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平成30年度全日本選手権速報

●男子シングルス準決勝
大島祐哉(木下グループ) 8、4、-1、8、-8、-4、9 張本智和(JOCエリートアカデミー)

 男子シングルス準決勝第1試合は前回王者の張本が敗れる。フルゲーム9本の手に汗握る大熱戦を制した大島が、昨年度大会のリベンジを果たし、決勝へと駒を進めた。

 昨年度大会の準々決勝でも対戦し、好ゲームを繰り広げた両者。第1ゲームは終盤まで点差が離れずに8-8。ここからサービスがエッジで入るなど、ラッキーなポイントもあり大島が3本連取でこのゲームを奪う。2ゲーム目、フォア前にボールを集める大島に対し、張本はなかなかチキータで先手が奪えない。凡ミスも出だした張本3-4から6本連取を許し、2ゲーム目も大島が奪った。

 ここまでなかなかペースを握れずにいた張本だったが、3ゲーム目に入り、徐々にチキータで狙い打つ展開が増え、3ゲーム目は1点で奪い返す。これで目が覚めたか、4ゲームも序盤は張本ペース。前陣で大島の攻撃を跳ね返し、5-1とリード。だが、大島もじわじわと追い上げ、張本は8-7でタイムアウト。しかし、流れは変わらず、大島が4-8からの7本連取で第4ゲームを奪取。王者を土俵際に追い詰めた。
 だが追い詰められた張本も簡単には倒れない。大島に攻められる展開が続きながらも、執念のブロックで対応。終盤の5本連取で第5ゲームを奪い返すと、第6ゲームも勝負所でチキータが決まり、張本が奪取。勝負の行方は最終ゲームへともつれ込んだ。

 会場から大きな拍手が送られる中スタートした第7ゲーム。台上の厳しい攻防から試合が進み、両者なかなか点差が離れず9-9まで一進一退の緊迫したゲームが続いたが、最後は大島が3球目を得意のフォアドライブで得点、そしてロングサービスを張本がネットにかけ、大島が王者・張本を撃破。魂の咆哮とともに大ジャンプで喜びを表現した。

 大熱戦を制し、決勝進出を決めた大島。台上では厳しいストップとバック深くへ押し込むようなボールで攻めを封じ、ラリーになってもフォアで動き回り最後まで攻め抜いて奪った金星だった。
「3-1になって少し意識してしまい、追いつかれたけど、1球ずつ取っていこうと思っていた。ロングサービスでしか点が取れる気がしなかったので、最後は全部長く出した。決勝も家族が応援に来てくれているので頑張りたい」(大島)

 一方、連覇を逃した張本。「苦しい大会だった」と今大会を振り返った。
「あとひとつ勝てば決勝というところで、少し相手より守りに入ってしまった。逆に相手は自分より動き回って、武器であるフォアドライブで攻めてきた。シングルスが始まってからずっと苦しい全日本でしたし、毎日相手が向かってきたし、今日も今まで以上にフォアで攻められた。今日は大事なところで点数が取れなかった。連覇の期待も自分に対してしていたし、その分プレッシャーも今まで以上にあった。苦しい戦いになると思っていたけど、自分が想像していた以上に苦しい全日本。こんなに去年と違う大会になってしまったのかと、全日本の怖さを改めて知りました。負けてしまったのは悔しいですけど、ポジティブに考えれば世界ランキングには関係のない大会。3月のカタールオープンに向けて死ぬ気で練習したい。」(張本)
  • 最後までフォアで動いて攻めきった大島

  • フルゲームまで追いつき、意地を見せたが敗戦

  • 王者を下した大島、歓喜のジャンプ!

  • 敗戦後「苦しい大会だった」と語った張本