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全日本卓球選手権大会

●男子シングルス決勝
宇田幸矢(JOCエリートアカデミー/大原学園) 11、9、ー8、10、ー11、ー6、9 張本智和(木下グループ)

令和初の全日本、最後の最後にニューヒーロー誕生!
男子シングルス優勝は宇田幸矢!

準決勝の戸上戦を乗り越えた張本。決勝は手の内を知っている宇田が相手だけに有利かと思われた。1ゲーム目は6ー3、8ー6のリードから9ー9に追いつかれるが、10ー9でゲームポイント。ここでフォアのサイドを切って台から出るサービスを、サポートを迂回して「横入れ」しようとしてミス。勝負のポイントとなる1ゲーム目のゲームポイントで、それはあまりにリスキーなプレーに思えた。結局、この1ゲーム目は13ー11で宇田が先取する。

2ゲーム目以降も、張本のプレーはいつもの鋭さがなく、やや緩慢に見えた。宇田の打球点の高いフォアドライブは切れ味鋭く、フォアサイドに打たれると張本はドライブやカウンターの返球より、当てるだけのブロックが多くなる。強化してきたはずのフォアハンドが元の形に戻ってしまう。張本は2ゲーム目も落として0ー2のビハインド。3ゲーム目は中盤で突き放して11ー8で奪うが、4ゲーム目も張本7ー3のリードから宇田が8ー7と5点連取で逆転、12ー10で宇田が制す。

そして張本が絶体絶命の窮地に追い込まれたのが5ゲーム目。張本8ー7から張本のフォアドライブを宇田が鮮やかなバックカウンターで打ち抜き、そのまま10ー8でチャンピオンシップポイントを握る。

ここはフォアクロスのドライブの打ち合いからフォアストレートに打ち抜き、さらに10ー9でフォアドライブでレシーブエース。体を折り曲げて吠える張本。会場は大歓声に包まれ、13ー11で張本が逆転。6ゲーム目も宇田に何度も連続ドライブを決められながら、しぶとく得点を重ねて11ー6で奪う。

最終ゲームは張本が4ー1でリード。しかし宇田が目の覚めるような両ハンド強打を連発。張本のフォアが当てるだけになってしまい、何本でも打たれてしまう。そして中盤では張本がリードを保ちながら、フォアサイドへのハーフロングのサービスをドライブでレシーブしたところを、宇田に回り込んで何本も打ち抜かれる。張本9ー8のリードから、張本が3球目バックドライブをミス。そして最後は、宇田のフォアへのハーフロングサービスを張本が2本続けてレシーブミス。二度のマッチポイントを跳ね返した張本だが、ついに勝負あった。

昨年11月の世界ジュニアでそのプレーを見て、技術・戦術の幅が広がり、冷静なプレーができるようになったと感じた宇田。しかし、この優勝までは予想できなかった。小学生時代から全国タイトルを獲得してきた実績を考えれば「新星」とは言えないが、左腕の強豪ひしめく日本男子に、またひとりすごい男が現れた。

※現在、全日本選手権速報は過去の記事も含め、画像が表示されない状態になっております。復旧まで今しばらくお待ちください
  • 宇田幸矢、「下克上」のサプライズV!

  • フォアドライブのスイングスピードは抜群だった

  • 張本は強化してきたフォアサイドで、守備的なプレーが多くなった

  • 決勝の舞台で、ショックの大きな敗戦となった