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平成30年度全日本選手権速報

 女子では初の2年連続3冠を達成した伊藤美誠。決勝は1ゲーム目8ー10のピンチを、巻き込みのロングサービスを連発して脱し、その後は「さすが伊藤美誠」というプレー。バック表ソフトの多彩なテクニックは、対戦した木原のベンチに入った劉楽コーチをして「手首が本当に強い。バック表ソフトの技術では世界一だし、木原もあの技術力を目指してほしい」と言わしめるほど。
 4ゲーム目に9ー3から逆転されるひと幕もあったが、次の5ゲーム目も6ー1ときっちりリードを奪って勝利した。優勝後の会見の主な内容は下記のとおり。
 
「3冠はすごくうれしいですし、シングルスで優勝できてホッとしたという感じです。混合と女子ダブルスを優勝してから三冠、三冠とたくさん言われて、でもそれはプレッシャーというより、『もうちょっとで三冠かあ』という感じでした。私の中では目の前の一試合一試合をやりきることしか意識していなかったし、目の前の試合に集中できた。さらに去年よりも良かったかなと思っています。

 決勝はめちゃめちゃ楽しかったです。今の年齢だと、なかなか決勝の舞台で年下の選手と対戦することがない。改めて今の日本女子の層の厚さを感じると同時に、年下の選手には絶対負けたくないと思いました。タイトルを獲られたくないという強い気持ちがあったので、目の前のポイントを取ることをしっかり考えて、勝つことができて良かった。

 去年三冠を取ったことで、私の中でもすごく自信はありましたし、自分の実力を出せれば絶対大丈夫と信じてやってきた。自分を信じて良かったと思います。どの選手が私を倒しにきても、それ以上に私は楽しめたことが一番だったかなと思います。もちろん勝ちたい気持ちはあるんですけど、『勝つ勝つ』というよりは楽しんだほうが勝てると思っている。自分のプレーをして楽しもうと思っていたら、こうやって三冠を獲れました」

 伊藤の後に優勝会見を行った水谷隼は、伊藤のプレーを「ぼくは一試合一試合がいっぱいいっぱい。一試合勝つのも苦しいのに、彼女はすごく試合を楽しんでいるし、本当に見習いたいことが多いです」と評した。全日本10回優勝の水谷にそう言わしめる、驚異のメンタル。2年連続3冠という偉業も、まだ彼女の競技人生の序章に過ぎないのかもしれない。