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全国高校選手権(インターハイ2019)

●男子シングルス
戸上(野田学園) −10、9、6、−7、9 篠塚(愛工大名電)

令和最初のインターハイチャンピオンは戸上隼輔。
昨年に続く2連覇で戸上が高校王者の座を守った。ペンチで涙を流し、戸上を支えた橋津監督も涙をこらえられず。最後の最後に完全燃焼してインターハイを終えた。

試合の展開はサービス・レシーブの攻防に尽きるだろう。
お互いに戦術は同じで、フォア前へのサービスを軸に、ミドル、ハーフロング、ロングサービスを混ぜていく。ストップで相手の強打を封じ、ストップ対ストップで甘くなったところを狙っていく両者。そのサービスの配分、ストップの質が勝負だった。そのため派手なラリーはほとんどない。

1ゲーム目は篠塚が逆転で取り、2ゲーム目は戸上が逆転で取り返す。
レシーブに両者がチキータを混ぜることもあるが、基本的にはストップが主体。ゲームが進むごとにサービスの回転になれて、質の高いストップの応酬となる。
「いつロングサービスがくるんだ?」と両者の心理戦の攻防だった。

お互いにゲームを取り合い、勝負は最終ゲームへ。
戸上がロングサービスで4−1とリードしたところで、篠塚がタイムアウト。台上から攻めていかないと勝てないと踏んだのか、次のボールは台上バックハンドからの連続ドライブで得点した。

6−2の場面で、篠塚が相手のフォアサイドに曲がって出るサービスに変更。ストップにいきたい戸上は判断を誤り、台から出たボールをループドライブしたが、反応が遅れたためかミス。このボールに活路を見出した篠塚は、ここからサイドへのサービスを多様し、点を量産する。

しかし、戸上のサービスもこの土壇場で抜群の切れを見せる。
6−4でぶっつり切った下回転でエースを取ると、次はロングサービスでエース。8−6でもロングサービスで得点するなど、まさに戸上のプレーはサービス力に支えられている。
本人も「サービスの調子が良かった」と語るように、低く鋭く切れている戸上のサービスは、レシーブの角度を間違えれば即失点に繋がり、チキータで狙いにいくのも難しい。
篠塚のネットイン、エッジもあり、10−9まで追いつかれたが、最後は篠塚のチキータをバックにカウンターブロック。篠塚のバックハンドがネットミス。
激戦に終止符を打った。

両手をつきあげた戸上。「ぼくが昨日、負けてしまって、みんなの目標だった団体の優勝を潰してしまって、それが悔しくて、みんなに喜んでもらいたくて優勝できてよかったです」と涙のコメント。

今年もシングルスの優勝カップは野田学園に持ち帰った。