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世界ジュニア選手権大会

 その「疑惑の判定」は、日本対ロシア戦1番の宇田幸矢対カツマン、宇田がゲームカウント0ー2とリードされた3ゲーム目の8ー9で起こった。宇田が大きくフォアに飛びついたフォアドライブに対し、カツマンのフォアでの返球がコートをかすめる。

 「もろに真下に落ちていて、完全にサイドに見えました」とベンチの田㔟邦史監督。確かに映像でチェックしてみても、サイドかどうかすら微妙なボールで、どう見てもエッジではない。主審は最初、宇田の得点と判定したが、副審がエッジと判定したため、カツマンの得点とした。日本側の猛抗議も実らず、8ー10でカツマンのサービス。次の一本でロングサービスからのカウンタードライブを決めたカツマンが、それまでのガッツとは裏腹に静かに試合を終わらせたのは、思えば多少の「バツの悪さ」があったのかもしれない。

 試合後、田㔟監督は判定への疑問を語った。「主審は一度こちらの得点にしたのに、副審の主張を受け入れて相手側(カツマン)の得点にしている。選手は審判を選べないんです。宇田の試合でも大事な場面でしたけど、優勝がかかっているようなもっと重要な場面だったら、どうなっていたのかと思います」。試合中、主審があくびをしているのを目にしたという田㔟監督。「今回来ている審判は本当にプロなのか。そこは疑問を感じます」。

 審判の質について、疑問を呈した田㔟監督だが、国際大会でも必ずといっていいほどトラブルの種になるエッジ・サイドの判定について、こう提案する。
 「これだけエッジとサイドで揉めるんだったら、ITTF(国際卓球連盟)にも考えてもらって、もうサイドも卓球台にしてしまえばいいんじゃないですか。サイドは狙って簡単に当てられるわけじゃないし、サイドに当たったら全部『イン』という判定にすればいい。それなら、選手も納得して次のプレーに移ることができる。今のルールで、真下に落ちたボールを『エッジ』と判定されたら、選手は立ち直れないですから」

 確かに「エッジか、サイドか」の判定に比べれば、審判としても「卓球台に当たったか、当たっていないか」の判断のほうが容易なのは間違いない。テニスコートのような平面ではない、立体の卓球台をプレー領域とする卓球において、一考の余地はありそうだ。