリーは、08年世界ジュニアで2位になった後、オーストリアへ移籍した選手。フォア面に表ソフトラバー、バック面にアンチラバー(アンチトップスピンラバー)を貼る、非常に珍しいスタイルだ。

日本女子チームも、大会前の合宿でゾルヤの使用するアンチラバーを取り寄せ、対策練習を行っていたが、ゾルヤのアンチは予想以上に切れていた。試合後、平野は「もっとナックルかと思っていたけど、ゾルヤのショートは思ったより切れていた」と語った。平野が強く回転をかけたループドライブに対するバックアンチのショートは、ツッツキがネットに直撃するほどよく切れていた。アンチラバーであれだけ切れるというのは不可解だ。

しかし、ベンチで馬場監督に「カット打ちのようにプレーして」と言われて、プレーが少しずつ良くなったと平野は語る。2ゲーム目こそ競り合ったが、3ゲーム目には完全に相手のアンチの変化が読めていた。ゾルヤのフォアハンドに対ループドライブのカウンターがなく、基本的に守備的なプレーに終始したことも幸いした。

ラケットコントロールへラケットを出し忘れたのは……少々ヒヤリとしたが、今後気をつければ良いこと。「自分もヒヤヒヤしたし、チームにも迷惑をかけてしまったので、次からは気をつけたいと思います」(平野)。選手はそれぞれに練習会場で練習してから試合に入っていくので、ラケット提出は基本的に選手が各自で行うのだという。平野は1番が終わった後に提出したラケットを、3番の試合開始時に審判から受け取るはずだったが、「アナタのラケットないわよ?」ということになってしまった。「大丈夫、全然大丈夫だから」とミックスゾーンでキャプテンの石川。照れ笑いの美宇ちゃんでした。
  • A.ゾルヤをストレートで下した平野