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全日本卓球選手権大会

 2年ぶりの優勝にあと一歩まで迫りながら、宇田幸矢に敗れて準優勝となった張本智和。表彰を待つ選手の控え席で、頭を抱えたまま微動だにしない姿に、落胆の大きさを感じさせた。

 昨年12月のITTFワールドツアーグランドファイナルでは、「天敵」許シン(中国)を相手に堂々たるフォアドライブの連打を繰り出し、互角以上に戦った張本。今大会も4回戦から4戦連続のストレート勝ちという圧巻の強さを見せていたが、準決勝の戸上戦の第2ゲームを落とし、初めてゲームを失ってから、かつての「ブロッキングスタイル」に近いフォアハンドに戻ってしまった。

 しかし、張本は他のどの選手よりも敗戦に学び、そこから這い上がることで急成長を遂げてきた選手だ。失意の敗戦を喫した直後に、あえて失礼な言い方をさせてもらえば、16歳の彼はまだまだ「負け足りない」。今大会で得た教訓は、夏の東京五輪に向けての妙薬となるだろう。以下は会見でのコメント。

「準決勝と決勝、どちらの試合も相手が高校生で、思い切り来るのはわかっていたけど、危ない試合を続けているとどこかで負けてしまう。出足が悪かったと思います。準決勝は相手のプレーにやられてしょうがないけど、決勝は大事なところで凡ミスやネットインがあり、流れをつかみきれなかった。
 決勝の5ゲーム目の8ー10では、やるしかないと思っていたので相手のサービスは読めた。そこは良かったです。最終ゲームは9ー8での3球目のミスがもったいなかったのと、レシーブがずっと手こずっていたので、最後もコースが絞りきれなかった。

 今大会は2位なので、(収穫は)特に何もなかった大会です。学んだことは特にない。やっぱり次は負けないように頑張りたい。初戦だったり、2回戦や3回戦くらいはまだあまり緊張もなくて、良いプレーができたんですけど、準決勝・決勝ではそういうプレーができなかった。自分が年下なのに先に攻めることができなかった。プレースタイルは少しずつ良い方向に向かっていると思うので、最後の大事なところでも出せればいいなと思います。

 全日本選手権は全員が向かってくるので、試合ではどれだけリードされるかわからない。だから、いつでも逆転できるよう準備はしていたし、よい盛り返しができたけど、最後は足りなかった。全日本もオリンピックや世界選手権の次に大きな大会、盛り返せても取り切れなかったのは自信にはつながらない。準決勝まではとても良い試合だったんですけど、決勝1試合でここまで戦った自信が一気になくなった感じはある。またイチからやるしかないかなと思います。

 決勝は年が近いほうが相手は向かってくるし、相手には注意していた。全日本だからこそできるプレーをさせてしまった。そこを耐えて勝っていれば優勝できた、という悔しさはあります」(張本)
  • 表彰式後の会見でも落胆を隠せなかった張本