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世界ジュニア選手権大会

●ジュニア女子団体決勝
 〈中国 3ー1 日本〉
○石洵瑶 ー11、ー9、9、8、8 長崎
○蒯曼 11、ー11、6、7 出澤
 陳イ ー3、9、ー3、ー7 木原○
○石洵瑶 ー10、12、7、8 出澤

 日本女子、中国と3時間に迫る大熱戦を展開したが、1ー3で敗れ銀メダル……!

 トップ長﨑が中国のエース石洵瑶から2ゲームを先取し、幸先の良いスタートを切った日本女子。変化の大きい巻き込みサービスがよく効き、大会序盤は不調だったバックドライブが面白いように決まる。石洵瑶のバックハンドはスイングが大きく、前陣でのピッチの早いバックの打ち合いなら長崎がまさっていた。3ゲーム目に7ー9から9ー9に追いつきながら、このゲームを落としたのが悔やまれる。試合の後半もスコアは競ったが、長崎のサービス・レシーブがやや単調になった感があった。

 そして日本が2番と4番に起用したのは異質攻守の出澤。「準々決勝、準決勝となかなか調子の波に乗れなかった。出澤をエース起用するこのオーダーを起爆剤にしたかった」と試合後の渡邊隆司監督。「普段は、勝負に出るようなオーダーを組むことはあまりない」という渡邊監督の思い切ったオーダーだった。

 出澤は左腕の蒯曼(クァイ・マン)にロングサービスをミドルに集められ、そこから左右にコースを散らされ、「フォアの二度攻め」で逆を突かれる。それでも、まだ15歳の蒯曼は2ゲーム目の10ー8のゲームポイントからサービスミスで崩れ、このゲームは13ー11で出澤。3ゲーム目も5ー1と大きくリードを奪う。しかし、準決勝の北朝鮮戦で1点を献上した蒯曼も、ここが「踏ん張りどころ」と驚異の7点連取。出澤のプレーは決して悪い内容ではなかったが、若さとパワーに屈した。

 しかし、日本も3番木原が1点を返す。試合前、練習場で中澤鋭コーチ(JOCエリートアカデミー女子監督)とサービスからの3球目や、フォア前へのレシーブについて入念にチェックしたという木原。「1球目攻撃」と呼ぶに相応しい迫力を備えたフォアの巻き込みサービスを、長身の陳イのフォア前とバックに散らし、これが抜群によく効いた。あまいレシーブを高い打球点の連続攻撃で攻めた木原が快勝し、日本が1点を返す。

 このオーダーではエース対決となる4番は、出澤と石洵瑶。出澤が1ゲーム目、7ー10からの5点連取で逆転する。ラストの長崎対蒯曼に回れば勝負はわからない。出澤はバック対バックの展開では相手に余裕を持たれると、思い切って回り込んでフォアで攻撃を仕掛けた。それでも経験豊富な石洵瑶のプレーは崩せず。出澤が回り込むタイミングで、突然フォアにロングサービスを出すなど、世界ジュニア4大会連続出場の貫禄を見せた。

 試合後、木原は個人戦に向けて「自分が一番勝ちたいと思うのは石洵瑶選手。一番強いと思うから、勝って自信をつけたい」とコメント。日本の前に立ちはだかった石洵瑶に、シングルスでひと泡吹かせたい。